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管理下にない放射性同位元素等に関する一斉点検の実施および報告の方法
アルファ放射体実験室 白崎 謙次
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Ⅰ 点検及び報告についての 概要
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今回の一斉点検は、大学内の全ての場所について、「管理下にない放射性同位元素等」の有無を徹底的に調査するものです。
今回の点検結果の文科省への報告後に、 再び該当物が学内で見つかった場合には、 大学全体に対し放射性同位元素等の使用 等を制限するペナルティが課せられる可能 性があります。
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ペナルティの内容 入手経緯等の情状を勘案したうえで、原則、以下のいずれかの処分がある。 ・管理されていない放射性同位元素等が発見された事業所を含め、その他管 理するすべての事業所において、自主的に1年を超えない期間で、放射性 同位元素及び放射線発生装置の使用並びに放射性同位元素及び放射性 同位元素によって汚染された物の外部への廃棄を自粛する。 ・放射線障害防止法等に基づき、管理されていない放射性同位元素等が発 見された事業所を含め、その他管理するすべての事業所において、1年を 超えない期間で、放射性同位元素及び放射線発生装置の使用並びに放射 性同位元素及び放射性同位元素によって汚染された物の外部への廃棄の 停止を命ずる。 ・放射線障害防止法に違反したとして法人若しくは購入者又はその両者を告 発する。
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今回の点検および報告の対象(1) 場所 学内全ての敷地内 (放射線施設以外の敷地も)の、 全ての建物内(実験室、研究室、居室、作業室、倉庫、
学内全ての敷地内 (放射線施設以外の敷地も)の、 全ての建物内(実験室、研究室、居室、作業室、倉庫、 学生部屋、部室)、および廃棄物保管場所 → 各部局は、部局の敷地内について、責任をもって 点検および報告を行うこと。 調査体制、調査方法・実施、調査結果報告 への全責任
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今回の点検および報告の対象(2) 対象物 ※ 「放射性同位元素等」とは 「管理下にない」放射性同位元素等
対象物 「管理下にない」放射性同位元素等 ← 存在を把握されずに放置されているもの ← 所持(使用)するための必要な手続きが 行われていないもの ※ 「放射性同位元素等」とは ‐全ての放射性同位元素または核燃料物質 ‐上記のものに汚染されたもの ‐上記のものを含む廃棄物
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参考) ・放射能濃度:74Bq/g (固体状ならば370Bq/g) 「放射性同位元素」とは?
参考) 「放射性同位元素」とは? 放射線を放出する物質。「ラジオアイソトープ」、「RI」とも呼ばれる。 法律的には、それぞれの放射性同位元素について定められた数量 (下限数量)を超えて所有する場合に手続きが必要である。 「核燃料物質」とは? ウラン(U)、トリウム(Th)やそれらの化合物。 「国際規制物資」の範疇である。 少量でも、所有のためには手続きが必要である。 ↑ 昭和52年の法令改正後 「核原料物質」とは? 「核燃料物質」の原料となるもの。ウランやトリウムを含む鉱物など。 次の量のどちらも超える場合、所有のためには手続きが必要である。 ・放射能濃度:74Bq/g (固体状ならば370Bq/g) ・(ウランの量)×3+(トリウムの量)=900g
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注意) → 点検結果最終確認者が対象外かチェックする。 以下のものは、点検・報告の対象外となります。
注意) 以下のものは、点検・報告の対象外となります。 ‐ 放射性同位元素や核原料物質を含む工業製品・日用品(煙感知器など) ↑ 表示付特定認証機器、「核原料物質」としての届出が不要なもの ‐ 鉱石・鉱物(~10kg以下のもの) ↑ 「核原料物質」としての届出が不要なもの → 点検結果最終確認者が対象外かチェックする。 下限数量以下の放射性同位元素 (校正用密封小線源、チェッキングソース) について 所有のための手続きは必要がない。 (放射性同位元素使用施設以外でも所有できる。) ただし、廃棄する際には、専門業者へ引き渡す必要がある。 (一般ゴミや産業廃棄物としては廃棄できない。) → 管理下に置く(保有リストに載せ、きちんと保管する)。
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Ⅱ 点検の手順
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点検体制 点検体制の組織 ‐点検責任者:所長 ‐点検結果最終確認者:放射線取扱主任者 ‐点検実施者:部門責任者、センター長、 事務部長
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点検の実施(1) 点検は目視での確認を基本とする。 放射線測定機(サーベイメータ)を盲信せず、 中身の不明な袋や容器は開封して確認する。
放射線測定機(サーベイメータ)を盲信せず、 中身の不明な袋や容器は開封して確認する。 所有者が不明のもの、研究者の異動・退職により残されている荷物の中身も確認する。 普段使われていない、又は普段人が立ち入らない場所にあるロッカー、棚、冷蔵庫、金庫などの中も確認する。 放置されている実験機器に放射性同位元素が装備されていないか、確認する。 → 各点検実施者は、不審物があった場合には、 アルファ放射体実験室に報告し、判断を仰ぐこと。
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点検の実施(2) 管理下にない放射性同位元素等が発見された場合には直ちに、適切に保管するとともに、アルファ放射体実験室に連絡する。
該当物かどうか点検結果最終確認者が判断がつかないものがある場合にも、アルファ放射体実験室に連絡する。 アルファ放射体実験室 TEL:2161 FAX: 2162
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点検の実施(3) ◆該当物として疑わしきもの 「放射性」、「Radioactive」、「RI」 など、
放射性物質を示すと思われる単語の記載があるもの 放射能マークのついているもの
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点検の実施(4) ◆該当物として疑わしきもの 「トリチウム」、「Tritium」、「H-3」、「3H」と記載があるもの
「“元素記号”-“数字”」、 「“数字”“元素記号”」や、 「 “元素名”-“数字”」のような記載のあるもの 例: C-14 、 14C 、 Carbon14 、 カーボン14 、 炭素14
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点検の実施(5) ◆該当物として疑わしきもの 放射性同位元素容器の例
※ その他、冷蔵庫、薬品棚や鉛容器等の中にある、使用者不明の試験管、ビーカー、薬品瓶、バイアル瓶などに特に注意。
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点検の実施(8) ◆放射線源の例 機器校正用の放射線源 校正用密封小線源 ※ 放射能マークの付いていないものもあるので注意
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点検の実施(9) ◆該当物として疑わしきもの
「ウラン」、「ウラニル」、「Uran」、「Uranium」、「Uranyl」、「トリウム」、「Thorium」、「Thoria」のような記載のあるもの ※ 硝酸ウラニル:UO2(NO3)2 酢酸ウラニル: (CH3COO)2UO2といったウラン化合物は、電子顕微鏡用試料の染色に使用される。 ※ トリウムは光学ガラス、放電電極、高融点物質の材料としても使用される。これらの開発研究は行われていなかったか? 放射線・核燃料物質を意識しない研究にも使用されたので、 点検の際には留意するように。
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点検の実施(6) ◆硝酸ウラニル:UO2(NO3)2、酢酸ウラニル(CH3COO)2UO2
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点検の実施(7) ◆特に注意して点検すべき箇所
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点検の実施(8) ◆過去の発見事例〈1〉 測定器等の機器に校正用線源として装備されていたものを見落としていた。
非密封放射同位元素を、研究者等が組織内の手続を守らずに、研究上の 利便性から放射性同位元素の貯蔵庫以外の冷蔵庫や冷凍庫等に保管し、 研究者等の異動等に伴い放置された。 (アルミホイルに包まれている場合も ある。) 研究者等が他事業所等から、組織の安全管理体制の下で登録されることなく、生物試料にトレーサーとして添加したなどの形態で放射性同位元素等を持ち込み、又は研究者等が組織における放射性同位元素の安全管理のための手続きを経ることなく、放射性同位元素を直接購入し、実験室等で所持していた。
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点検の実施(9) ◆過去の発見事例〈2〉 不要になった放射性同位元素等(購入したままの形態のもの、使いかけの非密封放射性同位元素の容器、生物試料にトレーサーとして添加したもの、かつては使われていたが現在は使われていないラジウム治療針、校正用線源が装備された測定器など)について法律に基づく廃棄等の適切な措置が取られず、ロッカーの最下段、段ボール箱の中、ドラフトチャンバー下の扉の中等、普段使用されないスペースあるいは部屋の隅、倉庫等、普段人の立ち入らない場所に放置されていた。
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報告 報告書様式: ‐配布済み資料の 〈別紙2〉 (点検責任者の印の入ったもの) 提出〆切: 平成22年3月8日(月)
報告書様式: ‐配布済み資料の 〈別紙2〉 (点検責任者の印の入ったもの) 提出〆切: 平成22年3月8日(月) 提出先: アルファ放射体実験室
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