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Published byぜんすけ たけすえ Modified 約 7 年前
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流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
京都大学情報学研究科 船越 満明 平成18年12月9日 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動 2.カオス混合 このカオス的運動を利用して層流での流体の効率的な混合を目指す研究
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流体の混合は古くからある研究テーマ 食品工業、ガラス工業、化学工業などの工場 各種の混合装置 (1) 2種類以上の原料を混合
(2) ある原料の中に添加物を入れる 自然界における混合現象 (1) 大気汚染物質の拡散 (2) 噴火した火山からの火山灰の拡散 (流体中の物質が流れによって動かされて広い範囲に広がっていく)
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ラグランジアンカオスとカオス混合の研究が始まった背景
1960年代以降 コンピュータが実用化 数値計算が容易に カオスに関する理論と力学系の理論の発展 力学系の理論: さまざまな初期値に対する連立常微分方程式の解の、長時間でのふるまいを、幾何学的な手法で包括的に調べる理論 1980年代 カオスや力学系の理論に基づいて、数値計算も用いることにより、 流体粒子(流体の微小部分)のカオス運動や流体の混合問題を調べようという研究が行われ始めた。
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流体運動の速度場 u(x,t) が得られていると仮定. ( x は空間座標, t は時間)
↓ 流体粒子(流体の微小部分)の位置 X(t) は, の1階連立常微分方程式に従って時間発展 力学系の理論より、 ・2次元の非定常流(速度場が t に依存する) ・3次元の定常流(速度場が t に依存しない) では、流体粒子の位置X(t)はカオスとなり得る.
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ラグランジュ的記述法(各流体粒子のもつ物理量の時間変化に着目した流体運動の記述法)での従属変数X(t)のカオス
ラグランジアンカオス(Lagrangian chaos) ・2次元定常流の場合には、 X(t) はカオスとはなり得ない。 ・乱流のような不規則な時間変動をする速度場の中でのX(t)のふるまいを、力学系の理論を用いて調べることは困難 ラグランジアンカオスに関する研究は、 ・3次元定常流 ・2次元時間周期流(時間に関して周期的に変化する速度場) に関するものが大部分である
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3次元の定常流や2次元の時間周期流の下で 流体粒子の運動がカオスとなり得ることについて ・力学系の理論からは当然 ・研究が始まった当時の流体力学者の多くは、そのような観点をもっていなかった 非圧縮性流体の流れでは、質量保存則から div u(x,t) = 0 方程式 は保存系 ラグランジアンカオスは「保存系のカオス」
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方程式 がカオス解をもつと、 カオスの初期値に対する敏感な依存性: ごく近い初期値から出発した2つの解の間の距離が、時間とともに指数関数的に増大するという性質 混合しようとしている流体の境界面の面積が急激に増大 有限の領域内の境界面は、次々と折りたたまれていく必要がある ラグランジアンカオスは、効率のよい混合にとって好ましいと期待される
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カオス混合(chaotic mixing) と呼ばれている
流体粒子の運動がカオスとなるような速度場を作り出す 流体を効率よく混合 カオスを利用した混合 カオス混合(chaotic mixing) と呼ばれている (カオスを有効に利用する研究のひとつ) カオス混合の研究では 速度場u(x,t)が、混合すべき流体の配置に依存しないと仮定 例: 同一の密度と粘性係数をもつ流体の混合 (2) 少量の添加物の注入の場合
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実際の混合においては、混合すべき流体あるいは添加物は、
流れによって動かされて引き伸ばされる (2)拡散効果によってまわりの流体の中に広がっていく カオス混合に関する多くの研究では、拡散効果は無視 カオス混合の研究では、層流の速度場を考える 応用における層流混合の例: (1)非常に粘性係数の大きい流体を、大量に混合する場合 (2)原料の微細構造を壊さないように、緩やかに混合する必要のある場合 (3)マイクロスケールでの流体混合(レイノルズ数が小さい)
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カオス混合研究の具体例の紹介 1.偏心2円筒の交互の遅い回転による混合 数値計算、実験 2.スタティックミキサーにおける混合
数値計算、実験 2.スタティックミキサーにおける混合 数値計算、(実験も紹介)
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