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星空や宇宙に関する文化やその背景に関する基礎知識
3.星空の文化に親しむ (選択科目、講義科目) 星空や宇宙に関する文化やその背景に関する基礎知識
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1 古代の世界観 1. 神話とは本来はどういうものなのか、その起源と意義を理解する。 * 神話とは、誰も知らないはずの遠い原初の時代の出来事を語った聖なる物語であり、 ある種の「真実」として人々に信 じられてきたこと。 * 神話は、人々の根源的な疑問に答えるために、必然的に生み出されたものであること。 2. 世界各地に伝わる代表的な世界観と創世神話に触れる。 * 創世神話にはいくつかの典型的なパターンが見られること。また、それが人間に共通する思考の結果であること。 * 古くは荒唐無稽なものだった世界観が、次第に天球の概念を含むようになってきたこと。 2 天空神としての太陽と月 1. 運行経路の年変化からイメージされた太陽神の特質について理解する。 * 夏至のご来光が最も神聖視されたこと。 * 冬至には各地で太陽の復活祭が行われたこと。 2. 満ち欠けを繰り返すことからイメージされた月神の特質について理解する。 * 多くの民族が月神を「死と再生」のシンボルとしていたこと。 * 日を数えるのに好都合なことから、暦を司る神ともされたこと。 3. 古代人の時間の概念について理解する。 * 古代人にとって、時間とは永劫回帰する円環構造をなすものだったこと。 3 星座の起源と歴史 1. 星座の起源について理解する。 * 最初の星座は、いまから5000年ほど昔、古代メソポタミア文明を築き上げたシュメール人によって作られたこと。 * 星座の多くは、農耕上のカレンダーとして、あるいは占星術を目的として作られたこと。 * プトレマイオスが古代の星座をまとめ、48星座を定め たこと。 * 中国では独自の星座が作られたこと。 2. 星座にまつわるさまざまな神話について触れる。 * メソポタミアで生まれた星座がギリシアに伝えられ、ギ リシア神話と結びついたこと。 * 一つの星座にいくつかの神話が伝えられている例があること。 3. 現代の88星座に至る歴史を知る。 * 大航海時代に南天の星座が作られたこと。 * 近代以降、新しい星座を勝手に作る人があったこと。 * 1930年のIAU総会で現在の88星座が定められ、境界も決められたこと。
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以下は選択的項目として2項目程度を選んで取り上げる。
4 七惑星と占星術 1. 占星術の起源について理解する。 * 惑星の複雑な動きが神の兆候と考えられ、黄道上に12星座が作られるきっかけとなったこと。 * 占星術では太陽と月も惑星とみなされ、七惑星の位置関係などからさまざまな解釈を行っていること。 * 七惑星の通り道である黄道を中心とした帯状の部分を獣帯と呼ぶこと。 2. 黄道十二宮の定義と実際の星座との関係について理解する。 * 「黄道十二宮」は春分点を出発点として獣帯を12等分したものであり、実際の星座とは無関係に定められていること。 * 2000年前にうまく対応していた黄道十二宮と12星座が、地球の歳差運動による春分点の移動で、現在ではほぼ一星座分 ずれてしまっていること。 また、春分点は2万5800年で黄道上を一周すること。 * 黄道上には実際には「へびつかい座」を含む13星座があり、太陽がこの13星座の中を移動していく期間の日数もまちまちで あること。また、このことから、最近では「13星座占い」なるものも現れたこと。 3. 占星術の基礎的な仕組みについて理解する。 * 黄道十二宮には、男女二性、行動の三様式、四元素が順番に割り振られ、それによって各宮の性質が決まるとされていること。 * 120度の角度をなす関係が良いとされていること。 * 30度、90度の角度をなす関係が悪いとされていること。 5 暦 1. 太陰暦の起源について理解する。 * 多くの民族が文明の黎明期から自然に太陰暦を使い始め たこと。 * 古くは、「新月」とは夕方の西の空に初めて見える細い月のことで、新月が見えた時が新しい1か月の始まりとされたこと。 * イスラム世界では、現代でも細い月を観測して月初を定 めていること。 * 太陰暦は暦と季節が毎年約11日ずつずれてくること。 2. 太陰太陽暦の仕組みを理解する。 * 太陰太陽暦では、19年間に7回の閏年を設け、閏年は1年を13か月として暦と季節を合わせていること。 * 天文学の進歩の結果、月初が朔の日に改められたこと。 * 中国では、かつての新月を、月が出ると書いて「朏」 (ひ)と呼ぶようになり、 これを日本では「みかつき」と訓読みしていること。 3. 日本の旧暦について理解する。 * 明治5年まで使われていた「旧暦」は太陰太陽暦である こと。 * 毎月月初を「ついたち」と言うのは、「月立ち」が訛っ たものであること。 * 旧暦は立春のころを正月としていること。
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6 七夕 1. 七夕の伝説と習俗の起源を知る。 * 七夕伝説の起源は2世紀ごろの中国であること。 * 6世紀ごろ、乞巧奠という七夕の習俗が行われるようになったこと。 * 日本には7世紀ごろ、奈良時代に伝えられたこと。 2. 三種類の七夕の日とその意義を理解する。 * 新暦の7月7日は梅雨時で晴天率が悪く、星もまだ見ごろではないこと。 * 旧暦の7月7日は新暦では8月上旬〜中旬ごろとなり、星祭りを行うのにふさわしい時期となること。 * 年中行事としての七夕は秋の行事であり、俳句でも「七夕」「天の川」は秋の季語とされていること。 * 新暦8月7日に「月遅れ」で七夕祭りを行う地方があること。 3. 七夕伝説のさまざまなバリエーションに触れる。 * 日本では古い時代のオーソドックスな形が残されていること。 * 現代の中国では民話の「天人女房」と合体した複雑な物語となり、「天河配」という民間戯曲として各地で盛んに演じられてい ること。 * 東アジア各地に伝えられた七夕伝説にもさまざまなバリ エーションがあり、そこには神話・昔話によく見られるモチーフが 組み入れられていること。 4. 七夕の神話的意味を理解する。 * 世界各地に伝わる天の川のイメージには「異界との境界」 という概念が含まれているものが多いこと。 * 天界、常世、根の国、黄泉の国など、世界中でさまざま な異界が考え出されたこと。また、神話伝説や習俗の多くは、 現世と異界との交流を具現しようとするものであること。 * 旧暦七夕からお盆にかけては、異界との通行ができる特別な期間と考えられていたこと。 * 七夕やお盆の習俗の多くは、異界からやって来る祖霊、まれびと神、天の技巧などを迎えるための行事であること。 * 織姫は、古くは河の神に捧げられた犠牲の棚機女であり、牽牛もまた犠牲の牛であると考えられること。 7 お月見 1. お月見の概要について理解する。 * 旧暦8月15日の月を「中秋の名月」(芋名月)と呼び、この日に十五夜のお月見が行われること。 * 中秋の名月は必ずしも満月とは限らないこと。 * 旧暦9月13日の月を「後の月」(栗名月)と呼び、この日に十三夜のお月見が行われること。 * 「お盆のような月」が小指1本で隠されること。また、これを実際の空で確かめること。 2. 月の模様のさまざまな見方と、それにまつわる伝説に触れる * 日本の月ウサギは餅をつくが、中国では不老不死の薬をつくこと。 * 片腕の蟹、月美人など、世界各地に伝わる代表的な見方を知ること。 * 月の模様には、不死再生の神話伝説が伴っている例が多いこと。 3. 生命力の源としての月について理解する。 * 満月の夜に野ウサギが飛び跳ねるように、月の光は人間にも強く作用すると考えられていたこと。 * 西洋では月の光が狂気の源とされ、狼男などの伝説が生まれたこと。 * 日本では月の生命力にあやかり、満月の夜に各地で綱引きや相撲が行われていること。
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天地創造の神話 神話とは、誰も知らないはずの遠い原初の時代の出来ごとを語った聖なる物語であり、ある種の「真実」として人々に語り継がれてきたもの。 *世界はどのようにして始まったのか? *世界の果ての向こう側はどうなっているのか? *我々はどこから来たのか? *我々はどこへ行くのか? 現代でも「宇宙論」などの科学の分野が、このような課題を「真剣」に扱っている。古い時代での考え方は、今から見れば荒唐無稽に思えるが、それぞれの時代でもっとも納得のいく説として受け入れられ、そして「進化」して今に至るのだろう。
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聖なる太陽、不死再生の月 規則的な運行 → 暦 予言を天上界の観察から → 占星術 日本で親しまれている星のお祭り お月見、七夕
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暦の2大分類 太陽暦 太陽の年周運動を1年(365.2422日)と定めるもの。 太陰暦 (太陰とは、月のこと)
太陽暦 太陽の年周運動を1年( 日)と定めるもの。 太陰暦 (太陰とは、月のこと) 月の満ち欠けの周期(29.5日)から1月を勘定するもの。 空に、日数を示す日めくりが浮かんでいる! * いずれも、太陽の日周運動で1日をカウントする。 日時計で、その日のうちの時間を知ることができる(太陽日)。 * 太陽暦は、季節の移り変わりを反映させることができる。 * 太陰暦で季節とのずれを補うために、閏月(これが入った 時は、1年は13ヵ月になる)が必要。 → 太陰太陽暦 * 太陽暦でも、1年が1日の整数倍で収まっていないので、 閏年が必要(4年に1回、例外あり)。
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現在日本で使っている暦: 太陽暦のひとつ 日本で言う、旧暦: 太陰太陽暦のひとつ
現在日本で使っている暦: 太陽暦のひとつ * 16世紀、ローマ法王グレゴリウス13世による、グレゴリオ暦: 1年365日、4年に1回閏年、うち400年に3回閏年にしない。 * BC46年、ローマ帝国終身独裁官のユリウス・カエサル (Julius Caesar)によって、エジプトの太陽暦を持ち帰った。 1年365日、4年に1回閏年(2月に1日追加)。 日本で言う、旧暦: 太陰太陽暦のひとつ * 明治6年1月1日より、現在の「新暦」を採用。 「新暦」でも、もちろん「ひと月」は月の満ち欠けの一周期に近い。 新月→上弦→満月→下弦→新月が、それぞれ1週間おいて 見られる(多分、一週間という期間の起源)。
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現在の暦では、いつが閏年になるでしょう?
2000 閏年: 2000年問題大騒ぎの年、閏年でした。 2004 閏年 2008 閏年 2012 閏年 2096 閏年 2100 平年 (!) ← 400年に3回やめる、の1回目 2104 閏年 2200 平年 (!) ← 400年に3回やめる、の2回目 2300 平年 (!) ← 400年に3回やめる、の3回目 2400 閏年 2500 平年 (!) 2600 平年 (!)
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「旧暦」の時に使っていた「太陽暦」(というか、季節暦) → 二十四節気 (にじゅうしせっき) 太陽黄経および、太陽暦での大体の日付
→ 二十四節気 (にじゅうしせっき) 太陽黄経および、太陽暦での大体の日付 春 一月 : 立春(315度、 2月4日)、雨水(330度、 2月19日) 二月 : 啓蟄(345度、 3月6日)、春分( 0度、 3月21日) 三月 : 清明( 15度、 4月5日)、穀雨( 30度、 4月20日) 夏 四月 : 立夏( 45度、 5月5日)、小満( 60度、 5月21日) 五月 : 芒種( 75度、 6月6日)、夏至( 90度、 6月21日) 六月 : 小暑(105度、 7月7日)、大暑(120度、 7月23日) 秋 七月 : 立秋(135度、 8月7日)、処暑(150度、 8月23日) 八月 : 白露(165度、 9月8日)、秋分(180度、 9月23日) 九月 : 寒露(195度、10月8日)、霜降(210度、10月23日) 冬 十月 : 立冬(225度、11月7日)、小雪(240度、11月22日) 十一月 : 大雪(255度、12月7日)、冬至(270度、12月22日) 十二月 : 小寒(285度、 1月5日)、大寒(300度、 1月20日) 「暦の上では…」は、「旧暦」だからではなく、「言葉の上での季節感」 との不一致が原因。立春は今も昔も立春である。
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お月見 中秋の名月 仲秋 : 太陰暦での秋の中月、八月の別称 中秋 : 太陰暦での秋の中日、八月十五日のこと
中秋の名月 仲秋 : 太陰暦での秋の中月、八月の別称 中秋 : 太陰暦での秋の中日、八月十五日のこと 注:太陰暦で十五日は、だいたい満月(十五夜お月さま) だが、実際には2日分くらい前後する。 収穫の感謝も兼ねているかも(実はちょっと季節が早い) → 欧州ではちょうど harvest moon の時期 翌日の月の出は一般に50分遅れるが、この時期、 この「遅れ」が一番短いことも影響。 この時期、満月時と月の近地点通過が最も近いわけでは ないが、結構近いので、実際月は若干大きく見える。 秋分の日が近いので、月はほぼ真東から昇る。
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芋名月という日本独自のお月見もあります。
旧暦九月十三日の 「後の月」、 サトイモをお供えする そうです。 旧暦の十三日ですから、 満月ちょっと前です。
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月という異世界に住む(帰る)人物 日本: かぐや姫 中国: 嫦娥(じょうが;チャンエ) いずれも、月周回探査機の名に!
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よくある誤解: JAXA 宇宙航空研究開発機構 http://www.jaxa.jp/ 2007年9月14日、種子島宇宙センターより、
「かぐや」搭載の HII-A ロケット13号機が打ち上げられた。 打ち上げカウントダウンの映像 → GO! ハイビジョンカメラでの月面の映像 → GO! 上記web siteを歩き回って下さい。楽しい情報満載です。 よくある誤解: 日本のロケットは落ちてばかり: 事実に反する 日本のロケットは遠くに飛ばない: 事実に反する 日本は月惑星探査の実績がない: 事実に反する
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みなさん、覚えていますか? なんば CITY ロケット広場 1980年代に活躍した、旧 宇宙開発事業団(NASDA)
による当時の主力ロケット N I 種子島宇宙センターからの N I ロケット発射映像 → GO!
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たなばたのおまつり 短冊に、学・芸の上達の願いを書く(みなさん経験?) 新暦の七夕、旧暦の七夕、また「月遅れ」という方法 関連する話: 棚機女(たなばたつめ): 水辺で機を織りながら、女性が神の訪れを待つという、 古くからある信仰 天の川→「三途の川」の原型かも? ところで、織女と牽牛、今日も会っているのですよ?!
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行事の由来えほん たなばたものがたり / 舟崎克彦 文、二俣英五郎 絵 (2005) / 教育画劇 発行 / ISBN987-4-7746-0500-5
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