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法と経済学2(5) 製造物責任制度とルールの中立性

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Presentation on theme: "法と経済学2(5) 製造物責任制度とルールの中立性"— Presentation transcript:

1 法と経済学2(5) 製造物責任制度とルールの中立性
今日の講義の目的 (1) 負担の転嫁とルールの中立性の関係を理解し、中立性が成り立つ条件を確認する (2) 通常の不法行為と取引関係にある賠償ルールの構造の違いを理解する (3) 製造物責任制度(Product Liability)が消費者から生産者に負担を移転するものではないことを理解する 法と経済学2

2 完全競争市場均衡 P 需要曲線 供給曲線 均衡 Y Y* 法と経済学2

3 課税後の市場均衡(生産者課税) 課税後の供給曲線 需要曲線 課税後の均衡 課税前の供給曲線 Yt 法と経済学2

4 課税後の市場均衡(消費者課税) 課税前の需要曲線 P T 生産者課税時の均衡 供給曲線 課税後の均衡 課税後の需要曲線 Y Yt T
Y Yt 法と経済学2

5 税の転嫁 生産者に税をかける →供給者の限界費用があがって供給曲線がシフトする →価格が上昇→消費者も価格上昇という形で税を負担
消費者に税をかける →消費者の支払い意志額が下がって需要曲線がシフト →価格が下落→生産者も価格下落という形で税を負担 ⇒税収・生産者・消費者の利益・総余剰は2つの税で差がない⇒消費者の負担を減らし、生産者の負担を増やすため消費者課税を生産者課税に変えるという議論はナンセンス 法と経済学2

6 独占市場(課税前) 問題:均衡生産量は? MC MR 法と経済学2

7 独占市場(生産者課税) 問題:均衡生産量は? MC MR 法と経済学2

8 独占市場(消費者課税) 問題:均衡生産量は? MC MR 法と経済学2

9 独占市場(消費者課税) 均衡 価格 MRt MC MR Dt 均衡生産量 法と経済学2

10 製造物責任の例 コーラの缶が1万分の1の確率で爆発し、洋服を汚して1万円の損害を発生させる(生産者・消費者ともにリーゾナブルな事故回避努力をした結果確率が1万分の1になっているとする) ←どうしたらリーゾナブルな事故回避努力をさせられるかという点は前回と同様なので一旦無視する。 法と経済学2

11 コーラ市場の均衡(過失責任ルール) 需要曲線 PE 供給曲線 YE Y 法と経済学2

12 コーラ市場の均衡(厳格責任ルール) 変化後の需要曲線 変化後の供給曲線 P PE 1 変化前の需要曲線 1 変化前の供給曲線 Y YE T
Y YE 法と経済学2

13 前回の議論との大きな違い 前回の議論 :過失責任から厳格責任に変える →損害を負担する者が被害者から加害者に変わる
→加害者から被害者への所得移転 今回の議論:過失責任から厳格責任に変える →価格が上昇する →被害者(消費者)から加害者(生産者)への所得移転はない ・消費者の中での所得移転しか起きていない (たまたま事故に遭った消費者が負担→全ての消費者が広く薄く負担) 法と経済学2

14 議論のポイント 責任の移転が所得の移転をもたらすわけではない。最終的には価格で調整される。この議論は生産者が競争的であろうと独占的であろうと同じ。 消費者にではなく生産者に負担を移すために厳格責任に変えるという議論はナンセンス。 既に売買が終わっているものに関しては価格の転嫁が起こりえないので所得の移転は起こる (例) 石綿の被害を誰が補償するかという問題。 法と経済学2

15 同様にナンセンスな議論 ・小売店が優越的な地位を乱用して販売業者に不利な販売条件(返品や人員の派遣要請)を押しつける。
・テレビ局が優越的な地位を乱用して著作権を制作会社から無理矢理奪い取る。 ・銀行が優越的な地位を乱用して借手に個人保証を要求する。 (注1) 価格が規制されている場合は上記の問題は意味がある。 (注2) 優越的地位の乱用者が自分の私的な利益のために行う場合には上記の問題は意味がある。 法と経済学2

16 厳格責任 vs 過失責任 理想的な状況ならどちらのルールでも効率的な資源配分が達成される。 消費者の間の負担パターンが違う
→完全な保険市場があればその違いは重要ではない。 どんな場合に2つのルールが大きな違いを生むか? (1) 保険市場が不完全 (2) 情報が不完備 (3) 訴訟費用 法と経済学2

17 保険市場 仮に生産者のみが危険中立的だとする(あるいは生産者のリスクプレミアムだけが十分に小さいとする) →厳格責任ルールの方が効率的
仮に生産者の方が消費者よりも保険市場にアクセスしやすいとする 法と経済学2

18 不完備情報(裁判所の能力) 仮に裁判所が生産者、消費者の事故回避努力の水準が分からないとする →一方にしか努力させられない
→どちらに努力させるのが効率的か? 生産者の過小努力(モラルハザード)の弊害大 →厳格責任ルールが望ましい 法と経済学2

19 望ましいルールを設定する必要があるか? 仮に生産者は危険中立的だが消費者は危険回避的で、かつ保険市場はないとする。消費者が負担すると1本あたりのコストが2、生産者が負担すると1とする。 →厳格責任の方が効率的 法と経済学2

20 望ましいルールを設定する必要があるか? →厳格責任の方が効率的 仮に過失責任が採用されていたら?
→生産者は自発的に責任を引き受ける誘因を持つ 生産者が自発的に責任を引き受けると以前より価格が2高くても売れる。一方で責任を引き受けることによる費用の増加は1。よって生産者は自社の製品価値を高めるためあえて責任を引き受ける。 法と経済学2

21 望ましいルールを設定する必要はないのか?
仮に裁判所が過失を認定できないとする。消費者は事故回避努力はできるが、生産者はできないとする。 →消費者に効率的な努力をさせるためには賠償しないのが効率的。 それでも生産者が賠償責任を負ってしまうことがあるか? →Yes~signalingのケース 法と経済学2

22 signaling 仮に生産者で、事故確率の高い生産者が少数混じっていたとする。
→生産者は自発的に責任を引き受ける誘因を持つ。 ⇒しかしこれは非効率的~強行法規の根拠の一つ。 (常にではないが)signalingの私的誘因は過大で、資源配分の非効率性を生む 法と経済学2

23 よくある誤解 情報の偏在~資源配分の歪みをもたらす signaling~結果的に情報のギャップを埋める可能性がある
法と経済学2

24 よくある誤解 (1) 実際には、signalを送るために、signalの送信者は費用を負担する(signalの送信には費用が伴う)。
(2) 分離均衡においては(signalが送られて最終的に情報のギャップがなくなれば)signalを送らなかった者から送った者への所得移転が起こる。これは社会的な利益ではないが私的な利益にはなる~signalingの誘因が過大になる →signalingによって資源配分の歪みがひどくなることがある。 法と経済学2

25 約款論 仮に生産者は危険中立的だが消費者は危険回避的で、保険市場はない。消費者が負担すると1本あたり2のコスト、生産者が負担すると1。過失責任が採用されている。 →生産者が賠償負担を受け入れその契約条項をコーラの缶に小さな字で印刷→普通の人は読まない→価格を2高くしても売れるメカニズムは機能しない →生産者は自発的に責任を引き受ける誘因を持たない 法と経済学2

26 約款論 大規模な宣伝等で消費者に簡単に訴えられるような契約条項は効率的になるが、消費者にアピールしにくい細かな条項は、非効率的かつ消費者に不利な状況に放置されがち ~強行法規の正当化 これも第三者効果 契約をちゃんと読む~公共財 公共財の供給は過小になる←市場メカニズムに任せておいても機能しない 法と経済学2

27 望ましいルールを設定する必要があるか? →厳格責任の方が効率的 仮に過失責任が採用されていたら?
→生産者は自発的に責任を引き受ける誘因を持つ 生産者が自発的に責任を引き受けると以前より価格が2高くても売れる。一方で責任を引き受けることによる費用の増加は1。よって生産者は自社の製品価値を高めるためあえて責任を引き受ける。~これは消費者が合理的であることが前提 法と経済学2


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