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感染症・がんの治療薬 抗菌薬3
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キノロン系抗菌薬
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キノロン(ピリドンカルボン酸)系抗菌薬 フルオロキノロン ピリドンカルボン酸 キノロン キノロンカルボン酸 (ニューキノロン)
ナリジクス酸 (1962) ノルフロキサシン(1978) 抗グラム陰性菌 → 尿路感染症 グラム陰性・陽性菌に対して強力な抗菌作用 DNAジャイレース阻害
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キノロン系抗菌薬(オールドキノロン) ナリジクス酸(経口) シノキサシン(経口) ピペミド酸(経口) グラム陰性菌(緑膿菌,嫌気性菌を除く)
尿路,腸管感染症 シノキサシン(経口) ピペミド酸(経口) グラム陰性菌 代謝を受けにくい グラム陰性桿菌に対する抗菌力増強 緑膿菌に有効
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キノロン系抗菌薬(ニューキノロン) ノルフロキサシン(経口)
大腸菌,赤痢菌,Salmonella,Citrobacter,肺炎桿菌,Enterobacter,Serratia,Proteus,インフルエンザ菌,緑膿菌,淋菌 ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属 副作用:横紋筋融解症 小児適用あり
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キノロン系抗菌薬 ロメフロキサシン(経口) Acinetobacter,Peptostreptococcus に抗菌力拡大
副作用:光線過敏症
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オフロキサシン(経口) シプロフロキサシン(経口,注射) レボフロキサシン グラム陽性菌に対する抗菌力増強
Acinetobacter,Peptostreptococcusに拡大 シプロフロキサシン(経口,注射) グラム陰性菌に対する抗菌力増強 Acinetobacter,Peptostreptococcusに拡大 レボフロキサシン 抗菌力増強(2倍)
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代表的キノロンの抗菌スペクトル レボフロキサシン(経口,注射) ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,炭疽菌,
Peptostreptococcus,アクネ菌(Propionibacterium acnes) 淋菌,緑膿菌,Moraxella catarrhalis,Acinetobacter,Legionella, 野兎病菌, Q熱コクシエラ(Coxiella burnetti),大腸菌,赤痢菌,Salmonella,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter,Serratia,Proteus,ペスト菌,Providencia,Morganella morganii,コレラ菌(Vibrio cholerae),インフルエンザ菌,Campylobacter,Brucella トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis),肺炎クラミジア(Chlamydophila pneumoniae),肺炎マイコプラズマ
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キノロン系抗菌薬 パズフロキサシン(注射) トスフロキサシン(経口) グラム陰性菌,陽性菌に対する抗菌力増強
Burkholderia cepacia,Stenotrophomonas maltophilia,Bacteroidesに抗菌力拡大 マイコプラズマに適応なし 小児に適応あり 副作用:横紋筋融解症 グラム陰性菌に対する抗菌力強化Bacteroidesに抗菌力拡大
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キノロン系抗菌薬 プルリフロキサシン(経口) シタフロキサシン(経口) プロドラッグ型キノロン グラム陰性菌,陽性菌に対する抗菌力増強
緑膿菌を含むグラム陰性菌に対する 抗菌力強化 経口吸収性改善 グラム陰性菌,陽性菌に対する抗菌力増強 Prevotella,Porphyromonas,Fusobacteriumに抗菌力拡大 副作用:下痢・軟便
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キノロン系抗菌薬 ガチフロキサシン モキシフロキサシン(経口) グラム陽性菌に対する抗菌力増強 グラム陽性菌に対する抗菌力増強
グラム陰性菌に対する抗菌力やや低下 Burkholderia cepacia,Stenotrophomonas maltophilia,Bacteroidesに抗菌力拡大 呼吸器への移行性良好 副作用:血糖異常・・・外用薬 グラム陽性菌に対する抗菌力増強 グラム陰性菌に対する抗菌力やや低下 呼吸器への移行性良好 1日1回投与
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キノロン系抗菌薬(デスフルオロキノロン)
ガレノキサシン(経口) ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,Moraxella catarrhalis,大腸菌, Klebsiella,Enterobacter,インフルエンザ菌,Legionella pneumophila,肺炎クラミジア,肺炎マイコプラズマ 肺への移行性良好,1日1回投与 多剤耐性肺炎球菌などの耐性菌を含む呼吸器・耳鼻咽喉科領域感染症の起炎菌に対して優れた抗菌活性
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キノロン系抗菌薬の特徴 ・グラム陰性・陽性菌に対して強力な抗菌作用
・グラム陰性桿菌に対するPAE(postantibiotic effect) ・DNAジャイレース,トポイソメラーゼⅣ阻害 ・一般的に副作用は弱く,発現頻度も低い(3~5%) ・消化器系症状・・・食欲不振,胃部不快感,悪心・嘔吐,下痢 ・過敏症状・・・発疹,痒み,ショック ・光線過敏症(ロメフロキサシン) ・中枢神経系症状・・・眩暈,ふらつき,頭痛,頭重,不眠,眠気 ・横紋筋融解症(トスフロキサシン,ノルフロキサシン) ・血糖異常・・・糖尿病患者(ガチフロキサシン) ・乳幼児の関節軟骨障害 ・テオフィリン投与患者における血中テオフィリン濃度上昇 シプロフロキサシン,トスフロキサシン ・痙攣誘発・・・非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)との併用(GABA結合阻害) フェンブフェン,フルルビプロフェン・・・ノルフロキサシン,ロメフロキサシン ケトプロフェン ・・・シプロフロキサシン
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サルファ薬
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レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)感染マウスを用いたスクリーニング
サルファ薬の発見 Gerhard Domagk ( ) レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)感染マウスを用いたスクリーニング プロントシル・ルブラム スルファミン (1935)
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サルファ薬の作用機序 p-アミノ安息香酸 スルファミン ジヒドロプテロイン酸 ジヒドロ葉酸 チミジル酸合成系 → DNA合成
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長時間作用型サルファ薬 スルファジメトキシン(経口,注射) レンサ球菌属,肺炎球菌,大腸菌,
髄膜炎菌,軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi ) 咽頭・喉頭炎,扁桃炎,髄膜炎 膀胱炎,腎盂腎炎,軟性下疳 副作用:血液障害,皮膚障害
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ST合剤 5 : 1 スルファメトキサゾール・トリメトプリム 緑膿菌を除くグラム陰性桿菌,腸球菌(経口) 上気道,尿路感染症(他剤無効例)
5 : 1 スルファメトキサゾール・トリメトプリム 緑膿菌を除くグラム陰性桿菌,腸球菌(経口) 上気道,尿路感染症(他剤無効例) ニューモシスチス肺炎(注射) 強い副作用:血液障害,アナフィラキシー
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スルファメトキサゾール ジヒドロ葉酸 トリメトプリム テトラヒドロ葉酸
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抗結核薬
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抗結核薬 結核菌 Mycobacterium tuberculosis エチオナミド(経口) イソニアジド(経口,注射) 細胞内寄生性
細胞壁ミコール酸・・・薬剤透過性低 エチオナミド(経口) イソニアジド(経口,注射) 肺結核,その他の結核症 作用機序:ミコール酸生合成阻害 副作用:肝障害,末梢神経障害 (四肢のしびれ感など) 肺結核,その他の結核症 作用機序:ミコール酸生合成阻害 副作用:肝障害,胃腸障害
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抗結核薬 デラマニド(経口) 多剤耐性肺結核症 作用機序:ミコール酸生合成阻害 副作用:QT延長
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抗結核薬 リファンピシン(経口) 抗生物質リファマイシンB誘導体 肺結核,その他の結核症 非結核性抗酸菌症,ハンセン病
作用機序:DNA依存性RNAポリメラーゼ阻害 副作用:肝障害,胃腸障害 尿・汗・コンタクトレンズの赤色着色 肝臓の薬物代謝酵素P450を誘導し,血中濃度 を低下させるため,下記薬物との併用は禁忌 インジナビル,サキナビル,ネルフィナビル, ホスアンプレナビル,アタザナビル(抗HIV薬) デラビルジン(抗HIV薬) ボリコナゾール(抗真菌薬) プラジカンテル(抗吸虫薬) タダラフィル(勃起不全治療薬) リファンピシン(経口)
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抗結核薬 リファブチン(経口) 抗生物質リファマイシンB誘導体 結核症,非結核性抗酸菌症 作用機序:DNA依存性RNAポリメラーゼ阻害
副作用:肝機能障害,白血球・血小板減少症 尿・汗・コンタクトレンズの赤色着色 リファンピシンより薬物間相互作用が弱い 併用禁忌:ボリコナゾール(抗真菌薬) リファブチン(経口)
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抗結核薬 ピラジナミド(経口) エタンブトール(経口) 肺結核,その他の結核症 肺結核,その他の結核症(経口) 非結核性抗酸菌症
細胞壁アラビノガラクタン生合成阻害 副作用:視神経炎 肺結核,その他の結核症(経口) 結核菌ピラジナミダーゼにより活性化 ピラジン酸 → トランス翻訳阻害 副作用:肝障害,関節痛
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抗結核薬 カナマイシン(注射) ストレプトマイシン(注射) 肺結核,その他の結核症 ブドウ球菌,肺炎球菌,淋菌,大腸菌,
Klebsiella,Proteus,Morganella morganii, インフルエンザ菌,緑膿菌,百日咳菌 30Sおよび50Sリボソームに結合し タンパク合成阻害 副作用:聴覚神経障害,腎障害 ストレプトマイシン(注射) 肺結核,結核症,ペスト,ワイル病, 感染性心内膜炎,野兎病 30Sリボソームに結合しタンパク合成阻害 副作用:聴覚神経障害,腎障害
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抗結核薬 サイクロセリン(経口) エンビオマイシン(注射) 肺結核,その他の結核症 アラニンラセマーゼ阻害 → ペプチドグリカン生合成阻害
D-Ala-D-Ala合成酵素阻害 アラニンラセマーゼ阻害 → ペプチドグリカン生合成阻害 副作用:中枢神経障害 エンビオマイシン(注射) 肺結核,その他の結核症 タンパク合成阻害 副作用:聴覚神経障害
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イソニアジド + リファンピシン + ピラジナミド + エタンブトール or ストレプトマイシン
結核の標準治療法 イソニアジド + リファンピシン + ピラジナミド + エタンブトール or ストレプトマイシン 2か月 イソニアジド + リファンピシン 4か月 抗結核薬の副作用 イソニアジド リファンピシン ストレプトマイシン エタンブトール ピラジナミド 肝障害,末梢神経障害 肝障害,胃腸障害 聴覚神経障害,腎障害 視神経炎 肝障害
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その他の合成抗菌薬
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ハンセン病治療薬 らい菌(Mycobacterium leprae) ジアフェニルスルホン(経口) クロファジミン(経口) リファンピシン
葉酸生合成阻害(サルファ薬と同様) クロファジミン(経口) リファンピシン オフロキサシン DNA複製阻害 マクロファージのリソソーム活性化 ハンセン病の標準治療法:リファンピシン + ジアフェニルスルホン + クロファジミン
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抗嫌気性菌,ピロリ菌薬 メトロニダゾール(経口)
嫌気性菌:Peptostreptococcus,Bacteroides,Prevotella,Porphyromonas, Fusobacterium,Clostridium,Eubacterium ピロリ菌・・・アモキシシリン + PPI 副作用:食欲不振,胃の不快感,吐き気 ,末梢神経障害,痙攣発作 妊婦禁忌 作用機序:細菌のニトロ還元酵素系によってニトロソ化合物に変化し,DNA鎖を切断する
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抗MRSA,VRE薬 リネゾリド(経口,注射) MRSA,VREFを含むグラム陽性菌に有効
適応:バンコマイシン耐性Enterococcus faecium(VREF) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) 副作用:骨髄抑制による血小板減少,下痢,悪心・嘔吐,視神経障害
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抗MRSA薬 抗VRE薬 バンコマイシン,テイコプラニン リネゾリド アルベカシン ダプトマイシン ムピロシン(鼻腔用軟膏)
キヌプリスチン・ダルホプリスチン リネゾリド
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抗菌薬使用上の注意
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最適な抗菌薬の選択 感染臓器の決定 抗菌薬の臓器移行性 感染微生物の決定(推定) 感受性の高いものを選択
抗菌薬の臓器移行性 感染微生物の決定(推定) 感受性の高いものを選択 抗菌スペクトルの狭いものを選択・・・耐性化対策 患者の状態把握 重症度,年齢,他疾患,副作用歴,常用薬 抗菌薬の副作用,薬物間相互作用
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抗菌薬使用上の注意 菌交代現象 強力な広域抗菌薬の長期使用
強力な広域抗菌薬の長期使用 →スペクトル外の病原体,非病原性細菌などが異常増殖 菌交代症・・・カンジダ症,偽膜性大腸炎 長期使用をなるべく避け,長期使用時には要観察 耐性菌の増殖 抗菌薬の乱用により,レンサ球菌,ブドウ球菌,結核菌などが耐性化 最適のスペクトルをもつ抗菌薬を選択,不必要時に乱用しない 抗菌薬の副作用 重篤な副作用・・・薬剤アレルギーによるショック 患者の薬剤使用歴を十分にチェック 抗菌薬と他薬との相互作用 感染症は急性疾患であることが多く,常用薬との相互作用に注意
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代表的な抗菌薬の使用上の注意 ペニシリン系・・・アレルギー性ショック カルバペネム系・・・腎毒性,中枢神経毒性
アミノグリコシド系・・・聴器毒性,腎毒性 キノロン系・・・非ステロイド抗炎症薬との相互作用 小児に使用できないものが多い テトラサイクリン系・・・耐性菌が多い グリコペプチド系・・・アレルギー反応,腎毒性 リンコマイシン系・・・菌交代症
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抗菌薬の組織移行性
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臓器移行性が高い抗菌薬 ・肺 マクロライド系,キノロン系,テトラサイクリン系・・・肺炎治療薬 リンコマイシン系 ・肝・胆汁
マクロライド系,キノロン系,テトラサイクリン系,リンコマイシン系 ペニシリン系(ピペラシリン) セフェム系(セフォペラゾン,セフブペラゾン,セフピラミド,セフトリアキソン) ・腎・尿路 ペニシリン系,セフェム系,モノバクタム系,カルバペネム系, アミノグリコシド系,キノロン系,グリコペプチド系 ・髄液 クロラムフェニコール,ペニシリン系,カルバペネム系,キノロン系 セフェム系(セフトリアキソン,セフォタキシム,セフタジジム,ラタモキセフ)
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抗菌薬の吸収 腸管から吸収され,経口薬,注射薬ともに使用される キノロン系,マクロライド系,テトラサイクリン系
キノロン系,マクロライド系,テトラサイクリン系 腸管から吸収されないため,注射薬のみ アミノグリコシド系,グリコペプチド系,カルバペネム系 腸管から吸収される群と吸収されない群がある ペニシリン系,セフェム系 血清タンパク質と強く結合するため外用薬のみ ムピロシン
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