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第4章 IS-LMモデル 労働市場との関係 IS・LMの交点(Y0, i0)は財市場と貨幣市場において,それぞれ需給均衡が達成しているが,労働市場において需給均衡を保証していない。 例えば,賃金の硬直性などの理由により,非自発的失業者が存在する可能性は十分にある。 完全雇用GDPがYFであるとすると,この経済にはY0YFに相当する所得不足が存在することになる。この不足は有効需要の不足によって発生したものである。

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1 第4章 IS-LMモデル 労働市場との関係 IS・LMの交点(Y0, i0)は財市場と貨幣市場において,それぞれ需給均衡が達成しているが,労働市場において需給均衡を保証していない。 例えば,賃金の硬直性などの理由により,非自発的失業者が存在する可能性は十分にある。 完全雇用GDPがYFであるとすると,この経済にはY0YFに相当する所得不足が存在することになる。この不足は有効需要の不足によって発生したものである。 失業は有効需要の不足が続く限り解消しない。 i Y IS LM E r0 Y0 YF マクロ経済学(Ⅰ)

2 G↑ or T↓ ⇒ YD↑ ⇒ IS曲線は右上へシフトする。
第4章 IS-LMモデル 財政支出 もし政府が公共投資や減税による総需要を増加させるような財政政策を実施するならば,IS曲線は右へシフトする。 G↑ or T↓ ⇒ YD↑ ⇒ IS曲線は右上へシフトする。 もしIが変わらなければ,G拡大の乗数効果はDG/(s+m)である。すなわち, YF-Y0= DG/(s+m) i Y IS' IS LM E E' i0 Y0 YF マクロ経済学(Ⅰ)

3 G↑ or T↓ ⇒ YD↑ ⇒ IS曲線は右上へシフトする。
第4章 IS-LMモデル 財政支出 もし政府が公共投資や減税による総需要を増加させるような財政政策を実施するならば,IS曲線は右へシフトする。 G↑ or T↓ ⇒ YD↑ ⇒ IS曲線は右上へシフトする。 国民所得Yが拡大し,利子率iが上昇する。(Y↑,i↑) もしIが変わらなければ,G拡大の乗数効果はDG/(s+m)である。すなわち, YF-Y0= DG/(s+m) しかし,実際には利子率iが上昇するので,民間の投資Iが下落し,乗数を通じてその分だけのY(YF-Y1)は小さくなる。 G拡大の純効果は(Y1-Y0)である。 乗数は1/(s+m)より小さくなるのである。 i Y IS' IS LM E' E E' i0 Y1 Y0 YF マクロ経済学(Ⅰ)

4 G↑ or T↓ ⇒ YD↑ ⇒ IS曲線は右上へシフトする。
第4章 IS-LMモデル 財政支出 もし政府が公共投資や減税による総需要を増加させるような財政政策を実施するならば,IS曲線は右へシフトする。 G↑ or T↓ ⇒ YD↑ ⇒ IS曲線は右上へシフトする。 国民所得Yが拡大し,利子率iが上昇する。(Y↑,i↑) このように利子率iの上昇は逆に民間部門の投資を抑制し,総需要を減少させる方向へ動くので,財政政策による総需要の増加を相殺してしまうことになる。 i↑⇒I↓⇒ Y↓ このように拡張的財政政策が行われたときに,それが利子率iの上昇を招き,民間投資Iの抑制させてしまう現象をクラウディンク・アウト(crowding out)と呼ぶ。 そのとき,政府は余分に財政を刺激しなければならない。 IS' i Y IS' IS LM E" E' E i0 Y1 Y0 YF マクロ経済学(Ⅰ)

5 第4章 IS-LMモデル 政府支出Gが増加した場合,総需要曲線YDが増加するので,IS曲線は右へシフトする。 YD' YS YS YD
YD Y 45° YS YD Y 45° YS YD I 45° Y1 Y1 Y0 Y0 c0-c1T+G+DG+NX i I IS 曲線 i Y (Y0, i0) i0 (Y1, i1) i1 I=I(i) マクロ経済学(Ⅰ)

6 第4章 IS-LMモデル 政府支出Gが増加した場合,総需要曲線YDが増加するので,IS曲線は右へシフトする。 G↑ → Y↑ → L↑ ↓
YD Y 45° YS YD Y 45° YS YD YD' I 45° Y1 c0-c1T+G+DG+NX i I G↑ → Y↑ → L↑ i↑ Y↓ ← I↓ IS i Y LM YF i' i I=I(i) マクロ経済学(Ⅰ)

7 第4章 IS-LMモデル 財政支出 クラウディング・アウトの効果の大きさは,(1)貨幣需要の利子弾力性,(2)投資の利子弾力性に依存する。
貨幣需要の利子弾力性 が大きい場合 貨幣需要の利子弾力性 が小さい場合 IS' IS' LM i Y i Y IS IS LM C C Y2 A Y2 A B B i0 i0 Y0 Y1 Y0 Y1 クラウディング・アウトの効果 クラウディング・アウトの効果 財政政策の効果 財政政策の効果 マクロ経済学(Ⅰ)

8 第4章 IS-LMモデル 財政支出 クラウディング・アウトの効果の大きさは,(1)貨幣需要の利子弾力性,(2)投資の利子弾力性に依存する。
投資の利子弾力性 が大きい場合 投資の利子弾力性 が小さい場合 IS' i Y i Y IS LM LM IS' IS C C A A Y2 B B i0 Y2 i0 Y0 Y1 Y0 Y1 クラウディング・アウトの効果 クラウディング・アウトの効果 財政政策の効果 財政政策の効果 マクロ経済学(Ⅰ)

9 第4章 IS-LMモデル 財政支出 クラウディング・アウトの効果の大きさは,(1)貨幣需要の利子弾力性,(2)投資の利子弾力性に依存する。
しかし,現実の経済では,クラウディング・アウトが必ず生じるとは限らない。その理由 (1)財政支出Gの拡大によって,Yが上昇すると,民間企業の「期待利潤率」reが上昇するかもしれない。 (2)公的投資は民間投資と「補完的」かもしれない。 (1)と(2)の理由 → 利潤/投資曲線は上方にシフトする。 → クラウディング・アウトではなくクラウディング・インの可能性もある。 マクロ経済学(Ⅰ)

10 第4章 IS-LMモデル 投資/輸出ブーム ケインズは投資を景気循環の「牽引車」であると考えた。
「投資ブーム」即ち企業の 「期待利潤率」reが上昇した場合: 利潤/投資曲線が上方へシフトする。 IS曲線は右上方へシフトする。 「輸出ブーム」の効 果は財政支出Gの拡 大と同じである。 利子率が上方するが,民間投資Iの下落とは限らず,投資の誘発は現実的である。 YD Y 45° YS YD' YD' YD Y1 I 45° YD Y1 Y0 Y0 i I IS 曲線 i Y (Y0, i0) i0 (Y1, i1) i1 I=I(i, re1) I=I(i, re0) マクロ経済学(Ⅰ)

11 第4章 IS-LMモデル 投資/輸出ブーム ケインズは投資を景気循環の「牽引車」であると考えた。
「投資ブーム」即ち企業の 「期待利潤率」reが上昇した場合: 利潤/投資曲線が上方へシフトする。 IS曲線は右上方へシフトする。 「輸出ブーム」の効 果は財政支出Gの拡 大と同じである。 利子率が上方するが,民間投資Iの下落とは限らず,投資の誘発は現実的である。 投資・輸出が増大し,IS曲線が右上方にシフトし続ければ,Yが増大するのと並行して利子率が上昇する。逆に,IS曲線が左下方へシフトし続ければ,Yの下落と共に利子率が低下する。 実際,景気の拡張期には通常利子率が上昇し,逆に景気の後退期には利子率が低下する。このようにYとiが並行して動いているときには,マクロ経済の動きは,主としてIS曲線のシフトによって生み出されていると考えられる。 i Y LM IS' IS i1 i0 Y1 Y0 マクロ経済学(Ⅰ)

12 第4章 IS-LMモデル 金融政策 金融政策は,日本銀行がハイパワード・マネーHの供給量の調節を通して利子率iの水準を変える政策である。
金融政策により,マネーサプライMが増大する場合,LM曲線は右下へシフトする。 波及経路: M↑ ー→ i↓ ー→ I↑ ー→ Y↑ i Y 金融が緩和すれば,利子率が低下し,これによって株価が上昇する。 IS LM LM' E r1 E' r2 Y1 Y2 マクロ経済学(Ⅰ)

13 第4章 IS-LMモデル 総需要管理政策 拡張的な財政政策(Gの増大),金融の緩和(Mの増大)はいずれもGDPを増大させる。但し,利子率iに与える影響は逆になる。 拡張的な財政政策がとられると,IS曲線が右にシフトして利子率iが上昇し,クラウディング・アウトが発生しうる。利子率の上昇を抑えるために,同時に金融緩和政策をとると,LM曲線が右へシフトする。財政・金融政策を両方とも使うことによって,GDPと利子率を目標水準に近づかせる。 i Y IS' 実際1990年代の日本経済は,拡張的な財政政策が継続的にとられ,その結果国債残高が単調に増大したにもかかわらず,利子率は日本銀行の低金利政策のおかげで低下の一途をたどった。 IS LM LM' r0 E' E Y0 YF マクロ経済学(Ⅰ)

14 第4章 IS-LMモデル 財政赤字の経済学 政府の支出Gと税収Tの増大がそれぞれGDPにプラス/マイナスの影響を与える。
国債の残高Bと政府支出G,税収Tの間の関係: B-B-1 = iB-1+G-T B:ある時点の国債残高(ストック) G:政府支出(フロー) B-1:1期前の国債残高(ストック) T:税収(フロー) i:利子率 財政赤字 プライマリー・バランス マクロ経済学(Ⅰ)

15 第4章 IS-LMモデル 財政赤字の経済学 議論1:累増する国債は「子孫へのツケ」 議論2:国債は将来世代に「負担」を残さない
1990年代,わが国では経済が長期的に低迷する中で政府が支出増と減税を続けたことにより,財政赤字が拡大した。2001年度末の国債残高は約380兆円,地方政府も合わせた公債残高は666兆円に達した。議論を呼んだ。 議論1:累増する国債は「子孫へのツケ」 普通の家計の場合,借金の貸し手が家計の外部に存在するので,親の残した借金は子供が返済することになる。これによって,子供の生涯所得はそれだけ減ってしまう。 国の借金である国債の場合,貸し手は国債の保有者である。わが国の国債はほとんど日本人によって保有されている。日本経済全体を見ればツケは発生しない。 議論2:国債は将来世代に「負担」を残さない 財政赤字がクラウディング・アウトを引き起こせば,投資が抑制され,将来世代が手にする資本ストックが減少することにより,将来の生産水準が落ちる。このことは国債が将来世代に残す「負担」である。 しかし,財政赤字は必然的に利子率の上昇を生み出すわけではない。 マクロ経済学(Ⅰ)

16 第4章 IS-LMモデル 財政赤字の経済学 問題の本質は,財政赤字が誰にどれだけの利益を生み出し,逆に将来誰がどれだけ税を負担するか,という「所得の世代間の分配」面での問題である。 国債が雪だるま的に増大すれば財政は破綻する。 国債の大きさはGDPを関連して見なければならない。GDP成長率をgとすると, Y=(1+g)Y-1 B-B-1 = iB-1+G-T B/Y-B-1/Y-1=(i-g)B-1/Y+(G-T)/Y 国債の対GDP比例の推移は2つの要因に依存する。 (1)利子率iと経済成長率gどちらが大きいか。 (2)プライマリー・バランス(G-T)が赤字か黒字か。 マクロ経済学(Ⅰ)

17 第4章 IS-LMモデル 補論:短期金利と長期金利 利子率の期間構造 簡単な例: 「短期債」――3か月の債券,金利 iS (年利)
現実の経済には,利子率は償還期間(満期までの期間)が1年未満の「短期債券」の利子率である短期金利と,それが1年以上の「長期債券」の利子率である長期金利がある。 日本銀行がハイパワード・マネーの供給量を調節することによりコントロールする利子率,即ちコール・レートは,最も代表的な短期金利である。マネーサプライに大きな影響を与える。 一方,住宅投資,設備投資,耐久消費財など企業や家計の需要は長期金利に依存する。IS曲線に影響を与えるのは長期金利である。 利子率の期間構造 簡単な例: 「短期債」――3か月の債券,金利 iS (年利) 「長期債」――1年の債券,金利 iL (年利) 年初に1円短期債,あるいは長期債を購入する資産保有者を考えよう。 マクロ経済学(Ⅰ)

18 (1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4)(1+i4S/4)
第4章 IS-LMモデル 利子率の期間構造 「短期債」――3か月の債券,金利 iS (年利) 「長期債」――1年の債券,金利 iL (年利) 年初に1円短期債,あるいは長期債を購入する資産保有者を考えよう。 (1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4)(1+i4S/4) (1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4) (1+i1S/4)(1+i2S/4) 1円 (1+i1S/4) i1S/4 i2S/4 i3S/4 i4S/4 年初 年末 短期債 1円 (1+iL) iL 長期債 マクロ経済学(Ⅰ)

19 (1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4)(1+i4S/4)
第4章 IS-LMモデル 利子率の期間構造 「短期債」――3か月の債券,金利 iS (年利) 「長期債」――1年の債券,金利 iL (年利) 年初に1円短期債,あるいは長期債を購入する資産保有者を考えよう。 (1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4)(1+i4S/4) (1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4) (1+i1S/4)(1+i2S/4) 1円 (1+i1S/4) i1S/4 i2S/4 i3S/4 i4S/4 年初 年末 短期債 1円 (1+iL) iL 長期債 マクロ経済学(Ⅰ)

20 log(1+iL)=log{(1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4)(1+i4S/4)}
第4章 IS-LMモデル 利子率の期間構造 「短期債」――3か月の債券,金利 iS (年利) 「長期債」――1年の債券,金利 iL (年利) 年初に1円短期債,あるいは長期債を購入する資産保有者を考えよう。 1+iL = (1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4)(1+i4S/4) log(1+iL)=log{(1+i1S/4)(1+i2S/4)(1+i3S/4)(1+i4S/4)} iL=(i1S+i2S+i3S+i4S)/4 長短期債が共に市場で取引されるためには,上記式が成立する。これは長期金利は現在から将来にかけて予想される短期金利の平均であることを意味する。 年初では(iL > i1S)であれば,(i2S+i3S+i4S)/3 > i1S となる。つまり,短期金利が現行水準よりも将来上昇していくと予想される。  iL > i1S ⇒ iS↑ 逆に,年初では(iL < i1S)であれば,(i2S+i3S+i4S)/3 < i1S となる。つまり,短期金利が現行水準よりも将来下落していくと予想される。 iL < i1S ⇒ iS↓ マクロ経済学(Ⅰ)

21 第4章 IS-LMモデル 利子率の期間構造 年初では(iL > i1S)であれば,(i2S+i3S+i4S)/3 > i1S となる。つまり,短期金利が現行水準よりも将来上昇していくと予想される。  iL > i1S ⇒ iS↑ 逆に,年初では(iL < i1S)であれば,(i2S+i3S+i4S)/3 < i1S となる。つまり,短期金利が現行水準よりも将来下落していくと予想される。 iL < i1S ⇒ iS↓ ある時点において,さまざま長短金利の水準を債券の「長さ」に対応してプロットしたのはイールド・カーブ(yield curve)である。そこからマーケットが将来の金利動向についてどのような期待を抱いているか知ることができる。 IS曲線が右側にシフトすることによって景気が回復していくプロセスでは,Yの上昇と並行してiも上昇していく。このような状況では,長期金利が短期金利を上回るようなイールド・カーブが生まれる。 マクロ経済学(Ⅰ)

22 第4章 IS-LMモデル 利子率の期間構造 年初では(iL > i1S)であれば,(i2S+i3S+i4S)/3 > i1S となる。つまり,短期金利が現行水準よりも将来上昇していくと予想される。  iL > i1S ⇒ iS↑ 逆に,年初では(iL < i1S)であれば,(i2S+i3S+i4S)/3 < i1S となる。つまり,短期金利が現行水準よりも将来下落していくと予想される。 iL < i1S ⇒ iS↓ ある時点において,さまざま長短金利の水準を債券の「長さ」に対応してプロットしたのはイールド・カーブ(yield curve)である。そこからマーケットが将来の金利動向についてどのような期待を抱いているか知ることができる。 マクロ経済学(Ⅰ) 資料:

23 第4章 IS-LMモデル 流動性の罠 iL=(i1S+i2S+i3S+i4S)/4
マーケットで短期金利i1Sの低下が「一時的」(つまりi2S,i3S,i4Sは変わらない)と認識されれば,長期金利iLはあまり低下しない。 一方,短期金利i1Sの低下が「長期的」(つまりi2S,i3S,i4Sもi1Sと同じだけ低下)と認識されれば,長期金利iLは短期金利と同じように低下する。 このように,長期金利がどのように変化するかは,将来の金利動向に関する期待に依存する。 日本銀行は,短期金利(コール・レート)をほぼ完全にコントロールすることができる。しかし投資などに影響する長期金利に対して,コントロールには限界がある。 例えば,日本銀行は「下限」より下回る水準まで短期金利を下げることに成功したとしても,マーケットはこの水準が長続きすることを信じない。金利は早晩上昇すると期待するのである。その結果,長期金利は「下限」からほとんど下がらない。このような状態は流動性の罠(liquidity trap)と呼ばれる。 マクロ経済学(Ⅰ)

24 第4章 IS-LMモデル 金融政策が機能しない特別なケース (1)「流動性の罠」に陥っている場合
i L i Y M/P LM L=L(Y1, i) L=L(Y0, i) Y0 Y1 i マクロ経済学(Ⅰ)

25 第4章 IS-LMモデル 金融政策が機能しない特別なケース (1)「流動性の罠」に陥っている場合
「流動性の罠(流動性トラップliquidity trap)」に陥った場合,マネーサプライをいくら増やしても,利子率iを下げることはできないので,金融政策は機能しなくなる。 1999年頃から,日本が「ゼロ金利政策」の下で,利子率はほとんど下限に張り付いた状態で,「流動性の罠」に陥っていた。 i Y IS LM LM' E i0 Y0 YF マクロ経済学(Ⅰ)

26 第4章 IS-LMモデル 金融政策が機能しない特別なケース (2)投資が利子非弾力的である場合
財市場における均衡は,利子率iとは無関係に均衡国民所得Yを決定することになる。 このとき,金融政策によって,マネーサプライを増加し,利子率iが下がっても,投資や消費を刺激できないため,金融政策は機能しなくなる。 i Y LM LM' YF IS E i0 Y0 E' i0' マクロ経済学(Ⅰ)

27 第4章 IS-LMモデル (2)投資が利子非弾力的である場合
YD Y 45° YS YD I 45° Y i I IS i Y (Y, i0) i0 (Y, i1) i1 I=I(i) マクロ経済学(Ⅰ)

28 第4章 IS-LMモデル まとめ 主 な 措 置 IS-LMの変化 効 果 注意点 拡張的な 財政政策 政府支出増加G↑ 減税 T↓
効 果 注意点 拡張的な 財政政策 政府支出増加G↑ 減税 T↓ IS曲線 右へシフト 雇用拡大 国民所得増加Y↑ 利子率上昇 i↑ クラウディング・アウト 拡張的な 金融政策 マネー・サプライ 増加 M↑ LM曲線 右へシフト 利子率下落 i↓ ① 流動性の罠 ➁ 投資が利子非弾力的である場合 マクロ経済学(Ⅰ)


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