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セルフチェックサポート、アンケート、アンチ・ドーピング啓発
Ⅰ 目的 (公社)熊本県薬剤師会は、熊本城マラソン2015より出走者への健康セルフチェックサポート、薬・サプリメントに関する健康相談、アンチ・ドーピング啓発活動などを行ってきた。 2017年2月に開催された熊本城マラソン2017における健康相談コーナー利用者にも同様の地域活動を実施し、併せてマラソン歴・健康状態などの背景因子と、現疾患・病歴、服用中の薬などを聞き取り調査を実施した。参加者の電子タグと紐付けることにより出走前・中の棄権状況などを調査した結果を報告する。 Ⅱ 方法 出走日前の2日間行われる受付のエリア内に「健康相談ブース」を設置し、出走予定者へ以下の対応を行い情報を抽出・提供した。 主催者より事前に配布された「健康セルフチェッ ク」記入のサポート 2. 本会作成の「アンケート」による聞き取り 日常服用の薬、現在の体調、出走当日に服用する 薬(一般用医薬品については入手経路も) 3. お薬、サプリメント相談 4. アンチ・ドーピング啓発 アンチ・ドーピングホットラインの連絡先、スポーツ ファーマシスト検索のQRコードを印刷したくまモン コースターの配布など 応談者は、熊本県薬会報にて募った。 ① ② ① ② ③ ③ Ⅲ 結果 相談者背景 応談者と相談数(名) 2/17 10:00~13:30 13:30~17:00 17:00~20:30 2/18 6 7 8 437名 606名 熊本県薬会報にて参加者を募った。32名の応募があり、上記のシフトにて実施した。 応談件数は例年100名程度だったが本年度は大幅に上回り1043名であり、参加定員の約1割の健康相談に対応した。 男女比(名) 男 女 不明 659 358 26 年齢内訳(歳/名) 10〜 20〜 30〜 40〜 50〜 60〜 70〜 80〜 不明 10 161 258 323 185 78 15 3 出場種目 復興チャレンジファンラン 歴史めぐりフルマラソン 金栗記念熊日30キロロードレース 不明 参加定員 1500 12000 150 相談者 132 906 4 1 熊日30キロロードレースは日本陸連登録者のみがエントリーすることができる大会。「マラソンへの登竜門」として60回以上の歴史があり過去には世界記録も出たことのある大会である。 過去の棄権 有 無 不明 83 952 8 体調 極めて良い 良い 普通 悪い 最悪 不明 186 444 362 15 2 34 マラソン出場回数 初出場 2~5回 6~10回 11~20回 21~30回 31~40回 41~50回 不明 141 206 62 25 7 4 1 597 初マラソンの方も多かった。今回「熊本城マラソン初挑戦枠」が設定され当選確率が上がったことも影響してると思われる。 自覚症状 有 無 不明 266 773 4 セルフチェックサポート、アンケート、アンチ・ドーピング啓発 セルフチェックサポート アンケート コースター配布数 1043 250 疾病及び服用中の薬 ロキソプロフェン、芍薬甘草湯 入手経路 ロキソプロフェンの26%、芍薬甘草湯の49%が 不適正な入手であった。 服用予定の薬の59%がマラソンにリスクのあるNSAIDsであった。 途中棄権者 大会発表による参加者の完走率は91.4%、ICチップ追跡調査による健康相談実施者の完走率は87.6%、スタート前に棄権した健康相談実施者は15名であった。 途中棄権者(55名)の服用薬 定期服用 :バレニクリン酒石酸塩錠・漢方薬・風邪薬 (11/55) ・アレンドロン酸ナトリウム・アデノシン三リン酸 ・造血剤・ロキソプロフェン・降圧剤×3名・不明 当日服用 :アミノ酸・ファモチジン・アセトアミノフェン (12/55) ・湿布・ロキソプロフェン×7名・不明 Ⅳ 考察 熊本城マラソンは、アスリートから健康目的のランナーまで出走者のレベルも多岐にわたる大規模な大会である。このような大会でアンチ・ドーピング啓発としてドーピング検査の実際、禁止薬物の調査方法の情報提供を実施できたことは有意義であった。 このような大会の健康相談では、一般健康相談、スポーツ障害と薬、スポーツ時に特有な身体条件下(心拍数、血流量、発汗増加など)での服薬指導、及び疾患を抱え服薬中のランナーへのアドバイスなど幅広い知識と対応が求められた。 中でもロキソプロフェンを代表とするNSAIDsの急性腎障害のリスク、適正使用についての啓発は、相談者の棄権率が全体と比較して高い傾向を示していたことから、薬の不適正使用による事故を防ぐためにも有意義であったと思われる。また参加者の電子タグを紐づけることで、相談者の結果についても追跡可能にした ことは大きな成果であった。今後の詳細な検討が望まれる。 ロキソプロフェンは第一類医薬品として入手可能な痛み止めとして頻用されるため、その入手先を調査したが、不明もしくは他人からの入手26.1%が不適切な ものであった。薬の適正使用の指導は今後の活動の課題である。なお本活動は(一財)熊本陸上競技協会および熊本市の協力で実施した。
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