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1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 All images are compressed.

2 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 コンピュータビジョンにおける最適化手法 池内研ポスドク2年目 宮崎大輔

3 本日の内容 松山隆司,久野義徳,井宮淳 「コンピュータビジョン 技術評論と将来展望」 第11章 コンピュータビジョンにおける最適化手法 -モデルの妥当性と解の安定性- 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

4 予備知識:誤差関数 データ を一つの数値 y=aで表したい いまいち いまいち ピッタリ合う! 15 10 5
いまいち いまいち ピッタリ合う! 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

5 予備知識:誤差関数 データ と の差 y=4だと差が大きい y=10だと差が小さい 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

6 予備知識:誤差関数 差 が最小となるときのaが データ を で最も良く表すことができる
この差を誤差関数・コスト関数・目的関数・ペナルティ関数という 関数の最小化方法は様々な方法があるが,ここでは述べない 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

7 予備知識:誤差関数 ちなみに,この例での解答は は下に凸の2次関数なので 最小値の点では微分の値が0 これを とすると をaで微分すると
6 は下に凸の2次関数なので 10 最小値の点では微分の値が0 これを とすると をaで微分すると よって つまり, つまりaはyiの平均: 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

8 二階微分を小さくする→曲線が滑らかになる
予備知識:微分と滑らかさ 二階微分を小さくする→曲線が滑らかになる 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

9 関数当てはめ問題 データ←多項式やスプライン関数のパラメータ推定 関数を人間が与える 関数の自由度を上げる→うまく当てはまる
弛緩法・正則化法・最適化法 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

10 これを解く→ill-posedな問題:解が一意に定まらない
正則化手法 2次元画像から3次元復元 解は無数にある 正則化手法:数学的に「安定」な解 これを解く→ill-posedな問題:解が一意に定まらない 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

11 サンプリング点に滑らかな関数を当てはめる
点の数:N 当てはめる関数:f 各点のデータ:(xi,yi) データが関数にどれだけ近いかを表す 2階微分が小さい→滑らか 曲率が小さい(=曲率半径が大きい) 曲率大 曲率小 これを最小化すれば 滑らかな関数でデータを表せる これが正則化の基本的な考え方 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

12 別の例:線形関係Az=uで,uからzを求める
正則化手法 別の例:線形関係Az=uで,uからzを求める を最小化する方法 正則化項 ペナルティ項 Azとuがどれだけ近いかを表す 先程の例だと 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

13 滑らかな関数 解空間が巨大なill-posedな問題 解が安定になる物を選ぶ 解が滑らかな関数となる物を選ぶ
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

14 正則化パラメータの決定法 誤差が分かっている場合は誤差に応じて決める 学習により誤差を計算する など このλをどうやって決めるか?
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

15 計算方法 確率的な手法 決定的な手法 シミュレーテッドアニーリングなど 最急降下法など 確率的な手法は計算時間がかかる しかし
確率的な手法は扱える問題の範囲が広い 決定的な手法で解ける問題であれば, 能力でも計算時間でも決定的な手法が有利 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

16 コンピュータビジョンの問題と正則化 ノイズ除去 形状復元 エッジ検出 領域分割 オプティカルフロー ステレオ視 動的輪郭モデル
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

17 ノイズ除去 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

18 ノイズ除去:スプライン関数 観測データに対するスプライン関数の当てはめ 重みの計算 安定化汎関数(正則化項)は 観測データ 重み
微分による滑らかさ 観測データに対するスプライン関数の当てはめ 重みの計算 この2つを交互に繰り返して計算する 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

19 ほとんど滑らかだが,いくつか不連続点がある場合
ノイズ除去:不連続点 ほとんど滑らかだが,いくつか不連続点がある場合 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

20 にはノイズが載っているので,それをキレイにして
ノイズ除去:GNC法 データ にはノイズが載っているので,それをキレイにして にする 最小化: ペナルティ項 正則化項 データuが当てはめる値yに どれだけ近いかを表す シャープになって欲しい部分は: 滑らかになって欲しい部分は: (一次微分) 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

21 ノイズ除去:GNC法 反復回数を増やすごとにrとqを近づけて,最終的にr=qとすれば, 連続部分と不連続部分がはっきりと検出できる 一次微分
を使う (微分が小さい→変化が小さい→滑らかな部分) 一次微分 がしきい値rより大きいとき を使う (微分が大きい→変化が大きい→不連続部分) 一次微分 がしきい値rとqの間のとき を使う 反復回数を増やすごとにrとqを近づけて,最終的にr=qとすれば, 連続部分と不連続部分がはっきりと検出できる 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

22 ノイズ除去:多価関数 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

23 ノイズ除去:多価関数 データ点yは関数f1かf2のどちらかに属する
yがf1に一致すればy-f1が0になり,(y-f1)(y-f2)も0になる yがf2に一致すればy-f2が0になり,(y-f1)(y-f2)も0になる ペナルティ項 正則化項 これを最小化→観測データがどっちの 曲線・曲面に属するかを指定する必要がない 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

24 コンピュータビジョンの問題 2次元の情報から3次元の情報を復元する ill-posedな問題 (ペナルティ項)+λ(正則化項)
滑らかさを表す ステレオやオプティカルフローなどのコスト関数 これまでのスライドでは正則化項の説明ばかりしてきたが これ以降のスライドでも正則化項の説明をメインに行う 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

25 形状復元 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

26 2次元画像の格子(x,y)に復元したい3次元情報fがある
形状復元:Sobolev半ノルム 安定化汎関数(正則化項)としてソボレフ半ノルムを使用 2次元画像の格子(x,y)に復元したい3次元情報fがある fのx軸方向とy軸方向の微分→滑らかさ 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

27 形状復元:Controlled continuity stabilizer
安定化汎関数(正則化項)として以下を使う ρ→0:正則化項が使われず,不連続になる ρ→大:正則化項が効いてきて,滑らかになる τ→0:1次微分を最小化→連続な直線に近くなる τ→1:2次微分を最小化→滑らかな曲線に近くなる τとρの値を各点ごとに適切に変えることにより 不連続部分も滑らか部分もうまく表現できる vとτとρは交互に推定する反復計算 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

28 エッジ検出 エッジ検出にも利用される(詳細は省略) 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

29 領域分割 領域分割(詳細は省略) (概念図) 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

30 この明るさの変化を利用して物体の動きを計算する
オプティカルフロー 物体が動くと,ある点の明るさが変化する この明るさの変化を利用して物体の動きを計算する 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

31 (注:オプティカルフローは物体の動きを表さない状況もある)
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

32 実感が沸かないと思うので次のスライドで具体例で説明する
オプティカルフロー オプティカルフロー方程式 画素の濃淡の変化に対する拘束 物体表面の輝度 物体の速度 実感が沸かないと思うので次のスライドで具体例で説明する 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

33 具体例 輝度の傾き x軸だけの例で説明する 輝度の傾き この点に着目 時刻t 時刻t+1 t-1 t t+1 時刻t-1 物体の速度
オプティカルフロー方程式が成り立つ 大きな変化がなく,小さな変化がある場合 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

34 オプティカルフローを解こう 輝度 は分かっており,そこから 物体の速度 を求めたい
未知数は2つで,方程式は1つなので,ill-posedな問題 正則化手法で解く 正則化項 物体速度の微分を最小化 →隣り合った点の速度は大体同じ 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

35 ステレオ視 「形状復元」の項で説明した正則化項が利用できる 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

36 Snakes (Active Contour)
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

37 Snakes (動的輪郭検出法) 初期輪郭を設定 エネルギー関数を最小化するにつれて, 輪郭は滑らかな曲線を描きつつ,エッジに近づいていく
最終的に,エッジの場所で収束する 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

38 エネルギー関数 輪郭の滑らかさ 一次微分 二次微分 円に近づける 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

39 エネルギー関数 エッジの強さ 画像の一次微分→エッジ エッジに近づける 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

40 Snakesの問題点 初期輪郭の位置によって解が変化する 事前知識を導入することがむずかしい 計算時間がかかる
パラメータα,βによって解が変化する トポロジの変化に対応できない 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

41 様々な改良(詳細は省略) 解空間の解析 事前知識の導入 高速計算法
初期値にあまり依存せずに解を求めるためには,最小化を行う関数がどのような性質を持っていればいいかを解析 事前知識の導入 輪郭をある曲率に近づくようにする 物理モデルを導入 形状を文法規則で記述 トポロジの変化に対応 高速計算法 動的計画法 Greedy Algorithm 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

42 幾何モデルに基づくSnakes Snakesをこの方向に動かす: 法線 曲線 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

43 幾何モデルに基づくSnakes この部分の意味→曲線の滑らかさ まずは の意味 曲率が小さい (曲がっている率が小さい
→あまり曲がっていない) 曲率が大きい (曲がっている率が大きい →かなり曲がっている) 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

44 幾何モデルに基づくSnakes この部分の意味→曲線の滑らかさ まずは の意味 法線 凸:曲率が正 凹:曲率が負
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

45 幾何モデルに基づくSnakes この部分の意味→曲線の滑らかさ 次に の意味 エッジ 0: エッジに近い 1: エッジから遠い
gは0~1の関数 g=1 g=0 g=1 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

46 幾何モデルに基づくSnakes この部分の意味→曲線の滑らかさ 最後に の意味 曲線 曲線 エッジ エッジ 曲線がエッジに近いと
gは0に近い 曲線がエッジから遠い gは1に近い 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

47 幾何モデルに基づくSnakes この部分の意味→エッジに向かう動き まずは の意味 エッジ エッジ g=1 (説明の都合上
横方向の位置 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

48 幾何モデルに基づくSnakes この部分の意味→エッジに向かう動き まずは の意味 gの一次微分→gの傾き(接ベクトル) g
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

49 幾何モデルに基づくSnakes この部分の意味→エッジに向かう動き まずは の意味 一次元の場合は 法線が右向きだった場合 はただのかけ算
二次元の場合は これが内積に 変わるだけ g 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

50 幾何モデルに基づくSnakes この部分の意味→エッジに向かう動き 最後に の意味 法線が右向きだった場合 g g
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

51 まとめ 解空間が大きすぎて,解が見つからない問題 正規化項を付ける 解空間をせばめて,それらしい解を見つける
宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo

52 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法
1st U30 Workshop, 2006 Sep, Tokyo 宮崎大輔:コンピュータビジョンにおける最適化手法 Daisuke Miyazaki 2006 Creative Commons Attribution 4.0 International License. 宮崎大輔, "コンピュータビジョンにおける最適化手法," U30ワークショップ, 東京, 2006年9月


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