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平成17年度 卒業論文発表資料 ゼロエミッションをめざした 産業ネットワークの形成に関する研究
平成17年度 卒業論文発表資料 ゼロエミッションをめざした 産業ネットワークの形成に関する研究 流通情報工学課程 諸岡 祐一 それでは私、諸岡祐一の発表を始めさせていただきます。よろしくお願いします。 研究テーマは、ゼロエミッションをめざした産業ネットワークの形成に関する研究です。
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研究の背景 「大量生産、大量消費、大量廃棄」の社会システム 地球資源の枯渇化 埋立地の残存容量の懸念 研究の背景です。
経済の発展した現在における、大量に生産し、消費、廃棄するというシステムが、次の環境問題を引き起こしています。 それは地球資源の枯渇化と埋立地の残存容量の問題です。 。 地球資源の枯渇化 埋立地の残存容量の懸念
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産業廃棄物の排出量 廃棄物削減の対策=ゼロエミッション 近年は横ばい状態 有限である環境資源、埋立地の減少などで深刻な状況
(百万t) 近年は横ばい状態 グラフは近年の産業廃棄物の推移です。ほぼ横ばいで減少傾向にないため、将来的にも有限である環境資源や廃棄物の埋立地の減少などの問題で深刻な状況となっていると言えます。 そこで、廃棄物削減が必要であり、その対策として本研究のテーマでありますゼロエミッションという理念があります。 有限である環境資源、埋立地の減少などで深刻な状況 廃棄物削減の対策=ゼロエミッション
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研究目的 産業ネットワーク形成の視点から、ゼロエミッションを検討する。 産業間のフロー量、再資源化フローについて検討する。
産業ネットワークのモデル図を示し、廃棄物削減における現状からのフローの変化について分析する。 研究目的として、ゼロエミッションを推進するにおいて、産業ネットワークの形成という観点から検討していきます。 その具体的な内容として、産業間のフロー量と再資源化におけるフローについて検討します。 また、産業ネットワークのモデル図を示すことによって、ゼロエミッションを推進することで現状からどのような変化が起こるのか、産業間のフローの視点から検討していきます。
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ゼロエミッションの概要 廃棄物を再資源化し、社会全体で循環させることにより、最終的に廃棄物ゼロを目指す。 ⇒廃棄物削減
⇒廃棄物削減 資源を有効利用することで、自然環境から新規の原材料(マージン原材料)を採取する量を抑制する。 ⇒地球資源の保全 ある産業の廃棄を別の産業の原材料として再資源化することによる有効利用。 ⇒産業ネットワーク ゼロエミッションの概要の説明です。 ゼロエミッションの理念には、廃棄物を原材料として再資源化することにより、自然界のサイクルを模範とした資源循環型社会を構築することで、廃棄物ゼロに近づけていくことが挙げられます。 次に、廃棄物の有効利用によって、自然環境からの新たな原材料の採取を抑えることが期待でき、地球資源の枯渇化などの問題に対応します。 そこで、これらのゼロエミッションの理念に基づき、ある産業の廃棄を別の産業の原材料として再資源化する、産業間のネットワークについて考える必要があります。
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産業ネットワークの検討点 他産業からの調達(インプット)、他産業への生産(アウトプット)を明らかにすることで、産業間のフローについて検討する。 発生した廃棄物について、「どこから」、「どこへ」、「どれくらい」といった再資源化の詳細を検討する。 次に、産業ネットワークの詳細についてです。 その検討点として、ある産業について、他産業からの資源の調達と他産業への商品の生産、つまりインプット、アウトプットの関連性を明らかにし、産業間のフローについて検討します。 次に、廃棄物の再資源化において、どの産業から発生し、再資源化にどのようなフローが関連し、またどのくらいの量が再資源化されるのかといった詳細について検討します。
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産業ネットワークの構成要素 産業(ノード) ⇒排出産業廃棄物の多い10産業を選択。 フロー(リンク) 最終需要 廃棄量 再資源化量 フロー
産業A フロー 産業Cの最終需要 産業B 産業C 次に、本研究における産業ネットワークの構成要素を簡潔に説明します。 まず、ネットワークはノードとリンクで構成されています。 今回、ノードを産業とし、環境省の調査における排出産業廃棄物の多い10産業を選択しました。 図では、仮にノードを産業A、産業B、産業Cとします。 次にリンクとして産業間のフローを考えます。 次に最終需要を考えます。最終需要とは、産業の生産物の最終消費地における需要量です。つまり、最終需要量によって、各産業の必要生産量が決まります。 次に廃棄量です。廃棄は各産業が生産活動を行うことにより発生します。図では産業Cの生産活動により発生した廃棄を表しています。 最後に再資源化量です。ある産業から発生した廃棄を、別の産業間のフローにて再資源化します。図では、産業Cで発生した廃棄を産業Aから産業Bへの生産活動における資源として再利用しています。 以上のような産業ネットワークを最適化し、最終的に排出される廃棄量を最小に抑えることについて検討していきます。 再資源化 産業Cの廃棄
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産業ネットワークの定式化 目的関数(最終廃棄物量) min ← 排出廃棄物量 再資源化量 過剰生産量 制約条件
排出廃棄物量 再資源化量 過剰生産量 ⇒最終的に発生する廃棄物量を最小にする。 制約条件 ⇒各産業は、最終需要を満たす生産活動を行う。 ⇒再資源化できる量、及びそのフローを制限。 最適化には、産業ネットワークを定式化する必要があります。 本研究では、最終的な廃棄物量を決定付ける要素を、産業からの排出廃棄物量、他産業への再資源化量、産業間における過剰生産量の3点として次のように定義しました。この式を目的関数とし、最小とすることを目的とします。 次に、目的関数を決定する上で満たさなければならない制約条件についてです。 一つに、各産業が最終需要を生産活動を行う必要があります。 また、各産業の廃棄について再資源化可能量、及び再資源化される他産業へのフローについての制約を付けます。
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使用するパラメーター 産業連関表 ⇒産業間のキャッシュフロー、最終需要額を利用する。
⇒産業間のキャッシュフロー、最終需要額を利用する。 ⇒投入係数(ある産業の単位生産における他産業の必要生産量) 原単位データブック ⇒産業連関表の円単位からエネルギー量(J)に変換。 廃棄物産業連関表 ⇒廃棄物の再資源化率を設定。 次に、定式化においてしようするパラメーターについてです。 使用する資料として、産業連関表という統計資料により、産業間での取引額、最終需要額を使用します。 次に投入係数という項目によって、産業の単位生産あたりの他産業の必要生産額が分かり、産業間とのインプット、アウトプットの関連を決定付けます。また、最終需要による各産業の必要生産量もここから求めます。 原単位データブックにより、円単位表示である産業連関表をエネルギー量の単位に変換することで、量的な検討をできるようにします。 次に廃棄物産業連関表という統計資料により、廃棄物の再資源化率や、再資源化されるフローを決定します。 以上の要素を用いて、産業ネットワークの最適化を数理計画法により行いました。
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最適化の結果 排出廃棄物量:1,378,250GJ 最終廃棄物量(目的関数):901,808GJ ⇒排出廃棄物量の約34.6%を削減
⇒排出廃棄物量の約42.1%の再資源化 再資源化 再資源化量 最適化の結果です。ここでは、エネルギー量についての検討をします。 目的関数である最終廃棄物量は廃棄物の再資源化の効果によって、排出廃棄物量の約34.6%を削減することができました。 また、再資源化の効果の結果として、廃棄物の再資源化量は排出廃棄物量の約42.1%を再資源化しています。 次に、再資源化量についての詳細を検討します。
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最適化の結果2(再資源化量) 現状では、同一産業間での再資源化が多い。 効果的な再資源化 51602 2060 12973 9561
フロー (アウトプット産業→インプット産業) 再資源化量[GJ] 01 農林水産業 食料品→食料品 51602 02 鉱業 窯業・土石製品→建設 2060 03 食料品 12973 04 パルプ・紙製品 パルプ・紙製品→パルプ・紙製品 9561 05 化学製品 化学製品→化学製品 7778 06 窯業・土石製品 建設→電気・ガス・熱供給・水道 3118 07 鉄鋼・金属 機械→機械 9970 08 機械 328869 09 建設 476 10 電気・ガス・熱供給・水道 電気・ガス→電気・ガス 226 効果的な再資源化 この表は、再資源化量について、各産業からの廃棄物について最も再資源化量が多いフローを列挙してあります。 傾向としては、現状では同一産業間での再資源化の割合が多くなっています。 ただし産業によっては、他産業への再資源化も目立ち、農林水産業では食料品産業への再資源化、窯業(ようぎょう)・土石製品業は建設業から電気・ガス産業へのフローにおいての再資源化が目立ちます。 現状では、同一産業間での再資源化が多い。
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産業ネットワークモデル図 総合として21.4%の削減 特に食料、建設、電気・ガス業において生産量の変化が見られる。 8.6% 0.3%
農林 0.3% フロー フロー量削減率(%) 50以上 40~50 30~40 電気 鉱業 38.5% 46.4% 食料 建設 43.1% パルプ 機械 21.9% 14.9% 総合として21.4%の削減 化学 次に最適化に伴う産業間のフロー量の削減率に注目した産業ネットワークのモデル図を示します。産業の隣の数値は、産業のアウトプットにおける総合削減率を示します。さらに、リンク間の削減率として50%以上の削減、40~50%の削減、30~40%の削減と3つのレベルに分けました。 傾向としてみると、特に食料、建設、電気・ガス産業へのフロー量の変化が大きいことが分かります。また、一つ前のスライドで示しました、再資源化の影響も現れています。 鉄鋼 土石 14.0% 17.0% 20.1% 特に食料、建設、電気・ガス業において生産量の変化が見られる。
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まとめ ゼロエミッションを推進することで、廃棄物の発生量についてその削減効果を定量的に示すことでその効果を実証できた。
定式化された産業ネットワークの最適化によって、効率的な再資源化の産業間フローを示すと同時に、産業ネットワークにおけるフロー量の削減についてモデル図を示すことで部分的な変化を検討することができた。
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ご清聴ありがとうございました。
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