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ふせん紙仕訳ゲーム 解説者編 ~どうやって財務諸表はつくられるのか?~ 仕訳を体験してみた!
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財務諸表って?
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●財務諸表(財務4表) ~砥部町広報誌より~
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●バランスシートと行政コスト計算書 資産形成につながる 取引き 資産形成以外の 取引き
財務諸表は、財務4表とも呼ばれ、バランスシート、行政コスト計算書、純資産変動計算書、キャッシュ・フロー計算書で構成されています。ここでは、4表のうち、バランスシートと行政コスト計算書をメインに考えてみます。 資産形成につながる 取引き 資産形成以外の 取引き
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…借金など …自己資金、 国や県から の補助 土 地… 建 物 物 品 現金・預金 など
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…人件費や光熱水費など …使用料、入館料などの収入 …差引き
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仕訳から 財務諸表が出来るまで
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仕訳って? ●取引きの表現方法 取引きには、原因と結果という二つの側面があります。これらを左と右に分けてセットにして表現していくことを複式簿記と言います。 例) 500万円の土地を現金で購入。 ⇒複式簿記では、「500万円の土地が増加した」、「500万円の現金が減少した」と言う二つの面を同時に捉えます。 土 地 500万円 / 現 金 500万円 この書き方のことを「仕訳」と言います。
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●複式簿記のはじまり 簿記の原理は世界共通 13~15世紀、イタリア商人が地中海貿易で栄えた頃に発達した会計技術。その基本原理は現在の複式簿記とほとんど同じと言われています。 日本で最初に西洋式簿記を紹介した書物は、福沢諭吉が翻訳した「帳合之法(ちょうあいのほう)」と言われています。
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仕訳には 定位置がある!
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●演 習 資産増 土地 500万円 資産増 土地 500万円 では、いろいろな取引きをTの字を使って表してみます。
●演 習 では、いろいろな取引きをTの字を使って表してみます。 ①500万円の土地を現金で購入。 ⇒付箋上段に定位置の表の分類を書きます。土地という資産が増えたので、 「資産増」と書いてください。 ⇒次に下段、土地を500万円で購入したので「土地500万円」と書きましょう。 ⇒その付箋を定位置に貼ってください! 定位置はどこだったでしょうか? 資産増 土地 500万円 資産増 土地 500万円
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続いて、500万円の現金支払は資産の減少ですね。付箋の上段に資産減、下段に現金500万円と書きましょう。定位置に貼ってください。
資産増 土地 500万円 資産減 現金 500万円
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負債増 借金 200万円 資産増 建物 400万円 資産減 現金 200万円
②400万円の家を建てました。借金200万円と現金200万円で支払いました。 400万円の家を建てたので資産増 200万円の借金をしたので負債増 200万円の現金を支出したので資産減 ※ふせん紙は3枚使ってください。 資産増 建物 400万円 負債増 借金 200万円 資産減 現金 200万円
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費用発生 光熱水費 100万円 資産減 現金 100万円 ③100万円の光熱水費を現金で支払いました。 100万円の費用が発生
100万円の現金が減少 費用発生 光熱水費 100万円 資産減 現金 100万円
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資産増 現金 50万円 収益発生 収益 50万円 ④50万円の使用料収入がありました。現金で受け取りました。 50万円の収益が発生
50万円の現金が増加 資産増 現金 50万円 収益発生 収益 50万円
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資産増 現金 800万円 純資産増 純資産 800万円 ⑤800万円の税金が収納されました。 800万円の現金が増
800万円の純資産(自己資金)が増 資産増 現金 800万円 純資産増 純資産 800万円 ふせん紙を貼り替え、行政コスト計算書とバランスシートをつくります。
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ふせん紙を貼り替え、行政コスト計算書とバランスシートをつくります。
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行政コスト計算書 費 用 収 益
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行政コスト計算書 差 引
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バランスシート(左側) 資 産
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バランスシート(右側上) 負 債
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バランスシート(右側下) 純資産
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行政コスト計算書のマイナス50万円は、バランスシートの純資産を減少させます。では、もうひとつ、付箋を書いてください。 「コスト収支赤字 50万円」
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コスト計算書の増減が純資産を変動させるところをもっと分かりやすくすると・・・
売 上 1,000円 仕入れ 500円 商品のみきゃんを1個500円で3個購入れました。500円の手持ち資金と銀行から1,000円を借りました。 もうけ 500円 借金(負債) 1,000円 商品・現金(資産) 商品(資産) みきゃん3個 500×3 =1,500円 みきゃん2個 1,000円 自己資金(純資産) 500円 現金1,000円 500円で購入したみきゃんが1個1,000円で売れました。もうけた500円は、純資産の部で500円を増加させています。また、資産側では、500円のみきゃんが1,000円の現金に変わっています。
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●バランスシート 整理すると、下図のようになります。 資産950万円は、借金200万円と純資産750万円でつくられています。
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あれあれ、なんとなく 行政コスト計算書とバランスシートが できました。
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○現金の動きだけを集めると⇒キャッシュ・フロー計算書
○現金の動きだけを集めると⇒キャッシュ・フロー計算書 ○純資産の変動だけを集めると⇒純資産変動計算書 キャッシュ・ フロー計算書 純資産 変動計算書
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バランスシート 行政コスト計算書 ○減価償却とは 資産 コスト
私(建物)は、身を削って行政サービスを提供しています。残っている部分が残存価格なんて呼ばれバランスシートに掲載されています。 身を削った分は、減価償却費というコストとなって、その年度に消費されていきます。 過去に身を削ってきた額の累計額は減価償却累計と呼ばれます。
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取得価格 ― 減価償却累計額 = 残存価格 ○償却資産の残存価格と減価償却累計額
民間企業は、償却資産で言うと減価償却累計額より残存価格が大事になります(価値ある資産をどのくらい持っているか、資金調達時の担保として)。 企業 取得価格 ― 減価償却累計額 = 残存価格 自治体 一方、自治体は、どんなに財政状況が悪化しても事業から撤退したり、売却したりして財政を立て直すことができません(道路、橋、上下水道、学校など)。 古くなれば、必ず、更新していかなければならないのです。減価償却累計額は、今、資産を立て直すと仮定したら、すでに必要となっている金額と考えることもできます。これに対して、みなさんの自治体ではいくらの基金が積み立てられていますか? 企業は売れる資産がどれくらいあるのか、自治体は償却累計額がどのくらいあるのか、同じものを見ても違う視点が必要です。 どんな状況になっても、建替えが前提の自治体資産。減価償却累計は将来の必要額?
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○自治体が行う借金 自治体が借金をする場合は、原則、資産形成のときです。しかも、資産の内容によって充当率というものが決められており、資産取得額の何%までしか借金をすることができません。また、減価償却のスピードよりも起債償還スピードの方が早いです。つまり、債務超過になることはありません。 例外として、臨時財政対策債という赤字地方債的なものがありますが、これは、のちに交付税で措置されるものです。しかし、これも借金に変わりはないこと、交付税そのものが減少になる局面では収支ギャップは大きく広がっていくことなどを忘れてはいけません。臨時財政対策債の残高増加にも注意が必要です。 ○資産老朽化比率と債務償還可能年数という指標 ⇒有形固定資産減価償却率(老朽化比率) 減価償却累計額 有形固定資産減価償却率(%) = (老朽化比率) 償却資産評価額+減価償却累計額 ⇒債務償還可能年数 将来負担額―充当可能基金残高 債務償還可能年数 = 業務収入等―業務支出
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債務償還可能年数についてもう少し詳しく見てみます。
将来負担額―充当可能基金残高 ネット負債額 債務償還可能年数 = = 業務収入等―業務支出 経常収支部門の黒字 債務償還可能年数という指標は、「将来負担額から充当可能基金残高を控除した額」を「業務収入等から業務支出を控除した額」で除したものです。言い換えれば、ネット負債額を経常収支部門の黒字で除したものです。 経常収支部門の黒字でもって、実質的な借金を何年で返済できるかという指標。 借金は多くても現金・預金や基金が多ければ実質的な負担は少ない。負債総額と現金・預金や充当可能基金がどの程度あるのかがネット負債額という形でこの指標に織り込まれている。 経常的な部門での黒字がいくらくらいあるのかが一目で分かる。 経常的な部門の黒字とネット負債総額とのバランスを簡単に把握できる。 経常的な部門での黒字の減少(経年比較)にも敏感に反応できる。 そのほかの指標は、砥部町財務諸表ハイライト2014などを参考にしてみてください。
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~統一基準~ バランスシート&附属明細表から見ておきたいところ
~統一基準~ バランスシート&附属明細表から見ておきたいところ ・事業用資産とインフラ資産 ・減価償却累計額(有形固定資産減価償却率(老朽化度合)) ・長期延滞債権&徴収不能引当金、不能欠損状況 ・財政調整基金、減債基金 ・基金は目的どおりの取り崩しか(資産台帳整備と同時に基金の在り方など整理してみてはどうか) ・現金・預金(経年比較して減少していないか) ・未収金&徴収不能引当金 ・地方債、超長期のものはどれくらいか、臨時財政対策債の残高はいくらか ・退職手当引当金、損失補償等引当金 ・ワンイヤールールは、企業ほどの重みはない。(決まった時期に歳入、一時借入制度あり、全部連結 財務諸表で透明性確保) ~統一基準~ 行政コスト計算書&附属明細表から見ておきたいところ ・経常部分と臨時損益とそれぞれに把握 ・減価償却費 ・地方債の支払利息 ・社会保障給付や他会計への繰出金
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~統一基準~ 純資産変動計算書&附属明細表から見ておきたいところ ○純行政コスト = 納税者が負担すべき公表サービスの費用額 (マイナスで表示される) ○純行政コストと財源(税収等と国県等補助金)の対比 △純行政コスト+税収等+国県等補助金>0 ・・・純行政コストより税収+補助金の方が大 (財源) 現世代が必要額を超えるコスト負担をしている。 純資産が増加 △純行政コスト+税収等+国県等補助金<0 ・・・税収+補助金より純行政コストの方が大 現世代ではコストを賄えきれず、将来世代に負担を先送り。 純資産が減少
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~統一基準~ キャッシュ・フロー計算書&附属明細表から見ておきたいところ キャッシュ・フロー計算書は、業務活動収支、投資活動収支、財務活動収支に区分されています。 ・業務活動収支・・・本来業務のうち、経常部分と臨時部分が分かる。 経常収支黒字の経年比較なども面白い。 ・投資活動収支・・・公共施設の整備支出など投資活動の収支が分かる。 ・財務活動収支・・・業務活動と投資活動によって生じた財源不足を地方債で賄った状況が分かる。 臨時財政対策債はいくら発行したのか、それ以外は概ね資産形成に充てられた 地方債となる。また、地方債の償還支出があるが、償還期間が30年といったよう な超長期の返済もできるようになったため、単年度の負担はさほど大きくなっては いないが、負債の総量や支払利息の総量は増加しているかもしれない。起債額や 償還期間などから据え置き期間をとる、とらない、頭ヘビーの返済か、テールヘビー な返済かなど選択可能な場合は、いろいろ考えてみる。 ~統一基準~ 比較(異常値発見、経年比較で変化を敏感に察知) ・住民一人当たりの指標で都道府県内自治体との比較 ・類似団体との比較 ・経年比較 ・セグメント同士の比較、同種近隣自治体や民間企業との比較 幼稚園の横比較、給食や図書貸し出しコストの近隣自治体比較、その他民間との比較
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~合成の誤謬~ 部分最適に惑わされない! 自治体が管理する施設や実施している事業を個々に見てみると、一つひとつは誰かの役に立っていたり、とてもいい取組だったりします。しかし、すべての施設や事業を維持していくことが困難だということがはっきりしているのであれば、何を生かすために、何をあきらめないといけないのか考えなければなりません。 とある事業を実施したことで、多くの人が喜んでくれた(とある事業そのものは悪い事業ではない)。 自治体の財政状況が悪化(部分だけ見れば成功したかのようで、全体が悪化するまで気づかない) とある事業は、本当にやるべきだったのか、まち全体や将来まで含めて議論されていたのか。 全体最適をイメージすることが大事 ・とある事業そのものは良くても、上位施策にどれほど貢献できたか。もっと貢献できる事業を縮小 廃止にしてはいないか。 ・議論するには、施設別・事業別財務諸表のデータが大事 ・優先順位を考えるには、施設別・事業別財務諸表のデータが大事 ・施設別・事業別財務諸表からその施設や事業がどれほど上位施策に貢献したかを検証すること が大事
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