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Published byすずり かつもと Modified 約 7 年前
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卒業生からみた大学「教育力」調査 ー 調査結果と検討課題 ー
卒業生からみた大学「教育力」調査 ー 調査結果と検討課題 ー 2005年10月 21世紀大学経営協会 大学評価委員会
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はじめに(1) ■教育力評価の開発視点 U-MA21大学評価の基本姿勢 教育力評価の開発視点 大学の個性を尊重し、 質的向上の改革努力を促す
教育力評価の開発視点 大学の個性を尊重し、 質的向上の改革努力を促す 水準把握やランキングといった 「結果」ではなく、教育力強化に向けた「改革の方向性」が示されること 教育の実態(組織・制度・状態)と 付加価値形成力に基づいた評価 であること 大学設置基準の項目全般を評価する大学自身の評価ではなく大学卒業生に教育ニーズへの対応状況や効果を聞く 大学の規模の差や財務基盤、 既存評価にとらわれない 一般機能型ではなく 重点機能型を指向する
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はじめに(2) ■卒業生を調査するねらい 卒業生を大学評価の測定者にすることの利点は次の点にある。
■卒業生を調査するねらい 卒業生を大学評価の測定者にすることの利点は次の点にある。 1)大学教育の受け手として、大学教育の理解度が高い。 2)大学卒業生は、入学時と卒業時の学力を認識し、在学中の学力向上 (付加価値)を実感している。 3)大学卒業後数年を経過した人は、実社会経験を通して大学教育の有効性を評価 できる。 4)つまり、大学教育の内容理解が高く、自らの学力向上認識も把握でき、かつ、 社会における教育の有効性を同時に回答できる。これらを一つのデータ (シングル・ソース・データ)として扱うことで、教育施策とその成果の関係性 が把握できる。 ここで見えてきた評価は、大学の改革(教育、研究,経営全般)を進めていく上で の大きな指針を提供するものである。 さらに、個別大学に限定して本調査を実施した場合、今回の結果と照らし合わせ当 該大学の教育力の特徴が浮かび上がることになる。そして、個々の大学がどのような 面にリソースを投入し学生満足度あるいは教育付加価値を向上させていくかの検討が 可能になる。
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Ⅰ.調査概要(1) ■調査目的 ■調査方法 † 調査対象 日経リサーチ保有のインターネットモニターの中から
大学の規模やブランドなど既存評価にとらわれることのない新たな評価モデ ルを構築する。そこで、大学卒業者を対象に在学時の教育環境や卒業後の教育 役立ち度に関する基礎データを取得し、大学の分類別に教育の実態評価や付加 価値形成力の分析を行う。 ■調査方法 † 調査対象 日経リサーチ保有のインターネットモニターの中から 25歳から30歳(一部31歳を含む)までの一般個人男女 を対象に10,000サンプルの調査を実施。 † 調査手法 インターネットによるweb調査 † 調査期間 2005年5月27日から2005年6月7日 12日間 † 有効回答 全体回収3201サンプル そのうち、4年生大学卒業生1676サンプル † 調査機関 (株)日経リサーチ
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Ⅰ.調査概要(2) ■教育力測定のフレーム 教育充実度 大学を卒業した社会人に、 大学在学時の教育環境や 教育内容を質問し、 教育付加価値度
校風 6項目 教育内容 項目 研究水準 3項目 社会的交流 5項目 サポート体制 5項目 計29項目 大学を卒業した社会人に、 (教育力の評価者) 大学在学時の教育環境や 教育内容を質問し、 (教育の組織・制度・状態評価) 教育付加価値度 人間力 6項目 思考力 4項目 実践力 5項目 計15項目 そこで獲得された教育付加価値が、 (教育付加価値の評価) 教育力(総合評価) 「仕事や生活への役立ち度」など 計5項目 社会でどの程度役立っているかを 把握する (満足度・有効性の評価)
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Ⅰ.調査概要(3) ■回答者の属性 性別 年齢別 ■年齢別 その他(モニター管理上一部31歳を含む) ■居住地域
■年齢別 その他(モニター管理上一部31歳を含む) ■居住地域 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川) 関西(滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫) 中京(愛知、岐阜、三重)
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Ⅰ.調査概要(4) ■回答者の出身大学
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Ⅱ.調査結果―総合評価(1) ■教育力を総合的に把握する5つの評価項目 非常にそう思う ある程度そう思う
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Ⅱ.調査結果―総合評価(2) ■国公私立別、学部、難易度別にみた教育力の総合評価 (そう思う・・・・%)
Ⅱ.調査結果―総合評価(2) ■国公私立別、学部、難易度別にみた教育力の総合評価 (そう思う・・・・%) ※「世間一般的に難易度の高い大学である」の質問で、「非常にそう思う」+「ある程度そう思う」を「難」、「どちらともいえない」を「普」、 「あまりそう思わない」+「そう思わない」を「易」とした
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Ⅲ.調査結果―教育付加価値度(1) ■教育付加価値度―人間力、思考力、実践力の習得度を測定 大変習得できた ある程度習得できた
Ⅲ.調査結果―教育付加価値度(1) ■教育付加価値度―人間力、思考力、実践力の習得度を測定 ■人間力 n=1676 ■思考力 n=1676 ■実践力 n=1676 大変習得できた ある程度習得できた
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Ⅲ.調査結果―教育付加価値度(2) ■国公私立別、学部、難易度別にみた教育付加価値度 (習得できた・・・・%)
Ⅲ.調査結果―教育付加価値度(2) ■国公私立別、学部、難易度別にみた教育付加価値度 (習得できた・・・・%) ※「世間一般的に難易度の高い大学である」の質問で、「非常にそう思う」+「ある程度そう思う」を「難」、「どちらともいえない」を「普」、 「あまりそう思わない」+「そう思わない」を「易」とした
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Ⅲ.調査結果―教育付加価値度(3) ■教育付加価値度とニーズ
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Ⅳ.調査結果―教育充実度(1) ■教育充実度―大学の校風、教育内容、研究水準、社会的交流、サポート体制を測定 ■校風 ■研究水準
Ⅳ.調査結果―教育充実度(1) ■教育充実度―大学の校風、教育内容、研究水準、社会的交流、サポート体制を測定 ■校風 ■研究水準 ■社会的交流 ■教育内容 ■サポート体制 「非常にそう思う+ある程度そう思う」の合計を表示
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Ⅳ.調査結果―教育充実度(2) ■大学区分、学部、難易度別、及び役立ち度との相関でみた教育充実度
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Ⅴ.調査結果―教育力 レーダーチャート ■個別大学別にみた事例 教育付加価値度 教育充実度
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「人間力」や「思考力」は高められたが「実践力」の付加価値形成力が弱い
Ⅶ.本調査からみた大学教育の課題 1.教育付加価値として「実践力」の強化が求められる ■教育ニーズの不一致 大学教育や大学生活で習得できたこと 1位 感性や人間性の豊かさ (65.0%) 2位 すべきだと思ったことを実践する姿勢 (61.7%) 3位 豊かな教養による社会を見る広い視野 (60.8%) もっと学んでおけばよかった能力や知識 1位 語学など国際化への対応能力 (55.2%) 2位 IT時代に対応した情報スキル (48.0%) 3位 「資格の取得」による専門知識と活用能力 (46.4%) 大学での教育の成果として役立った能力や知識 1位 感性や人間性の豊かさ (44.0%) 2位 豊かな教養による社会を見る広い視野 (39.0%) 3位 論理的な思考力 (38.5%) 「人間力」や「思考力」は高められたが「実践力」の付加価値形成力が弱い
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Ⅶ.本調査からみた大学教育の課題 2.教育充実度では、「教員との交流」に不足感 ■役立ち度との相関 ■教育充実度
1位 専門教育が充実している (0.469) 2位 教員との交流が多い (0.459) 3位 教養教育が充実している (0.458) 4位 学術面での研究業績が優れている (0.454) 5位 理念が明確で学内に浸透している (0.450) 62.6% 36.9% 47.3% 43.6% 44.7% 在学中に「教員との交流が多い」卒業生には「大学教育が卒業後の仕事や生活に 役立っている」傾向(相関)が強く、教員に学生との交流を活発化させることは 重要な政策となる。しかし、現状では3分の1程度の学生しか満足しておらず、 改善努力が求められる。
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学習意欲の向上に向け、上記の項目についての検査・見直しが必要である
Ⅶ .本調査からみた大学教育の課題 3.「国立大」や「理系」で「学習意欲が湧く授業」の評価が低い ■大学教育では学習意欲が湧く授業が多かった 国公私立別 1位 公立 46.3% 2位 私立 42.6% 学部別 1位 芸術系 61.7% 2位 業際系・その他 50.0% 3位 文系 45.1% 3位 医科・歯科・薬科系 38.9% 3位 国立 38.6% 4位 理系 35.1% ■教育付加価値 教育付加価値でみると国立は“思考力” の習得率は高いが、“人間力”(「感性や人間性」、 「社会性」、「リーダーシップ」)や“実践力” (「資格の取得」、「国際化対応能力」、「社会参加 体験」)で3区分中で最も低い。 教育付加価値度でみると理系は、 「積極的」、「社会性」や「資格の習得」で 5学部系統中で最も評価が低い。 ■教育充実度 教育充実度の“教育内容”について3区分を比べると、 国立は、 ・理念が明確で学内に浸透している ・外国語学習に積極的である ・人格教育への取組みに熱心である ・参加型・プロジェクト型の実践教育に力を注いでいる などの項目で最低位にある。 教育充実度の“教育内容”について5学部系統を 比べると、理系は、 ・理念が明確で学内に浸透している ・工夫され勉強しやすいカリキュラムになっている ・参加型・プロジェクト型の実践教育に力を注いでいる ・少人数による指導が受けられる ・教員との交流が多い などの項目で最下位となる。 学習意欲の向上に向け、上記の項目についての検査・見直しが必要である
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Ⅶ .本調査からみた大学教育の課題 4-1.難易度の低い大学入学者の教育満足度(教育の総合評価、 教育付加価値度、教育充実度)は一様に低い
教育付加価値度、教育充実度)は一様に低い ■大学教育では学習意欲が湧く 授業が多かった ■大学教育は就職活動や 就職試験に役立った ■大学教育は卒業後の仕事や 生活に役立っている そう思う ■社会に出て、大学での教育の成果として役立った能力や知識 難 普 易 1位 論理的な思考力 感性や人間性の豊かさ 感性や人間性の豊かさ 2位 感性や人間性の豊かさ 豊かな教養と広い視野 集団生活に必要な社会性 3位 豊かな教養と広い視野 論理的な思考力 積極性・チャレンジ精神 社会に出て活用される能力や知識は大学難易度レベルで大幅に異なる
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Ⅶ .本調査からみた大学教育の課題 4-2.私立理系は難易度の低い大学入学者で授業料の割高感が強い ■授業料が安い(私立の理系)
■授業料と大学役立ち度とのプロット 私立理系の難易度の低い大学は、教育の役立ち度が低いうえに授業料の割高感も強く 大学経営のリスクも大きい
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Ⅶ .本調査からみた大学教育の課題 4-3.大学教育力評価のポイント ■大学全入時代の教育力は、入学者の入学時の学力水準に対応して多様な教育
プログラムを用意することである。 *本調査では難易度質問の回答を、卒業生の出身大学別に集計した。そして測定された大学の難易度スコアと 各大学の偏差値スコアについて相関分析を行ったところ、高い相関値を得た。 大学教育力の評価においては、入学偏差値のレベルごとに適切な教育力のベンチマーク(基準点)を用意して、その基準点に対して強みと弱みを明らかにすべきである
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