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お年寄りのための 適切な栄養と食事介護.

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1 お年寄りのための 適切な栄養と食事介護

2 目 次 食事とは 栄養学の基礎知識 食事介護のための基礎知識 咀嚼嚥下障害 お年寄りの脱水 おいしく食べる調理のポイント

3 食事とは 食べることの効用は、「栄養摂取」だけではありません。食べる楽しさが生きる力を育みます。 POINT ● 食欲・空腹を満たす
● 食欲・空腹を満たす  ● 生活のリズムを作る ● 食べる楽しみ(五感、季節感など) ● コミュニケーション

4 栄養学の基礎知識 ~バランスのよい食事とは~

5 体を作る6つの基礎食品 6つの基礎食品 食品に含まれている栄養素の特徴から1~6群に分類し、各群から少なくとも2~3品を上手に組み合わせると必要な栄養素をバランスよくとることができます。 参照 公益社団法人 沖縄県栄養士会

6 バランスよく食べるには ● 「6つの基礎食品」の各群からなるべくたくさんの食品が摂れるように 毎食・主食・主菜・副菜を揃えましょう
● 「6つの基礎食品」の各群からなるべくたくさんの食品が摂れるように   毎食・主食・主菜・副菜を揃えましょう ● 野菜は1日350gを目標に摂りましょう ● 欠食をせず、朝・昼・夕の3食できるだけ決まった時間に食べましょう ● 咀嚼・嚥下状態に合わせて、ゆっくりよく噛んで食べましょう

7 野菜は1日350g以上を ~適量を目で覚えましょう~        生ものなら両手いっぱい 1食分 約120g(例)

8 野菜は1日350g以上を ~適量を目で覚えましょう~        加熱したものは片手にのるくらい 1食分 約120g(例)

9 献立作成のポイント 血や肉になるたんぱく質 体の調子を整えるビタミン・ミネラル エネルギー源の炭水化物 水分補給
●1日の中で、主食・主菜の種類の変化をつける ●調理方法(揚げる、炒める、蒸すなど)に変化をつける ●和食・洋食・中華など、バリエーション豊かに ●味付けに変化をもたせる ●どんぶり物はなるべくさける

10 ~高齢者の体の特長に合わせた食事のポイント~
食事介護のための基礎知識 ~高齢者の体の特長に合わせた食事のポイント~

11 加齢に伴う能力低下 ◎飲み込む力が弱くなる ◎味覚が衰える →むせる、つかえる →濃い味付けを好む ◎視力、聴覚、嗅覚、 触覚、温覚が衰える
◎視力、聴覚、嗅覚、 触覚、温覚が衰える ◎唾液の分泌量が 減少する →食欲減退、やけど →胃に負担、食欲低下 ◎噛む力が衰える →偏食、栄養バランスの偏り ◎消化液の分泌が減少し、胃腸の働きが低下する →消化不良、下痢、便秘 ◎喉の渇きが鈍る →脱水症状

12 お年寄りに不足しがちな栄養素 筋肉が衰えるなど、身体全体の機能が低下する 体力や思考力が低下する たんぱく質 カルシウム
亜鉛 ビタミンB12 ビタミンB6 食物繊維 たんぱく質 骨と歯が弱くなる、神経質になったり、イライラしやすくなる 貧血                      疲れやすく、忘れっぽく、根気がなくなる 味覚障害 悪性貧血 運動失調 口内炎・味覚障害 皮膚に炎症が起こりやすい 便秘になりやすい 筋肉が衰えるなど、身体全体の機能が低下する                   体力や思考力が低下する 不足すると

13 何に多く含まれる? たんぱく質 肉・魚・卵・牛乳・大豆など かき(貝)・牛肉・米 カルシウム
亜鉛 ビタミンB12 ビタミンB6 食物繊維 たんぱく質 ごぼう・れんこん・大豆 かき(貝)・牛肉・米 牛乳・バター・桜えび・しらす干し・豆腐・チーズなど かき(貝)・かつお・春菊・枝豆・ほうれん草・あさりなど レバー・卵・肉・魚介類 レバー・卵・緑黄色野菜・魚 肉・魚・卵・牛乳・大豆など

14 咀嚼・嚥下障害

15 嚥下障害 口に入ってきた食べ物が食道を通り、胃に送り込まれるまでの一連の動作が、なんらかの原因によりうまくいかなくなる 口腔準備期(咀嚼期)
食物を口腔内で処理して,必要なら咀嚼して飲み込みやすい物性に変える時期。 口腔期 舌を使って食物を後方に送り込む時期。 咽頭期 嚥下反射が誘発されてから食塊が咽頭を通過するまで。 食道期 食道の蠕動運動によって食塊を胃に送りこむまで。 誤嚥 正常 声帯

16 30秒間でつばをできるだけ多く飲み込んでみて下さい
嚥下機能テスト①(ごっくんテスト) 30秒間でつばをできるだけ多く飲み込んでみて下さい 何回飲み込めましたか? 3回以上 2回以下

17 嚥下機能チェック② 食欲、食べる意欲がない 食べるペースが遅くなっている 口から食べ物がこぼれる 1つでも当てはまる 場合は、嚥下に問題
咀嚼に時間がかかる 片側に食べ物がたまっている いつまでも口の中に食べ物がたまっている 飲み込む時にあごを上げている 咀嚼中や飲み込んだ後にむせている 食後に咳が増えたり声質が変わる 鼻の方に食べ物がまわる 1つでも当てはまる 場合は、嚥下に問題 があるかもしれません。 病院で詳しい検査を してもらいましょう。

18 脱水

19 成人(60Kg)における1日の水分出納 人間の体の約70%が水分 排出量 摂取量 約2,300~2,500ml 約2,500ml
排出量  約2,300~2,500ml 摂取量 約2,500ml  尿1300~1500ml  汗など1000ml

20 高齢者の場合 脱水症状 体内の 水分不足 のどの渇きを感じる 水分摂取 のどの渇きを感じにくくなる ・嚥下困難(むせ・誤嚥他)
体内の 水分不足 のどの渇きを感じる 水分摂取 のどの渇きを感じにくくなる ・嚥下困難(むせ・誤嚥他) ・水分を控える 脱水症状

21 脱水症状を防ぐには 高齢者は喉の渇きが感じにくいので、食事時、間食時他日常的に水分補給を積極的に行いましょう。 飲み込みが難しい方のために
市販されているとろみ調整食品等を活用しましょう。

22 とろみ剤の使用方法 ① ② ③ ●基本の使い方①● ●基本の使い方②● 食べ物や飲み物に少量ずつ、 かき混ぜながら加えて、
適当なとろみをつける ●基本の使い方②● 乾いたコップ2つ用意し、 1つにとろみ調整食品 もう1つにお茶を入れる。 とろみ調整食品の 入ったコップに 勢い良くお茶を注ぎ入れる。 もう一度もとのコップに注ぎ入れる。これを2-3回繰り返すと綺麗にとろみ飲料が出来上がる。

23 「とろみ」の程度を測定する方法

24 素材ごとの調理の工夫

25 その人の咀嚼・嚥下機能に合わせて食形態を選択しましょう
咀嚼・嚥下しやすい調理法 サラサラ・パサパサ・バラバラ状が問題 軟食に頼りきらずよく噛むこと 噛みごたえを感じる程度にやわらかく その人の咀嚼・嚥下機能に合わせて食形態を選択しましょう

26 食べやすい食品の形態 プリン状、ゼリー状(茶碗蒸し・果汁ゼリー・ムース) 適度な粘度(お粥・あんかけ・ポタージュスープ)
柔らかい(麩・豆腐・ヨーグルト) まとまりやすい、性状が均質 等

27 食べにくい食品の形態 パサパサしている(食パン・ゆで卵・のり) 粘りがある(お餅・お団子・かまぼこ)
噛み切りにくい(イカ・タコ・こんにゃく) 繊維が多い(たけのこ・ごぼう・れんこん)

28 一工夫で食べやすく 主食 巻き寿司 パン粥 のりの代わりに、卵シート(錦糸玉子を作る時に作る薄い卵)や青のりで巻く。
お鍋に牛乳と、ちぎった食パンを入れ火にかける。 (食パンはなるべく小さくちぎると◎) パサパサしたパンもしっとりさせれば食べやすくなります。

29 魚料理のコツ 主菜 加熱しても硬くならない魚介類を使う 生の刺身は切り方に工夫を ◎青魚→甘辛い味付けの煮魚・塩焼きに
◎白身魚→さっぱりした味付け焼き物・煮魚に 最近では骨なしの魚も多く出回っているので活用すると良いでしょう。 生の刺身は切り方に工夫を ◎刺身→マグロやサーモンは繊維に対して直角に         薄くスライスに。タコやイカはなるべく避け食べる場合は大きさに注意し、カットする

30 肉料理のコツ 主菜 肉の選び方に気を付ける 肉の切り方に工夫を やや脂肪が含まれている方が柔らかく仕上がります。
脂肪が多すぎると冷えたときに固まって固くなるので注意が必要です。 肉の切り方に工夫を ●繊維に直角に切る ●たたく ●筋切りをする

31 最後に 人は誰でも、加齢とともに、体に変化が起こります。 体の変化に合わせて、食事内容にも工夫が必要です。
食べることはお年よりの大きな楽しみの1つです。 体の変化を正しく理解して、その方の状態に合った食事をおいしく 楽しく食べて頂きましょう。

32 参考資料 在宅介護における食生活改善の手引き サラヤ株式会社 嚥下障害食のつくりかた 日本医療企画 糖尿病・肥満のためのヘルシーレシピ
糖尿病・肥満のためのヘルシーレシピ                 「おいしく食べてエネルギーダウン」 健康と料理社


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