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2015年ASCO年次総会 2015年5月29日~6月2日 アメリカ、シカゴ

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1 2015年ASCO年次総会 2015年5月29日~6月2日 アメリカ、シカゴ
European Thoracic Oncology Platform と共同で制作 2015年ASCO年次総会 2015年5月29日~6月2日 アメリカ、シカゴ 協賛:Eli Lilly and Company Eli Lilly and Companyはこのスライドの内容に関与していません。

2 Rolf Stahel教授のことば 皆様へ このたび、2015年の主要学会で発表された胸部癌領域における重要な知見をまとめ、 ETOPスライド資料として出版いたしました。このスライド資料は特に米国臨床腫瘍学会 第51回年次総会を対象としており、英語、フランス語、イタリア語および日本語の4ヵ国 語で制作しております。 癌臨床研究の分野は課題が多く、絶えず変化しています。このような状況においては、私 たちの誰にとっても、科学者、臨床医、教育者としていっそうの役割を果たす上で役に立 つ科学的データや研究情報を得ることのできる機会は貴重です。胸部癌領域における最新 情報をまとめたこのスライド資料が皆様の活動のお役に立つことを願っております。ご意 見やご感想がございましたら、ぜひ までお送りください。 編集者として抄録の優先順位付けやスライド内容の確認を行ってくださったETOPメン バーのEnriqueta Felip先生、Francoise Mornex先生、Solange Peters先生およびMartin Reck先生、また、イタリア語への翻訳を監修してくださったSerena Ricciardi先生に感謝 申し上げます。皆様がご覧になっているこのスライド資料は、これらの方々のご尽力がな ければ完成させることはできませんでした。 最後に、この複雑ではありますが有益な活動の実現において費用、管理運営および後方業 務の面でご支援を賜りましたLilly Oncologyに深謝いたします。 Rolf Stahel ETOP財団評議会会長

3 2015年ETOP腫瘍内科スライド資料編集者 主な担当:バイオマーカー(全ステージ)
Dr Enriqueta Felip Oncology Department, Vall d'Hebron University Hospital, Barcelona, Spain 主な担当:早期および局所進行NSCLC(ステージⅠ~Ⅲ) Dr Francoise Mornex Department of Radiation Oncology, Centre Hospitalier Lyon-Sud, Pierre-Bénite, France 主な担当:進行NSCLC(根治的治療不能ステージⅢおよびステージⅣ) Dr Solange Peters Multidisciplinary Oncology Center, Lausanne Cancer Center, Lausanne, Switzerland 主な担当:他の悪性腫瘍、SCLC、中皮腫、稀な腫瘍 Dr Martin Reck Department of Thoracic Oncology, Hospital Grosshansdorf, Grosshansdorf, Germany

4 目次 バイオマーカー 早期および局所進行NSCLC‐ステージⅠ、ⅡおよびⅢ 進行NSCLC‐根治的治療不能ステージⅢおよびステージⅣ
一次治療 二次以降の治療 他の悪性腫瘍 SCLCおよび中皮腫 稀な腫瘍 脳転移

5 バイオマーカー

6 Atezolizumab 1200 mg IV q3w(144例)
8010:2L/3L NSCLCを対象としたMPDL3280A vs ドセタキセルの無作為化第Ⅱ相試験(POPLAR試験)における有効性、安全性および予測バイオマーカーの解析結果-Spira AIら 研究の目的 NSCLCにおけるatezolizumab(MPDL3280A)の有効性および安全性、ならびにその効果と腫瘍浸潤免疫細胞(IC)および/または腫瘍細胞(TC)上のPD-L1発現レベルとの相関を検討する。 PD-L1発現レベルはIHC法(SP142抗体アッセイ)で評価した。 各患者についてTCスコア(TC0、1、2または3)およびICスコア(IC0、1、2または3)の判定を行った。 Atezolizumab 1200 mg IV q3w(144例) 臨床効果の消失 主な患者組み入れ基準 転移性または局所進行NSCLC 1つ以上のプラチナ製剤含有化学療法レジメンの投与歴があること (287例) 層別化 IC上PD-L1発現レベル(0 vs. 1 vs. 2 vs. 3) 組織型(扁平上皮癌 vs. 非扁平上皮癌) 前化学療法レジメン数(1 vs. 2) 無作為化 ドセタキセル75 mg/m2 q3w(143例) PD 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント PFS、ORR、奏効期間、安全性 Spiraら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8010 6 6

7 8010:2L/3L NSCLCを対象としたMPDL3280A vs ドセタキセルの無作為化第Ⅱ相試験(POPLAR試験)における有効性、安全性および予測バイオマーカーの解析結果-Spira AIら
主な結果 ITT中間解析集団全体において、atezolizumab群の生存転帰はドセタキセル群と同程度で あった(HR 0.77;95%CI 0.55~1.06;p=0.11)。 ただし、atezolizumabによるOS改善効果はPD-L1発現レベルが高い(TC/IC≧1)場合に 高く、発現レベルが<1の場合は ドセタキセルと比べて有益性がなかった。 OSの中間解析結果 サブグループ(全組み入れ患者に対する割合%) 0.46 TC3またはIC3 (16%) p=0.070 0.56 TC2/3またはIC2/3 (37%) p=0.026 0.63 TC1/2/3またはIC1/2/3 (68%) p=0.024 1.12 TC0かつIC0 (32%) p=0.70 0.77 ITT集団(287例) p=0.11 0.2 1 2 ハザード比a a サブグループについては非層別化HR、ITT集団については層別化HR データカットオフ日:2015年1月30日 Atezolizumab の方が優れる ドセタキセル の方が優れる Spiraら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8010

8 ORR(確定された効果; RECIST v1.1)%
8010:2L/3L NSCLCを対象としたMPDL3280A vs ドセタキセルの無作為化第Ⅱ相試験(POPLAR試験)における有効性、安全性および予測バイオマーカーの解析結果-Spira AIら 主な結果(続き) PD-L1発現レベルが高い患者は ORRについてもatezolizumabでドセタキセルに比べて 高い成績が得られた(発現レベルが最高の患者のORRは38% vs. 13%)。 Atezolizumabの忍容性は良好であり、治療期間が長かった(atezolizumab群3.7ヵ月、 ドセタキセル群2.1ヵ月)にもかかわらず、グレード3/4の治療関連AEは少なかった (atezolizumab群12%、ドセタキセル群39%)。 結論 Atezolizumab群の生存転帰はPD-L1発現レベルの上昇に伴い改善した。 PD-L1は、atezolizumab療法で最も有益性が得られるNSCLC患者の特定に使用できる  予測診断バイオマーカーである。 Atezolizumab(144例) ドセタキセル(143例) ORR(確定された効果; RECIST v1.1)% Spira ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8010

9 8012:EGFR変異陽性/ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺癌(NSCLC)におけるprogrammed death ligand-1(PD-L1)発現の臨床的相関および頻度-Gainor JFら
研究の目的 TKIが投与されたEGFR変異陽性/ALK融合遺伝子陽性NSCLC患者におけるPD-L1発現 パターンおよび臨床転帰を評価する。 研究デザイン EGFR変異陽性(68例)およびALK融合遺伝子陽性(28例)の転移性NSCLC患者から得 られた生検組織および切除組織のIHC分析データをレトロスペクティブに解析した。腫 瘍細胞の>5%にPD-L1の発現が認められる場合をPD-L1陽性とした。CD8+腫瘍浸潤リ ンパ球(TIL)は4段階尺度(0~3)で評価した。 主な結果 PD-L1陽性患者と陰性患者の間でPFSおよびOSの有意差は認められなかった。ALK TKI が投与された患者集団では、PD-L1陽性患者の方がOSが短かった(p=0.045)。 結論 EGFR変異陽性/ALK融合遺伝子陽性肺癌はPD-L1を発現している場合があり、CD8+免 疫浸潤も認められるが、両方がみられることは少ない。非喫煙者/軽喫煙者でPD-1阻害 薬の奏効率が低いのはこのためかもしれない。 EGFR変異陽性 ALK融合遺伝子陽性 n/N (%) TKI治療前 TKI治療後 p PD-L1陽性 9/62 (15) 16/64 (25) 0.181 11/21 (52) 3/14 (21) 0.089 CD8+ TIL 2~3+ 12/62 (19) 13/65 (20) 1.000 6/18 (33) 0/14 (0) 0.024 PD-L1陽性かつ CD8+ TIL 2~3+ 3/61 (5) 8/64 (13) 0.207 3/18 (17) 0.238 Gainor ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8012 9 9

10 7542:同時化学放射線療法が施行されたステージⅢ非小細胞肺癌患者のPD-L1発現状況と予後のレトロスペクティブ解析-Tokito Tら
研究の目的 同時化学放射線療法が施行された局所進行NSCLC患者において、PD-L1の発現状況が臨床病理学的因子または予後因子に相関しているかどうかを検討する。 研究デザイン IHC分析によるPD-L1発現状況の評価データがある連続したステージⅢNSCLC患者のレトロスペクティブな解析 OSおよびPFSをKaplan-Meier法で推定した。 主な結果 52例について評価した。 年齢中央値は67歳、性別は83%が男性、喫煙状況は48%が現喫煙者であった。 組織型は54%が腺癌、40%が扁平上皮癌であった。 73%で腫瘍細胞にPD-L1の発現が認められた。 PD-L1陰性のNSCLC患者はPD-L1陽性の患者に比べてPFS中央値(16.5 vs. 10.9ヵ月)およびOS中央値(32.9 vs. 24.9ヵ月)が長い傾向にあった。 ただし、PD-L1陽性でも一部の患者は生存期間が5年超であった。 結論 PD-L1の発現状況は臨床病理学的因子に相関していなかった。 PD-L1陽性のNSCLC患者は化学放射線療法後の生存転帰が不良傾向にあったが、一部の患者は長期にわたり生存した。 これらの臨床観察結果を明確にするには、さらなる研究が必要である。 Tokito ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7542

11 7551:非小細胞肺癌切除例における予後バイオマーカーとしてのPD-L1、PD-1およびCTLA-4-Owonikoko TKら
研究の目的 NSCLC切除例における免疫チェックポイントメディエーターの予後的意義を評価する。 研究デザイン IHC法を用いてPD-L1の発現状況を評価した。 TCGAデータベースを用いてPD-1、PD-L1およびCTLA-4をコードする遺伝子の変異、発現量およびコピー数多型(CNV)を評価した。 PD-L1蛋白の発現量が高い患者と低い患者に分けて生存解析を行った。 集団全体ならびにNSCLCの組織型(腺癌 vs 扁平上皮癌)および喫煙状況(喫煙者 vs 非喫煙者)による各部分集団で遺伝子変化の予後的意義を評価した。 主な結果 自施設の組織バンクに登録されているNSCLC患者208例およびTCGAデータベースに登録されているNSCLC患者763例のデータを評価した。 PD-L1蛋白の発現量は、喫煙患者、非扁平上皮NSCLC患者および女性患者で高かったが、人種、腫瘍の病期および悪性度による有意差はなかった。 癌細胞および隣接正常組織におけるPD-L1免疫スコアが低い患者は再発リスクが有意に高く、OSが有意に不良であった。 組織型および喫煙状況による各部分集団において、CTLA-4およびPD-L1遺伝子の発現状況の差ならびにCNVと生存転帰の間に相関は認められなかった。 正常組織に対する腫瘍組織のPD-1遺伝子発現量の比が高い患者はOS中央値が長かった(1.6年に対して3.8年;p=0.022)。 結論 女性患者、非扁平上皮NSCLC患者および喫煙患者はPD-L1蛋白の発現量が高かった。 NSCLC切除例では、PD-L1遺伝子ではなくPD-L1蛋白の発現量に予後マーカーとしての有用性があると考えられる。 Owonikoko ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7551

12 7555:肺腺癌(ADC)における臨床病理学的パラメータおよび分子的パラメータとprogrammed cell death ligand 1(PD-L1)蛋白発現状況の関係-Huynh Tら
研究の目的 肺腺癌における臨床病理学的特徴および分子的特徴とPD-L1発現状況の関係を明らかにする。 研究デザイン 詳細な組織学的分析がなされている腺癌切除例242例の組織マイクロアレイに対してPD-L1および CD8のIHC分析を行った。 ≧5%の腫瘍細胞にPD-L1の膜発現(強度を問わない)が認められる場合を陽性とした。 CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は4段階尺度(0~3)で評価した。 PD-L1の発現状況と臨床病理学的特徴、分子的特徴および予後との関係を調べた。 主な結果 研究コホートの内訳は、ステージ0が1例、ステージⅠが188例、ステージⅡが37例、ステージⅢが  9例、ステージⅣが7例であった。 38例(15.7%)がPD-L1陽性であり、 PD-L1陽性は以下の因子に相関していた。 喫煙歴(p=0.008)、腫瘍径が大きいこと(p=0.007)、充実性または腺房性増殖優位型(p< 0.001)、血管浸潤(p=0.012)、CD8+ TIL増加(p<0.001)、KRAS変異(p=0.001) 5年PFS率に関して、PD-L1陽性患者(65%)と陰性患者(69%)の間で差は認められなかった。 Cox比例ハザード回帰モデルにおいて、病期の進行はPFSの短縮に相関していた(p=0.039)。 結論 腺癌切除組織において、PD-L1の過剰発現はCD8+ TIL増加およびKRAS変異に有意に相関している。 現在、KRAS変異陽性肺腺癌に対する有効な標的療法はないが、PD-1/PD-L1経路を標的とした療法が 有望な治療選択肢になる可能性がある。 Huynhら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7555

13 7560:中皮腫におけるT細胞と生存転帰の関係-Chee SJら
研究の目的 免疫攻撃が持続しており、免疫活性化療法で有益性が得られる可能性のある中皮腫患者 を、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)密度に基づいて特定できるかどうかを検討する。 研究デザイン 連続した中皮腫患者213例の組織に対して組織マイクロアレイ解析を行った。CD3、 CD4、CD8およびCD45ROについてスライドの染色を行った。 腫瘍不均一性の影響を調整するため、平均スコアを用いた。 主な結果 腫瘍浸潤CD3細胞(p=0.224)、CD4細胞(p=0.205)およびCD8細胞(p=0.243)の 密度と生存転帰の間に相関は認められなかった。 以下の2因子は生存転帰の改善に有意に相関していた: CD4:CD8比が高いこと(>0.61)(p=0.007) CD45RO値が低いこと(p=0.002) 結論 中皮腫患者において、CD4:CD8比が高いこと、およびCD45ROメモリーT細胞の密度が 低いことは生存転帰の改善に相関している。 Cheeら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7560

14 8021:METエクソン14スキッピングを引き起こす変異を有するステージⅣ肺腺癌患者におけるクリゾチニブおよびcabozantinibの抗腫瘍効果-Paik PKら
研究の目的 METエクソン14スキッピングを引き起こす変異を有するステージⅣ肺腺癌患者における クリゾチニブおよびcabozantinibの抗腫瘍効果を検討する。 研究デザイン 341個の癌遺伝子および腫瘍抑制遺伝子を解析するハイブリッドキャプチャー/次世代シー ケンシング法による臨床アッセイ(MSK-IMPACT)。FFPE保存組織に対してMETのIHC 分析を行った。 主な結果 臨床アッセイにより9例が特定された(METエクソン14スプライス部位変異を有する患者 8例、エクソン14のY1003欠失変異を有する患者1例) これまでに3例にクリゾチニブ、1例にcabozantinibが投与されている。 クリゾチニブが投与された3例では部分奏効が達成された。Cabozantinibが投与された 1例の効果は安定(RECIST)と判定され、PERCIST基準では完全奏効と判定された。 クリゾチニブおよびcabozantinibの忍容性は良好であり、グレード3/4のAEは認められな かった。 結論 METエクソン14スキッピング変異は、MET阻害薬の抗腫瘍効果に関する予測因子として 蛋白発現や遺伝子増幅よりも有用と思われる。 Paikら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8021

15 8022:NF1変異肺癌の臨床的および分子的特徴-Redig AJら
研究の目的 NF1変異肺癌の臨床的および分子的特徴を評価し、KRAS変異腫瘍の結果と比較する。 研究デザイン 組織学的に確認されたNSCLCの成人患者 臨床分析およびゲノム解析によりNF1コホートおよびKRASコホートを特定した。遺伝子変異 の頻度をFisherの正確確率検定で検討した。 主な結果 591例のうち、60例がNF1変異(10%)、143例(24%)がKRAS変異を有していた。NF1コ ホートおよびKRASコホートのうち、それぞれ28例(47%)および54例(38%)がステージ Ⅳであった。 NF1変異を有する患者60例において73個の変異が特定された。これらの変異の75%は他のドラ イバー変異と併存せず単独で存在していた。10例は複数の変異を有していた。 結論 NSCLCにおけるNF1変異の頻度は10%であり、他の既知のドライバー変異との併存が認められ た患者は少なかった。NF1変異腫瘍はKRAS変異腫瘍に比べて組織型が多様であった。 NF1変異腫瘍は、臨床的および分子的特徴が部分的にKRAS変異腫瘍に類似しているが、一つ の特異なコホートを構成しており、特に、重要な腫瘍抑制遺伝子の変異の併存がみられる。 NF1変異腫瘍には、NSCLCのKRAS変異を標的とした治療戦略を適用できるかもしれない。 Redigら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8022

16 8079:非小細胞肺癌患者における血漿中EGFR変異の定量によるチロシンキナーゼ阻害薬の抗腫瘍効果の早期予測-Marchetti Aら
研究の目的 NSCLC患者において、臨床での血漿中EGFR変異の正確な定量が可能かどうかを評価する。 研究デザイン 79例(EGFR変異陽性NSCLC患者42例、EGFR変異陽性未治療ステージⅢB~ⅣNSCLC患者 15例、陰性対照22例)を対象に、血漿サンプル中のEGFR変異状況を解析した。 cobas EGFR Mutation Test(EGFRテスト;開発中、RMS、Pleasanton、CA)およびRoche 454-GS Junior and Illumina MiSeqによる超深度次世代シーケンシング(UDNGS)の2種類の 解析法を比較した。変異コピー数が既知の希釈系列を用いて半定量的指数(SQI)を求めた。 主な結果 組織サンプルを基準として、血漿サンプルを用いた各解析法の感度および特異度は、EGFRテ ストがそれぞれ72%および100%、UDNGSアッセイがそれぞれ74%および100%であった。 EGFRテストによる定量指数とUDNGSによる定量指数の間には有意な相関が認められた(p< )。 EGFR変異状況の経時的な解析では、すべての患者で治療中にEGFR SQIの漸進的な低下が認 められた。 結論 cobas EGFRテストは血漿中EGFR変異の定量が可能である。 治療中のEGFR SQIの変化に基づいて抗腫瘍効果や再発の診断を予測できるかもしれない。 Marchettiら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8079

17 8080:EGFR-TKI耐性を獲得した進行NSCLC患者における血漿中EGFR T790M ctDNAの有無と臨床転帰の関係-Zheng Dら
研究の目的 NSCLC患者において、血漿サンプル中の循環腫瘍DNA(ctDNA)からEGFR T790M変異の検出 が可能かどうかを評価する。 研究デザイン 進行または再発性NSCLC患者において、TKI治療中に2ヵ月毎に血液サンプルを採取した。 TKI無効後は(医師の判断で)TKIを単独または化学療法との併用で継続した。 血漿中EGFR ctDNAはDroplet Digital PCR(ddPCR)アッセイで測定した。血漿中T790M ctDNAの有無別にTKI初回投与時からのOSを解析した。 主な結果 318例のうちTKI耐性を獲得した117例を解析に組み入れた。 55例(47%)で血漿中にT790M ctDNAが検出された。 T790M ctDNA陽性患者の約半数は臨床的増悪前(中央値2.2ヵ月前)に特定された。 T790M ctDNA陽性患者はT790M陰性患者に比べてOSが有意に短かった(OS中央値はそれぞ れ808日および1083日;p=0.0418)。 結論 TKI治療を受けているNSCLC患者において、血漿サンプル中のctDNAからEGFR T790M変異 の検出は可能である。 ctDNAにおけるT790M変異は、特に二次以降のTKI治療を受けている患者では予後不良因子で ある。 Zheng ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8080

18 8088:MET増幅がみられる非小細胞肺癌(NSCLC)患者の遺伝的多様性および 臨床像-Eisert Aら
研究の目的 NSCLC患者における各レベルのcMET増幅の特徴(頻度、併存するドライバー変異および臨床 転帰)を明らかにする。 研究デザイン NSCLC患者588例を対象に、蛍光in-situハイブリダイゼーション法を用いてcMETの増幅状況 (低度、中程度、高度)の解析を行った。解析したすべてのサンプルに対して(102個のアンプ リコンおよび14個の遺伝子を用いて)次世代並列シーケンシングを行った。 主な結果 588例中171例(29.1%)にcMET増幅が認められた(9.9%は高度増幅)。 cMETの増幅とともに、98例(57.3%)では様々な他のドライバー変異(EGFR、KRAS、 HER2、STK11、NRAS、BRAF)または他の増幅(FGFR1)が認められ、このような併存は腺 癌(60.2%)および扁平上皮癌(21.1%)のいずれでもみられた。 高度増幅が認められた17例のうち、9例では他のドライバー変異が認められず、他の8例では EGFR、KRAS、PIK3CA、BRAFおよびSTK11の変異が認められた。 cMETの増幅は喫煙歴に関連していた。 結論 NSCLC患者では、様々な発癌ドライバー変異とともに cMET増幅が高頻度にみられた。他の変 異を有する患者のほとんどはKRAS変異を有していた。 MET標的治療の対象患者の特定を目的としたMET増幅患者のスクリーニングでは、シーケンシ ング結果を根拠とするべきではない。 Eisert ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8088

19 早期および局所進行NSCLC ステージⅠ、ⅡおよびⅢ

20 500 mg/m2 +シスプラチン75 mg/m2 +TRT (66.0 Gy) q3w 3コース
7506:第Ⅲ相PROCLAIM試験の全生存(OS)最終解析結果:局所進行非扁平上皮非小細胞肺癌(nsNSCLC)におけるペメトレキセド(Pem)+シスプラチン(Cis)+胸部放射線療法(TRT)またはエトポシド(Eto)+Cis+TRTと、これに続く地固め細胞傷害性化学療法(CTX)-Senan Sら 研究の目的 局所進行nsNSCLCを対象に、ペメトレキセド+シスプラチン+胸部放射線療法(TRT)およびエトポシド+シスプラチン+TRT(それぞれその後に地固め細胞傷害性化学療法)の有効性および安全性を比較する。 同時療法期 回復期 (3~5週間) 地固め療法期 ペメトレキセド 500 mg/m2 +シスプラチン75 mg/m2 +TRT (66.0 Gy) q3w 3コース (283例) ペメトレキセド500 mg/m2 q3w 4コース (229例) 主な患者組み入れ基準 ステージⅢA~ⅢBの切除不能nsNSCLC 測定可能な腫瘍病変 前化学療法歴なし ECOG PS 0/1 (598例) 無作為化 PR/CR/SD (RECIST基準) エトポシド50 mg/m2 D1–5 +シスプラチン 50 mg/m2 D1/8+TRT (66.0 Gy) q4w 2コース (272例) 化学療法* 2コース (202例) 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント PFS、ORR、安全性 *治験責任医師が選択:エトポシド50 mg/m2 D1–5 q4w+シスプラチン50 mg/m2 D1, 8 q4w; ビノレルビン30 mg/m2 IV D1, 8 q3w+シスプラチン75 mg/m2 IV D1 q3w;または パクリタキセル200 mg/m2 IV q3w+カルボプラチンAUC6 IV q3w Senanら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7506 20 20

21 7506:第Ⅲ相PROCLAIM試験の全生存(OS)最終解析結果:局所進行非扁平上皮非小細胞肺癌(nsNSCLC)におけるペメトレキセド(Pem)+シスプラチン(Cis)+胸部放射線療法(TRT)またはエトポシド(Eto)+Cis+TRTと、これに続く地固め細胞傷害性化学療法(CTX)-Senan Sら 主な結果 ペメトレキセド+シスプラチン群のOSはエトポシド+シスプラチン群のOSと比べて有意 差がなかった(HR 0.98[95%CI 0.79~1.20];p=0.831)。 生存確率 無作為化時からの時間(ヵ月) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 12 24 36 48 60 72 301 297 282 278 268 262 221 216 178 179 145 140 98 97 67 69 46 49 33 31 19 22 10 1 3 239 232 194 201 157 164 126 113 75 82 56 42 25 26 14 16 6 リスク集合: Pem+Cis群 Eto+Cis群 2年OS率 3年OS率 52% 40% 37% 打ち切り例 HR(95%CI)0.98(0.79~1.20) Log-rank検定、p=0.831 OS中央値(95%CI)、ヵ月 Pem+Cis群:26.8(20.4~30.9) Eto+Cis群:25.0(22.2~29.8) Senanら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7506

22 ORRは両群同程度であった(ペメトレキセド+シスプラチン群35.9%;エトポシド+シス プラチン群33.0%;p=0.458)。
7506:第Ⅲ相PROCLAIM試験の全生存(OS)最終解析結果:局所進行非扁平上皮非小細胞肺癌(nsNSCLC)におけるペメトレキセド(Pem)+シスプラチン(Cis)+胸部放射線療法(TRT)またはエトポシド(Eto)+Cis+TRTと、これに続く地固め細胞傷害性化学療法(CTX)-Senan Sら 主な結果 PFSはペメトレキセド+シスプラチン群の方が優れる傾向にあったが、有意差はなかった (それぞれ11.4 vs. 9.8ヵ月;HR 0.86[95%CI 0.71~1.04];p=0.130)。 ORRは両群同程度であった(ペメトレキセド+シスプラチン群35.9%;エトポシド+シス プラチン群33.0%;p=0.458)。 DCRはペメトレキセド+シスプラチン群の方が高かった(80.7% vs. 70.7%;p= 0.004)。 ペメトレキセド+シスプラチン群はグレード3/4の薬剤関連AEの総発現率が有意に低かっ た。 グレード3~5の全AE:67.8% vs. 79.4%(p=0.001) グレード3/4の好中球減少症/顆粒球減少症:24.4% vs. 44.5%(p<0.05) グレード3/4の肺臓炎:1.8% vs. 2.6% グレード3/4の食道炎:15.5% vs 20.6% 結論 nsNSCLC患者において、ペメトレキセド+シスプラチン群のOSは対照群と同程度であっ たが、安全性プロファイルはペメトレキセド+シスプラチンの方がエトポシド+シスプラ チンより優れていた。 DCR=病勢コントロール率(CR+PR+SD) Senanら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7506

23 7507:リンパ節転移陽性非小細胞肺癌(NSCLS)切除患者を対象としたBRCA-1 発現レベルに応じた個別化アジュバント化学療法(CT)の無作為化第Ⅲ相試験:Spanish Lung Cancer GroupによるSCAT試験(Eudract: ;NCTgov: )-Massuti Bら 研究の目的 NSCLC患者のシスプラチン反応性および微小管阻害薬反応性に対するBRCA1の差別的調節因子としての役割を検討する。 対照群 ドセタキセル75 mg/m2+シスプラチン 75 mg/m2 D1(108例) PD 主な患者組み入れ基準 ステージⅡおよびⅢ外科手術後NSCLC R0 pN1/pN2 (500例) 層別化 N1 vs. N2 年齢≦65歳 vs. >65歳 非扁平上皮癌 vs. 扁平上皮癌 肺葉切除 vs. 肺全摘 無作為化 BRCA1低レベル:ゲムシタビン1250 mg/m2 D1, 8+シスプラチン75 mg/m2 D1(110例) PD BRCA1中レベル:ドセタキセル75 mg/m2+ シスプラチン75 mg/m2 D1(127例) PD PD BRCA1高レベル:ドセタキセル75 mg/m2 D1 (110例) 試験群 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント DFS、毒性、再発パターン Massutiら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7507 23 23

24 7507:リンパ節転移陽性非小細胞肺癌(NSCLS)切除患者を対象としたBRCA-1 発現レベルに応じた個別化アジュバント化学療法(CT)の無作為化第Ⅲ相試験:Spanish Lung Cancer GroupによるSCAT試験(Eudract: ;NCTgov: )-Massuti Bら 主な結果 試験群と対照群の間でOSに有意差は認められなかった(HR=0.86)。 BRCA1発現レベルに応じてレジメンを選択する治療戦略でOSは改善しなかった。 全体 治療群 時間(ヵ月) 生存確率 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 中レベル 低レベル BRCA1 BRCA1発現レベル別 高レベル HR 低レベル vs. 高レベル:0.84 中レベル vs. 高レベル:0.95 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 試験群 対照群 生存確率 HR 0.86(95%CI 0.59~1.27) 時間(ヵ月) Massuti ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7507

25 7507:リンパ節転移陽性非小細胞肺癌(NSCLS)切除患者を対象としたBRCA-1 発現レベルに応じた個別化アジュバント化学療法(CT)の無作為化第Ⅲ相試験:Spanish Lung Cancer GroupによるSCAT試験(Eudract: ;NCTgov: )-Massuti Bら 主な結果 BRCA1の発現が高レベルの患者集団において、試験群で選択されたドセタキセルは対照 治療のドセタキセル+シスプラチンよりも劣っていた(HR=1.24、NS)。 BRCA1の発現が低レベルの患者集団において、試験群で選択されたゲムシタビン+シス プラチンは対照治療のドセタキセル+シスプラチンよりも優れていた(HR=0.50、p= 0.016)。 計画どおりの治療を完了した患者では生存転帰の有意な改善が認められた(HR=0.63、 p=0.043)。 扁平上皮癌患者は非扁平上皮癌患者に比べてDFSが長かった(HR=0.73、p=0.05) が、OSに差は認められなかった。 結論 BRCA1発現レベルに応じてアジュバント化学療法レジメンを選択してもOSは改善しな い。 BRCA1の発現が高レベルの患者では、ドセタキセル単独よりドセタキセル+シスプラチ ンの方が優れていた。 Massuti ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7507

26 7510:ステージⅠNSCLC完全切除患者におけるパゾパニブ(P)またはプラセボ:第Ⅱ相IFCT-0703試験の生存解析結果-Besse Bら
研究の目的 転移性腎細胞癌および肉腫の治療に承認されている抗血管新生薬、パゾパニブの使用例における生存 データを報告する。 研究デザイン 二重盲検非比較無作為化多施設共同第Ⅱ相試験 ステージⅠNSCLC切除患者142例を6ヵ月間のパゾパニブ800 mg/日群またはプラセボ群に無作為化した。 パゾパニブ群のコンプライアンスが当初不良であったことから、IDMCは中間解析の結果を受けてパゾパ ニブの用量を400 mg/日に減量した。 主な結果 2009年3月から2012年8月までの間に71例を各群に組み入れた。 コンプライアンス達成率はパゾパニブ 800 mg/日群が38%(23~55)、パゾパニブ400 mg/日群が69% (50~84)であった。 パゾパニブ400 mg/日の忍容性は許容可能であった。 グレード3/4のAEの発現率はパゾパニブ400 mg/日群が38%、パゾパニブ800 mg/日群が48%であった。 DFSは群間で同程度であり、パゾパニブ群が76%、プラセボ群が83%であった(p=0.53)。 5年全生存率は群間で同程度であり、パゾパニブ群が83%、プラセボ群が94%であった(p=0.26)。 結論 パゾパニブ400 mg/日は投与可能な用量であり、その忍容性は許容可能であった。 ただし、ステージⅠNSCLC切除例にアジュバントパゾパニブ療法を施行しても、OSおよびDFSは改善 しない確率が高い。 IDMC=独立薬剤モニタリング委員会 Besseら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7510

27 7513:ステージⅠ非小細胞肺癌の非外科的根治治療における体幹部定位放射線療法 または通常分割放射線療法後の生存転帰:National Cancer Data Baseの解析 -Robinson CGら 研究の目的 手術不能臨床的ステージⅠNSCLC患者における体幹部定位放射線療法(SBRT)および 標準的な通常分割放射線療法(CFRT)後の生存転帰を比較する。 研究デザイン National Cancer Databaseに登録されている患者のうち、1996~2010年に非外科的根治 治療としてCFRTまたはSBRTが施行されたステージⅠNSCLC患者のレトロスペクティブ な解析 主要アウトカム:OS Cox回帰分析でOSに対する患者因子および治療因子の影響を評価するとともに、ベース ライン時の群間不均衡を調整した上で逆確率調整Kaplan-Meier生存曲線を求め、OSの群 間差を評価した。 主な結果 19,373例を解析に組み入れた(SBRT群5,944例、CFRT群13,429例)。追跡期間中央値は 18.7ヵ月(範囲0~105)であった。 Robinson ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7513

28 7513:ステージⅠ非小細胞肺癌の非外科的根治治療における体幹部定位放射線療法 または通常分割放射線療法後の生存転帰:National Cancer Data Baseの解析 -Robinson CGら 主な結果(続き) 多変量解析により、OSの改善に独立して相関する各種因子(SBRTの使用を含む)が 特定された。 因子 HR (95%CI) p値 年齢 1.012(1.009~1.014) <0.001 施設(学術医療機関 vs. 非学術医療機関) 0.946(0.903~0.991) 0.019 性別(男性 vs. 女性) 1.266(1.217~1.317) 人種(白人 vs. 非白人) 1.081(1.012~1.115) 0.021 Charlsonスコア( 1 vs. 0) 1.052(1.005~1.101) 0.029 Charlsonスコア( 2 vs. 0) 1.349(1.275~1.427) 腫瘍径 1.013(1.010~1.016) 臨床的T病期(T2 vs. T1) 1.129(1.064~1.197) 化学療法(あり vs. なし) 0.814(0.775~0.854) 治療(SBRT vs. CFRT) 0.775(0.736~0.816) Robinson ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7513

29 7513:ステージⅠ非小細胞肺癌の非外科的根治治療における体幹部定位放射線療法 または通常分割放射線療法後の生存転帰:National Cancer Data Baseの解析 -Robinson CGら 主な結果(続き) SBRT群ではCFRT群に比べてOSに有意な改善が認められた。 結論 臨床的ステージⅠNSCLC患者を対象とした今回の大規模集団ベース解析の結果、化学療 法の使用状況にかかわらず、SBRTはCFRTに比べてOSを改善させることが示された。 生存確率 1.0 0.75 0.50 0.25 0.0 12 24 36 48 60 72 84 96 108 全患者 生存確率 1.0 0.75 0.50 0.25 0.0 12 24 36 48 60 72 84 96 108 化学療法非施行患者 OS中央値 29.8 vs. 26.2ヵ月 p<0.001 OS中央値 32.3 vs. 25.6ヵ月 p<0.001 通常分割 SBRT 通常分割 SBRT Robinson ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7513

30 7514:ステージⅢA非小細胞肺癌(NSCLC)の治療における3療法集学的治療:National Cancer Databaseの解析-Behera Mら
研究の目的 3療法集学的治療を受けたステージⅢA NSCLC患者の転帰および効果予測因子を検討 する。 研究デザイン National Cancer Databaseに登録されている患者のうち、2003~2011年に化学放射線 療法(CRT)による治療を受けたステージⅢA-N2 NSCLC患者のデータをレトロスペ クティブに解析した。 以下の3つの患者集団について検討した: CRT単独/外科手術なし(NS群) CRT+肺葉切除(L群) CRT+肺全摘(P群) Cox比例ハザードモデルおよびlog rank検定を用いて単変量解析および多変量解析を実 施した。 主な結果 29,584例を解析に組み入れた。このうち91.7%がNS群、7%がL群、1.5%がP群で あった。 Behera ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7514

31 7514:ステージⅢA非小細胞肺癌(NSCLC)の治療における3療法集学的治療:National Cancer Databaseの解析-Behera Mら
主な結果(続き) 治療因子 年齢が低い患者(年齢<60歳の患者)は3療法集学的治療を受ける確率が高かった(L群 47%、P群60% vs. NS群29%;p<0.001)。 学術医療機関で治療を受けた患者は、3療法集学的治療を受ける確率が高かった(3療法 集学的治療群42% vs. NS群25%)。 生存転帰 30日死亡率はL群(2.6%)よりP群(7%)の方が高かった(OR 0.26、95%CI 0.16~ 0.45;p<0.001)。 L P NS NS群に対する生存のHR (95%CI) 0.43(0.38~0.48) 0.57(0.46~0.71) 生存期間中央値、ヵ月 44.5 25.6 15.7 5年生存率、% 44 33 14 Beheraら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7514

32 7514:ステージⅢA非小細胞肺癌(NSCLC)の治療における3療法集学的治療:National Cancer Databaseの解析-Behera Mら
主な結果(続き) 生存転帰 L群では、転移リンパ節数<2の患者の生存転帰が転移リンパ節数>2の患者よりも優れ ていた(50% vs. 37%;60 vs. 38.8ヵ月)。逆に、NS群では、転移リンパ節数<2の患 者の生存転帰が転移リンパ節数>2の患者よりも劣っていた(13.8% vs.16.4%;15.3 vs ヵ月)。 すべての年齢層で、L群およびP群の生存率はNS群より高かった。 結論 3療法集学的治療は、ステージⅢA-N2 NSCLC患者のうち非常に限られた患者で使用さ れているようである。 これらの患者では、CRT単独よりも3療法集学的治療で治療した方が良好な転帰が得ら れる。 生存率、% 年齢分類 L P NS ≦60歳 48 37 19 61~70歳 42 30 14 >70歳 36 10 Beheraら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7514

33 7523:変異型EGFR特異的抗体およびc-METの発現状況別に評価した肺腺癌切除患者におけるプラチナ製剤含有アジュバント化学療法の生存に対する影響-Kim I-Hら
研究の目的 変異型EGFR特異的抗体(mutEGFR-sAb)およびcMETの発現状況別にプラチナ製剤含有アジュバント化学療法(PBAC)の生存に対する影響を評価する。 研究デザイン 2005年から2013年にかけて、PBAC(パクリタキセル/カルボプラチン、パクリタキセル/シスプラチンまたはビノレルビン/シスプラチン)を受けたステージⅠB~ⅢA肺腺癌切除患者を本研究に組み入れた。 MutEGFR-sAb(免疫組織化学法)およびcMET(組織マイクロアレイ)を調べ、(mutEGFR-sAbおよびcMETの発現状況別に)PBACの生存に対する影響を評価した。 主な結果 301例中85例で再発が認められ、65例が死亡した。301例中78例がmutEGFR-sAb陽性、136例がcMET陽性であった。 mutEGFR-sAbの特異度および感度はそれぞれ99%および88%であった。 ステージⅡ/Ⅲの患者のうち、mutEGFR-sAb陽性患者ではPBACによるOSの有意な延長が認められた(p=0.04)が、mutEGFR-sAb陰性患者では認められなかった(p=0.46)。 PBACは、mutEGFR-sAb陽性患者ではRFSおよびOSに関する独立した予後因子であったが、mutEGFR-sAb陰性患者ではRFSおよびOSとの関連性を示さなかった。 同様に、ステージⅡ/Ⅲa患者のうち、cMET陽性患者ではPBACによるPFSおよびOSの有意な延長が認められたが、cMET陰性患者では認められなかった。 結論 肺腺癌切除患者において、MutEGFR-sAbおよびcMETの過剰発現はPBACの効果に関する予測バイオマーカーである可能性がある。 Kimら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7523

34 ステージⅢNSCLC患者における高線量化学放射線療法の安全性および有効性を検討する。 研究デザイン
7526:ステージⅢ非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした予防的リンパ領域照射を併用しない高線量(72Gy)三次元原体照射療法(3D-RT)とシスプラチン(CDDP)+ビノレルビン(VNR)化学療法の同時療法の多施設共同第Ⅱ相試験の全生存(OS)最終解析結果 -Horinouchi Hら 研究の目的 ステージⅢNSCLC患者における高線量化学放射線療法の安全性および有効性を検討する。 研究デザイン 切除不能ステージⅢNSCLC患者を対象とした第Ⅱ相試験。シスプラチン(80 mg/m2 D1)+ビノレルビン(20 mg/m2 D1および8)を4週毎に3~4コース投与した。放射線療法は総線量72 GyとしてD1より36分割で実施した。 主要エンドポイント:2年生存率 主な結果 2009年から2011年までに31例を組み入れた(男性81%;年齢中央値59歳) 患者登録のペースが遅く、2例でグレード5の肺毒性が発現したため、本試験は早期中止となった。 2、3および5年PFS率はそれぞれ44.9%、34.6%および34.6%、PFS中央値は17.1ヵ月であった。 2、3および5年OS率はそれぞれ64.5%、51.2%および43.8%、OS中央値は41.2ヵ月であった。 結論 高線量胸部放射線療法に伴い、許容できない肺毒性の発現が認められたが、長期生存転帰は有望であった。 今後の開発では、放射線肺臓炎を適切に予測することが必要不可欠である。 Horinouchiら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7526

35 7527:National Cancer Data Base(NCDB)の非小細胞肺癌(NSCLC)不完全切除例:予測因子、予後およびアジュバント療法の意義-Osarogiagbon RUら
研究の目的 切除断端陽性患者および陰性患者の生存転帰および術後アジュバント療法の効果を比較する。 研究デザイン 2004~2011年にNCDBに登録されたステージⅠ~ⅢA NSCLC外科治療患者を対象に、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて切除断端陽性に関連する臨床的因子、社会人口学的因子および施設因子を解析した。 主な結果 切除患者112,998例のうち5,335例(4.7%)が切除断端陽性であった。 切除断端陽性患者は陰性患者に比べて生存転帰が有意に不良であった(5年OS率33.8% vs. 58.5%;p<0.001)。 以下の因子は切除断端陽性となる確率の上昇に対して独立した関連性を示した: 黒人;Medicare受給資格の取得が年齢に基づいていること;都市部に居住していること;扁平上皮癌;腫瘍悪性度が高いこと;腫瘍が主気管支にあること;病理学的病期が高いこと 外科手術を以下で施行していること:Community Cancer Programs;保険未加入患者の割合が高い施設;癌切除量が小さい施設 病期にかかわらず、切除断端陽性患者の死亡率は、術後治療なしの場合に比べて術後アジュバント療法として放射線療法を行った場合に上昇し、化学療法を行った場合に低下した。 結論 切除断端陽性患者では肺癌切除後の生存転帰が有意に不良であり、断端陽性は様々な因子に関連していた。 不完全切除患者の死亡率は、術後にアジュバント療法として化学療法を行った場合に低下し、放射線療法を行った場合に上昇した。 Osarogiagbonら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7527

36 7533:「私への負担」:根治的肺癌治療を受けたMedicare患者の医療利用の複雑さ-Presley CJら
研究の目的 早期NSCLCの治療負担を医療機関受診頻度、受診医師数および薬剤数の点から検討する。 研究デザイン SEER-Medicareデータベースに登録されている患者のうち2007~2009年にステージⅠNSCLCと診断された患者のレトロスペクティブな解析 Sublobar(一肺葉未満)切除、肺葉切除、外照射療法(EBRT)または体幹部定位放射線療法(SBRT)による根治的治療を受けた患者(67~94歳)を組み入れた。 治療前と治療後の急性期、急性期後の時期および外来治療期のデータを解析した。 主な結果 7,955例のうち、76.4%が外科手術、13.5%がEBRT/強度変調放射線療法、10.1%がSBRTを受けた。 典型的な癌患者(vs. 非癌患者)の場合、治療開始後の1年間における医療機関受診日数の中央値は44(vs. 19)、受診医師数の中央値は20(vs. 7)、薬剤数の中央値は12(vs. 9)であった。 治療を受けた癌患者全体で、1年死亡率は15%であった。 結論 高齢のNSCLC患者にとって、治療を受ける上での負担(受診頻度および受診医師数)は非常に大きい。 Presleyら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7533

37 7536:ステージⅢNSCLC患者におけるカルボプラチン/パクリタキセルまたはシスプラチン/エトポシドと胸部照射の同時併用療法の比較:系統的レビュー -Steuer CEら
研究の目的 切除不能ステージⅢAおよびⅢB NSCLC患者におけるシスプラチン/エトポシドおよびカルボプラチン/パクリタキセルの治療転帰および毒性を比較する。 研究デザイン 電子データベースおよび学会抄録集より、ステージⅢ患者を対象に胸部照射とシスプラチン/エトポシドまたはカルボプラチン/パクリタキセルの併用を評価した試験を特定し、系統的レビューを実施した。 治療群間で臨床転帰(OS中央値、PFS中央値、奏効率および毒性)を比較した。 主な結果 シスプラチン/エトポシド群については32試験の3,194例、カルボプラチン/パクリタキセル群については51試験の3,789例を組み入れた。 シスプラチン/エトポシド群 vs. カルボプラチン/パクリタキセル群のベースライン特性は以下のとおり:年齢中央値61歳 vs. 63歳、男性の割合68% vs. 78%、扁平上皮癌の割合39% vs. 40%、放射線照射線量中央値62 Gy vs. 63 Gy。 以下の項目に関してシスプラチン/エトポシド群とカルボプラチン/パクリタキセル群の間で有意差は認められなかった:奏効率(ORR 65% vs. 56%)、OS中央値(19.8ヵ月 vs. 18.4ヵ月)、3年生存率(31% vs. 25%)、PFS(11.5ヵ月 vs. 9.3ヵ月)。 シスプラチン/エトポシド群ではカルボプラチン/パクリタキセル群に比べてグレード3/4の血液毒性の発現率が高かった。 結論 ステージⅢ切除不能NSCLC患者において、放射線療法と同時併用した場合のシスプラチン/エトポシドおよびカルボプラチン/パクリタキセルの有効性は同程度であったが、毒性の発現はカルボプラチン/パクリタキセルの方が少なかった。 Steuer ら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7536

38 7538:N0~N1非小細胞肺癌に対する術後放射線療法施行時の照射線量と治療成績との関連性-Wang EHら
試験の目的 外科切除を施行した転移のないstage IIまたはIIIでN0~N1かつ切除断端陰性のNSCLC患 者における術後放射線療法(PORT)の実施状況を調べ、PORT照射線量とOSとの関連 性を評価すること 試験デザイン 2003年~2011年の期間にstage IIまたはIIIのNSCLCに対して外科切除を施行した患者を National Cancer Databaseから抽出し、レトロスペクティブに解析した PORT照射法としては従来の非原体照射法と最新の照射法である三次元原体照射 (3D-CRT)と強度変調放射線療法(IMRT)を検討した OSとPORT照射線量に基づき、多変量解析とCoxの比例ハザード回帰分析を行った 主な結果 上記の基準に満たす患者は計32,436例であった このうち2,167例(6.7%)はPORTを施行し 30,269例(93.3%)はPORTを施行しなかった 12,163例について生存データが得られた Wangら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7538

39 7538:N0~N1非小細胞肺癌に対する術後放射線療法施行時の照射線量と治療成績との関連性-Wang EHら
主な結果(続き) PORTを施行した総患者数は2003年から2011年にかけて減少した この期間に高線量PORTを施行した患者の割合は徐々に増加した 診断年別PORT照射線量 患者の割合 (%) Wangら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7538

40 7538:N0~N1非小細胞肺癌に対する術後放射線療法施行時の照射線量と治療成績との関連性-Wang EHら
主な結果(続き) PORT施行例の方が非施行例に比べてOSが不良であった 最新の照射法(3D-CRTまたはIMRT)でPORTを施行した患者に解析対象を絞っても、 同様の結果が得られた 結論 外科切除を施行した転移のないstage IIまたはIIでN0~N1かつ切除断端陰性のNSCLC患者 にPORTを施行した場合、照射線量や照射法によらず予後の改善は認められない N0~N1かつ切除断端陰性の患者に対するPORTの施行率は2003年から2011年にかけて 低下した 全照射法 3D-CRTおよびIMRTのみ HR (95%CI) p値 PORT 1.30 (1.20~1.40) <0.001 1.35 (1.10~1.65) 0.004 Wangら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7538

41 進行期NSCLC -根治治療不能なstage IIIおよびIV
一次治療

42 8000:EGFR変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)の一次治療における変異型EGFR選択的なEGFR阻害薬AZD9291の評価―第Ⅰ相拡大コホートの成績 -Ramalingam SSら
試験の目的 EGFR変異陽性進行NSCLC患者におけるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)AZD9291の有効性・安全性を評価すること 主な組み入れ基準 局所進行または転移性NSCLC 測定可能病変あり EGFR変異陽性 未治療 (60例) AZD mg/日群 (30例) PD AZD mg/日群 (30例) PD 主要評価項目 AZD9291の安全性、忍容性および抗腫瘍活性 Ramalingamら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8000 42 42

43 8000:EGFR変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)の一次治療における変異型EGFR選択的なEGFR阻害薬AZD9291の評価―第Ⅰ相拡大コホートの成績 -Ramalingam SSら
主な結果 AZD9291の投与で奏効率73%が得られ、臨床活性を示した データカットオフ時点で 9ヵ月時に81%の患者が無増悪で生存していた 奏効期間は最長+13.8ヵ月(持続中)である グレード3以上のAEの発現率は15%(80 mg群10%、160 mg群20%)であった 結論 AZD9291は、EGFR変異陽性の進行NSCLC患者に対する一次治療として期待が持て る抗腫瘍活性を示し、その安全性プロファイルは管理可能であった 最良総合効果 80 mg群 (30例) 160 mg 全体 (60例) 奏効率*[%](95%CI) 63 (44~80) 83 (65~94) 73 (60~84) 病勢コントロール率[%](95%CI) 93 (78~99) 100 (88~100) 95 (89~100) 最良抗腫瘍効果[例数]  完全奏効*  部分奏効*  安定  進行 19 9 2 1 24 5 43 14 **奏効確定例のみ Ramalingamら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8000

44 8001:血漿中DNA遺伝子解析に基づくT790M変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるrociletinib(CO-1686)の有効性-Sequist LVら
試験の目的 変異型EGFR選択的な経口EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)rociletinibの第Ⅰ/Ⅱ相試 験において得られた、血漿中DNA遺伝子解析に基づく耐性変異T790M陽性のNSCLC患者 における安全性・有効性のデータを報告すること 試験デザイン EGFR変異陽性NSCLCと診断された患者456例に対してrociletinib 500~1,000 mgを1日 2回投与する第Ⅰ(用量漸増)/Ⅱ相(拡大)試験(TIGER-X試験)を実施した 第Ⅱ相部分の対象は、中央での生検材料遺伝子検査でT790M変異陽性と確認され、EGFR 標的療法中に病勢進行を来した患者とした 血漿中EGFR遺伝子検査には、emulsion PCR法とフローサイトメトリーを組み合わせた 定量検査法BEAMing(Sysmex)を用いた 主要評価項目は安全性・忍容性、ORRおよびPKプロファイルであった 主な結果 rociletinibを計456例に投与し、投与した全例を安全性解析対象とした 腫瘍組織および血漿中DNA遺伝子検査に基づきそれぞれ243例および147例がT790M陽性 と中央で確認され、T790M陽性全例を有効性解析対象とした Sequistら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8001 44 44

45 8001:血漿中DNA遺伝子解析に基づくT790M変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるrociletinib(CO-1686)の有効性-Sequist LVら
主な結果(続き) 組織中T790M陽性例と血漿中T790M陽性例のORRはどちらも53%と同等であったが、 一次TKI療法中に進行を来したすべての患者に組織再生検を行うわけではない T790M陰性中央確認例におけるORRは37%であった。T790M陰性例の一部で奏効した 理由として、腫瘍組織の不均一性、遺伝子検査の感度の低さ、EGFR-TKIのIGF1-R/IR  阻害活性、TKI再投与の効果(86%の患者で直前治療がTKI)などが考えられる ORR[%] (例数/総例数) 血漿中T790M 陽性 陰性 全体 組織中T790M 55% (72/130) 43% (13/30) 53% (85/160) 35% (6/17) 27% (3/11) 32% (9/28) 53% (78/147) ) 39% (16/41) Sequistら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8001 45 45

46 8001:血漿中DNA遺伝子解析に基づくT790M変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるrociletinib(CO-1686)の有効性-Sequist LVら
主な結果(続き) 組織中T790M陽性中央確認例にrociletinibを500 mg 1日2回の用量(推奨用量)で投与 すると、ORR 60%、DCT 90%が得られた 現在のところPFS中央値は組織中T790M陽性中央確認例において8.0ヵ月、治療開始時 に脳転移のない例で10.3ヵ月と推定される 血漿中T790M遺伝子検査は組織中遺伝子検査と同等の感度を有する rociletinib 500 mg 1日2回投与例の17%でグレード3の高血糖が発現した rociletinib 500 mgを1日2回投与した例の2.5%で治療関連AEにより投薬を中止した 結論 rociletinibは直前のTKI治療中に進行を来したEGFR T790M変異陽性NSCLC患者に対し て持続的な奏効と優れた忍容性を示した BEAMingを用いた血漿中DNA遺伝子検査は組織遺伝子検査を補う患者選別法である 500 mg 625 mg 750 mg 1000 mg 全体 例数 48 114 77 4 243 ORR[%] 60 54 46 75 53 DCR[%] 90 84 82 100 85 Sequistら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8001 46 46

47 8038:進行NSCLC患者において喫煙状態はPARP阻害薬veliparibに対する感受性を予測できるか-Ramalingam SSら
試験の目的 NSCLC患者においてveliparibの効果に対する喫煙状況の影響を調べること 試験デザイン 未治療の進行・転移性NSCLC患者をカルボプラチン/パクリタキセル(CP)に加えて veliparib(120 mg 1日2回)またはプラセボを投与する群にランダム割付けする第Ⅱ相  試験で、血漿中コチニン濃度を測定することにより最近の喫煙状況を調べた 主な結果 計158例を組み入れた(男性68%、扁平上皮NSCLC48%、60%が現在喫煙、27例が過去 に喫煙、13%が喫煙歴なし) コチニン濃度別にみてveliparibのPKパラメータに有意差はなかった 多く発現した(どちらかの群で発現率が30%を超える)AEは、脱毛(veliparib+CP群 39%;CP群42%)、貧血(31%;40%)および好中球減少症(36%;29%)であった 現在喫煙者ではCP群に比べてveliparib+CP群におけるグレード3/4のAEの発現率が高かった (66% vs 40%;p=0.026)が、全AEおよびSAEの発現率に関して2群間に差はなかった 現在喫煙者におけるOSは、veliparib+CP群で12.5ヵ月、CP群で5.4ヵ月(HR=0.43 [95%CI 0.26~0.70])であり、コチニン濃度高値例におけるOSは11.7ヵ月 vs 5.7ヵ月 であった(HR=0.52[95%CI 0.29~0.92]) 結論 進行または転移性NSCLCにおいて喫煙状況はveliparibの有効性を予測する因子である Ramalingamら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8038

48 8041:局所進行または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌(nSqNSCLC)東アジア人患者を対象として一次治療ペメトレキセド+シスプラチン→ゲフィチニブ維持療法(PC/G)をゲフィチニブ単剤療法(G)と比較した無作為化第Ⅲ相試験―最終生存成績-Yang JCら 試験の目的 化学療法歴のない進行NSCLC患者に対してペメトレキセド+シスプラチン投与後ゲフィチ ニブによる維持療法(PC/G)を行うか化学療法を行わずにゲフィチニブによる単剤療法 (G)を行った場合の生存期間を評価すること 試験デザイン 過去に少量喫煙していたか喫煙歴のない進行非扁平上皮NSCLC東アジア人患者(ECOG PS 0または1)を対象として、多施設共同無作為化非盲検試験を実施した 主な結果 計236例を1:1の比で2群にランダム割付けした OS中央値は2群で同等であった(PC/G群で26.9ヵ月、G群で27.9ヵ月) EGFR変異陽性例ではPC/G群の方がG群よりもOSが短かった(32.4ヵ月 vs 45.7ヵ月) が、EGFR変異陰性(野生型)例ではPC/G群の方がG群よりもOSが長かった(28.4ヵ月 vs 8.9ヵ月) PC/G群の方がG群に比べてグレード3/4の投薬との関連性が否定できない試験治療下でのAE の発現例が多かった 結論 OSに関してPC/G群とG群の間に有意差はなかった OSに関してEGFR変異陽性例ではG単剤の方が優れていると思われたが、EGFR変異陰性例 ではPC/Gの方が優れていた 本試験の結果、EGFR変異陰性(野生型)進行NSCLCに一次治療としてEGFR-TKIを投与し ても化学療法と比較して有益ではないことが確認された Yangら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8041

49 進行期NSCLC -根治治療不能なstage IIIおよびIV
二次治療以降

50 LBA109:進行非扁平上皮(非SQ)非小細胞肺癌(NSCLC)を対象にニボルマブ(NIVO)をドセタキセル(DOC)と比較した無作為化第Ⅲ相試験(CheckMate 057試験)-Paz-Ares Lら 試験の目的 プラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法施行後に進行を来した進行非SQ NSCLC患者においてニボルマブの有効性・安全性をドセタキセルと比較検討すること 主な組み入れ基準 Stage IIIB/IVの非扁平上皮NSCLC PD-L1検査に必要な投与前腫瘍検体(保存検体または追加採取検体)あり ECOG PS 0~1 プラチナ製剤ベースの2剤併用療法1レジメン施行後に進行 (582例) ニボルマブ(3 mg/kg 2週毎IV投与)群 (292例) PDまたは毒性発現 割付調整因子 維持療法歴の有無 治療ライン数(2ndラインまたは3rdライン) 無作為化 ドセタキセル(75 mg/m2 3週毎IV投与)群 (290例) PDまたは毒性発現 主要評価項目 OS 副次評価項目 ORR、PFS、安全性、PD-L1発現状況別有効性、QOL Paz-Aresら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr LBA109 50 50

51 LBA109:進行非扁平上皮(非SQ)非小細胞肺癌(NSCLC)を対象にニボルマブ(NIVO)をドセタキセル(DOC)と比較した無作為化第Ⅲ相試験(CheckMate 057試験)-Paz-Ares Lら 主な結果 ニボルマブの投与により死亡リスクが27%低下した OS 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 ニボルマブ群 (292例) ドセタキセル群 (290例) OS中央値(月) 12.2 9.4 HR=0.73(96%CI 0.59~0.89);p=0.0015 1年OS率=51% OS率[%] 1年OS率=39% ニボルマブ群 ドセタキセル群 リスク集合[例数] 時間[月] ニボルマブ群 ドセタキセル群 グラフ中の印は打ち切り例を表す Paz-Aresら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr LBA109 51 51

52 LBA109:進行非扁平上皮(非SQ)非小細胞肺癌(NSCLC)を対象にニボルマブ(NIVO)をドセタキセル(DOC)と比較した無作為化第Ⅲ相試験(CheckMate 057試験)-Paz-Ares Lら 主な結果 PD-L1陽性例ではPD-L1陰性例に比べてニボルマブの有用性が高かった 結論 ニボルマブは、既治療の進行非SQ NSCLC患者においてドセタキセルと比較して生存期間を延長し、その効果はPD-L1 発現状況との相関性を示した PD-L1陽性例 PD-L1発現レベル ニボルマブ群 [例数] ドセタキセル群 [例数] 非層別化HR (95%CI) 交互作用p値* OS 1%以上 123 0.59 (0.43~0.82) 0.0646 1%未満 108 101 0.90 (0.66~1.24) 5%以上 95 86 0.43 (0.30~0.63) 0.0004 5%未満 136 138 1.01 (0.77~1.34) 10%以上 79 0.40 (0.26~0.59) 0.0002 10%未満 145 1.00 (0.76~1.31) 投与開始前定量不能 61 66 0.91 (0.61~1.35) PFS 0.70 (0.53~0.94) 0.0227 1.19 (0.88~1.61) 0.54 (0.39~0.76) <0.0001 1.31 (1.01~1.71) 0.52 (0.37~0.75) 1.24 (0.96~1.61) 1.06 (0.73~1.56) PD-L1陰性例 PD-L1定量不能例 *「薬剤」、「PD-L1発現レベル」、「薬剤とPD-L1発現レベルとの交互作用」の項を含めたCoxの比例ハザードモデルから得られた交互作用のp値 ニボルマブが 優れている ドセタキセルが 優れている Paz-Aresら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr LBA109 52 52

53 3014:進行NSCLC患者における抗PD-L1抗体MEDI4736と抗CTLA-4抗体tremelimumabの併用療法の第Ⅰb相試験-Antonia SJら
試験の目的 前治療(ライン数は問わず)無効または一時奏効後に再発した進行NSCLC患者においてMEDI4736 (M)とtremelimumab(T)の併用療法の抗腫瘍効果・忍容性を検討すること 試験デザイン 進行NSCLC患者を対象とした非盲検用量漸増第Ⅰb相試験 M(3、10、15または20 mg/kg[M3、M10、M15、M20]を4週毎[q4w]、あるいは10 mg/kgを2週毎[M10q2w])およびT(1、3または10 mg/kg[T1、T3、T10]を4週毎に6コース投与後、12週毎に12コース)を12ヵ月間投与 主な結果 例数[%] M3q4w T1 3例 M10q4w T1 3例 M15q4w T1 18例 M20q4w T1 18例 M10q2w T1 17例 M10q4w T3 3例 M15q4w T3 14例 M20q4w T3 6例 M10q2w T3 11例 M15q4w T10 9例 全体 102例 AE発現 3 (100) 17 (94) 14 (78) 15 (88) 14 (100) 6 (100) 11 (100) 9 (100) 95 (93) G3/4のAE発現 0 (0) 2 (67) 11 (61) 8 (44) 6 (35) 10 (71) 7 (64) 8 (89) 61 (60) 死亡 1 (33) 3 (17) 2 (11) 2 (12) 3 (21) 2 (33) 1 (9) 1 (11) 15 (15)* SAE発現 7 (39) 4 (24) 5 (45) 56 (55) AEによる投与中止 4 (22) 1 (6) 5 (36) 4 (67) 3 (27) 4 (44) 27 (26) 治療関連AE 9 (50) 12 (71) 12 (86) 5 (83) 10 (91) 74 (73) G3/4の治療関連AE 3 (18) 6 (43) 7 (78) 41 (40) 治療関連死 1 (33)† 1 (17)‡ 2 (2) 治療関連SAE 4 (36) 34 (33) 治療関連AEによる 投与中止 4 (29) 3 (50) 20 (20) *病勢進行を除く死亡例の割合=8%;†多発筋炎(投薬による重症筋無力症の合併症)による死亡;‡神経筋障害による死亡。赤枠内は第Ⅲ相試験の用量として選択した用量を表す G=グレード Antoniaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 3014 53 53

54 3014:進行NSCLC患者における抗PD-L1抗体MEDI4736と抗CTLA-4抗体tremelimumabの併用療法の第Ⅰb相試験-Antonia SJら
主な結果 AEの発現率はT1用量群で最も低く、一般にT1を超える用量で上昇した(前のスライド) 症例全体における治療関連AE グレード3/4の発現率は40%(最も多かったのは腸炎、下痢、リパーゼ値上昇および肝機能 検査値上昇) 31%にステロイド治療を行い、20%で投薬を中止した M20q4w+T1群における治療関連AE グレード3/4の発現率は22%(最も多かったのは下痢、そう痒症、発疹およびAST/ALT値上昇) 17%にステロイド治療を行い、6%で投薬を中止した T1用量群のPD-L1陽性例に対する臨床効果 ORRは33%(95%CI 13~59%) 16週時以降のDCRは44%(95%CI 14~79%) T1用量群のPD-L1陰性例に対する臨床効果 ORRは38%(95%CI 14~68%) 16週時以降のDCRは62%(95%CI 32~86%) 結論 MとTの併用療法は管理可能な安全性プロファイルを有し、PD-L1陰性例にも有効であることが 示唆された 第Ⅲ相試験で用いる用量としてM20q4wとT1の組み合わせを選択した AST=アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ; ALT=アラニンアミノトランスフェラーゼ Antoniaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 3014

55 3047:非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象としたヒトIgG1型抗PD-L1抗体MEDI4736とゲフィチニブの併用療法の第Ⅰ相試験における安全性・忍容性の結果-Creelan BCら
試験の目的 NSCLC患者におけるヒトIgG1型抗PD-L1モノクローナル抗体MEDI4736とゲフィチニブ(G)の併用療法の有効性・安全性を評価すること 試験デザイン 第Ⅰ相用量漸増(対象10例)および用量拡大(対象15例)試験 用量拡大試験はTKI投与歴のないTKI感受性変異型EGFR陽性NSCLC患者を対象に実施 第1群:MEDI mg/kg 2週毎[2qw]とG 250 mg 1日1回[qd]を併用 第2群:Gを250 mg qdで4週投与後、MEDI mg/kg q2wとG 250 mg qdを併用 主な結果 用量漸増試験では全例で腫瘍退縮効果が認められた 結論 MEDI4736とゲフィチニブの併用療法は優れた忍容性および腫瘍退縮効果を示し、TKI投与歴のないEGFR変異陽性例に対して早い時点から効果を示した A群*(3例) B群†(6例) ベースラインと比較した 標的病変径の変化率[%] 70 60 50 40 30 20 10 –10 –20 –30 –40 –50 8 16 24 32 48 時間[週] x *A群:G 250 mg qdとMEDI mg/kg q2wを併用 †B群:G 250 mg qdとMEDI mg/kg q2wを併用 Creelanら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 3047 55 55

56 8002:進行肺扁平上皮癌(SCC)に対するプラチナ製剤ベース化学療法施行後の二次治療におけるアファチニブ(A)とエルロチニブ(E)の比較―国際共同第Ⅲ相試験LUX-Lung 8(LL8)試験における全生存(OS)の解析結果-Soria Jら 試験の目的 肺扁平上皮癌患者において非可逆的ErbBファミリー阻害薬アファチニブと可逆的EGFR-TKIエルロチニブの有効性・安全性を比較すること アファチニブ (40 mg/日*)群 (398例) 主な組み入れ基準 Stage IIIBまたはIVのSCC プラチナ製剤ベースの2剤併用一次治療を4コース以上施行後にPD ECOG PS 0~1 十分な臓器機能を保持 (795例) PD 無作為化 割付調整因子 人種(東アジア人 vs 非東アジア人) エルロチニブ (150 mg/日$)群 (397例) PD 主要評価項目 PFS(8、12および16週時と以後8週毎に抗腫瘍効果を評価) 副次評価項目 OS、ORR、DCR、腫瘍退縮効果、患者報告アウトカム、安全性 *50 mgへの増量および30 mgまたは20 mgへの減量可 $100 mgまたは50 mgへの減量可 Soriaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8002 56 56

57 8002:進行肺扁平上皮癌(SCC)に対するプラチナ製剤ベース化学療法施行後の二次治療におけるアファチニブ(A)とエルロチニブ(E)の比較―国際共同第Ⅲ相試験LUX-Lung 8(LL8)試験における全生存(OS)の解析結果-Soria Jら 主な結果 アファチニブはエルロチニブに比べてOS率が有意に高かった(HR=0.81[95%CI 0.69 ~0.95];p=0.008) 1.0 アファチニブ群(398例) エルロチニブ群(397例) OS中央値[月]  (95%CI) 7.9 (7.2~8.7) 6.8 (5.9~7.8) HR(95%CI) 0.81 (0.69~0.95) p値 0.0077 0.8 0.6 OS率 36.4% 0.4 22.0% 28.2% 0.2 14.4% 0.0 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 OS(月) リスク集合[例数] アファチニブ群 エルロチニブ群 398 397 316 305 249 210 170 150 124 94 82 54 47 30 28 11 10 4 4 2 経過観察期間中央値:18.4ヵ月 Soriaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8002

58 8002:進行肺扁平上皮癌(SCC)に対するプラチナ製剤ベース化学療法施行後の二次治療におけるアファチニブ(A)とエルロチニブ(E)の比較―国際共同第Ⅲ相試験LUX-Lung 8(LL8)試験における全生存(OS)の解析結果-Soria Jら 主な結果(続き) アファチニブはエルロチニブに比べて他の全評価項目に関して有意に優れていた PFS(中央値2.6ヵ月 vs 1.9ヵ月;HR=0.81[95%CI 0.69~0.96];p=0.010) ORR(5.5% vs 2.8%;p=0.055) DCR(50.5% vs 39.5%;p=0.002) 奏効期間はアファチニブが7.29ヵ月、エルロチニブが3.71ヵ月 アファチニブ群の方が全般健康状態/QOL改善例が多く(35.7% vs 28.3%;p= 0.04)、各症状の中では咳嗽(43.4% vs 35.2%;p=0.03)および呼吸困難(51.3% vs 44.1%;p=0.06)の改善率が高かった グレード3/4のAEの発現率に関して2群間に差はなかった(アファチニブ群57.1%、 エルロチニブ群57.4%) 重篤なAEの発現率(両群とも44.1%)および投薬関連AEによる死亡率(アファチニブ 群1.5%、エルロチニブ群1.3%)は2群で同等であった 結論 進行肺扁平上皮癌に対する二次治療としてアファチニブはエルロチニブに比べて死亡  および病勢進行のリスクを有意に低下させ、そのAEプロファイルは管理可能であった Soriaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8002

59 8003:EGFR野生型非小細胞肺癌(NSCLC)に対する二次治療または三次治療におけるcabozantinib(C)、エルロチニブ(E)またはこれらの併用療法(E+C)の評価―ECOG-ACRIN Cancer Research Groupによる無作為化第Ⅱ相試験(E1512試験)-Neal JWら 試験の目的 (EGFR変異陰性の)NSCLC患者においてcarozantinibまたはエルロチニブ単剤療法と これら2剤の併用療法を比較すること 試験デザイン (エルロチニブ以外に)最大2ラインの治療歴を有する転移性非扁平上皮NSCLC患者 113例を対象とした無作為化第Ⅱ相試験 E(150 mg/日)単剤療法(38例)、C(60 mg/日)単剤療法(39例)またはE(150 mg/日)+C(40 mg/日)併用療法(36例)を行い、どちらかの単剤療法で進行を来し た場合には併用療法への切り替えを許容した 主要評価項目:PFS;副次評価項目:OS、ORRおよび安全性 主な結果 PFSはE単剤療法(1.9ヵ月)に比べてC単剤療法(4.2ヵ月;HR=0.38[80%CI 0.27~ 0.55];p=0.0004)およびE+C併用療法(4.7ヵ月;HR=0.35[80%CI 0.23~ 0.52];p=0.0005)で改善した OSもC単剤療法およびE+C併用療法で有意に改善した(p≦0.03) C(単剤または併用)投与例の方が毒性の発現が多かった 結論 EGFR野生型NSCLCに対する二次治療および三次治療としてcabozantinibは単剤でも  エルロチニブとの併用でもエルロチニブ単剤に比べてPFSおよびOSを有意に改善した が、毒性の発現率は高かった NealらJ Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8003 59 59

60 (デキサメタゾン)+WBRT(20 Gy/5分割)
8005:非小細胞肺癌の脳転移に対する全脳照射―UK Medical Research CouncilによるQUARTZ無作為化試験(ISRCTN 試験)のQOLおよび全生存に関する成績-Mulvenna PMら 試験の目的 全脳照射(WBRT)が最適支持療法(OSC)と比較してNSCLC脳転移患者のQOLまたは生存を改善するかどうかを検討すること 非劣性試験 最適支持療法 (デキサメタゾン)+WBRT(20 Gy/5分割) 併用群 (269例) 主な組み入れ基準 NSCLC 切除不能な脳転移を有する 定位放射線治療の適応なし (538例) PD 無作為化 最適支持療法 (デキサメタゾン)群 (269例) PD 主要評価項目 OSおよびEQ-5D質問票を用いたQOL評価(週1回)に基づく質調整生存年(QALY) 副次評価項目 OS、症状スコア、KPS Mulvennaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8005 60 60

61 8005:非小細胞肺癌の脳転移に対する全脳照射―UK Medical Research CouncilによるQUARTZ無作為化試験(ISRCTN 試験)のQOLおよび全生存に関する成績-Mulvenna PMら 主な結果 OSに関して2群間に有意差はなかった QALYは2群間で同等であった(OSC+WBRT群で43.3日、OSC群で41.4日) 結論 QUARTZ試験の対象となったNSCLC脳転移患者では全脳照射を併用しても臨床的に意義 のあるベネフィットの増大はなかった 全生存(全症例) 1.00 0.75 0.50 0.25 0.00 生存率 8 16 24 32 40 48 56 無作為化後経過時間[週] 65 64 32 32 17 16 11 11 9 8 5 5 リスク集合[例数] OSC+WBRT群 OSC群 OSC+WBRT群 OSC群 OS中央値[週](95%CI) OSC+WBT群:9.3(7.4~10.7) OSC群:8.1(7.6~9.0) HR(95%CI):1.05(0.89~1.26) p=0.52 Mulvennaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8005

62 dabrafenib(150 mg 1日2回)+trametinib(2 mg/日)併用 (40例)
8006:BRAF V600E変異陽性の転移性非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象としたBRAF阻害薬dabrafenib(D)とMEK阻害薬trametinib(T)の併用療法の第Ⅱ相試験の中間成績-Planchard Dら 試験の目的 BRAF V600E変異陽性の転移性NSCLC患者におけるdabrafenibとtrametinibの併用療法の有効性・安全性の中間データを報告すること 主な組み入れ基準 Stage IVのNSCLC BRAF V600E変異陽性の進行癌 プラチナ製剤ベースの化学療法1ライン以上を含む1~3ラインの治療歴あり ECOG PS 0~2 (40例) dabrafenib(150 mg 1日2回)+trametinib(2 mg/日)併用 (40例) 無益性の 中間解析 主要評価項目 RECIST v1.1基準に基づくORR 副次評価項目 PFS、奏効期間、OSおよび安全性 Planchardら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8006 62 62

63 8006:BRAF V600E変異陽性の転移性非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象としたBRAF阻害薬dabrafenib(D)とMEK阻害薬trametinib(T)の併用療法の第Ⅱ相試験の中間成績-Planchard Dら 主な結果 24例から有効性のデータが得られ、33例から安全性のデータが得られた ORRは63%(95%CI 40.6~81.2%)で、15例でPR、6例でSDと判定された 抗腫瘍効果は初回評価(6週)時までに認められた DCRは88%(95%CI 67.6~97.3%)であった 独立画像判定による奏効率は医師判定による奏効率と同様であった 多く発現した(発現率20%以上の)AEは発熱、下痢、悪心、嘔吐、食欲低下、無力症、 咳嗽、末梢性浮腫および発疹であった 発熱、下痢および発疹などのグレード3のAEが39%に発現した グレード4のAE(低ナトリウム血症)が1例に、致死性の重篤なAE(胸水)が1例に 発現した AEのため9例(27%)で減量し、2例(6%)で投与を中止した 2例で皮膚扁平上皮癌およびケラトアカントーマが発生した 結論 BRAF V600E変異陽性の進行NSCLCに対してdabrafenibとtrametinibの併用は早期に抗腫 瘍効果を発揮し、その安全性プロファイルは管理可能であった Planchardら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8006

64 8007:RET遺伝子再構成陽性の進行肺癌患者におけるcabozantinibの第Ⅱ相試験 -Drilon AEら
試験の目的 RET遺伝子再構成陽性の肺癌患者を対象に抗RET活性を有するマルチチロシンキナーゼ阻害薬cabozantinibの有効性・安全性を評価する 主な組み入れ基準 RET遺伝子再構成陽性のstage IVのNSCLC KPS 80%以上 測定可能病変を有する 十分な造血機能、腎機能および肝機能を保持 (20例) 第1ステージ* Cabozantinib (60 mg/日)投与 (16例) PD 主要評価項目 RECIST v1.1基準に基づくORR 副次評価項目 12週時のORR、PFS、OSおよび毒性 *第1ステージから第2ステージに移行するには第1ステージで16例中1例の奏効が必要;第2ステージではさらに9例を組み入れ、主要評価項目を満たすには5例の奏効が必要 Drilonら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8007 64 64

65 8007:RET遺伝子再構成陽性の進行肺癌患者におけるcabozantinibの第Ⅱ相試験-Drilon AEら
主な結果 cabozantinibはRET遺伝子再構成陽性の肺癌に対して活性を示した 治療関連AEのほとんどはグレード1または2であったが、発現率が高く、69%の患者 で1回以上の減量が必要であった 本試験の第1ステージは終了し、現在、第2ステージで患者を登録中である 結論 本試験はその主要評価項目を満たし、cabozantinibがRET遺伝子再構成陽性の肺癌に対 して活性を有し、確定PR率が38%であることが示された cabozantinibについてこの患者集団を対象により大規模の臨床試験を実施するべきである cabozantinib投与(16例) ORR[%](95%CI) 38 (15~65) PR[例数(%)] 確定 未確定 7(44) 6(38) 1(6) PFS中央値[月](95%CI) 7 (5~未到達) OS中央値[月](95%CI) 10 (8~未到達) Drilonら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8007

66 8008:クリゾチニブ投与中に進行を来したALK融合遺伝子陽性の(ALK+)非小細胞肺癌患者におけるALK阻害薬アレクチニブの有効性および安全性―国際共同非盲検単群投与第Ⅱ相試験(NP28673試験)-Ou SIら 試験の目的 クリゾチニブ投与中に進行を来したALK+非小細胞肺癌(NSCLC)患者における高度に選択的な脳内移行ALK阻害薬アレクチニブの有効性・安全性を検討すること 主な組み入れ基準 局所進行または転移性ALK+ NSCLC クリゾチニブによる前治療が奏効しないか前治療中に進行 年齢18歳以上 ECOG PS 0~2 (138例) アレクチニブ (600 mg 1日2回)投与 PD 主要評価項目 RECIST v1.1基準に基づき独立評価委員会(IRC)が評価したORR 副次評価項目 IRCが評価したCNSに対するORR、DCR、奏効期間、PFSおよび安全性 Ouら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8008 66 66

67 8008:クリゾチニブ投与中に進行を来したALK融合遺伝子陽性の(ALK+)非小細胞肺癌患者におけるALK阻害薬アレクチニブの有効性および安全性―国際共同非盲検単群投与第Ⅱ相試験(NP28673試験)-Ou SIら 主な結果 アレクチニブは、クリゾチニブ抵抗評価可能例(122例)において50.0%(95%CI 40.8 ~59.1%)という高い奏効率を示し、奏効期間は11.2ヵ月と長かった クリゾチニブ抵抗性を示す全症例におけるDCRは78.7%(95%CI 70.6~85.6%)で、 PFS中央値は8.9ヵ月(95%CI 5.6~11.3ヵ月)であった CNS転移を有する患者におけるDCRは83.3%(95%CI 73.6~90.6%)と高く、奏効期 間中央値は10.3ヵ月と長かった CNS転移を有する全症例におけるCR率は27.4% 未治療のCNS転移を有する例におけるCR率は43.5% 測定可能なCNS転移病変を有する例における奏効率は57.1% アレクチニブの忍容性は良好で、グレード3/4のAEの発現率は5%未満、AEによる投与 中止率は8%であった 結論 クリゾチニブ投与中に進行を来したALK+ NSCLC患者において、アレクチニブの忍容性 は良好であり、脳病変に対する優れた活性も含めて確かな治療効果を示した Ouら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8008

68 8009:既治療の進行または転移性扁平上皮(SQ)非小細胞肺癌(NSCLC)において抗PD-1抗体ニボルマブ(NIVO)をドセタキセル(DOC)と比較した第Ⅲ相試験(CheckMate 017試験)-Spigel DRら 試験の目的 扁平上皮NSCLC患者においてヒト抗PD-1抗体ニボルマブの有効性・安全性をドセタキセルと比較検討すること 主な組み入れ基準 扁平上皮NSCLC Stage IIIbまたはIV ECOG PS 0~1 プラチナ製剤ベースの2剤併用療法1レジメン施行 PD-L1検査に必要な投与前腫瘍検体(保存検体または追加採取検体)あり (272例) ニボルマブ (3 mg/kg 2週毎IV投与)群 (135例) PDまたは毒性発現 割付調整因子 地域 パクリタキセル投与歴の有無 無作為化 ドセタキセル(75 mg/m2 3週毎投与)群 (137例) PDまたは毒性発現 主要評価項目 OS 副次評価項目 ORR、PFS、PD-L1発現レベル別有効性、QOLおよび安全性 Spigelら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8009 68 68

69 8009:既治療の進行または転移性扁平上皮(SQ)非小細胞肺癌(NSCLC)において抗PD-1抗体ニボルマブ(NIVO)をドセタキセル(DOC)と比較した第Ⅲ相試験(CheckMate 017試験)-Spigel DRら 主な結果 ニボルマブの投与により死亡リスクが41%低下した ニボルマブ群 (135例) ドセタキセル群 (137例) OS中央値[月](95%CI) 9.2 (7.3~13.3) 6.0 (5.1~7.3) イベント件数 86 113 HR=0.59(95%CI 0.44~0.79);p= OS 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 OS率[%] 1年OS率=42% ニボルマブ群 1年OS率=24% ドセタキセル群 リスク集合[例数] 時間[月] ニボルマブ群 ドセタキセル群 グラフ中の印は打ち切り例を表す Spigelら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8009

70 8009:既治療の進行または転移性扁平上皮(SQ)非小細胞肺癌(NSCLC)において抗PD-1抗体ニボルマブ(NIVO)をドセタキセル(DOC)と比較した第Ⅲ相試験(CheckMate 017試験)-Spigel DRら 主な結果(続き) PD-L1発現レベルによらずニボルマブによる予後改善効果が認められた 結論 ニボルマブは、進行または転移性扁平上皮NSCLC患者において   そのPD-L1発現レベルによらず、OS、PFSおよびORRに関して ドセタキセルよりも優れていた PD-L1陽性例 PD-L1発現レベル 例 数 非層別化HR (95%CI) 交互作用のp値 ニボルマブ群 ドセタキセル群 OS 1%以上 63 56 0.69 (0.45~1.05) 0.56 1%未満 54 52 0.58 (0.37~0.92) 5%以上 42 39 0.53 (0.31~0.89) 0.47 5%未満 75 69 0.70 (0.47~1.02) 10%以上 36 33 0.50 (0.28~0.89) 0.41 10%未満 81 0.70 (0.48~1.01) 定量不能 18 29 0.39 (0.19~0.82) PFS 0.67 (0.44~1.01) 0.70 0.66 (0.43~1.00) 0.54 (0.32~0.90) 0.16 0.75 (0.52~1.08) 0.58 (0.33~1.02) 0.35 0.70 (0.49~0.99) 0.45 (0.23~0.89) PD-L1陰性例 PD-L1定量不能例 0.125 0.25 0.5 1.0 2.0 ニボルマブが 優れている ドセタキセルが 優れている Spigelら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8009

71 8011:進行非小細胞肺癌(NSCLC)の二次治療におけるpembrolizumab(pembro;MK-3475)とipilimumab(IPI)の併用療法の第Ⅰ相試験―KEYNOTE-021試験のコホートDの成績-Patnaik Aら 試験の目的 再発NSCLC(組織型は問わず)患者を対象とした第Ⅰ相試験でpembrolizumab+ ipilimumab併用療法を評価すること(中間成績の報告) 試験デザイン プラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法を含む前治療1ライン以上を有する進行または 転移性NSCLC患者を対象としたpembrolizumab(2および10 mg/kg)とipilimumab (0.3、1および 3mg/kg)の併用療法の3+3用量設定試験 主要評価項目:投与開始後3週間における用量制限毒性(DLT)の発現率;副次評価項目: 安全性およびORR 抗腫瘍効果を6週毎に評価 主な結果 2015年3月31日の時点で18例を組み入れ 3例をpembro 10 mg/kg+IPI 1 mg/kg併用群、3例をpembro 10 mg/kg+IPI 3 mg/kg 併用群、12例をpembro 2 mg/kg+IPI 1 mg/kg併用群に割り付けた これまでにDLTの報告はない 15例で治療関連AEが発現し、2例(pembro 10 mg/kg+IPI 3 mg/kg併用群1例、pambro 2 mg/kg+IPI 1 mg/kg併用群1例)で投与を中止した Patnaikら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8011

72 8011:進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対する二次治療におけるpembrolizumab(pembro;MK-3475)とipilimumab(IPI)の併用療法の第Ⅰ相試験―KEYNOTE-021試験のコホートDの成績-Patnaik Aら 主な結果(続き) pembrolizumabとipilimumabの併用は抗腫瘍活性を示し、奏効例全例においてデータ カットオフ時点で効果持続中である 結論 予備データに基づき、pembrolizumabとipilimumabの併用療法が無選別の再発NSCLC患者 に対して確実かつ持続性の抗腫瘍効果を発揮し、その毒性プロファイルは許容可能である と考えられる 低用量のipilimumabでも効果が劣ることはないと思われた Pembro 10 mg/kg+IPI 1 mg/kgまたは3 mg/kg併用群 (6例) Pembro 2 mg/kg+IPI 1 mg/kg併用群 (12例) 全体 (18例) ORR[例数](%)[95%CI] 3(50)[12~88] 4(33)[10~65] 7(39) [17~64] DCR[例数](%)[95%CI] 6(100)[54~100] 9 (75) [43~94] 15(83)[59~96] 最良総合効果[例数](%) CR PR SD (6週以上持続) PD 1(17) 2(33) 3(50) 4(33) 5(42) 3(25) 1(6) 6(33) 8(44) 3(17) Patnaikら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8011

73 8013:変異型EGFR選択的な第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬EGF816を初めてヒトに投与するT790M変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした第Ⅰ相試験-Tam DSら
試験の目的 各施設または中央検査機関でT790M陽性と確認されたNSCLC患者においてEGF816の最 大耐量、安全性、忍容性および抗腫瘍活性を調べること 試験デザイン 28日間の多施設共同非盲検用量漸増第Ⅰ/Ⅱ相試験で、EGF816を初回量として75~350 mg(カプセル剤)または150~225 mg(錠剤)の用量で投与した 主な結果 2015年2月の時点で61例を組み入れ、53例にカプセル剤、8例に錠剤を投与した カプセル剤として225 mgまたは350 mgを投与した3例に用量制限毒性として発疹および 急性腎障害が発現したが、全体として最大耐量には到達していない 多く発現した(発現率が25%を上回る)治療関連AEは斑状丘疹状発疹(43%)、下痢 (32%)、皮膚乾燥(28%)、口内炎(26%)およびそう痒症(25%)であり、多く発 現したグレード3/4の治療関連AEは感染症および寄生虫症(9%)であった 評価可能例42例におけるORRは60%、DCRは93%であった EGF816を反復投与した場合、Tmax中央値は3~6時間で、CmaxおよびAUC(0-τ)は用量に比 例して増大し、1コース目の15日目までに定常状態に達した 結論 EGF816はT790M変異陽性NSCLC患者において検討した全用量レベルで抗腫瘍活性を示 し、その忍容性は良好で安全性プロファイルは管理可能であった Tamら J Clin Oncol 2015;33 (suppl): abstr 8013

74 8018:ALK陽性またはROS1陽性NSCLC患者を対象とした用量漸増試験で得られたPF-06463922の臨床効果と安全性-Shaw ATら
試験の目的 NSCLC患者において選択的な脳内移行ALK/ROS1-TKIであるPF の臨床効果・安全性 を評価すること 試験デザイン TKI投与歴がないか1剤または2剤のTKI投与後に進行を来したALK陽性またはROS1陽性NSCLC 患者(CNS転移の有無は問わず)を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験 主な結果 ALK陽性例18例およびROS1陽性例4例の計22例に対してPF を10~200 mg/日の用量 で投与した 評価可能例15例のうちs 6例でPR(確定または未確定)が得られ、このうち5例は1~2剤のTKI投与歴を有し、クリゾ チニブ単剤またはクリゾチニブ+ceritinib併用療法後に進行を来した患者であった 5例で脳内病変への奏効が確認された 高コレステロール血症および末梢性ニューロパチーの発現率が共に23%で、高コレステロール 血症はグレード3以上の治療関連AEの中で最も発現率が高かった PF の曝露量は用量に比例して増大し、t1/2は20~28時間であった 結論 半数以上が脳転移を有し1剤以上のTKI投与歴を有するALK陽性またはROS1陽性NSCLC患者に おいて、PF は優れた忍容性と臨床活性を示した Shawら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8018

75 8027:進行扁平上皮(sq)または非扁平上皮(非sq)非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした抗PD-1抗体ニボルマブ(BMS-936558、ONO-4538)の第Ⅱ相試験 -Nishio Mら
試験の目的 既治療の進行扁平上皮または非扁平上皮NSCLC患者におけるニボルマブの有効性・安全性を評 価すること 試験デザイン 以下の基準を満たすstage IIIBまたはIVの再発NSCLC患者を対象とした2つのプロスペクティブ 試験(ONO 試験およびONO 試験):年齢20歳以上、ECOG PS 0~1、プラチ ナ製剤を含むレジメンを含めて1レジメン以上の化学療法歴を有する ニボルマブは3 mg/kg 2週毎の用量で病勢進行または忍容不能な毒性発現まで静脈内投与した 主な結果 2試験を合わせて計111例(扁平上皮癌35例、男性81例、ECOG PSスコア0/1 46/55例、年齢31 ~85歳)を組み入れた ORRおよびPFS中央値は、扁平上皮癌で20.0%および4.2ヵ月、非扁平上皮癌で22.4%および 2.8ヵ月であったs グレード3/4の治療関連AEが18例(16.2%)で発現し、最も多く発現したのはリンパ球数減少 (3.6%)、食欲低下(0.9%)、疲労(0.9%)およびそう痒症(0.9%)であった 結論 ニボルマブはNSCLCのうち扁平上皮癌に対してもそれ以外のNSCLCに対しても期待できる臨 床効果を示し、その安全性プロファイルは管理可能であった Nishioら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8027

76 8028:PD-L1陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした抗PD-L1抗体MPDL3280Aの第Ⅱ相試験(FIR試験)における臨床効果と安全性-Spigel DRら
試験の目的 Stage IIIBまたはIVのNSCLCに対するatezolizumab(MPDL3280A)の有効性をPD-L1発現レベ ル別に検討すること 試験デザイン 以下の3コホートを対象とした単群試験(FIR試験)―コホート1:脳転移のない一次治療患 者;コホート2:脳転移のない二次治療以降の患者;コホート3:既治療の無症候性脳転移を有 する二次治療以降の患者;腫瘍細胞(TC)または腫瘍浸潤免疫細胞(IC)のPD-L1発現レベ ルが比較的高い(TC2/3またはIC2/3)患者だけを組み入れた atezolizumabは1,200 mgを3週毎に静脈内投与し、PD-L1発現レベルは中央検査機関でSP142 抗体を用いたIHC法により測定した 主な結果 評価可能例137例(年齢中央値66歳、男性58%)におけるAEプロファイルはコホート間で同 様であった;治療関連AEの発現率は68%(最も多かったのは疲労[26%]、悪心[15%]、 食欲低下[14%])、グレード3/4の治療関連AEの発現率は15%であり、(収縮性心膜炎によ る)治療関連死が1例あった PD-L1発現レベルがTC3またはIC3の例では全症例に比べてORRが高い傾向であり、同様に、 既治療(コホート2)のTC3またはIC3例ではPFSが長く6ヵ月PFS率が高い傾向を示した 結論 atezolizumabはNSCLC患者のうち化学療法歴のない患者にも既治療の患者にも有効であった PD-L1発現レベルが高い(TC3またはIC3)の患者においてORRが高かった Spigelら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8028

77 8034:進行NSCLCに対する抗PD-L1抗体avelumab(MSB0010718C)―プラチナ製剤ベース化学療法施行後に進行を来した患者を対象とした非盲検拡大第Ⅰb相試験-Gulley JLら
試験の目的 プラチナ製剤ベース化学療法施行後に進行を来した進行NSCLC患者におけるavelumabの有効 性・安全性を検討すること 試験デザイン avelumab 10 mg/kgを2週毎にPD、毒性発現または試験中止まで静脈内投与する非盲検拡大第 Ⅰb相試験 抗腫瘍効果を(RECIST v1.1基準に従い)6週毎に判定した 主な結果 計184例(年齢中央値65歳、腺癌62%、扁平上皮癌29%、その他の組織型9%)にavelumabを 投与した 試験治療下での治療関連AEが142例(77.2%)に発現した 多く発現した(発現率5%以上の)AEは、疲労、注入に伴う反応、悪心、悪寒、食欲低下、 下痢および甲状腺機能低下症であった グレード3以上のAEが23例(12.5%)に発現した 奏効例は25例(13.6%)(CR1例、PR24例)で、PFS中央値は11.6週であった;ORRは PD-L1陽性例(15.6%)でPD-L1陰性例(10.0%)よりも高く、同様に、PFS中央値はPD-L1 陽性例(12.0週)でPD-L1陰性例(5.9週)よりも長かった 結論 avelumabは既治療のNSCLC患者において管理可能な安全性プロファイルを有し、PD-L1陽性例 において比較的高い活性を示すと考えられた Gulleyら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8034

78 8042:選別進行NSCLCに対する挿入・維持療法におけるゲフィチニブ+化学療法併用と化学療法単独の比較(ISCAN、CTONG-1102試験)―多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験-Lu Sら
試験の目的 進行NSCLCに対する挿入・維持療法として化学療法+ゲフィチニブ併用と化学療法の 臨床成績を比較すること 試験デザイン 中国の14施設で実施した無作為化非盲検第Ⅲ相試験 Stage IIIBまたはIVの肺腺癌非喫煙患者(EGFR変異状態は不明)に対してゲムシタビン (1,250 mg/m2)+カルボプラチン(AUC 5)(GC)を2コース投与し、SDの効果が得 られた患者をGC+ゲフィチニブ(15~25日目に250 mg/日)群またはGC単独群(いず れも4週1コース)にランダムに割り付け、それぞれ病勢進行または忍容不能な毒性発現 まで投与した 主要評価項目:PFS 主な結果 計219例(109例はGC+ゲフィチニブ群、110例はGC単独群)に割り付けた PFS中央値はGC+ゲフィチニブ群においてGC単独群よりも有意に長かった(10.0ヵ月 vs 4.4ヵ月;HR=0.48[95%CI 0.35~0.65];p<0.0001) ORRはGC+ゲフィチニブ群においてGC単独群よりも有意に高かった(16.0% vs 1.0%;オッズ比18.0[95%CI 2.33~139.57];p=0.0056) 結論 EGFR変異状態不明の進行肺腺癌非喫煙中国人患者においてGCにゲフィチニブを併用 すると、GC単独に比べてPFSが有意に改善した Luら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8042

79 8049:プラチナ製剤ベースの2剤併用一次化学療法が無効または一時奏効後に進行した進行扁平上皮非小細胞肺癌(SqNSCLC)患者を対象にVeriStratテスト結果(good/poor)で層別化してエルロチニブをドセタキセルと比較した無作為化第Ⅲ相試験―European Thoracic Oncology Platform(ETOP)EMPHASIS試験-Peters Sら 試験の目的 二次治療としてエルロチニブまたはドセタキセルを投与した扁平上皮NSCLC患者において血清 プロテオミック検査であるVeriStrat(VS)テストの予後予測能を検討すること 試験デザイン EMPHASIS試験は多施設共同第Ⅲ相試験で、進行扁平上皮NSCLC患者をエルロチニブ(150 mg/ 日経口投与)群またはドセタキセル(75 mg/m2を1日目、3週毎に静脈内投与)群にランダム割 付けした 主な結果 被験者登録が進まず、早期中止となった;80例(VS分類good例72.5%、年齢中央値69歳、男 性83%、喫煙者94%)を割り付けた 全例で投与を中止し、治療失敗までの時間の中央値は2.1ヵ月であった;73例で進行を来たし、 PFS中央値は2.7ヵ月であり、56例が死亡した VS分類good例におけるPFS中央値はドセタキセル群で4.1ヵ月、エルロチニブ群で1.6ヵ月であ り、VS分類poor例におけるPFS中央値はそれぞれの群で1.9ヵ月 vs 2.1ヵ月であった VS分類good例におけるMS中央値はドセタキセル群で7.8ヵ月、エルロチニブ群で8.4ヵ月であ り、VS分類poor例におけるOS中央値はそれぞれの群で4.4ヵ月 vs 5.2ヵ月であった 結論 VSテスト結果は進行扁平上皮NSCLC患者におけるドセタキセルの効果もエルロチニブの効果 も予測するものではなかったが、本試験は早期に中止されたため、検出力が不足していた可能 性がある Petersら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 8049

80 その他の悪性腫瘍 SCLCおよび中皮腫

81 7502:進展期小細胞肺癌(SCLC)患者におけるpembrolizumab(MK-3475)―KEYNOTE-028試験で得られた安全性・有効性の予備成績-Ott PAら
試験の目的 PD-L1陽性SCLC患者における抗PD-1モノクローナル抗体pembrolizumabの有効性・安全性を評価すること 主な組み入れ基準 SCLC PD-L1陽性* 標準治療が失敗 1個以上の測定可能病変 あり ECOG PS 0または1 自己免疫疾患や間質性肺 疾患なし (20例) CR、PRまたはSD 24ヵ月間またはPD/毒性発現 まで投与 Pembrolizumab (10 mg/kg 2週毎) 投与 確定PD/ 毒性発現 pembrolizumabを中止 抗腫瘍効果の評価† 主要評価項目 (RECIST v1.1基準に基づく)ORR、安全性 副次評価項目 PFS、OS、奏効期間 *腫瘍胞巣中の細胞の1%以上に膜貫通型PD-L1が発現しているか、腫瘍間質にPD-L1陽性帯を認める場合と定義 †8週毎に6ヵ月間行い、以後12週毎に行った Ottら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7502 81 81

82 7502:進展期小細胞肺癌(SCLC)患者におけるpembrolizumab(MK-3475)―KEYNOTE-028試験で得られた安全性・有効性の予備成績-Ott PAら
主な結果 pembrolizumabは期待が持てる抗腫瘍活性を示した 予期せぬ毒性の発現はなかった 多く発現した(発現率2%以上の)AEは関節痛および無力症(どちらも15%)、次い で悪心および発疹(どちらも10%)であった 治療関連死(腸炎による)が1例報告され、1例で治療関連AE(グレード2の自己免疫 性甲状腺炎)により投与を中止した 結論 pembrolizumabはPD-L1陽性SCLC患者において概ね優れた忍容性と予備成績ながら期待 が持てる抗腫瘍活性を示した 最良総合効果 例数 95%CI ORR* 7 35 15~59  完全奏効 0~17  部分奏効 安定 1 5 0~25 進行 9 45 23~69 判定なし# 3 15 3~38 *確定判定および未確定判定に共通;#画像による初回効果判定の前に死亡または臨床的増悪のため中止した患者を含む Ottら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7502

83 7503:再発小細胞肺癌(SCLC)を対象としたニボルマブ単剤療法およびニボルマブ+ipilimumab併用療法の第Ⅰ/Ⅱ相試験―CA209-032試験-Antonia SJら
試験の目的 既治療のSCLC患者におけるIgG4型抗PD-1抗体免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブの単剤療法および抗CTLA-4チェックポイント阻害薬ipilimumabとの併用療法の有効性・安全性を評価すること ニボルマブ3 mg/kg 2週毎IV投与群(40例) 主な組み入れ基準 SCLC 病勢進行を示す プラチナ製剤ベースの一次治療を含めて1つ以上の前治療を有する PD-L1発現レベルによる選別なし (128例) ニボルマブ1 mg/kg+ipilimumab 1 mg/kg 3週毎4コースIV投与群 (3例) ニボルマブ3 mg/kg 2週毎IV投与 ニボルマブ1 mg/kg+ipilimumab 3 mg/kg 3週毎4コースIV投与群 (47例) ニボルマブ3 mg/kg+ipilimumab 1 mg/kg 3週毎4コースIV投与群 (38例) 主要評価項目 RECIST v1.1基準に基づくORR 副次評価項目 安全性、PFS、OS、バイオマーカー解析 このコホートのデータは提示せず Antoniaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7503 83 83

84 ニボルマブ+ipilimumab併用療法
7503:再発小細胞肺癌(SCLC)を対象としたニボルマブ単剤療法およびニボルマブ+ipilimumab併用療法の第Ⅰ/Ⅱ相試験―CA 試験-Antonia SJら 主な結果 PD-L1発現状況に関係なく臨床効果が認められた 結論 ニボルマブは進行を来したSCLC患者に対して単剤でもipilimumabとの併用でも活性を 示し、その効果は持続性であった ニボルマブは単剤でもipilimumabとの併用でも管理可能な安全性プロファイルを示した 今後、SCLC患者を対象にニボルマブ単剤療法およびipilimumabとの併用療法を検討  する試験をさらに実施する 150 125 100 75 50 25 –25 –50 –75 –100 ニボルマブ単剤療法 150 125 100 75 50 25 –25 –50 –75 –100 ニボルマブ+ipilimumab併用療法 PD-L1発現レベル1%未満 PD-L1発現レベル1%以上 PD-L1発現レベル評価不能 確定奏効例 標的病変のベースラインからの 最大縮小率(%) 評価可能例(96例中40例) PD-L1発現レベル[例数](%) 1%未満 1%以上 ニボルマブ単剤療法(22例) 15(68) 7(32) ニボルマブ+ipilimumab併用療法(18例) 12(67) 6(33) Antoniaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7503

85 カルボプラチン(1日目に5 mg/mL/min*)+エトポシド
7504:進展型小細胞肺癌(ES-SCLC)を対象としたカルボプラチン+エトポシド療法(CE)およびCE+palifosfamide(Pa)併用療法の無作為化試験の成績―MATISSE試験-Jalai SIら 試験の目的 進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)患者を対象に標準一次レジメンであるカルボプラチン+エトポシド療法とこれにpalifosfamideを併用した療法の有効性・安全性を評価すること カルボプラチン(1日目に5 mg/mL/min*)+エトポシド (1~3日目に100 mg/m2/日) 3週毎4~6コース投与群(94例) PD 主な組み入れ基準 ED-SCLC 化学療法歴なし ECOG PS 0~2 十分な臓器機能を保持 (188例) 割付調整因子 年齢 性別 ECOG PS(0~1 vs 2) 無作為化 palifosfamide(1~3日目に130 mg/m2/日)+エトポシド(1~3日目に100 mg/m2/日)+カルボプラチン(1日目に4 mg/mL/min*)3週毎4~6コース投与群(94例) PD 主要評価項目 OS 副次評価項目(プロトコール改訂後) 重篤なAE *AUCで表示した用量 Jalaiら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7504 85 85

86 7504:進展型小細胞肺癌(ES-SCLC)を対象としたカルボプラチン+エトポシド療法(CE)およびCE+palifosfamide(Pa)併用療法の無作為化試験の成績―MATISSE試験-Jalai SIら 主な結果 肉腫を対象にドキソルビシンへのpalifosfamideの併用を評価した第Ⅲ相試験 (PICASSO試験)で否定的な結果が得られたため、MATISSE試験は早期に中止した palifosfamideの併用によるOSの有意な改善はなかった 毒性は2群間で同等であった;重篤な治療関連AEの発現率はCE+Pa群で28.3%、CE群 で25.5%であった 結論 ED-SCLC患者に対してカルボプラチン+エトポシド療法にpalifosfamideを併用しても 生存期間の延長は認められなかった リスク集合[例数] CE+Pa群 CE群 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 生存率 生存期間または死亡時期[月] CE群:10.37ヵ月(95%CI 8.7~13.4ヵ月) PaCE: CE+Pa群:10.03ヵ月(95%CI 7.7~10.5ヵ月) p=0.096 OS Jalaiら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7504

87 7568:進展型小細胞肺癌(ES-SCLC)に対する予防的頭蓋照射(PCI)および地固め胸部放射線治療(TRT)―系統的レビューとメタ解析-Soon YYら
試験の目的 進展型SCLCに対する予防的頭蓋照射(PCI)および地固め胸部放射線治療(TRT)の 有益性および有害性を検討すること 試験デザイン MEDLINE、CENTRAL(開設日から2014年11月まで)および学会抄録集(2009年から 2014年11月まで)の網羅的検索を行い、該当する試験を特定した 主要評価項目:OS;副次評価項目:PFS、脳転移非発生および毒性 GRADEシステムを用いてエビデンスの質を評価した 方法上のバイアスのリスクが低い試験を対象としてメタ解析を実施した 主な結果 PCI のべ2,192例を対象とする5試験(RCT2試験、RCT以外3試験)を確認した 2つのRCTは方法上のバイアスリスクが低かった TRT のべ782例を対象とする5試験(RCT4試験、RCT以外1試験)を確認した RCTのうち2試験は方法上のバイアスリスクが低かった Soonら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7568

88 7568:進展型小細胞肺癌(ES-SCLC)に対する予防的頭蓋照射(PCI)および地固め胸部放射線治療(TRT)―系統的レビューとメタ解析-Soon YYら
主な結果(続き) PCI 高品質のエビデンスに基づき、PCIの施行によって脳転移の発生リスクが低下する (HR=0.43[95%CI 0.30~0.60];p< )ことが裏づけられた グレード3以上の毒性(神経系障害)の発現率は0.7~10%であった 脳転移非発生(PCI施行 vs 非施行) 試験または サブグループ 対数 ハザード比 SE PCI 施行 非施行 重み (95%CI) Seto 2014 –0.71 0.23 84 79 56.1% 0.49(0.31~0.77) Slotman 2007 –1.04 0.26 143 43.9% 0.35(0.21~0.59) 計(95%CI) 227 222 100% 0.43(0.30~0.60) ハザード比、95%CI 0.01 0.1 1 10 100 異質性τ2=0.00、χ2=0.90、自由度=1(p=0.34)、I2=0% 総合効果の検定:Z=4.96(p< ) Soonら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7568

89 7568:進展型小細胞肺癌(ES-SCLC)に対する予防的頭蓋照射(PCI)および地固め胸部放射線治療(TRT)―系統的レビューとメタ解析-Soon YYら
主な結果(続き) TRT 高品質のエビデンスに基づき、TRTの施行によってOSが改善し(HR=0.82[95%CI 0.69~ 0.97];p=0.02)、PFSが改善する(HR=0.76[95%CI 0.64~0.89];p=0.0007)こと が裏づけられた グレード3以上の毒性(肺障害、食道障害)の発現率は1.2~20%であった 結論 進展型SCLCにおいて得られている高品質のエビデンスに基づき、PCIは脳転移の発生リスクを 低下させ、TRTは生存状況を改善した 毒性発現率には幅があり、照射線量および照射体積に依存すると思われる 全生存(TRT施行 vs 非施行) 試験または サブグループ 対数 ハザード比 SE TRT 施行 非施行 重み (95%CI) Jeremic 1999 –0.31 0.19 55 54 21.7% 0.73(0.51~1.06) Slotman 2007 –0.17 0.10 247 248 78.3% 0.84(0.69~1.03) 計(95%CI) 302 100% 0.82(0.69~0.97) ハザード比、95%CI 0.01 0.1 1 10 100 異質性τ2=0.00、χ2=0.43、自由度=1(p=0.51)、I2=0% 総合効果の検定:Z=2.26(p=0.02) Soonら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7568

90 7577:(1988~1997年に)米国において予防的頭蓋照射を施行した小細胞肺癌患者の条件付き生存率-Xing Yら
試験の目的 SCLC患者の癌特異的条件付き生存率に対する予防的頭蓋照射(PCI)の効果を調べること 試験デザイン 1988年~1997年にSEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)レジストリに 登録された癌患者の中から、PCIのデータを有するSCLC患者を確認した Coxの多変量回帰モデルを用いて1~6年調整癌特異的生存率およびOS率を求め、確率の 乗法則を用いてX年条件付き生存率を算出した 回帰モデルは年齢、性別、人種、結婚歴、SEER上の地域、診断年およびPCI施行年に ついて調整した 主な結果 SCLC患者9,134例のデータを解析した 1988年から1997年にかけて限局型(LS)SCLCに対してPCIを施行した患者の割合は 18%から23%に上昇した(p<0.001) XingらJ Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7577

91 7577:(1988~1997年に)米国において予防的頭蓋照射を施行した小細胞肺癌患者の条件付き生存率-Xing Yら
主な結果(続き) 地域および年齢がLS-SCLC患者に対するPCIの施行と有意な関連性を示し、中西部に居住 する患者は他の地域の患者に比べてPCI施行率が低く(36% vs 40%;p<0.001)、年齢 50~79歳の患者は他の年齢層に比べてPCI施行率が低かった(59% vs 16%;p<0.001) LS-SCLC患者の3年条件付きOS率は、診断時に比べて3年後に、PCI施行例で23%から 54%に改善し、PCI非施行例で17%から48%に改善した 進展型(ES)SCLC患者の3年条件付きOS率は、PCI施行例で4%から49%に改善し、PCI 非施行例でも同様に5%から50%に改善した LS-SCLC患者の3年癌特異的条件付き生存率は、PCI施行例で28%から65%に改善し、 PCI非施行例で20%から59%に改善した ES-SCLC患者の3年癌特異的条件付き生存率は、PCI施行例で5%から60%に改善し、PCI 非施行例で6%から62%に改善した 結論 1988年から1997年にかけて、SCLC患者の推定生存率(3年条件付きOSおよび条件付き 癌特異的生存率)は生存例について劇的に改善した XingらJ Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7577

92 7579:限局型(LS)小細胞肺癌(SCLC)患者における予防的頭蓋照射(PCI)の臨床的ベネフィットに対する18F-FDG-PET検査および頭部MRI検査による正確なステージ判定の影響-Choi Mら 試験の目的 限局型SCLC患者におけるPCIの臨床成績およびベネフィットに対する治療前頭部MRI検 査およびPET検査の効果を評価すること 試験デザイン 2001年4月から2013年4月までの期間に同時化学放射線治療(CCRT)が奏効した限局型 SCLC確定診断例264例のデータをレトロスペクティブに解析した 解析対象のうち127例は頭部MRI検査および全身18F-FDG-PET検査を施行していた 主な結果 2年脳転移率は、127例のうちPCI施行例で21.8%(95%CI 14.4~29.2%)、PCI非施行例 で34.9%(95%CI 28.9~40.9%)であった(p=0.079) 臨床特性に関して差はなかった 5年OS率に関してPCI施行例と非施行例の間に有意差はなかた(43.8% vs 41.0%、p=0.629) 結論 PCIを施行すると脳転移のリスクが低下したが、OSやPFSに対する有意な効果はなかった 限局型SCLC患者のOSは優れており、CCRTが奏効した患者の5年生存率はPCI施行の有 無によらず40%を上回る値であった PCIによる神経障害のリスクを考えると、限局型SCLC患者に対するPCIの有用性について 改めてより厳格な評価を行うべきである Choiら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7579

93 ペメトレキセド(500 mg/m2)+シスプラチン(75 mg/m2)+ベバシズマブ(15 mg/kg)、1日目、3週毎に6コース
7500:悪性胸膜中皮腫(MPM)に対するシスプラチン-ペメトレキセド(CP)+ベバシズマブ15 mg/kg併用3剤療法と2剤CP療法の比較―無作為化第Ⅲ相試験IFCT-GFPC-0701 MAPS試験の成績-Zalcman Gら 試験の目的 悪性胸膜中皮腫(MPM)患者においてペメトレキセド-シスプラチン療法にベバシズマブを併用した場合の有効性・安全性を検討すること 化学療法群:ペメトレキセド (500 mg/m2)+シスプラチン (75 mg/m2)、1日目、3週毎に6コース(225例) 主な組み入れ基準 組織診に基づく切除不能なMPM 年齢18歳以上75歳以下 化学療法歴なし WHO PS 0~2 血栓や出血なし (448例) 経過観察 割付調整因子 施設、組織型(上皮型 vs 肉腫型/混合型)、WHO PS(0~1 vs 2)、喫煙歴(あり vs なし) 無作為化 化学療法+Bev群: ペメトレキセド(500 mg/m2)+シスプラチン(75 mg/m2)+ベバシズマブ(15 mg/kg)、1日目、3週毎に6コース  (223例) 維持療法としてベバシズマブ 15 mg/kgを1日目、3週毎に投与 PD 主要評価項目 OS 副次評価項目 PFS、QOL、付随的バイオマーカー研究、医療経済 Zalcmanら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7500 93 93

94 7500:悪性胸膜中皮腫(MPM)に対するシスプラチン-ペメトレキセド(CP)+ベバシズマブ15 mg/kg併用3剤療法と2剤CP療法の比較―無作為化第Ⅲ相試験IFCT-GFPC-0701 MAPS試験の成績-Zalcman Gら 主な結果 CP療法にベバシズマブを併用するとOSが有意に改善した 経過観察期間中央値=39.4ヵ月(11.0~83.0ヵ月) OS 生存率 時間(月) 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 0.2 0.1 10 20 30 40 50 60 リスク集合[例数] 225 223 166 171 77 91 36 45 16 8 7 化学療法(PEM+CIS)群 化学療法(PEM+CIS)+Bev群 OS中央値:16.07ヵ月(95%CI 14.00~17.93ヵ月) OS中央値:18.82ヵ月(95%CI 15.90~22.62ヵ月) 層別化HR=0.76(95%CI 0.61~0.94);p=0.0127 Zalcmanら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7500

95 7500:悪性胸膜中皮腫(MPM)に対するシスプラチン-ペメトレキセド(CP)+ベバシズマブ15 mg/kg併用3剤療法と2剤CP療法の比較―無作為化第Ⅲ相試験IFCT-GFPC-0701 MAPS試験の成績-Zalcman Gら 主な結果 PFSも化学療法(CP)にベバシズマブを併用した場合には9.59ヵ月と、CPのみの場合 (7.48ヵ月)に比べて2.75ヵ月延長した(HR=0.61、95%CI 0.50~0.75;p<0.0001) グレード3/4の血液学的毒性の発現率はCPのみで62.1%、CP+ベバシズマブ併用で 71.2%と、ベバシズマブの併用により上昇した(p=0.04) 以下の毒性の発現率はCPのみに比べてCP+ベバシズマブ併用の方が有意に高かった グレード3の蛋白尿(3.2% vs 0%;p=0.007) グレード3/4の高血圧(23.0% vs 0%;p<0.0001)、動脈・静脈血栓塞栓症(5.8% vs 0.9%;p=0.004) グレード3/4の貧血の発現率はCPのみに比べてCP+ベバシズマブ併用の方が低かった (7.2% vs 13.4%;p=0.03) Global QOL質問票で評価したQOLスコアに関して2群間に差はなかった 結論 MPM患者においてペメトレキセド-シスプラチンにベバシズマブを併用すると生存期間 が有意に延長した 毒性の発現が若干増えたがQOLの低下にはつながらなかった この3剤療法はMPM患者に対する新たな治療パラダイムである Zalcmanら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7500

96 NGR-hTNF(0.8 μg/m2)週1回+BIC*群(200例)
7501:既治療の進行悪性胸膜中皮腫(MPM)患者においてNGR-hTNF+医師選択最良治療(BIC)をBIC単独(+プラセボ)と比較した第Ⅲ相試験(NGR015試験) -Gaafar RMら 試験の目的 悪性胸膜中皮腫(MPM)患者において医師選択最良治療(BIC)に腫瘍標的化抗血管薬NGR-hTNFを併用した場合の有効性・安全性を評価すること NGR-hTNF(0.8 μg/m2)週1回+BIC*群(200例) PD 主な組み入れ基準 MPMの確定診断 前治療としてペメトレキセドを ベースとしたレジメンは1個まで 一次治療後に進行 ECOG PS 0~2 年齢18歳以上 割付調整因子 PS(0 vs 1~2) 化学療法歴(あり vs なし) 化学療法剤 無作為化 プラセボ+BIC*群(200例) PD 主要評価項目 OS 副次評価項目 PFS * *支持療法のみ、または以下の薬剤を用いた単剤化学療法6コースまで:ゲムシタビン1,000~1,250 mg/m2、1および8日目、3週毎;ビノレルビン25 mg/m2静注または60 mg/m2経口、1および8日目、3週毎;またはドキソルビシン60~75 mg/m2静注、1日目、3週毎 Gaafarら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7501 96 96

97 7501:既治療の進行悪性胸膜中皮腫(MPM)患者においてNGR-hTNF+医師選択最良治療(BIC)をBIC単独(+プラセボ)と比較した第Ⅲ相試験(NGR015試験) -Gaafar RMら
主な結果 18.9ヵ月(中央値)経過観察後のITT解析に基づくOSは2群間で同等であった 無治療期間(TFI)が最も短い患者(予後最不良例)にはNGR-hTNFの方がBICよりも 有効であった(OS中央値:9.0ヵ月 vs 6.3ヵ月;HR=0.69;p=0.02) 結論 全体としてNGR-hTNFを併用しても生存期間の延長は認められなかった TFIが短い患者では化学療法にNGR-hTNFを併用すると化学療法単独に比べてOSおよび PFSが改善した OS 時間(月) 100 80 60 40 20 6 12 18 24 30 生存率 中央値: 8.4 vs 7.9ヵ月 層別化HR=0.94;p=0.60 NFR-hTNF群 プラセボ群 Gaafarら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7501

98 7511:既治療の悪性中皮腫患者におけるARQ197―University of Chicago Phase II Consortiumによる第Ⅱ相試験-Maron SBら
試験の目的 MET過剰発現またはMET変異陽性の悪性中皮腫患者においてMET阻害薬ARQ197の有効 性・安全性を検討すること 試験デザイン 以下の基準を満たす既治療の胸膜(11例)または腹膜(7例)悪性中皮腫患者を対象に 多施設共同第Ⅱ相試験を実施した:測定可能病変あり、ECOG PSスコア0~1、化学療 法歴2レジメンまで ARQ197は360 mg 1日2回の用量で経口投与し、ORRを主要評価項目とした 主な結果 CR例やPR例はなかった、胸膜中皮腫患者の33%および腹膜中皮腫患者の71%でSDと 判定され、このうち3例ではSDの効果が9ヵ月を超えて持続した グレード3/4の以下に示す毒性が1例(6%)ずつ発現した:白血球減少症、リンパ球減 少症、腹痛、疲労および感染症 IHC法で測定したMET発現やMET変異は生存との相関性を示さなかった 結論 本試験では主要評価項目を満たさず、p-MET発現は治療転帰と相関しなかった 腹膜悪性中皮腫患者においてベースライン時の血清中HGFおよびc-METはARQ197の予 後マーカーかもしれない Maronら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7511

99 7566:悪性中皮腫における免疫回避は炎症表現型と相関する-Khattri Aら
試験の目的 悪性中皮腫患者における免疫回避メカニズムを理解する目的で免疫関連遺伝子の発現を調べること 試験デザイン 76個の悪性中皮腫検体から得られたRNA配列データを用いて、T細胞、NK細胞、好中球および樹状細胞/マクロファージを代表する遺伝子ならびに免疫回避反応(免疫チェックポイントおよび細胞性免疫回避)と関連する遺伝子を解析した 12遺伝子炎症シグネチャーを用いてT細胞炎症グループ間の相関を検討した 主な結果 悪性中皮腫は大きく2つのグループに分けられることがわかった 第1グループの腫瘍(35%)は炎症レベルが高く4種すべての免疫細胞が浸潤し、その80%はTCIP-high表現型であった 第2グループの腫瘍は免疫細胞関連遺伝子の発現レベルが低い非炎症型で、その85%にはT細胞の著明な浸潤を認めなかった 第1グループに属する全腫瘍において、免疫回避に関わるPD-1/PD-L1、CTLA4、LAG3およびFOXP3の発現が著しく、免疫回避と強く相関して炎症が認められた 第2グループに属する腫瘍は免疫細胞の浸潤や免疫回避反応を示さなかった 結論 悪性中皮腫には明らかに異なる2つのグループが存在する。炎症を示す第1グループと炎症を示さない第2グループの腫瘍には、免疫療法に関して異なる治療戦略が必要かもしれない 第1グループの腫瘍は、複数種の免疫細胞が浸潤し、著明な免疫回避反応を示す Khattriら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7566

100 その他の悪性腫瘍 稀少腫瘍

101 7515:胸腺上皮性腫瘍におけるPD-1とそのリガンドPD-L1の発現―治療効果への影響と化学療法(C)施行後の発現の変化-Katsuya Yら
試験の目的 胸腺腫または胸腺癌患者におけるベースライン時のPD-1/PD-L1発現と化学療法の効果との 相関性を検討すること 試験デザイン 2000年~2014年に化学療法を施行した胸腺腫または胸腺癌患者を対象として免疫組織化学 法によりPD-1/PD-L1の発現を評価した 腫瘍細胞および腫瘍浸潤リンパ球のPD-L1発現レベルを染色強度により定量した 治療前後に採取した検体中のPD-1/PD-L1発現の差とともにORRおよびPFSを評価した 主な結果 評価可能例30例のうち、15例が男性で、12例が胸腺腫患者、18例が胸腺癌患者であり、年 齢中央値は57歳であった 胸腺腫患者の67%、胸腺癌患者の41%がPD-L1発現陽性であった 胸腺腫患者ではPD-L1陽性例の方が陰性例に比べてORRが高かった(50% vs 0%) 胸腺癌患者ではPD-L1陽性例と陰性例とでORRは同等であった(14% vs 20%) 胸腺腫患者では化学療法施行後に腫瘍細胞におけるPD-L1発現が67%から100%に亢進し、 腫瘍浸潤リンパ球におけるPD-1発現が33%から100%に亢進したが、この変化と臨床的転 帰との相関性は認められなかった 結論 胸腺腫患者では化学療法施行後にPD-1/PD-L1の発現が亢進した しかしながら、胸腺上皮性腫瘍患者においてPD-L1発現と化学療法の効果との相関性は認 められなかった Katsuyaら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7515

102 7580:既治療の進行胸腺悪性腫瘍(TM)患者におけるamrubicin(A)単剤療法の第Ⅱ相試験-Wakelee HAら
試験の目的 胸腺悪性腫瘍患者において心毒性の少ない第三世代アントラサイクリン系トポイソメ ラーゼII阻害薬amrubicinの単剤療法を評価すること 試験デザイン 化学療法1レジメン以上施行後に進行または再発した胸腺悪性腫瘍(胸腺腫または胸腺 癌)患者を対象とした 当初、CSF併用下でamrubicin 40 mg/m2を1~3日目に静脈内投与し、これを3週毎に反 復する計画であった 主要評価項目:ORR 主な結果 Celgene社の開発戦略上の理由により2014年4月で被験者登録は打ち切りとなった。こ の時点までに計33例(年齢中央値60歳、胸腺腫患者14例、胸腺癌患者19例)に試験薬 を投与した 発熱性好中球減少症が高頻度に発現したことから、開始用量を「35 mg/m2 1~3日目3 週毎」に減量した 発熱性好中球減少症が7例(21%)に発現し、1例がこれにより死亡した Wakeleeら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7580

103 7580:既治療の進行胸腺悪性腫瘍(TM)患者におけるamrubicin(A)単剤療法の第Ⅱ相試験-Wakelee HAら
主な結果(続き) ORRは症例全体で18%、胸腺腫患者で29%、胸腺癌患者で11%であった PFS中央値は8.5ヵ月(95%CI 6.7ヵ月~無限大)、OS中央値は31.1ヵ月(21.6ヵ月~無限大) であった 左室駆出率に有意な変化はなかった グレード1/2の試験治療下でのAEのうち発現率上位の3つは、粘膜炎/口内痛(52%、17例)、 疲労(48%、16例)および悪心(45%、15例)であり、グレード3/4の試験治療下でのAEの  うち発現率上位の3つは、疲労(21%、7例)、発熱性好中球減少症(21%、7例)および貧血 (12%、4例)であった 結論 amrubicin1回35 mg/m2の静脈内投与は既治療の進行胸腺悪性腫瘍患者に対する単剤療法 として有望と考えられた 発熱性好中球減少症の発現率が高く、予想通りの忍容性プロファイルであったが、心毒 性の発現はなかった 該当例数/全例数(%) 全 体 胸腺腫患者 胸腺癌患者 部分奏効 6/33(18) 4/14(29) 2/19(11) 安定 23/33(70) 10/14(71) 13/19(68) 進行 4/33(12) 0/14(0) 4/19(21) 病勢コントロール率 29/33(88) 14/14(100) 15/19(79) Wakeleeら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7580

104 7581:治療歴の多い胸腺上皮性腫瘍患者に対する維持療法におけるソマトスタチンアナログ製剤-Palmieri Gら
試験の目的 進行胸腺上皮性腫瘍患者に対する継続維持療法においてソマトスタチンアナログ製剤を 評価すること 試験デザイン 従来の化学療法でPRまたはSDの効果が得られた進行胸腺上皮性腫瘍患者を対象とした 単施設委託研究 持効性ソマトスタチンアナログ製剤オクトレオチド30 mgを病勢進行が認められるまで 28日毎に筋注投与した 無増悪期間中央値および毒性を評価した 主な結果 18例における経過観察期間中央値は43ヵ月で、無増悪期間中央値は14.5ヵ月であった 試験薬の毒性は忍容可能であり、毒性による投与中断例や中止例はなく、その忍容性は 概ね良好であった 5例にグレード1の下痢が発現し、4例にグレード2の高血糖が発現した 結論 ソマトスタチンアナログ製剤を用いた単剤維持療法は進行胸腺上皮性腫瘍に対して有用 かもしれない Palmieriら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7581

105 7582:aggressiveな組織型かつ進行期の胸腺上皮性腫瘍に対するソマトスタチンアナログ製剤+プレドニゾン併用療法の効果-Ottaviano Mら
試験の目的 胸腺上皮性腫瘍に対するオクトレオチド/lanreotideとプレドニゾンの併用療法の有効性を 評価すること 試験デザイン 従来の化学療法施行後に進行を来した進行胸腺上皮性腫瘍患者を対象とした単施設委託 研究で、患者にはプレドニゾン0.2 mg/日に併用してオクトレオチド30 mgを病勢進行が 認められるまで28日毎に筋注投与した 主な結果 計12例(男性5例、年齢27~70歳[中央値47歳])を組み入れた 無増悪期間中央値は6ヵ月(3~24ヵ月)であった 全奏効率は74.9%で、3例(25%)でSD、4例(33.3%)でPR、2例(16.6%)でCR、3例 (25%)でPDと判定された 併用療法の忍容性は概ね良好であった 結論 ソマトスタチンアナログ製剤とプレドニゾンの併用はaggressiveな組織型かつ進行期の  胸腺上皮性腫瘍に対して有効である Ottavianoら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr 7582

106 その他の悪性腫瘍 脳転移

107 LBA4:NCCTG N0574(Alliance)試験―1~3個の脳転移巣を有する患者に対する手術的照射(SRS)と全脳照射(WBRT)の併用を検討した無作為化第Ⅲ相試験 -Brown PDら
試験の目的 脳転移患者を対象として定位手術的照射(SRS)に全脳照射(WBRT)を併用した場合の有効性・安全性をSRS単独と比較検討すること SRS*単独群 (111例) 主な組み入れ基準 1~3個の脳転移(径3 cm未満)あり 放射線治療中の化学療法なし 軟膜播種なし ECOG PS 0~2 (213例) PD 割付調整因子 年齢(18~59歳 vs 60歳以上) 頭蓋外病変のコントロール期間(3ヵ月以内 vs 3ヵ月超) 脳転移巣の数(1個 vs 2個 vs 3個) 施設 無作為化 SRS†+WBRT (30 Gy/12分割)群 (102例) PD 主要評価項目 認知機能の増悪(1つの認知機能検査における1SDの低下) 副次評価項目 OS、安全性、QOL *径2.0 cm未満には24 Gy、2~2.9 cmには20 Gy; †径2.0 cm未満には22 Gy、2~2.9 cmには18 Gy Brownら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr LBA4 107 107

108 LBA4:NCCTG N0574(Alliance)試験―1~3個の脳転移巣を有する患者に対する手術的照射(SRS)と全脳照射(WBRT)の併用を検討した無作為化第Ⅲ相試験 -Brown PDら
主な結果 認知機能が低下した患者の割合はSRS単独群よりもSRS+WBRT群の方が高く(91.7% vs 63.5%;p=0.0007)、6ヵ月時も同様であった(97.9% vs 77.8%;p=0.032) 3ヵ月時にSRS単独群に比べてSRS+WBRT群において有意な認知機能悪化を認めた項目は、 HVLT全記憶(p=0.0043)、HVLT遅延再生(p=0.009)およびCOWA(p=0.009)であった 3ヵ月時のCNS治療失敗率はSRS単独群で4倍高かった 6週時の脱毛(p=0.01)および皮膚炎(p=0.06)の発現率はSRS+WBRT群でSRS単独 群よりも有意に高かった 晩期放射線障害(CNS壊死)の発生率に関してSRS+WBRT群とSRS単独群の間に差は なかった(4.3% vs 6.8%;p=0.72) 頭蓋内増悪 20 40 60 80 100 3 6 9 12 15 18 21 24 累積発生率 p<0.0001 SRS単独群 SRS+WBRT群 CNS治療 失敗率[%] SRS+WBRT群 SRS単独群 3ヵ月時 6.3 24.7 6ヵ月時 11.6 35.4 (%) Brownら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr LBA4

109 LBA4:NCCTG N0574(Alliance)試験―1~3個の脳転移巣を有する患者に対する手術的照射(SRS)と全脳照射(WBRT)の併用を検討した無作為化第Ⅲ相試験 -Brown PDら
主な結果(続き) OS中央値はSRS+WBRT群で7.4ヵ月、SRS単独群で10.4ヵ月であった OS 20 40 60 80 100 6 12 18 30 36 42 54 全生存率 SRS単独群 SRS+WBRT群 24 48 HR=1.02 (95%CI 0.75~1.38) p=0.92 111 102 64 50 35 28 19 22 10 8 7 4 5 2 1 13 3 リスク集合[例数] 3ヵ月時のQOL評価/ サブ評価項目* SRS+WBRT群 SRS単独群 p値 身体的健康 -4 -18 0.053 社会/家族的健康 1 -3 0.369 Emotional wellbeing 13 5 0.129 精神的健康 3 -22 0.006 機能的健康 -12 0.001 FACT脳特異的 -1 -9 0.029 FACT-BR総合 -11 0.002 少数の長期生存者においても同様の結果が得られた 結論 SRSにWBRTを併用した患者ではSRSのみを施行した患者に比べて、短期再生、記憶および言語流暢性などの点で認知機能が低下することが多かった(早期の評価) SRS単独施行と比較してWBRTの併用はOSを改善せず、QOLを悪化させたが、脳病変コントロール率は4倍の値であった 1~3個の新規診断脳転移巣を有する患者において認知機能およびQOLを比較的良好に保つためには、SRSのみを施行した後、綿密な経過観察を行うべきである *臨床的に意義のある最小差に相当するベースラインからの平均変化=10点 Brownら J Clin Oncol 2015; 33 (suppl): abstr LBA4


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