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制御焦点理論を用いた カップラーメンの パッケージ表現による 効果的な訴求方法について

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1 制御焦点理論を用いた カップラーメンの パッケージ表現による 効果的な訴求方法について
2009/12/5 守口剛ゼミナール 河股班 河股久司 熊谷あゆみ 永岡大典 比嘉晴香 1

2 目次 研究テーマ・目的 現状分析 先行研究 仮説 仮説検証 分析 結論 2

3 研究テーマ・目的 不況  →人々の節約志向  →時間を有効活用できる「中食」が拡大  →中食の代表的な「カップ麺」に着目 (価格・時間) 3

4 現状分析 4

5 カップ麺生産数量推移 (万食) 日本即席食品工業協会より ⇒市場は減少傾向にある 5

6 カップ麺を購入しない理由 N=507(複数回答可) DIMSDRIVE「カップ麺」に関するアンケートより 6

7 インスタント食品の問題点 インスタント食品の気になる点は何ですか?
(N=6800  複数回答可) 1 化学調味料や食品添加物が気になる 66.1% 2 原材料の品質や安全性に不安を感じる 48.2% 3 カロリーの高さが気になる 45.8% 4 炭水化物や脂質が多く、栄養バランスが悪そう 38.0% 5 ごみが増える 26.8% アサヒビール ハピ研HPより   7

8 現状分析からの考察  ・カップ麺市場は減少傾向  ・カップ麺は不健康というマイナスイメージを持っている人が非常に多い マイナスイメージの回避 8

9 先行研究 9

10 制御焦点理論とは 「制御焦点理論」 Higgins(1997) ⇒それぞれの焦点の人がとる行動や 好むものも異なる
「快」に接近 = プラスを増大する → 促進 「不快」を回避 = マイナスを最小限にする → 予防 ⇒それぞれの焦点の人がとる行動や   好むものも異なる 10

11 制御焦点理論の応用 カップ麺にもこの理論を応用できるか?
 「被験者(消費者)の制御焦点とメッセージに付与された制御焦点が一致しているときに 説得効果が高くなる」 Zhao and Pechmann(2007) カップ麺にもこの理論を応用できるか? 11

12 考察 制御焦点理論をもとにしてカップ麺のマイナスイメージを回避し、購買を促進する方法を見つけられないだろうか?
促進焦点、予防焦点それぞれの人に対して有効な方法を実証する。 12

13 仮説 13

14 リサーチクエスチョン ⇒どれが有効か? マイナスイメージを回避する方法 3つ プラス表現 ・・・快を押し出した表記 マイナス表現(基準)
  ・・・快を押し出した表記 マイナス表現(基準)   ・・・問題点を直接表記 変換表現   ・・・問題点である不快を抑えた表記 ⇒どれが有効か? 14

15 仮説(制御焦点理論より) ①促進焦点の人は、快に接近しようとするため プラス表現を好む傾向が強い。
①促進焦点の人は、快に接近しようとするため プラス表現を好む傾向が強い。 ②予防焦点の人は、不快を回避しようとするため変換表現を好む傾向が強い。 15

16 仮説検証 16

17 アンケート 実施日2009/11/11~11/12 有効回答数160人 (男性83人 女性77人 平均年齢20.3歳) 質問内容
  (男性83人 女性77人 平均年齢20.3歳) 質問内容  ・制御焦点理論の分類に関する質問    (促進焦点=55人 / 予防焦点=105人)  ・パッケージ表記を見ての質問 17

18 パッケージ表記 ・カロリー ・化学調味料等 プラス表現 “エネルギーで元気チャージ” マイナス表現 “エネルギー357キロカロリー”
プラス表現   “エネルギーで元気チャージ” マイナス表現 “エネルギー357キロカロリー” 変換表現    “1日のカロリーの約1/6” ・化学調味料等 プラス表現   “ビタミンB1・B2配合” マイナス表現 “食品添加物(炭酸Ca)含有” 変換表現    “食品添加物の量は厚生労働省           が定める基準以下です” 18

19 パッケージ表記に関する質問 買いたくなる 食べたくなる おいしそう 食べても体によさそう 企業が健康に配慮していそう 誰かにすすめたくなる
信用できそう 3つの表記に対して各項目5段階で評価してもらった 19

20 分析 20

21 回答結果の平均値(促進焦点の人)

22 分散分析(促進焦点の人) プラス マイナス .010 変換 .357 .263 *. 平均値の差は 0.05 水準で有意です。
(I) アンケート分類 (J) アンケート分類 平均値の差 (I-J) 標準誤差 有意確率 95% 信頼区間 下限 上限 プラス マイナス .55584* .18896 .010 .1089 1.0028 変換 .25974 .357 -.1872 .7067 * -.1089 .263 -.7431 .1509 -.7067 .1872 .29610 -.1509 .7431 *. 平均値の差は 0.05 水準で有意です。

23 各表記に対する促進焦点の人の反応 マイナス表現よりもプラス表現を好む <分散分析結果より> 表記 イメージの良さ プラス表現 良
変換表現 NS マイナス表現よりもプラス表現を好む 23

24 回答結果の平均値(予防焦点の人)

25 分散分析(予防焦点の人) プラス マイナス .004 変換 .059 .000 *. 平均値の差は 0.05 水準で有意です。
(I) アンケート分類 (J) アンケート分類 平均値の差 (I-J) 標準誤差 有意確率 95% 信頼区間 下限 上限 プラス マイナス .30612* .09518 .004 .0820 .5303 変換 .059 -.4418 .0065 * -.5303 -.0820 * .000 -.7480 -.2997 .21769 -.0065 .4418 .52381* .2997 .7480 *. 平均値の差は 0.05 水準で有意です。

26 各表記に対する予防焦点の人の反応 マイナス表現よりも プラス表現、変換表現を好む プラス表現と変換表現の差は不明 <分散分析結果より> 表記
イメージの良さ プラス表現 マイナス表現 変換表現 マイナス表現よりも プラス表現、変換表現を好む プラス表現と変換表現の差は不明 26

27 検証結果 ①促進焦点の人は、快に接近しようとするため プラス表現を好む傾向が強い。 ⇒支持される
①促進焦点の人は、快に接近しようとするため プラス表現を好む傾向が強い。   ⇒支持される ②予防焦点の人は、不快を回避しようとするため  変換表現を好む傾向が強い。   ⇒支持される (※プラス表現も好む)

28 疑問 予防焦点の人には変換表現だけでなくプラス表現も好まれた。 ⇒仮説が立証されなかったのはなぜだろうか
 ⇒仮説が立証されなかったのはなぜだろうか 予防焦点の人の購買につながる要因を、因子分析・重回帰分析からより詳しくみていく 28

29 因子分析(予防焦点の人) 回転後の因子行列a アンケート項目 因子 1 2 企業が健康に配慮 .872 .030 食べても体によさそう
.688 .161 誰かに勧めたくなる .418 .376 信用できそう .345 .250 食べたくなる .225 .839 おいしそう .078 .798

30 因子分析より 2つの因子が存在することが判明 安心因子 食欲因子 企業が健康に配慮 食べても体によさそう 誰かに勧めたくなる 信用できそう
食べたくなる おいしそう 2つの因子が存在することが判明 30

31 重回帰分析 安心因子 購買 食欲因子 どのくらい各因子が購買に影響を与えているか? 31

32 各表現に対する因子の影響度 (予防焦点の人)
各表現に対する因子の影響度              (予防焦点の人) <重回帰分析より> プラス表現 変換表現 安心因子 安心因子 NS 0.170 購買 購買 食欲因子 食欲因子 0.735 0.797 ⇒プラス表現と変換表現で購入に影響する  要因が異なる 32

33 結論 33

34 結論1 促進焦点の人は マイナス表現よりもプラス表現を好む ⇒快に接近する特徴のため、プラス表現を好む 34

35 マイナス表現よりもプラス・変換表現を好む
結論2 予防焦点の人は マイナス表現よりもプラス・変換表現を好む ⇒不快を回避する特徴のため、マイナス表現を  好まない 変換表現でのみ安心因子が購買に影響 ⇒予防焦点の人には変換表現がmatch! ①予防焦点の人の特徴 ②安心因子の特徴 理由 35

36 今回の研究から導かれる示唆 焦点に応じて好まれる表記は異なる マイナスイメージの高い食品に汎用性あり ex) 遺伝子組み換え食品 輸入食品
     輸入食品      お菓子(ポテチ等) 36

37 課題 マイナス要素があるのに、そのようなイメージのない商品についての研究

38 参考文献 広告とネーミングにおける婉曲表現と誇張表現(経営論集 72号 有光奈美 2008年)
広告とネーミングにおける婉曲表現と誇張表現(経営論集 72号 有光奈美 2008年) 人間は脳で食べている(ちくま新書 伏木亨 2005年) 広告と情報(横内清光) 広告映像の技法・修辞と効果に関する研究(Cognitive Studies, 14(3)川村洋次 2007年) CREATIVE STRATEGY:A MANAGEMENT PERSPECTIVE (JOURNAL OF ADVERTISING Vol.12(4) Charles F. Frazer 1983年) 日本即席食品工業協会HP    ( 青山ハッピー研究所第205回アンケート( ネットリサーチのDIMSDRIVE『カップ麺』に関するアンケート    ( マクロミル即席カップ麺に関する調査    ( 38

39 参考文献 「消費者行動研究における制御焦点理論研究の展開」 早稲田商学科紀要68号 2009 石井裕明(早稲田大学商学学術院助手)
「消費者行動研究における制御焦点理論研究の展開」 早稲田商学科紀要68号 2009 石井裕明(早稲田大学商学学術院助手) 「消費者行動研究と制御焦点理論」 「流通情報481号(掲載予定)」2009 石井裕明(早稲田大学商学学術院助手) 39

40  御清聴ありがとうございました。 40


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