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平成27年12月5日 医療機関の障害者雇用ネットワーク 代表世話人 依田晶男

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1 平成27年12月5日 医療機関の障害者雇用ネットワーク 代表世話人 依田晶男
働く広場公開座談会 医療機関における 精神障害者の職域開発 平成27年12月5日 医療機関の障害者雇用ネットワーク 代表世話人  依田晶男

2 障害者雇用に対する医療現場の反応 「患者に何かあったら誰が責任を取るのか」 「院内には、障害者にできる仕事が見当たらない」
「有資格者中心の職場である」 「障害者にできそうな清掃・洗濯・厨房などは既に外注してしまっている」

3 こんな医療機関もあります 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構発行の「働く広場」2012年12月号から転載

4 「専門職員に歓迎される障害者雇用」とは?
従来、看護師等の職員が業務の片手間に 行っていた作業を切り出し、 障害のあるスタッフが行う業務として 集中・再編成することによって、 雑務から解放され本来業務に専念できる 職員から歓迎され、 医療機関の業務の効率性が向上するような 障害者雇用

5 「業務の効率化」という視点 障害者雇用が進んでいる事業所では、障害のあるスタッフが従事する仕事を切り出す過程で、業務の見直し・再編が進み、全体として業務の効率化が進んでいる。 看護師・薬剤師等が毎日行う仕事の中には、国家資格を有する職員が行う必要のないものも含まれており、障害者雇用を始めることで、こうした作業から解放されれば、国家資格を活かす業務に専念できる。 障害者雇用を進めることにより、業務の効率化が進み、職場の働く環境が改善されれば、職員の満足度も高まり、看護師等の離職も減り、新たな人材確保もしやすくなる。医療機関の経営上のメリットも大きい。

6 院内の意思決定に必要な「納得感」  医療機関内で障害者雇用を本格的に進める上では、院長や看護部長を含む病院幹部が共通認識を持ち、確固たる意思決定を行うことが必要。  ハローワークからの指導を受けての 「やらされ感」で取り組むのではなく、障害者雇用を機会に業務全体の効率化を図ることで、 「専門職員に歓迎される障害者雇用」を実現するという意識で取り組むことがポイント。  そのためには、先行事例の医療機関を訪問し、看護部門や事務部門の職員から直接話を聞き、具体的なイメージを共有して「納得感」を持つことが大切。少なくとも看護部長と事務部長は、先行事例を実際に見に行くべき。

7 業務の切り出し ハローワークを通じた就職数のうち身体障害は3割に過ぎず、今や知的障害や精神障害(発達障害を含む)も視野に入れた人材確保を考えないと、法定雇用率の達成は難しい。 そのためには、業務を再整理して、比較的単純な作業に整理する「業務の切り出し」が不可欠。この過程で、業務の内容が詳細に把握されるため、業務の効率化を進める契機にもなる。 検討段階から看護部長等に参加してもらい、病棟や外来の業務負担を軽減するため、看護師等でなくてもできる単純作業を切り出し、それを障害のあるスタッフの仕事とすれば、「専門職員に歓迎される障害者雇用」が自然な形で実現できる。

8 病床規模の「大きい」医療機関の場合  病床規模の「大きい」医療機関では、障害者の必要雇用数も多いため、障害のあるスタッフを特定部門にまとめて配置し、支援・指導を担当する専任職員を配置して体制を整え、院内各部門から単純・軽作業を切り出すことが可能。  仕事の種類が多ければ、個々の障害のあるスタッフに適した作業を割り当てることができる。  専任の支援職員としては、外部から非常勤職員として採用したり、高齢者の再雇用人材の中から適任者を見出して配置する例が多い。  支援職員の配置については、一定の要件に該当すれば、障害者雇用安定奨励金の活用も可能。

9 病床規模の「小さい」医療機関の場合  病床規模の「小さい」医療機関では、障害者の必要雇用数も少ないため、支援・指導を担当する専任の支援職員を配置するだけの体制を作るのは難しい。  自分の業務を行いながら、障害のあるスタッフの指導・支援も兼務で行う者の負担が大きくならないような配慮が必要。  「障害のあるスタッフの特性」と「従事する仕事の内容」「受け入れる職場の体制」を見極めた個別のマッチングが重要。  外部の支援機関から障害特性や配慮ポイント等を学んだり、採用前の職場実習で本人を知る機会を作るとともに、ジョブコーチ支援などを活用すると効果的。

10 医療機関で切り出した業務の具体例  障害者雇用を積極的に進めている医療機関では、特定の業務だけでなく、院内にある多様な業務から障害のあるスタッフが従事できる業務を切り出している実態がある。  「事務系の業務」は、他の産業分野とも共通する業務が多く、郵便物の仕分け・配達、文書や物品の搬送、データ入力等の業務は、大手企業の本社などで精神障害や知的障害のあるスタッフが活躍している職域でもある。  「医療系の業務」は、まさに医療機関ならではの業務であり、業務の種類も量も相当なものが院内に存在している。この分野での職域をどう開発するかが、医療機関での障害者雇用を進める上での「鍵」となる。

11 看護部門の仕事(病棟) ベッド清掃・ベッドメイク 清拭タオル折り ストレッチャーの清掃 車椅子の清掃 点滴台の清掃 ドアノブや床等の消毒
ラウンジの清掃、給茶機等の管理 病棟等の飾りつけ 手術室の清掃 内視鏡の洗浄 入院患者の職歴の聞き取り

12 ベッド清掃・ベッドメイク業務

13 手術室の清掃業務 ラウンジの清掃業務

14 内視鏡の洗浄業務 ベビーカーの清掃業務

15 看護部門の仕事(事前準備) 固定用テープのカット 各種パック(注射器、薬剤、清綿等)の切り離し 処置セットの袋詰め シート等の折り畳み

16 テープカット業務

17 薬剤部門の仕事 薬品への注意事項シール貼り 薬剤説明書の折りと封入 処方箋の整理 薬剤伝票の整理 薬剤用ろ紙の折り 薬剤カートの病棟への運搬
薬剤カートの清掃 薬剤空箱のバーコード読み取り

18 薬剤カートの搬送業務

19 検査部門の仕事 人間ドック部門の仕事 計量カップへのシール貼り(検体量表示) 未使用アンプルのシールはがし 病理標本の整理とデータ入力
人間ドック受診者に送付するキットの封入 問診票のデータ入力

20 リハビリ部門の仕事 作業療法室のテーブルや椅子出し リハビリ用具の準備 作業用材料のコピー(何百枚単位) テーブル等の清掃・消毒

21 事務部門の仕事(メッセンジャー系) 郵便物の仕分け・配達 郵便物の発送 宅配物の配達 病棟・外来と事務部門の文書搬送 日用雑貨・文具の搬送
DPC用紙等の配付

22 郵便物の仕分け業務 郵便物の発送業務

23 事務部門の仕事(文書系) データ入力 アンケートの集計・自由記載欄の入力 会議資料のコピー・セット 書類の編纂 バーコードスキャン 名刺作成
部署印の押印 封筒への文書の封入 掲示物資料等の加工(ラミネート等)

24 名刺の作成業務

25 事務部門の仕事(労務系) カルテ庫の文書整理 図書室の本の整理 廃棄文書の回収 シュレッダー処理 会議室の設営・清掃
院外での健康教室の設営・資料準備 敷地内の植栽の手入れ 敷地内外の清掃

26 会議室の設営と清掃業務 病院敷地内の植栽の手入れ

27 医療機関の障害者雇用ネットワーク ホームページをご覧ください


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