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双極性障害(躁うつ病)に対する リチウム療法開発に関わった人たち

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Presentation on theme: "双極性障害(躁うつ病)に対する リチウム療法開発に関わった人たち"— Presentation transcript:

1 双極性障害(躁うつ病)に対する リチウム療法開発に関わった人たち
John Cade Mogens Schou

2 躁うつ病研究のバイブルといえば

3 95年に全米を驚かせたジャミソン教授の告白本
98年に出された翻訳

4 自分の人生に炭酸リチウムを 丁重に受け入れるためのルール
1.夕食の招待客がやってくる前に、あるいは、新しい恋人が泊まりにくる前に、薬の棚はからにしておくこと。 2.その翌日、忘れずに薬を棚にもどすこと。 3.以前はたやすくこなせたスポーツができなかったり、うまくできないとしてもきまり悪がらないこと。 4.コーヒーをこぼしても、八歳の子どものようなたどたどしいサインしかできなくても、十分以内でカフスボタンがとめられなくても、笑いとばせるようになること。 5.きっと自分は「炭酸リチウムの世話にならなくちゃ」とだれかが冗談を言ったら微笑むこと。 (躁うつ病を生きる,ケイ・ジャミソン著,1998)

5 自分の人生に炭酸リチウムを 丁重に受け入れるためのルール(続き)
6.かかりつけの医者が人生の混沌を鎮めるための炭酸リチウムの盛りだくさんの効用を説明したら、きっぱりと、物わかりがよい態度でうなずくこと。 7.安定するのを待つ間、辛抱すること。ひたすら辛抱すること。ヨブ記を再読し、ヨブのように忍耐強く、辛抱し続けること。ー略ー 8.努力なしには読むことができないという現実に苛立たないようにすること。冷静に。たとえ読めたにせよ、おそらくそのほとんどは覚えていられないのだから。 9.かつてのように熱中せず、活力にかけている状態に慣れること。   かつてのワイルドな夜についていっさい考えないようにすること。   おそらく、あのような夜迎えるべきものではないのだから。

6 自分の人生に炭酸リチウムを 丁重に受け入れるためのルール(続き)
10.つねに、どれくらい良くなっているかを正しく把握すること。ほかのみんながしばしば大げさにいってくれることは、うるさいほど言ってくれることは、おそらく本当なのだ。 11.感謝すること。薬をやめようと思うのはもってのほか。 12.薬をやめれば、家族、友人、医師から以下の基本的二大論点を聞かされるだけでなく、本当に躁病に、うつ病になる。            ・ずっと良くなっていたのにばかげてる。           ・だから言っただろう。 13.棚に薬を補充すること。

7 わが国で用いられている 炭酸リチウム 日本では のみ始めて一定の濃度になり効き始めるのに5-7日かかる
1日 mg分2-3で始めて 最大1日1200mgまで 再発予防には mg分1-3 のみ始めて一定の濃度になり効き始めるのに5-7日かかる 血液中の濃度のチェックが欠かせない 典型的な躁に対しては60%の有効率 再発予防は50%以下の有効率 わが国では100mg、200mgの錠剤がある

8 最近わが国でもよく用いられる バルプロ酸 元来はてんかんの治療薬 1日400-1200mg分2-3 リチウムの効きにくいタイプに効く
徐放剤では分1-2 躁に対する効果は2-3日で リチウムの効きにくいタイプに効く ラピッドサイクラー 躁うつ混合状態 不機嫌の強い躁 脳の器質的な異常 商品名デパケン200mgの錠剤 100mgの錠剤、徐放剤もある

9 わが国で効果が見出された カルバマゼピン 元来はてんかんの治療薬 わが国で躁に対する効果が見出された
1日 mg分1-2から開始し、1200mgまで 肝臓の薬物代謝酵素誘導により薬の濃度に影響 重い皮膚の副作用がまれに起こる 商品名テグレトール200mgの錠剤 100mgの錠剤もある

10 躁を抑えるときの治療濃度の範囲 (予防は低い濃度で)
リチウム mEq/L( ) バルプロ酸 ng/ml カルバマゼピン 8-12 ng/ml

11 リチウムは血液中の濃度の チェックが必須 服用開始(量の変更)後5-7日にチェック その後は3-6ヶ月毎に
消炎鎮痛剤(ロキソニンなど)、降圧剤(レニベースなど)は、のみ合わせで中毒の危険あり要注意

12 気をつけるべきリチウム中毒の症状 1.5-2 mEq/Lのレベルでは 2-3 mEq/Lのレベルでは 3 mEq/Lを超えると
脱力、下痢、失調、嘔気嘔吐、傾眠 2-3 mEq/Lのレベルでは めまい、失調、かすみ目、耳鳴、錯乱、言葉のもつれ、ミオクローヌス、反射亢進、構語障害 3 mEq/Lを超えると けいれん、不整脈、血圧低下、昏迷、筋硬直、昏睡から死に至る リチウム中毒は緊急の治療が必要 投与の中止 利尿作用のある薬の点滴で尿への排泄を促進する 3.0 mEq/L以上では血液透析治療が必須

13 バルプロ酸の副作用 自覚症状で多いのは 他覚的な副作用としては 悪心、嘔吐、体重増加、振戦、眠気
肝機能の異常:GOT, GPT の上昇(時に見られるが通常一過性) 血液凝固能の異常(ときにみられる) 脱毛 急性膵炎(まれ)、催奇形性

14 注意すべき副作用 リチウム バルプロ酸 カルバマゼピン 多飲・多尿 甲状腺機能低下症 腎性尿崩症 血小板減少症 肝毒性 催奇形性
再生不良性貧血 血小板減少 多形性紅斑性発疹; スティーブンス・ジョンソン症候群

15 適応拡大が進む新しいタイプの 抗精神病薬(日本ではまだ適応外)
躁に対してよく用いられる 過度の鎮静、パーキンソン症状、うつ転が少ない、剤形も豊富に うつに対する効果も オランザピン(ジプレキサ) しかし体重増加がネック リスペリドン(リスパダール) 無月経、アカシジア クエチアピン(セロクエル) 眠気、たちくらみが 最近注目されるアリピプラゾール(エビリファイ)

16 双極性うつに対する効果で注目された ラモトリジン
元来はてんかんの治療薬 従来に気分安定薬の弱点であったうつに効く うつの再発を遅らせる 躁には効かない 皮膚の副作用の欠点が 日本ではまだ 商品名ラミクタール

17 ラモトリジンの欠点 ゆっくりと増量するため急性期には使えない 薬疹が出やすい 躁の治療、予防効果はない 徐々に増やさないと約1割に
まれに重い薬疹(スティーブンス・ジョンソン症候群)が出ることある バルプロ酸と併用すると血中の濃度が倍になる 躁の治療、予防効果はない

18 双極性感情障害と上手く付き合うには (いかにして再発を防ぐか)
双極性障害についてよく知ること 本人だけでなく、それを支える家族も双極性障害に関する知識を持つ必要がある よくなっても治療を継続すること 主治医との一致協力関係(コンコーダンス)が欠かせない 再発の早期の徴候を確認しておくことも必要 薬を欠かさず服用すること 薬を忘れずに服用することが必須である 睡眠・生活のリズムを規則正しくすること 再発を防ぐには生活パターンを安定化させること 生活上のストレスで睡眠不足になると再発しやすい

19 当事者も参加するピッツバーグの 双極性障害国際会議


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