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第8回授業(5/31)での学習目標 一事例デザインとは? 分割区画型反復測定デザインとは? メタ・アナリシスとは?。

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1 第8回授業(5/31)での学習目標 一事例デザインとは? 分割区画型反復測定デザインとは? メタ・アナリシスとは?。

2 一事例実験デザインとは(1) Barlow と Hersen (1984) によれば、19世紀後半の生理学や心理学の初期の実験では、一人の被験者に対して繰り返し測定を行うことにより、普遍的な結果を得、それぞれの分野に大きなインパクトを与えていたという(テキスト、p.26)。 このようないわば1事例に対する実験は、現代流に言えば一事例実験デザイン(single case experimental designs) のはしりに他ならない。

3 一事例実験デザインとは(2) 例えば1人の妄想患者に対して、セラピストが何カ月にもわたりある治療法によるセラピーを施し、その効果の有無を検討することがある。 一事例実験デザインでは、原則として、特別な実験操作を加えず標的行動の生起頻度などの何らかの指標を測定し、ベースラインとする。 ベースラインは、その後のカウンセラーによる標的行動に対するカウンセリングの効果を査定するための基準値の役割を持つ。

4 一事例実験デザインとは(3) 基本的な一事例実験デザインには、つぎのようなものがある(テキスト、p.26下からp.27):
     (1) A-B デザイン      (2) A-B-A デザイン      (3) A-B-A-B デザイン      (4) A-B-C-B デザイン

5 一事例デザインの概要を整理 テキスト pp.26-28 の1.3.1節を読み、一事例実験デザインの概要を整理しよう。

6 分割区画型反復測定デザイン(1) 一事例実験デザインでは、既にみたように、一人の患者に対して、例えば特定のカウンセリングの効果をみるために、あらかじめカウンセリングをしない状態で、効果を見たい変数の測定をおこないベースラインとし、ある時点でカウンセリングのアクションを起こし、そこでの変数の測定値の変化を見ることにより、カウンセリングの効果の有無を検討する。 このやり方では、しかし厳密な意味でカウンセリングの効果を検討することには限界がある。

7 分割区画型反復測定デザイン(2) これを避けるための有力な1つの方法が、テキストのp.28からの1.3.2節で紹介する分割区画型反復測定デザイン分散分析である。 例えば佐藤は、アサーション・トレーニング(assertion training)を用い、過剰適応傾向の変化および自己主張への不安の変化が起きるかどうかを、このデザインの分散分析で検討している(テキスト、pp.28-29)。

8 分割区画型反復測定デザイン(3) この実験で彼女は、アサーション・トレーニング
 群 (AT 群)6名、及び統制群(すなわち、トレーニングを行わない群)5名の参加者を用いて、このデザイン分散分析を行っている。 但し、彼女の実験の弱点は、AT群と統制群の割り付けが無作為になされていない点である。 この種の実験では、本来、同トレーニングをするに際しての均質な参加者を例えば11名用意し、各被験者とも AT 群か統制群かにでたらめに割り付ける必要があるからである。

9 分割区画型反復測定デザイン(4) AT 群には、ほぼ一か月強の間に1セッション 3時間で4回のトレーニングを行った。また、
 3時間で4回のトレーニングを行った。また、  実験の前後で、3尺度から成る過剰適応傾  向尺度の測定も行った。 一方、統制群に対しては、トレーニングはお  行わず、約1カ月弱の期間をおいて2回、AT  群と同一の過剰適応傾向尺度の測定を行っ た。

10 分割区画型反復測定デザイン(5) このデータを分割区画型反復測定デザインで分析すると、2群への無作為割り付けさえきちんとしていれば、テキスト p.29の表1.5にあるように、    (1)トレーニングの効果の有無    (2)時点の効果の有無    (3)尺度(3尺度)の効果の有無    (4)時点と尺度の交互作用の有無  を、きちんと統計的に検討できる。

11 分割区画型反復測定デザイン             の概要を整理  テキスト pp.28-29 の1.3.2節を読み、一事例実験デザインの概要を整理しておこう(自習)。

12 メタ・アナリシスの概要(1) 丹後(2002) によれば、メタ・アナリシス (meta-
 analysis) とは、過去に行われた複数の独立な研  究結果を統合するための(統合できるか否かの  検討も含めた)統計解析である。 メタ・アナリシスは、歴史的にはある医学者が開発  した腸チフスに対するワクチンの効果のデータを  再検討することを依頼された統計学者 Pearson  (1904) がはじめて行ったものであるという。

13 メタ・アナリシスの概要(2) メタ・アナリシスにおいて注意すべきキーワード (1)研究が無作為化比較試験(Randomized
control trials, 略して RCT)か   (2)メタ・アナリシスすべき研究が、RCT による     無作為割り付けができない場合の研究とし     ての疫学研究 (epidemiological study) か どうか

14 メタ・アナリシスの概要(3) 研究が無作為化比較試験(RCT)か疫学研究 かどうかで、メタ・アナリシスのための複数の研究統合のための手続きを変えないといけない。 メタ・アナリシスのための統計指標(統計量)にはオッズ比 (odds ratio)、リスク比(risk ratio)、平均の差、ハザード比(hazard ratio)、相関係数などがある。

15 メタ・アナリシスの概要(4) メタ・アナリシスの例(中川、2010) テキスト p.33の表1.7は、中川(2010)の
 非定形うつ病と性別の関係を表すもので、  表1.7のような分割表が幾つかの先行研究で得られている場合、例えば同頁の枠内  のようなSAS プログラムを用いて、簡単にメ  タ・アナリシスの統合指標等を計算できる。

16 メタ・アナリシスの概要(5) 表1.7. Akiskal らの研究における 非定形うつ病と性別の2×2分割表 A/B 計 female
      非定形うつ病と性別の2×2分割表 A/B Atypical non   male     69    141    210 female   190   202   392   259   343   602


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