Presentation is loading. Please wait.

Presentation is loading. Please wait.

個体と多様性の 生物学 第8回 生きること、死ぬこと 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.

Similar presentations


Presentation on theme: "個体と多様性の 生物学 第8回 生きること、死ぬこと 和田 勝 東京医科歯科大学教養部."— Presentation transcript:

1 個体と多様性の 生物学 第8回 生きること、死ぬこと 和田 勝 東京医科歯科大学教養部

2 細胞の誕生 生命の進化の過程で原核生物が誕生し、やがて真核生物が進化してきた。
こうして誕生した有性生殖を行う生物では、受精によって新しい生命が誕生する。 真核生物の個体を構成する細胞は増殖の観点から3つに分けられる。

3 増殖から見た細胞の分類 ●分化した細胞で、増殖能を失った細胞。 神経細胞、心筋、目や耳の感覚細胞。
 ●分化した細胞で、増殖能を失った細胞。      神経細胞、心筋、目や耳の感覚細胞。  ●分化した細胞で、条件により細胞再生できる      これらの細胞はある条件下では活発に増殖す       るようになる      たとえば肝臓を部分切除すると数日でまたもと       の大きさにまで細胞が増殖する      腎臓は片方とると残った方が大きくなる(代償       性肥大)   ●幹細胞(stem cell)による細胞再生系      皮膚、消化管、造血組織、精巣など

4 幹細胞について 幹細胞(stem cell)には分化能力に違いに応じて、種類がある。 いわゆるES細胞で、多能性(pluripotent)
 ●胚性幹細胞(embryonic stem cell)    いわゆるES細胞で、多能性(pluripotent)    内部細胞塊より得られる  ●体性幹細胞(somatic stem cell)    発生が終わった生体にあるES細胞で、    分化の方向性がある程度決まっている     Multipotent(造血幹細胞がこれ)     Unipotent (皮膚や精子の幹細胞) 

5 幹細胞について ES細胞は、受精卵から採取するしか方法はない。
そこで普通の細胞をpluripotentにする方法が探索され、皮膚の繊維芽細胞(fibroblast)を操作して、pluripotentにすることができた。これが、induced pluripotent stem(iPS)細胞である。

6 iPS細胞について 繊維芽細胞にレトロウイルスを使って、以下の4つの遺伝子を導入し、pluripotentにすることに成功した。
Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc Oct4:homeodomain transcription factor of the POUfamily Sox2 is a transcription factor KLF4 is a one of the Krüppel-like family of transcription factors (Klfs), so named for their homology to the Drosophila Krüppel protein cMyc is a protooncogene that encodes a transcription factor

7 DNAとタンパク質の相互作用 ホメオドメインタンパク質 ロイシン ジッパー ジンク フィンガー

8 分化した細胞と幹細胞の違い 繊維芽細胞を継代培養すると、およそ50回細胞分裂後に分裂能力を失う(ヘイフリック限界)。
細胞分裂の回数を数えるカウンターが備わっているらしい。 テロメアというDNA両端の構造が関係すると考えられるようになる。

9 テロメアとは? セントロメアに対して、染色体の末端の部分につけられた名前。染色体両端を保護する構造だと考えられた。
染色体を構成するDNAの構造がわかると、DNAの末端部分をもテロメアと呼ばれるようになる。

10 DNA複製の復習

11 DNA複製フォーク DNAポリメラーゼを中心としたこれらの酵素群を「複製装置」という

12 矢印の向きに末端までいくと ラギング鎖では、完全に末端までは複製できない。そのため、末端にTTAGGGの繰り返しがあって、ここには遺伝情報がなく、細胞分裂のたびに短くなっていく。この部分をテロメアというようになる。実際はループになっている。

13 テロメアは細胞分裂カウンター テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、ある程度以上短くなると、分裂能力を失う。
細胞分裂を繰り返す幹細胞ではどうなっているのか?

14 幹細胞にはテロメア復活機構 幹細胞にはテロメアの長さを元に戻す、テロメラーゼという酵素が存在する。
テロメラーゼがテロメアの長さを維持して、細胞分裂が続くようにしていると考えられている。

15 幹細胞による細胞再生系 分裂して 分化する 未分化のまま

16 幹細胞による細胞再生系 小腸上皮細胞

17 幹細胞による細胞再生系 皮膚の上皮細胞

18 幹細胞による細胞再生系 各種血液細胞

19 細胞の死 細胞の死には2種類ある ネクローシス(necrosis、壊死) アポトーシス(apoptosis)
損傷を受けたり、酸素供給の不足による死 徐々に膨らみ、ミトコンドリアが崩壊、細胞膜が 破れて中身が流れ出してしまう。  アポトーシス(apoptosis) 自発的な死(プログラムされた細胞死とも言う)  細胞は縮み、核が凝縮、核が断片化、最後は細胞も断片化して大小の小胞に。アポトーシス小体はマクロファージに取り込まれて除去される。

20 アポトーシス 核が断裂している

21 アポトーシス

22 発生に見られるアポトーシス まず大まかなあしのかたちが作られ、ニワトリでは指の間の細胞がアポトーシスの過程で死ぬが、アヒルではアポトーシスがあまり起こらない。  発生の過程ではこの方式でかたちづくりが起こることが多い。 

23 発生に見られるアポトーシス 神経細胞が標的細胞と軸索で連絡網を形成するとき、多めに作って余分なものを間引く。
死を伝える情報タンパク質が受容体を介して細胞に働きかけ、あるいは生存を保障する成長因子が不足していて、その結果、細胞内で多くのタンパク分解酵素群が動き出し、死を誘導しているらしい。

24 アポトーシス 上の例のように、内因性に起こるアポトーシスと、外からの信号で起こるアポトーシスがある。

25 アポトーシスの共通経路 カスパーゼと総称される酵素によるカスケード反応。 信号→中継型カスパーゼ→実効型カスパーゼ
実効型カスパーゼがCAD(caspase activated DNAse)やタンパク質分解酵素を活性化する

26 アポトーシスの概念図

27 アポトーシスの引き金 内因性の引き金: 1)DNA修復不可→p53 2)小胞体での異常タンパク質の 合成 外因性の引き金:
 2)小胞体での異常タンパク質の    合成 外因性の引き金:  1)キラーT細胞のFasリガンドや    サイトカインの一種(TNF)  2)接着分子からの情報欠如

28 老化 老化を一言で言うのは難しいが、しわだとか、しみだとか特徴的なことが起こることも事実である。
個体差が大きいので、老化に関する学説もさまざまである。テロメアとの関係はどうなっているのか。

29 Hatchinson-Gilford症候群

30 Werner症候群

31 Hatchinson-Gilford症候群
多くの症例でGGC→GGTの点突然変異だった。これはサイレント突然変異(グリシン→グリシン)である。

32 Hatchinson-Gilford症候群
なぜサイレント突然変異なのに、症状が出るのか? スプライシングの時に、目印と間違われて、エクソンの一部も余分にスプライシングされ、短いタンパク質ができてしまう。これが原因だった。教科書224ページ参照。

33 Werner症候群 原因遺伝子はヘリカーゼ(DNAを ときほぐす)をコードしている。このヘリカーゼはN末端側にエクソヌクレアーゼ活性がある。
誤りを含んだDNAを解いて、誤りを切り出し、修復をしてDNAの安定化するのに寄与している。

34 Werner症候群 この遺伝子の突然変異のために、十分な修復ができず、DNAに誤りが蓄積していく。

35 病気 生物学的に見れば、次の5つに分類できるだろう。 1)遺伝あるいは突然変異によるタンパク 質の異常
  質の異常 2)栄養の不足によるタンパク質機能異常 3)病原菌による(内毒素と外毒素) 4)ガン 5)人間活動に起因するもの(公害など)

36 ガン ガンは遺伝子の異状によるタンパク質の活性異状による病気だが、特に機能不全ではなく機能高進(浸潤、転移など)を特徴とする。
ガン化は、ガン遺伝子とガン抑制遺伝子の両方に異状が起こったときに発症する。

37 ガン ガン遺伝子:細胞のシグナル伝達に関与する因子、受容体の遺伝子
ガン抑制遺伝子:p53(細胞周期を監視して細胞周期を止めたり、アポトーシスを起こすタンパク質を誘導する)が有名

38 コレラ菌による病気 症状:コレラ菌の出す毒素コレラトキシンにより、嘔吐と下痢を起こし、脱水症状がひどくなるとしに至る。

39 コレラ菌による病気 コレラトキシンは、細胞の表面の糖鎖と結合する。

40 コレラトキシンによる脱水

41 コレラトキシンによる脱水 サブユニットAが分解され、A1が細胞膜にあるGsタンパク質のαサブユニットをリボシル化するので、Gsタンパク質の活性化スイッチがオンの状態になってしまう。 ATP→cAMPが働き続き、細胞内にcAMPが上昇。Clポンプが動き続ける。

42 コレラトキシンによる脱水 その結果、水も腸管側に出てしまい下痢となり、これを補うために血中の水が動員されて脱水症状となる。

43 細胞の死と個体の死


Download ppt "個体と多様性の 生物学 第8回 生きること、死ぬこと 和田 勝 東京医科歯科大学教養部."

Similar presentations


Ads by Google