Download presentation
Presentation is loading. Please wait.
1
日本薬剤師会 医療保険委員会 介護保険担当 2011年7月版
在宅服薬支援マニュアル 日本薬剤師会 医療保険委員会 介護保険担当 2011年7月版 (初めの言葉) 平成12年介護保険制度が導入されて約10年がたちましたが、われわれ薬剤師の在宅分野での活躍は、まだまだ不足していると言わざるをえません。 日本薬剤師会では、薬局薬剤師が積極的に在宅医療に取り組めるような支援を行っていきたいと考えています。 この資料では、薬剤師が在宅分野での活躍をより積極的に行うため、在宅医療における薬剤師の役割や、患者さんの支援の方法、各種書類の作成方法などを分かりやすく解説していきたいと思います。
2
日本薬剤師会 医療保険委員会 介護保険担当 2011年7月版
在宅服薬支援マニュアル その1・考え方 背景と制度のポイント 日本薬剤師会 医療保険委員会 介護保険担当 2011年7月版 (スライド1:表紙) 在宅服薬支援マニュアル その1・考え方 このパートでは、まず、在宅服薬支援について理解していただくために、在宅療養患者さんに対する薬剤師の関わりについて、その背景と制度のポイントを解説したいと思います。
3
高齢者の推移と将来推計 (スライド2:高齢者の推移と将来推計) このスライドは、高齢者の推移と将来推計を示したものです。
このスライドは、高齢者の推移と将来推計を示したものです。 我が国の65歳以上の高齢者人口は、昭和25(1950)年には総人口の5%未満でしたが、昭和45(1970)年に7%、平成6年(1994)に14%、平成20年に22%を超え、5人に1人が高齢者、10人に1人が75歳以上人口という「本格的な高齢社会」となっています。 平成18(2006)年12月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」によれば、我が国の総人口は、今後、長期の人口減少過程に入り、平成58(2046)年には1億人を割って9,938万人となり、平成67(2055)年には8,993万人になると推計されています。 一方、総人口は減少するものの、その減少率は若人の方が大きいため、結果的に高齢化率は上昇を続けます。平成25(2013)年には高齢化率が25.2%で4人に1人、平成47(2035)年に3.3.7%で3人に1人、平成67(2055)年には40.5%に達し、国民の2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されています。
4
高齢者の一人暮らし世帯の増加 平成22年版 高齢社会白書を参考に作成 4 (スライド3:高齢者の一人暮らし世帯の増加)
このように高齢化率の上昇に伴い、一人暮らし高齢者の増加、並びに、それら高齢者が高齢者全体に占める割合も増加していきます。 この図は、厚生労働省が作成した平成22年版 高齢社会白書を参考に作成したものです。 図に示すように、平成17(2005)年に385万5千人であった一人暮らし高齢者は、平成42(2030)年には717万3千人になります。 また、同居率の減少により、高齢者全体の人口に占める一人暮らし高齢者の割合も増加し、平成42(2030)年には女性で20.9%、男性で17.8%となります。 平成22年版 高齢社会白書を参考に作成 4
5
高齢者薬物療法の特性と問題点 加齢とともに複数の疾患を合併することが多くなる。このため、多剤併用が多くなり、重複投薬、薬物間相互作用のリスクが問題となる。 視覚や聴覚機能の低下、嚥下障害などにより、服薬の自己管理や服薬自体に支援が必要。 腎機能・肝機能の加齢による低下、体成分組成(筋肉量減少・体脂肪比率増加等)の変化による体内動態の変動がある。 こうした生理機能の個人差に対応した処方、調剤、服薬の管理が必要。 ※後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(平成19年2月5日)参考資料より (スライド4:高齢者薬物療法の特性と問題点) そこで、今後増加していく高齢者の薬物療法の特性と問題点を挙げてみたいと思います。 1つ目は、複数の疾患を合併することにより、多剤併用が多くなり、重複投薬や薬物間の相互作用のリスクが問題となります。 2つ目は、視覚や聴覚機能が低下し、また、嚥下障害も伴うことにより服薬の自己管理や服薬自体にも支援が必要となってきます。 3つ目として腎機能、肝機能の低下、また、体成分組成の変化に伴い、体内動態も変化してくるということです。 4つ目として、このような生理機能に個人差が生じるため個々に対応した処方、調剤、また、療養状況や療養環境等に応じたきめ細かい服薬の管理が重要となってきます。
6
薬剤に関する意見 高齢者の薬物療法では多剤併用が多く、重複投与や薬物相互作用が発現しやすいこと、高齢者は生理機能の加齢変化により、副作用、相互作用が発現しやすいことから、安全管理が重要。チーム医療の中での薬剤師の薬物療法の安全管理機能を評価すべき。 高齢者の医薬品の一元的管理の評価が必要であり、在宅高齢者の療養状況や療養環境等に応じた、きめ細かい服薬管理業務の評価が必要。 ※後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(平成19年2月5日)参考資料より (スライド5:薬剤に関する意見 ) これらの問題点に対して、「チーム医療の中で薬剤師の薬物療法の安全管理機能を評価すべきである」という意見や、「医薬品の一元管理の評価、きめ細かい服薬管理業務の評価が必要である」という意見が後期高齢者医療の在り方に関する特別部会で出されました。
7
後期高齢者医療の課題 複数の疾患を併有しており、併せて心のケアも必要となっている。
慢性的な疾患のために、その人の生活に合わせた療養を考える必要がある。 複数医療機関を頻回受診する傾向があり、検査や投薬が多数・重複となる傾向がある。 →複数の医療機関を受診することは、検査や投薬の重複が起 きやすくなる結果として、提供される医療が不適切なものとな るなど、患者にとっても、また社会的に見ても好ましくない場 合がある。このため、過剰・頻回受診を是正する必要がある。 地域における療養を行えるよう、弱体化している家族及び地域の介護力をサポートしていく必要がある。 患者自身が、正しく理解をして自分の治療法を選択することの重要性が高い。 ※後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(平成19年4月11日)より (スライド6:後期高齢者医療における課題) 後期高齢者医療の在り方に関する特別部会では、後期高齢者医療の課題として、複数の疾患を有し、しかも慢性的であることから、心のケアや生活に合わせた療養を考える必要があるとされました。 また、複数の医療機関を頻回に受診する傾向もあり、当然のことながら検査や投薬が多数・重複の傾向となっています。 在宅医療では、患者さんが安心して居宅で療養出来るよう、家族や地域での介護力をサポートしていくことが必要となり、 患者さん自身が、正しい知識のもと、自分の治療法を選択することが重要かつ必要と考えられます。
8
薬剤師法、医療法等の改正 1 患者宅等での調剤業務の一部を容認(調 剤の場所の見直し) 2 麻薬小売業者間の譲渡、譲受を容認
1 患者宅等での調剤業務の一部を容認(調 剤の場所の見直し) (薬剤師法第22条 平成19年4月1日) 2 麻薬小売業者間の譲渡、譲受を容認 (麻薬及び向精神薬取締法に基づく省令改正 平成19年9月1日) 3 薬局の医療提供施設として医療計画にお ける医療連携体制へ位置付ける (医療法第1条第30号等 平成19年9月1日) (スライド7:薬剤師法・医療法の改正) 平成19年に薬剤師法、麻薬及び向精神薬取締法に基づく省令、医療法の3つで、薬剤師の在宅医療に係る改正がありました。 19年4月には薬剤師法で、患者さん宅等での調剤業務の一部が容認されました。9月には、麻薬及び向精神薬取締法に基づく省令で麻薬小売業者間の譲渡、譲受の容認、 医療法では、薬局が医療提供施設として位置づけられました。 3つの改正内容をもう少し詳しく説明させていただきます。
9
薬剤師が患者の居宅等において処方せんを確認・受領し、薬剤の交付が終了した時点で調剤完了
薬剤師法、医療法等の改正① ○調剤の場所の見直し(イメージ図) 通院困難等の患者の居宅等において、処方せんの確認などの調剤の業務の一部を行うことを認めるものとする。 処方~調剤の流れ 以前は、寝たきり等の患者やその家族でも、薬局への来訪が必要だった 薬局 患者の居宅等 ①医師が処方せんを交付 ②処方内容のファクシミリによる伝送 見直し後は、在宅患者のニーズに応え、薬局への来訪が不要となっている ④薬剤師が患者の居宅等を訪問 ③ファクシミリに基づく薬剤の準備※ (スライド8:調剤の場所の見直し(イメージ図)) このスライドは、薬剤師法の改正による調剤の場所の見直しのイメージ図です。 通院困難等の患者さんの居宅等において処方せん中の疑義の確認、処方医への疑義照会、また、処方せんの受領、薬剤の交付等、調剤業務の一部が認められるようになりました。この見直しにより、薬剤師は在宅患者さんの元で、よりきめ細かな対応が可能になりました。 通院困難等の患者さんの居宅等における処方から調剤の流れを説明します。 まず、①患者さんの家等で医師が処方せんを交付し、②患者さんは処方せんをファクシミリで薬局に伝送します。③薬局はファクシミリに基づき調剤の準備をし、④薬剤師が患者さんの家等へ訪問します。薬剤師が患者さんの家で処方せんを確認し、受け取った後、薬剤の交付が終了した時点で調剤が完了となります。 ただし、調剤の業務のうち、薬剤の計量、混合等の調整行為については、従前どおり薬局で行います。 薬剤師が患者の居宅等において処方せんを確認・受領し、薬剤の交付が終了した時点で調剤完了 ※調剤の業務のうち、薬剤の計量、粉砕、混合等の調製行為については、従前のとおり薬局において行う。
10
薬剤師法・医療法等の改正の内容② ○麻薬小売業者間の譲渡・譲受
同一都道府県内の2以上の麻薬小売業者が共同で申請しグループを作成(複数のグループに所属することはできない)。 グループ内であれば、麻薬処方せんに記載された分量の麻薬を調剤することができないときに限り、不足分を補足するために反復継続して譲り渡し、譲り受けることができる。 (スライド9:薬剤師法・医療法等の改正の内容②) 次に麻薬小売業者間の譲渡、譲受に関する内容です。 これは在宅医療を推進し、患者さんが安心して麻薬を入手できるようにするための仕組みで、同一都道府県の2以上の麻薬小売業者が共同で申請しグループを作成することにより、グループ内の麻薬小売業者間で麻薬の授受を可能としたものです。ただし、一つの小売業者が複数のグループに所属することは出来ません。 グループ内では、麻薬処方せんに記載された分量の麻薬を調剤することができない時に限り、不足分を補足するために反復継続して譲り渡し、譲り受けることができるようになっています。 在宅医療を推進し、患者さんが安心して麻薬を入手できるようにするための新しい仕組み (麻薬及び向精神薬取締法に基づく省令改正、 平成19年9月1日施行) 7
11
薬局を医療提供施設として医療計画における医療連携体制へ位置付ける。
薬剤師法・医療法等の改正の内容③ 薬局を医療提供施設として医療計画における医療連携体制へ位置付ける。 (医療法第1条、第30条等、平成19年4月1日施行) 医療法の改正により、薬局が医療提供施設となったことから、各都道府県が作成する医療計画(平成20年度施行)への参画が求められる。 この医療計画は各地域における医療提供施設の医療機能の連携を推進し、疾病及び事業ごとの医療連携体制を確保することを目的にしている。 (スライド10:薬剤師法・医療法等の改正の内容③) 医療法の改正により、薬局は医療提供施設となりました。その結果、平成20年度から、各都道府県が作成する医療計画に、薬局の参画が求められるようになりました。 この医療計画は各地域における医療提供施設の医療機能の連携を推進し、疾病及び事業ごとの医療連携体制を確保することを目的とするものです。
12
薬局薬剤師の地域連携 医師、歯科医師、病院等の薬剤師、看護師(訪問看護師)、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士 等
想定される連携先 介護支援専門員、訪問介護員 等 医師、歯科医師、病院等の薬剤師、看護師(訪問看護師)、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士 等 地域包括支援センター、行政、社会福祉協議会、市民団体 等 メディカルソーシャルワーカー(MSW)、 民生委員、地域住民、家族 等 (スライド11:薬局薬剤師の地域連携) そのため、在宅医療をおこなうためには薬局薬剤師の地域連携が、これまで以上に重要となってきました。 連携先の例としては、図に示すように、医師、歯科医師、看護師や、介護支援専門員、介護職。その他にも地域包括支援センターや行政、等地域で支援して下さる方々等スライドに示したような職種があげられます。退院時や在宅でのカンファレンスでの連携も重要です。 退院時や在宅でのカンファレンスにおいても連携 ※共同指導料に関する算定要件は「服薬支援マニュアル その5」を参照のこと
13
在宅医療(終末期ケアを含む)の連携のイメージ
(スライド12:在宅医療(終末期ケアを含む)の連携のイメージ) このスライドは、終末期ケアを含む在宅医療の連携のイメージ図です。 終末期ケアでは、在宅での患者さんの生活を支えるため、例えば、緊急時に備えて医師がグループを作り、相互連携するなどの方策をとりつつ、ケアを実施します。 薬局薬剤師は麻薬の供給を含め、居宅を訪問し、服薬管理を行うことが求められています。 緊急時に対応するため、薬局も、将来的には、医師と同様、相互連携をすることになると思われます。 在 宅 で の 生 活 資料:医療構造改革に係る都道府県会議(平成19年4月17日)を一部改変
14
まとめ 在宅で療養される患者は今後も増加。 薬剤師も積極的に在宅医療へ参画を。
地域における多職種連携に薬剤師も必要とされている。 ~退院時や在宅でのカンファレンス参加も重要~ (スライド13:まとめ) 今後、在宅医療で療養される患者さんは益々増加すると考えられます。その中で安全で有効な薬物療法を提供するためには、高齢者の特徴や薬の使用上の問題点を把握し、薬剤師も積極的に在宅医療へ参画することが必要です。また、在宅患者に関連する医療、介護、福祉の多職種連携に薬剤師も対応し、退院時や在宅でのカンファレンスも積極的に参加することが望まれます。
Similar presentations
© 2024 slidesplayer.net Inc.
All rights reserved.