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1 【不許複製】 無断で一部または全部をコピー・複写することを禁ず
研修資料 役員退職慰労金 役員給与 平成27年5月現在の資料です 【不許複製】  無断で一部または全部をコピー・複写することを禁ず

2 平成18年税制改正前の役員給与の取扱い! 役員報酬 役員給与 役員賞与 役員退職給与 定期・定額で 損金算入 支払われるもの 損金不算入
損金経理が条件

3 役員の「給与」は、全部損金に算入できると思っていませんか?
平成19年以降の役員給与の全体像 役員の「給与」は、全部損金に算入できると思っていませんか?     定期同額給与 不相当に高額な役員給与 損金算入     事前確定届出給与     利益連動給与(公開会社のみ) 仮装・隠ぺいにより支給した 役員給与     退職給与 (原則)損金不算入

4 定期同額給与 定期同額給与とは、役員に対して支給される給与のうち、 ① 支給時期が1か月以下の一定期間であり、※1
 定期同額給与とは、役員に対して支給される給与のうち、 ① 支給時期が1か月以下の一定期間であり、※1 ② その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの ※2   を言う ※1 あらかじめ定められた支給基準に基づいて、毎日、毎週、毎月のように月単位    以下の期間を単位として、規則的に反復、または継続的に支給されるもの (法人税基本通達9-2-12) ※2 一事業年度内に複数回の定期給与の額の改定があった場合、改定ごとに定期 同額であるかを判定 【次ページより:定期同額給与の範囲内の改定】  その他これに準ずるもの(法人税法34①一)も定期同額給与として扱う 同 額 100 万円 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

5 通常役員の定期同額給与の改定はここで行う
定期同額給与と認められる改定1  以下の改定も、定期同額給与に準じ、定期同額給与の範囲内の改定と みなされます。 1. 通常改定(定時改定)・・・その事業年度の属する会計期間の開始の日 から3か月を経過する日までになされた役員給与の定時改定 (法人税施行令69①イ) 通常役員の定期同額給与の改定はここで行う 定時株主総会 同 額 同額 120 万円 120 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 事業年度開始 100 万円

6 定期同額給与と認められる改定2 2、 臨時改定事由に基づく改定 ・・・ 期の途中の役員給与の改定におい
2、 臨時改定事由に基づく改定 ・・・ 期の途中の役員給与の改定におい   て、法人税法上定期同額給与として認められている改定  ① 役員の職制上の地位の変更、   (例)社長の死亡により専務が社長に就任した場合で専務の給与を改定  ② その役員の職務の内容の重大な変更、   (例)合併により役員の職務の内容が大幅に変更  ③ その他これらに類するやむを得ない事情により改定されたもの (法人税施行令69①ロ) 臨時改定理由①の場合 代表取締役急逝による 臨時株主総会 同 額 同 額 120 万円 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 100 万円

7 定期同額給与と認められる改定3 3. 会社の業績悪化による減額改定 法人の経営が著しく悪化したこと(下記の①~③)、その他これに類する
 法人の経営が著しく悪化したこと(下記の①~③)、その他これに類する 理由により減額改定されたもの①②を除く (法人税施行令69①ハ) バランス あるカット ① 株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員     としての経営上の責任から役員給与の額を減額せざるを   得ない場合 ② 取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュール (返済期日の繰り延べ)の協議において、役員給与の額を減 額せざるを得ない場合 ③ 業績や財務状況または資金繰りが悪化したため、取引先 等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、 経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員 給与の額の減額が盛り込まれた場合 カット分を遡って一括支給しない カット後、 同一期間内で 増額しない 取締役会 同 額 70 万円 70 100 万円 100 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 同 額

8 ー 同一事業年度内に複数回の改定が行われた場合 -
定期同額給与の可否事例その1 ー 同一事業年度内に複数回の改定が行われた場合 - 【事例】   ① 6月の定時株主総会で役員給与を100万円から120万円に改定しまし た。  ② 会社の業績が順調なため、さらに12月の取締役会で翌年の1月から 20万円アップして140万円に改定しました。もちろん役員報酬支給枠の 範囲内です。   この場合、定期同額給与とみなされるかどうか? および、もし定期同額 給与とならない場合は、いくら損金算入を否認されるか教えてください。 ②取締役会 ①定時株主総会 140 万円 140 120 万円 120 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 100 万円

9 ー 減額改訂が、臨時改訂理由・業績悪化理由に該当しない場合 -
定期同額給与の可否事例その2 ー 減額改訂が、臨時改訂理由・業績悪化理由に該当しない場合 -  【事例】  役員の任期が中途であることから、6月の定時株主総会では役員給与の据え置きに関する決議をせず、そのまま引き続き役員給与を100万円支給していましたが、その後、決算において会社の営業利益を確保する目的で、 12月の取締役会で1月分から役員給与を70万円に減額することを決議しました。  この場合、減額後の給与は定期同額給与として認められるかどうか?  また、もし認められない場合は、いつからいくら損金算入できないのか? 定時株主総会 給与改訂決議せず 取締役会 70 万円 70 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 100 万円 【前ページの解答】 1~3月分定期同額給与に該当せず 20万円×3ヶ月=60万円損金不算入

10 定期同額給与の可否事例その2(解答) ー 減額改訂が、臨時改訂理由・業績悪化理由に該当しない場合 -
ー 減額改訂が、臨時改訂理由・業績悪化理由に該当しない場合 - 【事例】 役員の任期が中途であることから、6月の定時株主総会では役員給与の据え置きに関する決議をせず、そのまま引き続き役員給与を100万円支給していましたが、その後、決算において会社の営業利益を確保する目的で、12月の取締役会で1月分から役員給与を70万円に減額することを決議しました。  この期間は 前期と みなされる 期の最初から 70万円と みなして・・ 損金 不算入 定時株主総会 給与改訂決議せず 取締役会 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 70 100 万円 30 70 70 万円 【解答】 7月から定期同額給与70万円とし、30万円×6ヶ月(7~12月)=180万円損金不算入

11 (まとめ) 定期同額給与の範囲内の改定  以下は、定期同額給与の範囲内の改定とみなされます。それ以外の改定は、定期同額給与とはみなされず、損金不算入となります ① 通常改定・・・その事業年度の属する会計期間の開始の日から3か月   を経過する日までになされた役員給与の改定(法人税施行令69①イ) 同額 同額 同額 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 ③ 業績悪化による減額改定・・・法人  の経営が著しく悪化したこと、その他  これに類する理由により、減額改定さ  れたもの①②を除く          (法人税施行令69①ハ) ② 臨時改定・・・その役員の職制上の地位  の変更、その役員の職務の内容の重大な  変更、その他これらに類するやむを得な  い事情により改定されたもの             (法人税施行令69①ロ)

12 定期同額給与とみなされる一定額の経済的利益
 定期同額給与の中には、通常の役員報酬のほか、役員に対して継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額がおおむね毎月一定額の利益が含まれる。(資料) (法人税基本通達9-2-9、同9-2-11) 社宅を無償または 安い対価で貸し付けた 毎月不明確な交際費、 機密費、接待費など、 社交団体等の会員として 要する当該社交団体の 入会金、経常会費など 毎月負担する住宅の 光熱費、家事使用人給料等の個人的費用 などなど・・・

13 給与課税の生命保険料は「定期同額給与」になるか?
法人税基本通達 9-2-11(5)に根拠条文 【継続的に供与される経済的利益の意義】 9-2-11 令第69条第1項第2号《定期同額給与の範囲等》に規定する「継続的に供与される経済的な利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの」とは、その役員が受ける経済的な利益の額が毎月おおむね一定であるものをいうのであるから、例えば、次に掲げるものはこれに該当することに留意する ・・・中略・・・ (5) 9-2-9の(11)及び(12)に掲げる金額で経常的に負担するもの 9-2-9 法第34条第4項《役員給与》及び法第36条《過大な使用人給与の損金不算入》に規定する「債務の免除による利益その他の経済的な利益」とは、次に掲げるもののように、法人がこれらの行為をしたことにより実質的にその役員等に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすものをいう …中略… (11) 社交団体等の入会金および会費など (12) 法人が役員等を被保険者及び保険金受取人とする生命保険契約を締結して その保険料の額の全部又は一部を負担した場合におけるその負担した保険料 の額に相当する金額 13

14 期の途中で加入した「年払保険料」も定期同額給与となるか?
平成19年3月13日付・課法2-3ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)により法人税基本通達9-2-11(継続的に供与される経済的利益の意義)が新設されたが、国税庁は趣旨説明において、この点について以下のように解説。   定期同額給与に該当する経済的利益の供与に関連して,例えば,役員が負担すべき生命保険料を負担している場合で、その保険料を年払契約により支払っているときについては,これらの支出が毎月行われるものでないことから、その供与される経済的利益の額は定期同額給与に該当しないのではないかとの疑義を抱く向きもあるようである。   しかしながら,「その供与される利益の額が毎月おおむね一定」かどうかは,法人が負担した費用の支出時期によるのではなく,その役員が現に受ける経済的利益が毎月おおむね一定であるかどうかにより判定することとなる。したがって,上記のように,法人の負担した費用が、支払形態により毎月支出するものでない場合であっても、当該役員が供与を受ける経済的利益が毎月おおむね一定であるときは、定期同額給与に該当する。 ※ 経済的利益の供与が事業年度の中途から開始するような場合は,その事業年度を通じて毎月おおむね一定であるとはいえないが,経済的利益の供与はいつも事業年度の最初から始まるわけではないので,継続的に供与するものに該当し、開始後の期間において毎月おおむね一定であれば定期同額給与に該当するものと考えられる。 14 14

15 役員給与の見直し時期は「定時改定」で行う!
 役員給与(定期同額給与)を見直し、税・社保負担を軽減するとともに、見直した一部を将来の退職金資金原資として積み立てます。  この役員給与見直しの時期は、定期同額給与の「定時改定(通常改定)※」で行なわないと、一部給与が損金不算入となるので注意が必要です。 ※定時改定=事業年度の属する会計期間の開始の日から3か月を経過する日までになされた役員給与の定時改定(法人税施行令69①イ) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 100 定時株主総会 同額 同 額 役員給与 所得税・住民税 社会保険料 役員退職金積立へ 給与の 引き下げ 事業年度は会社ごとに異なるので注意すること! 15

16 事前確定届出給与  その役員の職務につき、所定の時期に確定額を支給する旨の『定め』に基づいて支給する給与(定期同額給与・利益連動給与を除く)で、一定の届け出期限※までに所定の事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に届け出ることにより、損金算入が認められる役員給与のことです (法人税法34①二) 定時株主総会 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 1か月 4か月 【届け出内容を変更する場合】 ①臨時改定事由による場合  臨時改定事由が生じた日から1か月を  経過する日まで ②業績悪化事由による減額改定  その変更に関する株主総会決議の日  から1か月を経過する日まで 【定時株主総会等の決議の場合】 ①株主総会決議の日から1か月を経過  する日まで ②事業年度の属する会計期間開始の  日から4か月を経過する日まで

17 事前確定届出給与【事例】  3月決算の会社。5月の株主総会で7月と12月に200万円ずつの役員賞与(事前確定届出)を決議し届け出る。その後、次のように支払った場合の税務上の取り扱いはどうなるか? 200 万円 予定 200万円予定 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 定時株主総会 事例 ① 250 万円支給 200 万円 支給 200 万円 予定 200万円予定 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 定時株主総会 事例 ② 200 万円 支給 120万円支給

18 事前確定届出給与【事例2】  3月決算の会社。6月の株主総会で12月と翌期の5月に200万円ずつの役員賞与(事前確定届出)を決議し届け出る。その後次のように支払った場合の税務上の 取り扱いはどうなるか? 200 万円 予定 200万円予定 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 定時株主総会 翌期 事例 ③ 200万円支給 120 万円 支給 200 万円 予定 200万円予定 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 定時株主総会 翌期 事例 ④ 200万円支給 120 万円 支給 【前ページの解答】 事例①:損金不算入額 450万円  事例②:損金不算入額 320万円

19 利益連動給与  同族会社に該当しない内国法人が、業務執行役員に対して支給する利益連動給与で、その算定方法がその事業年度の利益に関する指標を基礎とした客観的なもので、かつ一定の要件を満たす場合には、当該利益連動給与は損金にされます(法人税法34①三)  利益連動給与の特徴 対象法人が同族会社に該当しない内国法人に限定される 有価証券報告書の提出法人である必要がある→株式公開会社 対象となる役員は業務執行役員で、すべての業務執行役員に支給しなければならない 算定方法が事前に定められていること 損金経理が要件となっているため、利益連動給与の算定基礎となる利益の生じる事業年度に役員賞与として未払計上(費用処理)する必要がある 事実上の上場会社【株式公開会社】しか利益連動給与の支払い対象とならない 【前ページの解答】 事例③:損金不算入額 320万円  事例④:損金不算入額 120万円

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研修資料 役員退職慰労金の基本 平成27年5月現在の資料です 【不許複製】  無断で一部または全部をコピー・複写することを禁ず

21 大企業と中小企業では役員退職金の考え方が正反対
大企業では、大部分が役員退職金制度を廃止  大企業における役員退職金制度の廃止の動きの原因は、機関投資家や 外国人株主から以下のような指摘があるため。 ○ 在任中の具体的成果よりも在任期間の長さが支給額に寄与する ○ 有能な経営者を迎え入れようとしても、役員退職金制度があると十分な インセンティブになりえない ○ 退任時の役職がものを言い、任期途中での業績・貢献度が反映されない 一方中小企業では、7割近くの企業が役員退職金制度を存続 ● 役員の長期的なインセンティブとして有効な手段 ● 老後は公的年金に頼れない。役員退職慰労金が老後生活資金の支え ● 少子化による後継者難→老後は子供に頼れない ● 役員死亡退職の場合の遺族の生活資金としての役割 ● 役員が死亡した場合の相続税の納税資金対策として活用

22 役員退職慰労金は株主総会での決議が必要!
-役員退職慰労金の「会社法」での定め (商法269条からの変更)- 会社法 (取締役の報酬等) 第361条   1  取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める 一  報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二  報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容 2   前項第二号又は第三号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない

23 多くの企業では、退任役員の個人別の 退職金額が明らかになるのを 避ける意味から、退任役員の個別の 金額を明示することなく議案として上程
役員退職慰労金支給の流れ 一任決議 役員の死亡または勇退による 退職の発生  取締役会で上程の決議  株主総会での決議 (前述) 退職慰労金の支給 取締役会での詳細決議 多くの企業では、退任役員の個人別の 退職金額が明らかになるのを 避ける意味から、退任役員の個別の 金額を明示することなく議案として上程 実務上は、具体的な退職慰労金額の支給基準を定めた退職慰労金規程を作成し、これを開示するか、株主が閲覧できる状況としたうえで、退職慰労金支給にかかる取締役会への一任依頼の議案を株主総会に提出する。(参考)一任決議有効判決:最高裁昭和

24 役員退職慰労金の損金算入時期 (役員に対する退職給与の損金算入の時期)
9-2-28 退職した役員に対する退職給与の額の損金算入の時期は、株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度とする①  ただし、法人がその退職給与の額を支払った日の属する事業年度においてその支払った額につき損金経理をした場合には、これを認める② (昭55年直法2-8「三十二」、平19年課法2-3「二十二」により改正) 株主総会決議事業年度 株主総会決議前の事業年度 退職事実の発生 株主総会 損金経理を行う ①(原則)損金算入時期     ②(特例)損金算入可

25 役員退職慰労金の適正額は? 平成27年5月現在の資料です

26 役員退職金はいくら支払ってもいい! ただし・・・多過ぎる役員退職金は損金不算入!
-同族会社の「お手盛り」を警戒- 法人税法 (役員給与の損金不算入) 第34条 内国法人がその役員に対して支給する給与(前項又は次項の規定 の適用があるものを除く。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として 政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、 損金の額に算入しない。 (過大な使用人給与の損金不算入) 第36条  内国法人がその役員と政令で定める特殊の関係のある使用人に 対して支給する給与の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で 定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金 の額に算入しない 過大部分は法人税追徴課税

27 役員退職慰労金の適正額は? 支給された退職金が、「過大」かどうかの判定 これらに照らして、過大かどうかの判定を行う
法人税法施行令(過大な役員給与の額) 第70条-2(同72条-2) 内国法人が各事業年度においてその退職した役員に対して支給した退職給与の額が、  ① 当該役員のその内国法人の業務に従事した期間、  ② その退職の事情、  ③ その内国法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の支給の状況   等に照らし、その退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額を超える場合における、その超える部分の金額 これらに照らして、過大かどうかの判定を行う

28 ① 業務に従事した期間とは? - 一般的には法人成り後の役員として、業務に従事していた期間をいう - 個人時代 法 人 退職
① 業務に従事した期間とは?  - 一般的には法人成り後の役員として、業務に従事していた期間をいう - 個人時代 法 人 法人成り後の期間を 業務に従事していた期間とする 退職 役員の 場合は 法人設立後相当期間経過後の退職であれば、個人時代も通算する 従業員の 場合は (個人事業当時の在職期間に対応する退職給与の損金算入) 9-2-39 個人事業を引き継いで設立された法人が個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職により退職給与を支給した場合において、その退職が設立後相当期間経過後に行われたものであるときは、その支給した退職給与の額を損金の額に算入する。(平19年課法2-3「二十二」により改正) (参考)役員に対しても個人時代を勘案した判例もあり(福島地裁平成4年10月19日判決)

29 退職理由によって、支給額決定に 大きな影響を及ぼす!
② 退職の事情とは? 自己都合退職 会社都合退職 定年 会社都合・定年=100% 不祥事 (例)不祥事=0%~50% 重大 疾病 事故 死亡 病気 死亡 退職理由によって、支給額決定に 大きな影響を及ぼす!

30 - 過大役員退職金の判定は、過去この部分にウエイトが置かれている -
③ 類似法人の役員退職給与の支給状況  - 過大役員退職金の判定は、過去この部分にウエイトが置かれている - 事業規模が 類似する法人の 退職金の支払い状況 事業規模の類似性とは、売上高・所得金額・純資産額・資本金額・従業員数などを考慮 課税庁からの一方的 提示 守秘義務に より納税者 側が閲覧 できない 退職金適正額の検討すらできない 類似法人の選定が適正かどうかも 不明?  類似法人の過去の役員退職金の支払状況は、そもそも 一般法人が知りえない情報である。 それを中心に過大かどうかの判定が行われることに疑問

31 役員退職慰労金の算出方法は? -算定方式は必ずしも功績倍率方式だけではない!- ① 最終報酬月額方式 (功績倍率方式)
① 最終報酬月額方式 (功績倍率方式) 役員退任時の最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率 ② 最終報酬月額方式 役員退任時の最終報酬月額×役員在任年数 ③ 1年当たりの平均額法 1年当たり役位別の退職金平均金額×役員在任年数 ④ 役位別算出方式 (功績倍率方式) (役位別基準報酬月額×役位別在任年数×役位別功績倍率) のそれぞれの合計額 次ページ データ 31

32 役員退職金の算定方法 回答社数:153社 ⑤その他 21社, 14%
①退任時の最終報酬月額× 通算役員在任年数× 役位別に定める率(功績倍率) 78社, 51% ③役位別に定める算定基礎額×通算役員在任年数 (又は役員在任年数別係数) 14社, 9% ⑤その他 21社, 14% ②退任時の最終報酬月額×通算役員在任年数 29社, 19% ④(役位別最終報酬月額× 役位別在任年数×功績倍率) の役位ごとの合計額 11社, 7% 日本事業出版社:中小企業の「支給相場&制度」完全データ             2014年調査より

33 最終報酬月額方式の問題点 役員最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率 役員退職慰労金のもっとも一般的な算定方式が「最終報酬月額方式」です
【問題点】 退任時の役員の最終の給与額により、退職金額を算定することは問題が多い。例えば、最終報酬が右の事情で下げたり、反対に退職金を増やすために給与を引き上げたりができてしまう。 ① 年金受給のための給与引き下げ ② 事業承継により役掌変更による給与引き   下げ(会長・監査役・相談役等) ③ 経営不振による給与引き下げ ④ 退職金積立原資の捻出のための給与引き   下げ ⑤ 退職金増のため意図的な給与引き上げ 33

34 このように最終報酬月額を基準に役員退職金を決定すると、 様々な問題点が出てきます
最終報酬月額方式は必ずしも適正ではない このように最終報酬月額を基準に役員退職金を決定すると、  様々な問題点が出てきます そこで、どの時点で勇退しても、これまでのキャリアに応じて 退職金が受給できる方法・・・それは 「役位別算出方法」や 「1年当たり平均額法」です

35 役位別に、それぞれ退職金額を計算し、全部を合計したもの
役位別算出方式 役位別に、それぞれ退職金額を計算し、全部を合計したもの 社長 退職金 合計 退職金額 専務 退職金 常務 退職金 取締役 退職金 (取締役基準報酬×取締役在任年数×取締役の功績倍率) (常務基準報酬×常務在任年数×常務の功績倍率) (専務基準報酬×専務在任年数×専務の功績倍率) (社長基準報酬×社長在任年数×社長の功績倍率) 合計額= 退職金額 35

36 1年当たり平均額法  同業種・同地域の過去の退職金支給実例を統計資料・発表資料等により確認し、類似法人における退職役員の退職給与について、その退職役員の勤続年数で除して求めた1年当り平均額に、対象となる役員の勤続年数を乗じて求めたもの A社の社長の 退職金額 ÷ B社の社長の 在任年数 1年当たりの 退職金額 1年当たりの平均退職金額を計算 実際の退職金額 当該会社の 役員在任年数 1年当たりの 平均退職金額 ×

37 < 功績倍率方式の問題点 役員最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率=退職金額
一般的に功績倍率は、社長・会長の場合税務上3倍といわれるが・・・ 役員最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率=退職金額 (3倍以内は必要か?) 功績倍率にかかわらず、退職金 の支給合計額が、施行令72-2 に照らして、過大かどうかを 判定!→ 3倍までだからOK というわけではない! 否認 実際の 退職金額 【施行令72-2】 ①従事した期間、 ②退職の事情、 ③同種・類似規模の退職金状況 (参考)課税庁より認められた退職金額÷役員在任年数÷役員最終報酬月額=功績倍率 37

38 役員退職金算定における (参考)役位別功績倍率の平均値
単位:倍 2015データ集より P185 セールス手帖社保険FPS研究所「平成24年 企業経営と生命保険に関する調査」より

39 過大な役員退職金となるか否かの防衛策! 1.役員退職慰労金規程見直しにより、支給基準と算定根拠を明確にすること!
2.報酬額が世間相場より高い場合は、「最終報酬月額方式」ではなく、退職金算定用の基本(基準)報酬月額を準備する。 これは役員退職慰労金算定用として平均給与を基に策定し、定期的に見直すものとする【下記参考資料】 3.算定報酬額に平均値を使うと同時に、功績倍率も全国平均を規程に盛り込む(定期的な見直しを行う) 4.顧問税理士の力量によっても是認・否認に分かれる可能性がある 役位 平均在任年数(年) 報酬月額(万円) 年収額(賞与含:万円) 会長 4.8 80.9 1,012.4 社長 15.0 120.4 1,528.5 副社長 10.0 100.1 1,271.9 常務 7.3 93.3 1,194.7 取締役 8.7 69.0 884.2 監査役・相談役 9.4 50.3 603.6 非常勤役員 11.1 21.0 259.5 (参考)日本事業出版社:中小企業の「支給相場&制度」完全データ 2014年調査より      「役員報酬・賞与・退職金」204社の支給データ   

40 役員退職慰労金規程 H27年5月現在の資料です

41 「役員退職慰労金規程・弔慰金規程」の有無
単位:% 役員退職慰労金規程の有無 「すべて規程で明文化」しているのは全体の16.7%にとどまっており、 「規程、内規・慣例はまったくない」「そのつど社長の判断で決定」する企業は合計で、60.6%となっている 弔慰金規程の有無 2015データ集より P186 セールス手帖社保険FPS研究所「平成24年 企業経営と生命保険に関する調査」より

42 -規程がないと、様々な問題点が生じる!-
役員退職慰労金規程の重要性 -規程がないと、様々な問題点が生じる!- ① 「お手盛り」とみなされないため  →過大な役員退職金として、損金算入を否認されないため ② 退職金額算定根拠を明確化するため  →株主への明示による納得  →退職金支給時点における株主総会「一任決議」要件 ③ 遺族に退職金が確実に渡るため  →規程があるからといって100%遺族に退職金が渡る保証はないが、他の    役員にとっても身に降りかかること ④ 付保基準の明確化  →保険金額の提案根拠を明確にするため  →退職金規程に則(のっと)って付保した死亡保険金が、そのまま遺族に    支払っても過大な役員退職金とみなされないようにするため 役員退職慰労金規程参照

43 【参考】 「死亡保険金」についての判例 ケース1
【参考】 「死亡保険金」についての判例 ケース1  同族会社が、その役員を被保険者とし、死亡保険金受取人を会社とする生命保険契約を締結し、この保険契約に基づいて会社が取得する保険金と同額の金額を当該死亡役員の退職給与金として支給する場合であっても、その額が適正額より多額であると認められる場合は、過大額については、法人税法第132条(「同族会社等の行為又は計算の否認」)の規定が適用されるものと解するのが相当である。 〈大阪地裁・昭和31年11月24日〉 ケース2  生命保険金を原資とする役員退職金につき、退職給与とその原資は切り離して考えるべきであり、それが役員の死亡を原因として支払われた退職金であるとしても、当然に支給額の全部または一部が相当な額として損金の額に算入されるべき理由はない。 〈長野地裁・昭和62年4月16日〉

44 役員退職慰労金の 準備手段と生命保険 平成27年5月現在の資料です

45 役員退職慰労金・弔慰金の資金準備方法 役員退職金・弔慰金等の資金準備方法
単位:% 2015データ集より P186 セールス手帖社保険FPS研究所「平成24年 企業経営と生命保険に関する調査」より

46 役員生命保険(保険料は会社負担)の加入状況
回答社数:195社 ① 「役員全員加入」の場合の 1人当たり平均保険料(年額) 137万1,527円 回答社数:38社 131人の平均 ② 「一部の役員のみ加入」の場合の 1人当たり平均保険料(年額) 257万2,381円 回答社数:37社 84人の平均 日本事業出版社:中小企業の「支給相場&制度」完全データ             2014年調査より

47 役員退職金の目的別、生命保険のタイプ 就任 勇退による退職 勇退 死亡による退職 重大疾病等での やむを得ない退職
貯蓄タイプの生命保険で、役員退職慰労金の準備 保障タイプの生命保険で、死亡退職金の資金準備 三大疾病保障等の医療保険で退職金の資金準備

48 勇退の場合も死亡の場合も、最大で勇退時点を基準に考える
役員退職慰労金の保険プランニングの基本 勇退の場合も死亡の場合も、最大で勇退時点を基準に考える 役員就任 現在 勇退時点 適正額 ライン 不明の場合、65歳又は70歳で設定  ① 退職金の適正額=現在の報酬月額(あるいは規程による基準額) × (勇退予定年齢-役員就任年齢)× 功績倍率  ② 退職金の必要額=退職金の適正額―これまでの準備額 退職金の 必要額 ・死亡の場合は、「死亡保険金」を必要額に合わせる ・勇退の場合は、必要額を勇退までの年数(×12)で除して、 1ヶ月当たりの積立額を計算して準備⇒給与引下げも検討

49 【参考】 勇退退職に伴う生命保険の現物支給の処理
【参考】 勇退退職に伴う生命保険の現物支給の処理         法人契約     個人契約 名義変更 退職 名義変更の目的は、会社で加入した役員保険等を、個人の相続対策として活用するため! 退職時点の解約返戻金相当額が、退職金の一部または全部となる 【例】 退職時点の解約返戻金相当額2,500万円  なおそれまでの資産計上額累計(保険料積立金累計)は3,600万円  解約返戻金相当額の全額を退職金とする場合の経理処理 【ヒント】 これまでの資産計上分を取り崩して、退職金(解約返戻金)との  差額を雑損失(または雑収入)とする 借 方  貸 方 退職金          2,500万円 雑損失          1,100万円 保険料積立金      3,600万円 49

50 著作・制作: 株式会社シャフト 1.本資料の著作権は、株式会社シャフトが保有しています。
2.本資料は著作権法による保護を受けており、本資料の使用者は、本資料の全部又は   一部を株式会社シャフトの許諾なく無断で利用できません。 3.本資料の内容の改ざん・Copyrightの削除・ロゴマークの改変を行うことは禁じられています。 4.FP塾プレミアム会員に対しては、本人の営業活動に限り、使用を許可しています。   (ただし、セミナー活動等で使用する際には、当社への申請書の提出が必要となります。) 5.本資料で提供する情報について、その取扱いには十分注意しておりますが、   当社は利用者等が提供情報に関連して被った損害等について一切の責任を負いません。 6.本資料へのお問い合わせについては、株式会社シャフトまでご連絡ください。 〒  大阪市北区中津1-2-18 ミノヤビル7階 TEL:  FAX: URL 『FP塾』 URL


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