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鹿児島大学農学部獣医学科 公開講座 第11回 2005年12月3日(土)

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1 鹿児島大学農学部獣医学科 公開講座 第11回 2005年12月3日(土)
鹿児島大学農学部獣医学科 公開講座 第11回 2005年12月3日(土) 「動物の生命(いのち)と人との係り」 食品の安全:生命(いのち)をいただくマナー 獣医公衆衛生学 教授 岡本嘉六  食品の安全性に関して、様々な騒動が起きてきました。マスコミは「100%安全」を報道し、一部の消費者は不安を訴えてきました。その過程で、生産関係者が経済的・精神的に追い詰められ、鹿児島出身者を含む10名以上が自殺しています。ヒトの命を奪う「食品の安全性」とは、一体何でしょうか?  その一方で、青少年の凶悪犯罪が数多く起きています。私には、生産者を自殺に追い込んでも何らの関心を示さず、ひたすら自分の不安を訴える姿と重なって見えます。命の尊さ、生きることの意義、他との関わり方など、人間社会の根幹が揺らいでいるのではないでしょうか?  食べることは生物の基本であり、こうした不安の時代の根っ子に「食と向き合う」ことの重要性が認識され、今年の7月から「食育基本法」が施行されました。食べ物は他の生物(いきもの)であり、命をいただくことで他との関係が始まります。命をいただくマナーが「食品の安全性」の基礎となっていることを紹介し、日本社会の健全化への一助とします。

2 「BSE問題に関する調査検討委員会報告」 (2002年4月 BSE問題に関する調査検討委員会)
「食育基本法」 本年7月15日から施行 ・・・国民の食生活においては、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向などの問題に加え、新たな「食」の安全上の問題や、「食」の海外への依存の問題が生じており、「食」に関する情報が社会に氾濫する中で、人々は、食生活の改善の面からも、「食」の安全の確保の面からも、自ら「食」のあり方を学ぶことが求められている。また、豊かな緑と水に恵まれた自然の下で先人からはぐくまれてきた、地域の多様性と豊かな味覚や文化の香りあふれる日本の「食」が失われる危機にある。・・・ 「BSE問題に関する調査検討委員会報告」 (2002年4月 BSE問題に関する調査検討委員会) 5)重要な個別の課題 ④ 食に関する教育いわゆる「食育」の必要性  今日の食品の安全性をめぐる事態に照らし、学校教育における食品の安全性や公衆衛生及びリスク分析などに係わる基礎的知識の習得・教育を強化する必要がある。農業や食品産業など、フードチェーン全般にわたる基礎的な知識および栄養や健康に関する教育も充実させる必要がある。  食品に、ゼロ・リスクはあり得ないこと、情報をもとに一人一人が選択していく能力を身に付けていくことの大切さの認識の普及が必要である。

3 ● 地球生命体の成り立ちを理解し、様々な生物種の共生ー寄生関係を良好に保ち、地球環境に優しい生活体系を目指しましょう!
パート1 ●  地球生命体の成り立ちを理解し、様々な生物種の共生ー寄生関係を良好に保ち、地球環境に優しい生活体系を目指しましょう!

4 地球の誕生: 約46億年前 原始大気と原始海洋の誕生 最初の生命体(原核生物) 35億年前の最古の化石 緑藻類などの真核生物 10億年前
地球の誕生: 約46億年前  原始大気と原始海洋の誕生 最初の生命体(原核生物) 35億年前の最古の化石 緑藻類などの真核生物 10億年前 アオミドロ 1991年5月普賢岳の噴火 なし 生物の光合成 石灰岩CaCO3 地下有機物(化石燃料) 0.03% ただし増加中 二酸化炭素  CO2 酸素  O2 原始大気 大量 起源 原始地球から脱ガス その後 縞状鉄鉱などの酸化物 その後は大気中に蓄積 成層圏のオゾンO3層 現在 21%

5 大気と水に恵まれた地球で生命が誕生し進化してきた
大気中ガス濃度 炭酸ガス CO2 酸素 O2 光合成を行うラン藻類(シアノバクテリア) 27 46 35 10 緑藻類などの真核生物 5.1 脊椎動物の出現 脊椎動物の上陸 3.7 人類の出現 500万年前 陸上植物の出現 4.4 ほ乳類の出現 2.1 地球誕生 原始生物 地球にも寿命があり、地殻活動などの環境変化により絶滅した種もいる。人類は? ダーウィンの著書 1859年 「種の起源」 進化論 ミラーの実験 「化学進化」 原始大気と放電でアミノ酸ができる パスツールの実験 1862年 「生物は生物からしか生まれない」

6 人類の進化 約5000年前、世界各地に文明が発生する。 年代 (万年前) 分類 概要 発見年/発見場所 類人猿 猿人 原人 旧人 新人
2000 500 130 100 50 40~25 15~4 4 プロコンスル プロコンスル 類猿人からの分化 ホモ・エレクトス ジャワ原人 北京原人 ホモ・サピエンス ネアンデルタール人 クロマニヨン人 1948年/ビクトリア湖ルシンガ島 ミトコンドリアDNAの分析 大脳の発達(850ml) 「言語の発達・火の使用」 1888年/ジャワ島/石器と火の使用 1929年/中国・周口店/石器と火の使用 古代ホモ・サピエンス 1856年/ドイツ・ネアンデル谷/中期旧石器時代 1868年/フランス/後期旧石器時代 猿人 原人 大脳の発達(850ml) 「言語の発達・火の使用」 石器 旧人 新人 プロコンスル: チンパンジーと人類の共通の祖先 110万年前アフリカを出発した原人は、地球各地に広く生活の場を求めて広がっていった。 ユーフラテス川沿岸で1万2000年前の定住村落遺跡の発掘から、150種を超える植物の種子が発見された。9500年前ころ農耕は西アジア各地に広がった。 約5000年前、世界各地に文明が発生する。

7 一人当たりのエネルギー消費量 人口 文明の発達は一人当たりのエネルギー消費量、および、人口の増加をもたらした。

8 生物の系統発生図 植物界 菌界 動物界 光合成 吸収 消化 プロティスタ モネラ 生物の系統発生図を念頭 におき、病原体、媒介動物、
    けいとうはっせいず  ねんとう 生物の系統発生図を念頭     びょうげんたい、ばいかいどうぶつ におき、病原体、媒介動物、 しょくもつれんさ、せいたいけい、よぼう・ 食物連鎖、生態系、予防・ ちりょうほう     しっぺい  りゅうこう 治療法など、疾病の流行と          じしょう 関連する事象をみる。 光合成 吸収 消化 真核生物、多細胞 プロティスタ 真核生物、単細胞 モネラ 原核生物、単細胞           けいとう はっせいず 生物の系統発生図

9 エネルギー(生態)ピラミッド エネルギー(生態)ピラミッド 菌界 動物界 植物界 太陽
微生物の菌類・細菌類などが中心。生産者や消費者の遺体や排出物の有機物を無機物に分解し、もとの環境に返す。 一次消費者を食べる生物 肉食動物 二次消費者 菌界 動物界 生産者を直接食べる生物 草食動物 分解者 一次消費者 自分で栄養素を作る 光合成植物 植物界 生産者 大地・大気・水 エネルギー(生態)ピラミッド エネルギー(生態)ピラミッド

10 炭素と酸素の循環 酸素を作り出すのは植物だけであり、炭酸ガスの増加を止めるには、森を大切にすることが基本となる。
たんそ   さんそ   じゅんかん  炭素と酸素の循環  酸素を作り出すのは植物だけであり、炭酸ガスの増加を止めるには、森を大切にすることが基本となる。 光合成: 炭酸ガスの炭素から、太陽エネルギーを使って、デンプン(炭水化物)を作ること

11 タンパク質を構成するアミノ酸は、窒素化合物
  ちっそ   じゅんかん  窒素の循環  タンパク質を構成するアミノ酸は、窒素化合物 おいしい肉を構成するアミノ酸の基となる窒素を、大気から固定してくれる根粒菌にも感謝! 食べ物は、全て生き物である こんりゅうきん

12 人間が使う水は、 大循環の一部 みず の じゅんかん 水の循環  生命誕生の元となる水は、生活空間において、固体、液体、気体の三相を示し、様々な物質を溶かす不思議な力をもっている。人間の体の70%は水分であり、食べた物が消化・吸収され、血液循環に乗って細胞に供給され、老廃物を排出する上で欠かせないものである。  安全でおいしい水は、どのようにしてできるのか? そのために、何をしなくてはならないのか?

13 水資源も有限であり、「自然に感謝し大切に使う」ことが全ての基本
 「水は水道の栓をひねると出るもの」と思っていませんか?  水源地が枯渇すれば、ひねっても出ないことを理解してますか? 水資源も有限であり、「自然に感謝し大切に使う」ことが全ての基本

14 漁業者が山林保全に取り組んでいるように、
安全で美味しい飲用水を確保するために、 都市生活者も水源涵養の努力を!

15 何かに反対するだけの運動は簡単であるが、対論を示して実践することの難しさをこの映画は示しています。
 「草刈り十字軍」は、富山県大山町で始まった運動で、これまでに延べ25000人余にのぼる多くの若者達が 参加してきました。イギリス、アメリカ、フランス、中国、韓国等々、外国からの参加者もいます。  草刈り十字軍とは、造林地での農薬空中散布に反対して誕生した人力で草刈りを行うボランティア運動である。その運動の苦難を乗り越え、発足するまでを描いた映画が『草刈り十字軍』です。全国の若者のばらばらな思いが重労働の中で一つになっていくのを描いた感動のドキュメンタリーです。  何かに反対するだけの運動は簡単であるが、対論を示して実践することの難しさをこの映画は示しています。 山また山の小さな村に、ある日突然立てられた 一つの立て札から始まる物語 ‘97年度「児童福祉文化賞」(厚生大臣賞)受賞 リンク 原作: 足立原 貫・野口 伸     「山へ入って草を刈ろう」(朝日新聞社刊) 監督、脚本: 吉田 一夫

16 食品の基本単位:細胞の基本構造 真核細胞 すべての生命に共通の特徴は、 1)タンパク質や核酸からなる細胞 2)物質やエネルギーの代謝
粗面小胞体 細胞質 核小体 リボゾーム ミトコンドリア 細胞壁 核膜 真核細胞 滑面小胞体 葉緑素 ライソゾーム すべての生命に共通の特徴は、  1)タンパク質や核酸からなる細胞  2)物質やエネルギーの代謝  3)自己増殖する生殖 原核生物と真核生物の主な違い 原核細胞 白血球の呑食に抵抗 付着 蛋白合成 原核細胞と真核細胞の差異 1.遺伝子の性状と配置 2.膜結合器官 3.蛋白合成系 4.細胞壁の化学組成 運動器官 → 化学療法剤などの「選択毒性」の基礎 核膜がない 薬剤耐性等の伝達

17 病原体 生物の系統発生学的位置 病原体は生物種の一部であり、仲間である。 高等生物 真性細菌 古細菌 Procaryote
寄生虫 Procaryote 原核生物 Eucaryote 真核生物 ウイルスはエネルギー生産、蛋白合成に係わる酵素系を欠如しており、この図には含まれない

18 生物種の相互関係 (山村ほか「寄生から共生へ」平凡社より)
生物種の相互関係 (山村ほか「寄生から共生へ」平凡社より) A種 影響 相利 長年の付き合いによって、競争から相利へと関係改善してきた。 B 偏利 中立 捕食・寄生 偏害 競争  動物の消化管には無数の生物種が生息し、栄養素の奪い合い、代謝による有用・有害物質の生成を行っている。腸粘膜上皮は、こうした微生物との栄養素の奪い合い競争に打ち勝つために、微細な絨毛(じゅうもう)構造をしている。  大腸菌は正常な腸内細菌叢の一部であり、そこから病原性のある大腸菌が誕生した。生物の進化は、今も続いている。

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20 ● 食料は、ヒト以外の生物であり、野生生物に改良を重ねて量と質が確保されてきました。
パート2 ●  食料は、ヒト以外の生物であり、野生生物に改良を重ねて量と質が確保されてきました。

21 食鳥の区分と年間処理羽数 ブロイラー 5億9,528万羽 肉用鶏 その他の肉用鶏 932万羽 鶏 廃鶏 9,191万羽 食鳥 その他の食鳥
肉用鶏のうち、ふ化後3か月未満の鶏 その他の肉用鶏 932万羽 肉用鶏のうち、ふ化後3か月以上の鶏 (「地鶏」、「銘柄鶏」など) 廃鶏 9,191万羽 食鳥 採卵鶏又は種鶏を廃用した鶏 その他の食鳥 273万羽 あいがも、うずら、あひる等 食鳥の区分と年間処理羽数 出典:平成15年食鳥流通統計調査結果の概要(農水省)

22 鶏の野生種の伝播・家畜化と改良された品種
南太平洋諸島 赤色野鶏 中国大陸 朝鮮半島 日本 名古屋 三河 シャモ チャボ 尾長鶏 東天紅 東南アジア コーチン プラーマ アシール アジア種 日本種 灰色野鶏 インド南部 セイロン野鶏 BC2500 BC700 BC500 AD1500 インド ペルシャ ローマ ヨーロッパ 新大陸 セイロン島 緑襟野鶏 地中海沿岸種 英国種 米国種 ジャワ島 レグホーン ミノルカ アンダルシア サセックス コーニッシュ ドーキング プリマスロック ロードアイランドレッド ワイアンドット 鶏の野生種の伝播・家畜化と改良された品種

23 尾長鶏(上)と白色プリマスロック(下) 白色レグホーン

24 赤色野鶏 Gallus gallus (red junglefowl)
NHK-BS2「地球に好奇心~空飛ぶニワトリを探して~中国雲南・赤色野鶏」2001年 野鶏の中で「赤色野鶏」だけが鶏との間の1代雑種に繁殖力があり、他の3野鶏には繁殖力がないことから、赤色野鶏のみが「現在の鶏の祖先である」。

25 うこっけい 烏骨鶏 烏骨鶏は改良されていない鶏で、動物本来の習性で繁殖期にしか卵を産みません。産卵期後半には卵を温め始めしっかり卵を抱いて、卵を採りに近づくと「イカク」してきます。  採卵用の一般的な鶏は、改良されていて卵を温める事はしません。卵を産み、すぐに離れてしまいます。  ◆烏骨鶏の産卵数=年間40~50個程度  ◆一般の採卵鶏=年間250~300個前後

26 飼料要求率=1Kgの鶏卵を生むために摂取した飼料重量
日本における1羽当り産卵数の推移 年間産卵数  品種改良によって、年間産卵数が増加してきたが、戦争による食料難のため、家畜の飼料も不足し、産卵数は激減した。戦後も、価格は現在とほぼ変わらず、鶏卵は病気見舞いに使われる貴重品であった。 1927 1932 1937 1942 1946 1952 1957 1962 1967 1969 1972 108 123 140 120 90 181 190 209 227 235 248 飼料要求率=1Kgの鶏卵を生むために摂取した飼料重量 品種改良の努力は、現在も続いている。 2005年

27 入卵(1日目) 3日目 卵からヒヨコが孵るまで  卵を孵卵器に入れてから、わずか21日で立派なヒヨコに育つ。その間に細胞分裂が無数に繰り返されるので、卵殻には、呼吸するための微細な穴(気孔)が多数(100/㎠)空いている。不潔な取扱いによって、病原菌がその穴から侵入する。 7日目 10日目 卵殻表面の走査型電子顕微鏡写真(3500倍) 小さなヒヨコ(右上)には、目の部分も確認できる 太い血管が長く伸びて、ヒヨコの目も一段と大きくなっている。 17日目 (卵殻膜に包まれた左写真と、卵殻膜を取り除いた右写真) 孵化する4日前には、羽も生えて、ヒヨコの形がはっきり判る。

28 *:洗卵、乾燥、検卵、重量選別、包装、出荷 環境負荷を減らす副生物のリサイクルも、生活環境の安全性向上に欠かせない!
鶏卵生産農場がGAPを実施するには、その上流にある種鶏場や孵化場、飼料工場が品質保証を出せる体制作りが先行しなくてはならない 育種用基礎系統群、系統造成群、 海外に依存 原原種鶏農場(GGP) 農場段階においても、一般農家だけで安全性向上を図れるものではない! 飼料工場 原種鶏農場(GP) 廃鶏:食鳥センター 種鶏農場(PS) 穀類 (大半は輸入) 動物性 蛋白質原料 孵化場 育雛場 食品工場 割卵工場 インライン方式* 鶏卵生産農場 (コマーシャル鶏) 飲食店 卵問屋 オフライン方式* 消費者 小売店 GPセンター *:洗卵、乾燥、検卵、重量選別、包装、出荷 環境負荷を減らす副生物のリサイクルも、生活環境の安全性向上に欠かせない! 鶏卵の安全性と関わる養鶏産業システム

29 ブロイラーの生産体系: ABCDは遺伝背景
<海外の雛メーカー> 育種用基礎系統群 系統造成群 エリートストック(ES) 原原種鶏(GGPS) 雄系統 雌系統 <輸入雛メーカー> 原種鶏(GPS) ♂:A Χ ♀:B ♂:C Χ ♀:D <地域生産グループ> 種鶏(PS) ♂:AB Χ ♀:CD <一般生産農場> コマーシャルチック(CC) ♂:ABCD ♀:ABCD ブロイラーの生産体系: ABCDは遺伝背景

30 畜産情報ネットワーク 「畜産Zoo鑑」からの引用 (http://zookan.lin.go.jp/)
イノシシから家畜化された豚は、産肉量の向上のため品種改良が行われ、それは今後も続けられる。 豚の祖先 イノシシ 畜産情報ネットワーク 「畜産Zoo鑑」からの引用 (

31 (社)日本養豚協会 からの引用 (http://www.pig-pins.or.jp/youton/top.html)
イノシシが家畜化された場所と時期 (社)日本養豚協会 からの引用 (

32 中国には、世界の豚の約半数が飼育されており、中華料理は豚肉が中心となっている。
 中国には、世界の豚の約半数が飼育されており、中華料理は豚肉が中心となっている。 アフリカ 米国 北米その他 ブラジル 中南米 その他 日本 ベトナム アジア ドイツ スペイン ヨーロッパ オセアニア 中国 外周円 飼養頭数 92,290万頭 内部円 豚肉生産量 91,188,000t 世界のおもな国での豚飼養頭数と豚肉生産量(2001年)

33 (株)埼玉種畜牧場「サイボクぶた博物館」からの引用 (http://www.saiboku.co.jp/index.html)
大湖豚(梅山猪):長江の下流域 黄淮海黒豚:黄河の中下流域 大花白豚:珠江デルタ地域 藏猪:チベット、四川西部、雲南西北部 栄昌豚:四川省 両广小花猪:広東省、広西自治区 民猪:東北地方の吉林省、黒龍江省 金華猪:浙江省金華地区 海南猪:海南省 (株)埼玉種畜牧場「サイボクぶた博物館」からの引用 (

34 畜産情報ネットワーク 「畜産Zoo鑑」からの引用 (http://zookan.lin.go.jp/)
ヨークシャー イギリス、1885年 バークシャー イギリス、1862年 ランドレース デンマーク、1896年 大ヨークシャー イギリス、1870~1880年頃 ハンプシャー アメリカ、1904年 デュロック アメリカ、1885年 日本で多く飼育されている豚の品種 (交雑種を除く) 品種名 原産国名、品種確定年 畜産情報ネットワーク 「畜産Zoo鑑」からの引用 (

35 (1992-1994年平均、農水省畜産局「豚産肉能力直接検定成績」)
2 4 6 8 10 31.9 38.0 36.5 32.9 33.2 ロース芯 断面積 バークシャー 2.12 1.83 1.56 1.89 デュロック 背脂肪層 厚さ ハンプシャー 大ヨークシャー ランドレース 3.24 3.26 3.39 3.35 飼料 要求率 752 834 805 812 790 1日平均 増体量 種雄豚の品種による生産性の差異 ( 年平均、農水省畜産局「豚産肉能力直接検定成績」)

36 食料・農業・農村政策審議会 生産分科会 畜産企画部会 家畜改良増殖目標についての研究会 (平成16年10月12日)
品種 系統造成 1日当りの増体量は、1985年から2002年の間に200g程度増加できた。その他の生産指数についても同様であり、これからも、家畜改良の努力は続けられる。 豚の能力の推移及び平成27年度目標の検討値 食料・農業・農村政策審議会 生産分科会 畜産企画部会 家畜改良増殖目標についての研究会 (平成16年10月12日) 

37 日本における種雄豚、種雌豚、肉豚の品種の移り変わり
ヨークシャー バークシャー ランドレース 大ヨークシャー 2004 種雄豚 1990 1970 ハンプシャー デュロック その他 交雑種 2004 種雌豚 1990 1970 2004 肉豚 1990 1970 20 40 60 80 100 構成割合(%) 日本における種雄豚、種雌豚、肉豚の品種の移り変わり

38 三元交配による雑種強勢 L♀ × W♂ LW♀ × D♂ H♂ LWD × W♀ × L♂ B♂ WL♀ × D♂ WLD 原種豚 F1雌豚
繁殖・育成能力の優れた大型品種 産肉形質の優れた品種 L♀ × W♂ 原種豚 デュロック(D) ランドレース(L) ハンプシャー(H) F1雌豚 LW♀ × D♂ 大ヨークシャー(W) バークシャー(B) 肥育豚 三元交雑種 H♂ LWD × 純系 ホモ W♀ × L♂ B♂ 交雑種 ヘテロ WL♀ × D♂ 白の優性遺伝子は、ヘテロとなっても発現する WLD 赤の劣性遺伝子は、ヘテロとなることで発現しない 三元交配による雑種強勢

39 日本における養豚のあゆみ 一戸当り頭数 飼養戸数 飼養頭数 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000
100 200 300 400 500 600 700 800 900 千戸 頭/戸 1000 1200 1400 1887 1926 1938 1945 1955 1960 1965 1970 1981 1985 1990 1995 2001 万頭 一戸当り頭数 飼養戸数 飼養頭数 データは(社)日本養豚協会 からの引用 ( 丹羽 太左衞門著 「20世紀における日本の豚改良増殖の歩み」

40 ウイルスの感染環: 矢印は小型アカイエカの吸血による伝播
日本脳炎 ウイルスの感染環: 矢印は小型アカイエカの吸血による伝播 ブタ ヒト 渡り鳥? 増幅動物 1960年代に激減にした理由 1.予防接種法に基づくワクチン接種が浸透した。 2.農地整理が行われ、コガタアカイエカが発生する水田地帯が様変わりした。 3.有畜農業から養豚業が専業化、大規模化し、水田地帯を離れ、山間部に移動した。 6000 5000 4000 3000 2000 1000 1950 55 60 70 75 80 65 年間患者数 養豚農家数と一戸当り飼養頭数の推移 300 600 900 千戸 頭/戸  日本脳炎患者数の推移

41 米国における旋毛虫症新規患者数の年次推移
旋毛虫症(トリヒナ症)  世界各国における近年の旋毛虫症発生は、少なくなったとはいえ、患者数の最も多いルーマニアでは、10 万人当りの罹患率は7.2 と報告されており、東欧諸国、ロシア、中南米、中国では、依然として重大な危害要因となっている。  日本国内で感染した事例は3 件(1974、1979、1981)あるが、死亡者はなく、いずれもクマ肉を生で食べたことが原因となっている。  日本では、幸いにもブタの感染例はこれまで知られておらず、国産の豚肉やハム・ソーセージからヒトが感染する危険性は全くない。  米国で年間の新規患者数が100 名を下回るようになったのは1980 年代であり、それまでは毎年数百名が旋毛虫症に罹っていた。 1947 1957 1967 1977 1987 1997 500 400 300 200 100 年間の新規患者数 75-81 82-86 87-90 91-96 97-01 800 600 400 200 患者数 : 豚肉製品 : 豚肉製品以外 : 不明 米国における旋毛虫症新規患者数の年次推移 米国における旋毛虫症の感染源

42 有鈎条虫症と有鈎嚢虫症 ヒト有鈎嚢虫症 消化管感染 ヒト嚢虫症 全身感染 ヒト 豚 豚における有鉤嚢虫症の発生状況 地域 感染率(%)
調査(報告)年 中国(青林) 韓国(斉州島) インド インド北部 ブラジル メキシコ 12.53 0.3 5.35 20.8 0.27 0.54 0.019 1979 1989 (1984) 1998 ヒト有鈎嚢虫症 消化管感染 ヒト 終宿主 腸管寄生 排泄された卵 16 14 12 10 8 6 4 2 死者数 ヒト嚢虫症 全身感染 中間宿主 全身寄生 カリフォルニア州におけるヒト嚢虫症 取出して集めた嚢虫

43 トキソプラズマ症 有性生殖 オーシスト(虫卵) 消化管寄生 糞便 砂場 飲用水 食品汚染 捕食 感染豚由来の豚肉 無性生殖 シスト(嚢子)
筋肉内寄生 一般健康人は 発病しない。 妊婦および 免疫低下者のみ 捕食

44 養豚業が専業化、大規模化し、衛生管理技術 が向上したことにより、豚の感染は激減した。
500 1000 1500 2000 2500 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 250 750 発生率(豚飼養1千万頭当り) 頭数 一戸当り飼養頭数 発生率 ブタにおけるトキソプラズマ症の発生推移

45 ● 日本における食中毒の発生状況 < 総合対策の基本 > パート3
●  日本における食中毒の発生状況 < 総合対策の基本 > ● 健康弱者(70歳以上の高齢者、14歳以下の若齢者、病弱者)に対する特別措置   食品衛生法に規定を追加する ● 安全性レベルの選択による自己防衛   安全性レベルの認証・表示(HACCP) ● 安全性に関する正しい知識の普及   自然毒の脅威についての啓蒙

46 食中毒患者数の推移 患者数(細菌) 患者数 40,000 (自然毒) 35,000 (化学物質) 細菌 100 200 300 400
100 200 300 400 500 600 30,000 25,000 自然毒 20,000 15,000 化学物質 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 食中毒患者数の推移

47 原因物質別にみた食中毒による死者数の推移
● 化学物質による死亡者はいない ● 患者数では細菌の100分の1であった自然毒だが、死亡数は細菌とほぼ同等。自然毒は 致命率が高い! 20 18 16 14 年間死亡数 12 :総数 :細菌 10 :自然毒 8 6 4 2 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 原因物質別にみた食中毒による死者数の推移

48 食中毒患者数および死者数の年齢別割合 死者数 人口 患者数 20 40 60 80 100% 15歳 50歳 70歳 :0~4 :5~9
20 40 60 80 100% 食中毒患者数および死者数の年齢別割合 :0~4 :5~9 :10~14 :15~19 :20~29 :30~39 :40~49 :50~59 :60~69 :70~

49 年齢・死亡原因物質別にみた死亡者数 累積死亡者数 年齢 (1996~2002) 4 2 0~4 5~9 10~14 15~19 20~29
累積死亡者数 0~4 5~9 10~14 15~19 20~29 ハイリスク者への特別対策 12 :動物性自然毒 :植物性自然毒 :大腸菌 :サルモネラ :ぶどう球菌 :腸炎ビブリオ 10 衛生教育 8 6 4 2 30~39 40~49 50~59 60~69 70~ 年齢 年齢・死亡原因物質別にみた死亡者数 (1996~2002)

50 自然毒の脅威との戦いが人類史の一側面 文化(Culture;耕す) ボツリヌス毒 破傷風毒 ジフテリア毒 パリトキシン テトロドトキシン
50%致死量 μg/kg mouse 産生・保有 ボツリヌス毒 破傷風毒 ジフテリア毒 パリトキシン テトロドトキシン サキシトキシン 0.0001 0.3 0.6 8.7 10 細菌 イソギンチャク類 フグ、ヒョウモンダコ 二枚貝 文化(Culture;耕す)  人間が改良を加えてきた物心両面の成果、とくに西洋では精神的生活に関わるものを「文化」とし、「文明」と区別する。危害を取り除いて<安全に食べる>ことが文化であり、「ナチュラル=非文化」は危険です。 青酸カリ 10,000 ギンナン中毒: 国内で過去約80人の患者が学会報告され、うち約30人が死亡 ボツリヌス毒の1億倍食べないと死なない 青酸配糖体:アミグダリン(ウメ、アンズ、モモ)、ドーリン(イネ科) ファゼオルナチン(アオイマメ)、リナマリン(キャサバ) 青酸配糖体を含む生薬: キョウニン(杏仁)、トウニン、ショウキョウ

51 米国の食品規格コード(Food Code ) 日本においても、ハイリスク集団(健康弱者)に関する法的根拠を設けることが重要である
1-201 用語の定義と適用範囲 (44)高感受性集団(Highly susceptible population)とは、次の理由で、一般集団の人より食品媒介性疾患に罹りやすい人をいう。 (i) 免疫低下者、就学前児童、老人 (ii) デイケア施設、腎臓透析センター、病院または療養所、看護付老人ホームなどの健康管理または補助生活を受けている人。 日本においても、ハイリスク集団(健康弱者)に関する法的根拠を設けることが重要である

52 リスク管理と経費負担のモデル 衛生教育に掛かる費用 低 リスク・レベル 高 商品価格 衛生検査と監視に使われる税金 個人衛生 自主衛生管理
低  リスク・レベル   高 衛生教育に掛かる費用 自主衛生管理 商品価格 HACCP等の費用 法的規制 衛生検査と監視に使われる税金 一般健康成人 ハイリスク集団 リスク管理と経費負担のモデル

53 ? 法的規制 リスク管理と経費負担のモデル 衛生教育に掛かる費用 低 リスク・レベル 高 商品価格 国民経済として 無駄な経費
個人衛生 低  リスク・レベル   高 衛生教育に掛かる費用  法的規制の水準を上げると、その分、衛生対策費と監視業務の経費を税金で賄わねばならない。赤字国債が問題となっている現状で、実行できますか? 法的規制 自主衛生管理 商品価格 HACCP等の費用 国民経済として 無駄な経費 法的規制 衛生検査と監視に使われる税金 一般健康成人 ハイリスク集団 リスク管理と経費負担のモデル

54 パート4 ● 食品の安全性とは? あらゆる食品について、「ゼロリスク」はあり得ない! ● リスクレベルの決定=リスク・コミュニケーション
●  食品の安全性とは?    あらゆる食品について、「ゼロリスク」はあり得ない! 「食品の品質と安全性システム」 FAO: Food Quality and Safety Systems - A Training Manual on Food Hygiene and the Hazard Analysis and Critical Control Point (HACCP) System  「危害を減らすこととリスクを減らすことの関係を理解することは、適切な食品の安全性制御を発展させる上でとくに重要である。  不幸なことに、食品について『ゼロ・リスク』のような事態はありえない(その他の何についても言えることだが)。」 ● リスクレベルの決定=リスク・コミュニケーション   リスク低減には費用が掛かり、国民負担との兼ね合いである。

55 危ない食品とそうでない食品があるのではない! 適度の量があり、それを外れると障害を起こす!
閾値がない 化学物質 (発癌物質、 環境ホルモン) 栄養素 閾値がある 化学物質 健康への悪影響 生活習慣病 栄養失調 危ない食品とそうでない食品があるのではない! NOAEL 無有害作用濃度 適度の量があり、それを外れると障害を起こす! LOAEL 最小有害作用濃度 用量(摂取量) 世界保健機構 化学物質の用量・反応関係 化学物質の用量・反応関係 WHO: Hazardous chemicals in human and environmental health - A resource book for school, college and university students. 2000

56 一日摂取許容量と残留許容濃度(一般毒性)
一日摂取許容量(ADI )= 無有害作用濃度 100 食品中の残留許容濃度 生体反応の強度 致死量 無有害作用濃度 中毒量 閾値がある 化学物質 閾値 薬効 用量 一日摂取許容量と残留許容濃度(一般毒性)

57 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある
ベンゾピレン 魚の焼けこげ それでも こげ目のないサンマを食えるか トリプトファン Trp-P1 Trp-P2

58 ニトロソ化合物 硝酸塩 二級アミン 野菜 胃の中で反応 発癌物質→胃癌 野菜 胃の中で反応 発癌物質→胃癌

59 硝酸塩は腸で吸収された後に亜硝酸となり、唾液に分泌され、それが胃内で二級アミンと反応してニトロソアミン(発癌物質)を形成。
唾液中の 硝酸塩 亜硝酸 硝酸塩は腸で吸収された後に亜硝酸となり、唾液に分泌され、それが胃内で二級アミンと反応してニトロソアミン(発癌物質)を形成。

60 DNA 障害性物質の安全性基準 10-6 一生の間に100万人に1人以下でしか起きない確率 発癌率 低濃度直線性 用量 実質的安全量
日常的に暴露されているリスク、避けることのできないリスクより十分に低いことをもって安全とする。 一生の間に100万人に1人以下でしか起きない確率 発癌率 閾値がない 化学物質 10-6 低濃度直線性 用量 実質的安全量 DNA 障害性物質の安全性基準

61 ● 食生活における不安をなくし、安全性についての自信を取り戻すためには、農場から食卓までの関係者すべての努力が必要とされている。
パート5 ●  食生活における不安をなくし、安全性についての自信を取り戻すためには、農場から食卓までの関係者すべての努力が必要とされている。 ● 衛生対策の強化には、モノも労働も必要です。その経費を公正に負担する社会システムを皆で考え、作り上げよう。

62 カンピロバクターとサルモネラ食中毒の発生率
0.25 100 :カンピロバクター、 :サルモネラ  肉食民族では、家畜との付き合いが長く、その分、動物由来感染症も多い。  安全性が高い日本で大騒動するのは、自然観、生命観の相違か? 0.2 80 10万人当り死亡率 10万人当り罹患率 0.15 60 0.1 40 0.05 20 0.0014 日本 英国 米国 日本 英国 米国 カンピロバクターとサルモネラ食中毒の発生率

63 食肉センターにおけるサルモネラ汚染: 米国の基準
陽性サンプル数の上限 サンプル数 陽性率 子牛 肉牛 挽肉 豚ソーセージ ブロイラー 1.0 2.7 7.5 10.9 NA 23.6 82 58 53 55 NA 51 1 2 5 6 NA 12 NA :基準策定のため調査中であり、将来設定する。 食鳥センターの基準は別の法律であるが、ここでは併記した。 これは、食肉センターにHACCPを適用する法律を作成するための事前調査に基づいて策定された基準である。

64 大規模施設における豚と体のサルモネラ陽性率 11%( 55頭中6頭)の基準を定める根拠となった1998-1999の調査
陽性率(%) 施設数 割合(%) 規制によって廃棄する割合が高くなれば、価格が高騰するだけでなく、絶対量が不足する可能性がある。 安全性に絶対(100%)はあり得ない。「どの程度の安全性をどの程度の価格で」が問題なのである。 0.0 – 5.0 5.1 – 8.7 8.8 – 11 11.1 – 15 15.1 – 20 45.0 – 50 全体 12 3 1 17 71 18 6 100 11%( 55頭中6頭)の基準を定める根拠となった の調査

65 羽数別サルモネラ陽性率からみた施設の割合 「ゼロ汚染」がタテマエの日本では、データに基づくリスク・コミュニケーションができない
1998年 羽数別陽性率 施設数 構成割合(%) 累積割合(%) 0-5% 5.1-10 35-40 45-50 27 20 10 8 4 5 1 76 35.5 26.3 13.2 10.5 5.3 6.6 1.3 100.0 35.5 61.8 75.0 85.5 90.8 97.4 98.7 100.0 「ゼロ汚染」がタテマエの日本では、データに基づくリスク・コミュニケーションができない Progress Report on Salmonella Testing og Raw Meat and Poultry Products(FSIS 1999/10)

66 食肉の安全性に関わる社会システム(1) リスクが減るのは2箇所だけ リスク・レベルのモデル 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 素畜
調理時の加熱は細菌を殺滅する。 しかし、食材や料理を室温での放置すれば、菌は増殖する。 輸送距離が延びるにつれ、細菌増殖に必要な時間も長くなる。 温度管理等の法的基準もない。 病気 動物薬残留 食中毒菌 薬剤耐性菌 と畜検査員による法律に基づく検査 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 素畜 飼料・飲水 畜舎環境 動物薬 食肉検査 食肉検査 解体 カット 出荷 輸送 市場 問屋 小売店 調理 調理 保存 喫食 食肉の安全性に関わる社会システム(1)

67 ? ? 食肉の安全性に関わる社会システム(2) リスク・レベルのモデル GAP QAP HACCP リスクは 残る! 農場 食肉センター
農場における 適正な衛生管理 病原体低減/HACCP Pathogen Reduction / HACCP 無菌の肉ができる訳ではない! リスク・レベルのモデル 解体処理工程など 食肉センターの 衛生管理 GAP QAP 消費者は HACCP リスクは 残る! 流通過程が 変わらなければ 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 素畜 飼料・飲水 畜舎環境 動物薬 食肉検査 解体 カット 出荷 輸送 市場 問屋 小売店 調理 保存 喫食 食肉の安全性に関わる社会システム(2)

68 ? ? 食肉の安全性に関わる社会システム(3)
食品輸送衛生法 (米国、1990) Sanitary Food Transportation Act GHP: Good Handling Practice 流通業における適正取り扱い規範 リスク・レベルのモデル GAP QAP 消費者 教育 流通過程の 衛生基準 HACCP 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 「農場から食卓まで」の、全ての段階で安全性確保対策を実施することによって、初めてリスクが小さくなる。 素畜 飼料・飲水 畜舎環境 動物薬 食肉検査 解体 カット 出荷 輸送 市場 問屋 小売店 調理 保存 喫食 食肉の安全性に関わる社会システム(3)

69 リスク・アナリシスとHACCPとの関連性(残留農薬)
食品による健康障害の現状 農薬B~X 食品Ⅱ~X 農薬A 食品Ⅰ リスク・アナリシス リスクの低減目標 第三者による監視(モニタリング) リスクレベル 現状 改善後 生産段階 加工段階 流通段階 消費段階 処理段階 危害分析 CCP設定 モニタリング 記録 検証 危害分析 CCP設定 モニタリング 記録 検証 費用の発生 リスク・アナリシスとHACCPとの関連性(残留農薬)

70 リスク・アナリシスとHACCPとの関連性(細菌)
食品による健康障害の現状 食品Ⅱ~X 危害因子A 食品Ⅰ リスク・アナリシス リスクの低減目標 危害因子B~X 第三者による監視(モニタリング) リスクレベル 現状 改善後 生産段階 加工段階 流通段階 消費段階 処理段階 危害分析 CCP設定 モニタリング 記録 検証 危害分析 CCP設定 モニタリング 記録 検証 危害分析 CCP設定 モニタリング 記録 検証 危害分析 CCP設定 モニタリング 記録 検証 危害分析 CCP設定 モニタリング 記録 検証  フードチェーンにおける温度などの衛生管理が悪いと細菌が増殖し、発症菌数を超える場合がある。途中でリスクが増加しない化学物質と比べて、細菌のリスク管理にはより多くの経費が掛かる。 リスク・アナリシスとHACCPとの関連性(細菌)

71 HACCP手法に基づく一般的衛生管理の認証基準 全国的に統一された 適性農業基準(GAP)
農畜水産物の安全性向上のための社会システム ○○地域における 適性農業基準(GAP) ●●地域における 適性農業基準(GAP) HACCP手法に基づく一般的衛生管理の認証基準 ○○県食品安全推進会議 ●●県食品安全推進会議 全国的に統一された 適性農業基準(GAP) 生産者、消費者、流通業者ならびに専門家が参加する 全国食品安全推進会議 品質保証計画(QAP) 第三者としての民間の認定機関・試験機関

72 (GAP;Good Agricultural Practice) HACCP手法に基づく一般的衛生管理の認証基準例
適性農業基準とは (GAP;Good Agricultural Practice) HACCP手法に基づく一般的衛生管理の認証基準例 チェックリスト 評価点 衛生管理コスト 認証マーク 非参加農場 50点未満 50点以上 60点以上 70点以上 80点以上 90点以上 無印 ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 適正価格で 自分に見合った 安全性を購入できる 市場価格 10%上乗せ 20%上乗せ 30%上乗せ 40%上乗せ 50%上乗せ

73 農場から食卓までの食の安全システム: 農場から食卓までの食の安全システムとは 市民公開フォーラム 地域における取組み
 地域における取組み 農場から食卓までの食の安全システムとは 鹿児島大学教授 岡本嘉六  食品は動物や植物などの生き物であり、「命をいただく」感謝の気持ちを忘れてはならない。  命を粗末にする一方で「安心」を求めても、神仏は応えないだろう。

74 基調講演 「農場から食卓までの食の安全システムとは」
地域における取組み 地域における取組み=民間の自主的取組 基調講演  「農場から食卓までの食の安全システムとは」 鹿児島大学教授 岡本嘉六 生産者 食肉センター 食品工場 家畜保健衛生所 食肉衛生検査所 輸送・流通業 報道機関 保健所 小売業・飲食店 安全性の 正しい知識 第三者認証機関 消費者 安全性の評価・格付け フードチェーンの全段階で、安全性向上の責任を公平に負担する社会システム


Download ppt "鹿児島大学農学部獣医学科 公開講座 第11回 2005年12月3日(土)"

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