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研究倫理 対人援助の実践研究を促進するツールとして

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Presentation on theme: "研究倫理 対人援助の実践研究を促進するツールとして"— Presentation transcript:

1 研究倫理 対人援助の実践研究を促進するツールとして
応用人間科学研究科 対人援助学実習・研究Ⅰ             2011年6月6日         研究倫理 対人援助の実践研究を促進するツールとして      望月 昭 第1章  研究倫理・コンプライアンス・安全対策 第2章  人を対象とした(とりわけ対人援助に       関わる)研究の倫理 第3章  立命館大学における      「人を対象とした研究倫理審査」の使い方

2 第1章 研究倫理・コンプライアンス・安全対策

3 Home > 研究・産学官連携>人を対象とする研究倫理 研究者が「やってはいけない」行動の確認?       「べからず集」か?

4 研究費不正 ハラスメント 剽窃・著作権 個人情報保護
三大原則(侵襲性)・利益相反 研究倫理 コンプライアンス 研究費不正 ハラスメント 剽窃・著作権 個人情報保護    ???   安全対策 対象者・研究者   の保険・補償  技法の妥当性 実験機器等の 管理 f-MRIなど 研究倫理・コンプライアンス・安全対策

5 研究倫理の内容 研究者の「意識」を変えて、非倫理的行動をなくす「研究者倫理」・・・・ ではなくて !
          ではなくて ! ・研究行為が、当事者(被援助者)と社会に対して妥当性を持ち、広義の意味で「利益」をもたらすものであるかを、   常に再帰的(反省的)に考え続け、 そして、そうした行動が持続できる環境を追求する。    その結果、「正しい」研究行為が促進する。        =研究倫理を考える意味

6 第2章 人を対象とした研究の倫理 現状では、研究の一部として、なかばコンプライアンス化した「研究倫理」の基本的原則

7 大原則: 対象者に対する侵襲性の最小化 ( Intrusiveness )
研究対象者の利益拡大を目的としているとしても・・・・ ・話を聞く場合にメモをとる ・写真をとる ・行動を記録する → 対象者に対する何らかの負担が生じていることを理解

8 人を対象とした研究倫理の原則 1)インフォームド・コンセント (研究内容から発表まで) 2)プライバシーの保護
 人を対象とした研究倫理の原則 1)インフォームド・コンセント (研究内容から発表まで) 2)プライバシーの保護 3)研究のフィードバック(成果の公表) 4)先行研究の引用(先人へのレスペクト!) 5)データ収集、分析、表現についての公正性(integrity)

9 1)インフォームト・コンセント 研究対象となる人やグループに、研究内容を説明し参加や記述の承諾を得ること。 ●途中で中止することができる
●研究発表はどんな形で行われるか具体的に周知する。 ●口頭のみでなく「文書」(契約)で承諾を得ること   -----------------     【臨床や対人援助系実践・研究での問題】 目標達成の“信念”から、対象となる「本人」の要請の有無さえ確認しないで作業を継続する(パターナリズム)

10 インフォームト・コンセントにおける力関係
研究参加の承諾の判断に、研究者との人間関係などが影響を与えることに注意。 (それによって、判断の自由が奪われたり断りにくい場合は要注意:「利益相反」) ★教員が学生を対象者にする ★学生(研究者)の家族を対象者とする ★高価な報酬を呈示して対象者をつのる ★当事者の属する組織と当事者の関係に留意

11 当事者と「善意」の研究者(実践者)の関係のチェックシステム
・可能な限り、直近の援助者(代理人)ではなく、 対象となる当事者自身から、援助実践(研究)に関する 「対抗制御」(counter control)の回路を保証する。  ●坂上貴之(2004) 倫理的行動と対抗制御-行動倫理学の可能性- 行動分析学研究、19(1)、5-17. ●Nozaki & Mochizuki (1995): Assessing choice making of a person with profound disabilities. The Journal of the Association for Persons with Severe Handicaps, 20(3),

12 2)プライバシーの保護 研究遂行、研究発表、およびデータ管理などに際して、研究対象者のプライバシーを保護する。
1)実践・研究の帰りの乗り物の中で、ついメンバーと・・・・ 2)コピー機に原紙を・・・・ 3)データ(文書、映像など)の保管と廃棄 (個人情報保護) ★対象当事者のみでなく研究メンバーのプライバシーにも留意

13 3)研究のフィードバック(と公表) 対象となった個人やグループに研究結果を フィードバックし、成果の共有をはかる そして
             そして 研究は、公開(発表)を前提とした行為である。公開(発表)することは研究者の義務である。 ★発表は、対人援助の実践において不可欠な、   「援護」(Advocacy)活動である)

14 4)先行研究の引用 ● アイディアの継承性、先行研究者への レスペクト。研究行動の促進のみでなく、
● アイディアの継承性、先行研究者への レスペクト。研究行動の促進のみでなく、  対象者個人やグループの援助方法を更新させていく。 ● 広義の臨床的作業においては、最新、最良の方法を用いる義務がある。レビュー(序論)のない論文が認められないのは、最新・最適であるかの保障が示されないから。 ● 研究グループ内でのアイデア交換も尊重 (謝辞や“personal communication”を活用)

15 5)データ収集、分析、表現についての 公正性(integrity)
    文脈を示さずにデータの恣意的選択  → 社会発信(援護)の意味を失う(結果的に、当該個人やグループのための社会的対応を遅らせたり、後退させてしまうかも知れない)  

16 参加者(組織)と社会へ向けた報告発表公表3)
・先行研究の網羅 先人へのRespect 4) 最新・最適のトリートメントや調査か?  研究目的・目標の設定 ・以降の研究活動における倫理的諸項目についての具体的プラン(研究公表まで 研究方法の確定 研究活動 ここまでに1)インフォームト・コンセント ・参加者(組織)が途中でも参加拒否を表明する機会を設ける 研究の実施 ・実施・発表中のプライバシー保護 2)資料保存の機密性の保護 ・実施過程でのSV 研究の公表 ・危機管理・損害補償 ・公正な分析と表現(integrity)5) 参加者(組織)と社会へ向けた報告発表公表3) 

17 第3章   立命館大学における 「人を対象とした研究倫理審査委員会」            の運営

18 研究者、研究とは? 立命館大学における人を対象とする研究倫理指針
●研究者とは: 「研究者」とは、本学の教員のほか、本学で研究活動に従事する学部生、大学院生 および研究員等を含む。   ●研究とは:  「人を対象とする研究」とは、臨床・臨地人文社会科学の調査および実験をいい、個人または集団を対象に、その行動、心身もしくは環境等に関する情報を収集し、またはデータ等を採取する作業を含む。

19

20 研究倫理審査申請書

21

22 研究遂行に関わる 安全管理 の具体的方法の周知

23 修士論文などの研究や実践に先立ち、倫理審査を受けよう。
★研究や実践内容の、臨床を含めた自らの「対人援助」作業の意味、意義を振り返る(再帰行動)ことができる。 ・自分の研究を要約し、第三者に表現する機会になる(一種のポートフォリオ?  対人援助者として不可欠な作業である) ★自らの研究行為に関する危機管理(リスク・マネジメント)の具体的手段を知っておく

24 文献 ・ヘイズ・ヘイズ・ムーア・ゲッチ(1998) 「発達障害に関する10の倫理的課題」.望月昭・冨安ステファニー(監訳). 二瓶社.
・ヘイズ・ヘイズ・ムーア・ゲッチ(1998)  「発達障害に関する10の倫理的課題」.望月昭・冨安ステファニー(監訳).   二瓶社. ・日本発達心理学会(2000)「心理学・倫理ガイドブック」、有斐閣. ・日本行動分析学会(2004)(編)「特集:行動分析と倫理」、   行動分析学研究19. ・望月昭(2007)コミュニケーションとしての研究の倫理― 行動的対人援助 の研究の現場から.オープンリサーチセンターシリーズ(5)、松原洋子     (編)「研究倫理を考える」. ・坂上貴之(2004)倫理的行動と対抗制御-行動倫理学の可能性.行動分析学   研究、19(1)、5-17.


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