第10回e-シンポ「環境及び食品の分析技術の現状」

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1 2010.12.11 第10回e-シンポ「環境及び食品の分析技術の現状」
PFOS or PreFOS （ＤＩＯＸＩＮ２０１０概要報告） 東條俊樹・山本敦史 （大阪市立環境科学研究所）

2 DIOXIN2010におけるPFCs研究対象媒体の割合 （PFCs:53題/Halogenated POPs:635題）

3 Ten Years of PFOS: Past, Present and Future Analytical Trends
Jonathan Martin, Univ. Alberta, Canada ✓

4 有機フッ素化合物の年間生産量の推移 生産量 / トン 年-1
Prevedouros K, Environ. Sci. Technol., 2006, 40, 32-44 Paul AG, Environ. Sci. Technol., 2009, 43,

5 Perfluorooctanesulfonate precursors: PreFOS
PFOS or PreFOS Perfluorooctanesulfonate precursors: PreFOS 実験室レベルでは 微生物分解による　PFOS 生成を検出

6 有機フッ素化合物の種類は膨大 GC/MS, LC/MS によ る SIM, SRM 等の選 択性の高い測定方法 ではすべてを網羅する のは困難 現在、対象にしている 成分から最大限情報を 得るには・・・ スルホンアミドのリン酸エステルの一例 テロマーメタクリレートの一例

7 異性体・同族体分析 理論上 PFOS には 199 個、PFOA には 74 個異性体が存在 アルキル基の 炭素原子数 構造異性体
不斉炭素を持つ 異性体 立体異性体 2 1 3 4 5 8 6 17 9 20 7 39 25 60 89 66 176 理論上 PFOS には 199 個、PFOA には 74 個異性体が存在

8 異性体の命名法

9 異性体の命名法

10 ES Industries H2O/MeOH逆相条件
PFOS の構造異性体分離（時間短縮化） ES Industries H2O/MeOH逆相条件 FluoroSep-Octyl A 5mM HCOONH4 (pH4) B MeOH Time Flow B / % 0.2 mL/min 40 0.5 2 55 5 19 85 20 100 21 60 35 3m-PFOS 4m-PFOS 5m-PFOS n-PFOS iso-PFOS 499 → 80 T-PFOS (Wellington)

11 PFOS の構造異性体分離 異性体によって生成するプロダクトイオンの比率が異なる 499 → 80 499 → 99
異性体分離しない場合、分岐鎖の異性体を含む比率が高くなるほど 80 と 99 による定量値の違いが大きくなる 499 → 80 499 → 99

12 PFOS の構造異性体分離 異性体毎に異なるプロダクトイオン 499 → 130 499 → 169 499 → 230 499 → 280
499 → 230 を起こさない 3m-PFOS や 1m-PFOS のみで生じる 499 → 419 等その構造に密接な関係がある 499 → 130 499 → 169 499 → 230 499 → 280 499 → 419

13 異性体プロファイルからの起源推定 最終製品として製造さ れた PFOA, PFOS と ScotchGard に含ま れる PFOA, PFOS では組成が異なる Benskin JP, Rev. Environ. Contam. Toxicol., 2010, 208,

14 アルキル基の炭素原子数が奇数のものでは iso 異性体が観測されることが多い
PFAAs の異性体、同族体分析 アルキル基の炭素原子数が奇数のものでは iso 異性体が観測されることが多い テロメリゼーションによって生成された末端分岐の PFCs 由来の PFAAs が存在 n-PFHxA iso-PFHpA n-PFHpA n-PFOA iso-PFNA n-PFNA

15 1m-PFOS 光学異性体分析の可能性 1m-PFOS は LC/MS/MS 分析時 に他の異性体では生じないイオン を生成する　　　　　　　　　　　　　 （特異的に分析可能） スルホ基の先が化学修飾されて いる物質が生物分解をうける場合、 1 位の立体選択性が生物分解に 影響する可能性がある　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （ 4 位や 5 位では遠く、影響は 1 位のものよりも小さいと考えられ る）

16 TCI chiral H2O/CH3CN逆相条件
1m-PFOS の光学異性体分離（未完成） TCI chiral H2O/CH3CN逆相条件 499 → 99 499 → 419

17 有機溶媒もはじく 高機能 泡立つクロロホルム

18 Dioxin 2011 – Brussels, Belgium
この先の展望、課題と問題点 TOF や FT-MS を用いた網羅的分析方法 1m-PFOS は PFOS 全体の 1-3% と微量 PFOA, PFNA への分解を 把握する方法は… Dioxin 2011 – Brussels, Belgium

19 有機フッ素化合物の主な製造方法 電界フッ素化 (ECF) エチルアミンや炭酸エチレンで修飾
鎖長の違うものや分岐鎖の不純物が 20-30% 生成 エチルアミンや炭酸エチレンで修飾 最終製品の一例。リン酸エステルの形で紙のコーティング剤に用いられる 収率をあげるためにスルホニルフルオライドやカルボニルフルオライドを使用

20 有機フッ素化合物の主な製造方法 テロメリゼーション エチレンのフリーラジカル反応を用いた DuPont が開発した有機フッ素化合物合成方法
Telomer °C 高圧、触媒 Taxogen Telogen

21 有機フッ素化合物の主な製造方法 テロメリゼーション フッ素化アルキル基の先に様々な官能基を付けるためにエチレンで修飾