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第9回 星間物質その2(星間塵) 東京大学教養学部前期課程 2012年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
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星間ガスに比べて光の吸収・放射が非常に強い
星間塵 固体の星間物質(質量で1~2%) 星間ガスに比べて光の吸収・放射が非常に強い 減光 = 吸収 + 散乱
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星間塵の元素組成 酸素・炭素・マグネシウム・シリコン・鉄 などが主成分
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星間減光 D F=L / (4 p D2) m=M+5log(D/10pc) D F=L exp(-t)/ (4pD2)
m=M+5log(D/10pc)+A A=2.5(loge) t =1.086 t A=星間減光(Interstellar Extinction)と呼ばれ、星間空間中の微小な 固体微粒子が原因と考えられている。 「天体輻射論I/恒星物理学特論IV」 東京大学(学部/大学院) 中田好一先生講義資料
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Log(Av/Aλ) 星間減光曲線 星間吸収曲線 -1 -2 -3 -1 0 1 log(λ) 2
「天体輻射論I/恒星物理学特論IV」 東京大学(学部/大学院) 中田好一先生講義資料 星間吸収曲線 -1 -2 -3 log(λ)
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減光曲線の比較 縦軸:λσH MW LMC Dot-dashed: graphite SMC Dotted: silicate
水素原子一個あたり換算の 星間塵による減光断面積× 波長 Dot-dashed: graphite Dotted: silicate Dashed: PAH Solid: total extinction SMC Takagi et al.(2003)
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UV-optical extinction curve Calzetti et al. 1994
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減光係数の計算例(Mie散乱・吸収)
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非常に小さい塵からの赤外線放射 T= h/CH=10/0.01=1000 [K] !!
宇宙塵が小さくなればなるほど,その熱容量は小さくなる。 (半径0.001mの塵は 熱容量CH=0.01 [eV/K]くらい。) 一方星間空間の光子のエネルギー(E=h)は1~10eV(=1.2~0.12m)。 このため一個の光子が吸収されると塵の温度は非常に上がる! 半径0.001mの塵の場合h=10eVに対して T= h/CH=10/0.01=1000 [K] !! 半径0.03m以下の塵についてはこの効果が顕著に見られる。
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星形成の活発な銀河の 中間赤外スペクトル 赤外未同定(PAH?)バンド フラックスの対数 ホットダスト (~200K) 波長〔ミクロン〕 5
ISOの15μmバンド ISOの7μmバンド フラックスの対数 ホットダスト (~200K) 5 10 15 20 波長〔ミクロン〕
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多環芳香族炭化水素 (polycyclic aromatic hydrocarbons, PAH)
Draine & Li 2006 ベンゼン環 中間赤外線スペクトルでしかはっきりと同定できない星間塵種族
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銀河系の星間塵からの放射スペクトル 中性水素ガスの分布と良く相関している。 Dot-dashed: graphite
Dotted: silicate Dashed: PAH Solid: total (Dwek et al.1997 & Takagi et al.2003)
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問9. Vバンド(0.55mm) での減光等級AVとKバンド(2.2mm)でのそれAKの間には の関係がある。
第9回の問題 問9. Vバンド(0.55mm) での減光等級AVとKバンド(2.2mm)でのそれAKの間には の関係がある。 1)銀河中心と我々の太陽系の間に、 の中性水素ガスがあるとする。AVおよび、AB (Bバンド、波長0.44mm)を求めよ。 2)上の場合、Vバンドで観測される銀河中心の天体のフラックスは、塵に依る減光で何分の1になっているのか?またKバンドではどうか?
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