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日本における地震発生と災害予測に向けた取り組み
日台防災協力セミナー -災害に強い社会づくりをめざして- 日本における地震発生と災害予測に向けた取り組み 東京大学地震研究所教授 地震予知研究センター長 日時: 2017年10月19日(木) 場所: 高雄大学2階大講堂(台湾高雄市楠梓区高雄大学路700号) 主催:日本台湾交流協会高雄事務所、高雄市、台南市(予定)、高雄大学 平成27年6月23日(火) 13:30~18:00 於:東京大学 伊藤謝恩ホール(12:30開場) 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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内容 日本の地震観測調査研究の歩み 「兵庫県南部地震と阪神・淡路大震災」と地震本部の創設 地震活動の現状評価
地震発生の可能性の評価(長期評価) 揺れの評価(地震動予測地図) 緊急地震速報 東海地震予知から南海トラフの評価 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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日本の地震観測調査研究の歩み 地震学界 1962年 「地震予知―現状とその推進計画」
ブループリント 地震学界 1962年 「地震予知―現状とその推進計画」 「わが国は古来しばしば大地震に見舞われて,そのたびに多くの人命財産を失ってきた。大地震は今後も同じように起こるであろう。しかし,その災害は我々の手で防がなければならない。地震の予知の達成は国民の強い要望であり,わが国の地震学の絶えまない努力の目標である。」 1965年度~1998年度:第1次~第7次地震予知計画(第1次のみ「地震予知研究計画」)、1978年東海地震の予知 成果と問題点 気象庁・大学の観測網の整備 地震発生の理解、地震に先行する現象の多様性の理解 研究主体で社会に目を向けていなかった。 成果が国民や防災を担当する機関に十分に伝達され活用される体制になっていなかった わが国は古来しばしば大地震に見舞われて,そのたびに多くの人命財産を失ってきた。 大地震は今後も同じように起こるであろう。しかし,その災害は我々の手で防がなければ ならない。地震の予知の達成は国民の強い要望であり,わが国の地震学の絶えまない努力 の目標である。そして,現在までの地震学の研究は地震予知の実用化の可能性を示してい る。ただ,これを達成するためには,今後一層の学者及び関係者のたゆまぬ努力ととも に,国家の本問題に対する深い理解と力強い経詩的援助とを必要とする。 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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2.「兵庫県南部地震と阪神・淡路大震災」と地震本部の創設
○地震調査研究推進本部(地震本部)の創設 地震活動に関する現状評価(臨時会、定例会) 長期評価、強震動予測の検討開始 「地震調査に関する総合・基本施策」(平成11年) 活断層調査、地震の発生可能性の長期評価、強震動予測等を統合した地震動予測地図の作成 リアルタイムによる地震情報の伝達の推進 大規模地震対策特別措置法に基づく地震防災対策強化地域及びその周辺における観測等の充実 測地学審議会(科学技術学術審議会)の地震予知のための観測研究 基盤観測網の整備 高感度地震観測(Hi-net), GEONET 等 活断層調査 地震調査観測結果の広報 地震による被害軽減を目的とする地震防災対策は、地震現象に関する正確な認識、知見の増大によって、より強化される 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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基盤的観測 高感度地震計 Hi-net (全国に約782台*1) GNSS: GEONET(全国に1342台*1) 防災科学技術研究所
国土地理院 図7.1 世界に類を見ない基盤的観測網の整備 ※1 地震調査推進本部調べ(2014年3月末時点) 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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The Hagiwara Symposium (JSS1) in IUGG
3.地震活動の現状評価 年間地震数(気象庁) (Harada, 2004) 150,000 5 2000年 Hi-net完成 120,000 4 1995年 阪神淡路大震災 90,000 3 マグニチュードの最頻値 60,000 2 1 30,000 1930 年 和達清夫「深発地震について」を発表 1973年 二重深発面の発見(津村,1973,海野・長谷川1975) , , , , ,660 1965年 地震予知計画の開始 1965 1987 1995 2000 2017/10/19 日台防災協力セミナー July 1, 2003
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日本列島の変形 2011年東北沖地震の前 1年間の動き 2011年東北沖地震の時 3分間の動き 国土地理院
1998年10月から1999年11月 東北地方は1年間に1~2cm縮んでいた 牡鹿半島は地震の時に5m東に移動した 東北地方は3から4メートル伸びた (2百万倍誇張) (0.5から2万倍誇張) 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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4.地震発生の可能性の評価 (長期評価) 地震調査研究推進本部 内陸 海域 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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4.地震発生の可能性の評価 (長期評価) 内陸 海域 地震調査研究推進本部 M8~9クラス70%程度 M7程度、70%程度
2017/10/19 日台防災協力セミナー
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平成26年4月 地震調査研究推進本部 相模トラフ沿いの地震活動 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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南海トラフで次に発生する地震の発生確率
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5.揺れの評価(地震動予測地図) 30年以内に震度6弱以上の揺れにみまわれる確率 全国地震動予測地図2017年版 交通事故で負傷 24%
火災で罹災 1.9% 平成15年3月は地域限定-北日本版ですが、 平成14年5月に山梨県辺りを対象に試作版が発表されています。 平成26年12月19日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 2017/10/19 日台防災協力セミナー 30年以内に震度6弱以上の揺れにみまわれる確率
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6.揺れの即時予測 気象庁 緊急地震速報 猶予時間は数秒から数10秒 地震の発生を早期に検知して、大きな揺れを予測する技術
6.揺れの即時予測 緊急地震速報 地震の発生を早期に検知して、大きな揺れを予測する技術 平成16年(2004年)から試験提供開始 平成19年(2007年)一般提供開始 緊急地震速報の「予報」「警報」「特別警報」とはなんですか? 緊急地震速報には、大きく分けて「警報」と「予報」の2種類があります。また、「警報」の中でも予想震度が大きいものを「特別警報」に位置付けています。 「緊急地震速報(予報)」は、最大震度が3以上と予想されるなど一定の基準を超える地震が発生した場合に、各地域や地点で予想される震度や、大きな揺れ(主要動)の到達予想時刻などを発表するものです。一般に「緊急地震速報(予報)」は、1つの地震に対して数回(5~10回程度)発表されます。 「緊急地震速報(警報)」は、特に強い地震が発生した場合(最大震度が5弱以上と予想される場合)に、強い揺れが予想される地域を発表するものです。各地域で予想される震度や、大きな揺れ(主要動)の到達予想時刻は発表せず、対象地域に対して端的に警戒を呼びかけます。一般にテレビや携帯電話などで見聞きする緊急地震速報はこの「警報」にあたります。 「緊急地震速報(警報)」のうち、震度6弱以上の大きさの地震動が予想される場合を「特別警報」に位置付けています。 緊急地震速報を見聞きしたら、いつまで身を守ればいいの? 震源から遠い場所では、緊急地震速報を見聞きしてから強い揺れが届くまでに時間がかかりますので、揺れがこなくても見聞きしてから1分程度は、身を守るなど警戒しましょう。 また、地震による強い揺れは、東北地方太平洋沖地震のように数分続く事例もありますが、一般的には長くても1分程度ですので、その間は身を守る行動をとり続け、揺れが収まってから落ち着いて行動しましょう。 気象庁 猶予時間は数秒から数10秒 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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津波警報・注意報ととるべき行動 気象庁 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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日本海溝海底地震津波観測網 Seafloor observation network for earthquakes and tsunamis along the Japan Trench (S-net) 地震計と津波計が一体となった150カ所の観測装置 光海底ケーブルで接続し、東日本の太平洋沖海底に設置し、リアルタイムに24時間連続で観測データを取得 ケーブル総全長は約5,700km 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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DONET(Dense Oceanfloor Network system for Earthquakes and Tsunamis)
地震・津波観測監視システム:50観測点 DONET(Dense Oceanfloor Network system for Earthquakes and Tsunamis) DONET1:2011年8月運用開始 基幹ケーブル長: 約250km 分岐装置: 5式 ノード: 5式 観測装置: 20式+2式 DONET2:2015年度 運用開始 基幹ケーブル長: 約350km 分岐装置: 7式 ノード: 7式 観測装置: 29式 2016年4月1日 管理主体が海洋研究開発機構から防災科学技術研究所に移管 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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S-netによる地震検知・警報の高精度化
海底観測網を設置することによって、海溝型地震の発生を現状よりどれだけ早く検知できるか?(猶予時間) ⇒約30秒ほど、緊急地震速報が早くなる。 海溝型地震の震源近くで観測できることから、地震の規模(Mや深さ、位置)が正確にわかる。 ⇒気象庁の津波警報にも寄与 (気象庁の津波警報は、震源情報を基に事前に計算したデータベースから予測し、警報を出す) 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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S-netによる津波検知・警報の高精度化
海底観測網を設置することによって、 ⇒ 津波を現状より最大20分程早く検知して実測値の情報を発信 伝播する津波の実況 ⇒ 既存の津波の観測点(ブイなど)と比較し、実際の津波の検知が早くなる 遡上予測 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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内容 日本の地震観測調査研究の歩み 「兵庫県南部地震と阪神・淡路大震災」と地震本部の創設 地震活動の現状評価
地震発生の可能性の評価(長期評価) 揺れの評価(地震動予測地図) 緊急地震速報 東海地震予知から南海トラフの評価 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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東海地震の予知 事前に「認識」できるのか? Yes, but….. Yes, but….. 「前兆すべり」が存在する
予知の前提 「前兆すべり」が存在する 実験室では確かめられている 簡単なモデルでは、理論的にも確認できる 実際の野外では確かめられていない。 現実のプレート境界は複雑で、簡単なモデルが適用できない? 「前兆滑り」が観測される M6程度の「ゆっくり滑り」が観測されている。 2011年東北地方太平洋沖地震では、ゆっくり滑りが観測されたが、複雑な動きをした Yes, but….. Yes, but….. 事前に「認識」できるのか?
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これまでの東海地震の地震予知の仕組み
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中央防災会議 防災対策推進検討会議「 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」平成25年5月
巨大地震が発生すれば被害が甚大 中央防災会議 防災対策推進検討会議「 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」平成25年5月 被害が最大となるケースの被害 マグニチュード 浸水面積 浸水域内人口 死者・行方不明者 建物被害(全壊棟数) 9.0 (9.1) ※3 1,015km2 ※4 約163万人※4 約323,000人※5 約2,386,000棟※6 ※3:( )内は津波のMw、※4:堤防・水門が地震動に対して正常に機能する場合の想定浸水区域、 ※5:地震動(陸側)、津波ケース(ケース①)、時間帯(冬・深夜)、風速(8m/s)の場合の被害、※6:地震動(陸側)、津波ケース(ケース⑤)、時間帯(冬・夕方)、風速(8m/s)の場合の被害
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日本の地震防災施策 阪神・淡路大震災、東日本大震災等を踏まえて、 地震防災対応を、事前対策から事後対応、復興・復旧まで総合的に強化 地震対策
地震対策 = 事前防災 + (地震予知に基づく地震防災応急対策) + 緊急地震速報に基づく緊急対応 + 事後対応 + 復旧・復興
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事前対策だけでは、被害をなくすことができない
人的被害※1 ※1:地震動(陸側)、津波ケース(ケース①)、時間帯(冬・深夜)、風速(8m/s)の場合 (現状) 防災対策 (対策後) 事前防災 建物被害 約82,000人 津波被害 約230,000人 急傾斜地崩壊 約600人 火 災 約10,000人 合 計 約323,000人 ・耐震化率100% ・家具転倒・落下防止対策実施100% 建物被害 約15,000人 津波被害 約46,000人 急傾斜地崩壊 0人 火 災 約300人 合 計 約61,000人 ・全員が発災後すぐ避難開始 ・既存の津波避難ビル有効活用 等 ・急傾斜地崩壊危険箇所の 対策整備率 100% ・感震ブレーカー設置率100% ・初期消火成功率の向上 等 どうやって減らす?
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気象庁では、東海地震を予知するため、関係機関の協力も得て、東海地域の地震活動、地殻活動等を24時間体制で監視。
東海地震の想定震源域と観測体制 気象庁では、東海地震を予知するため、関係機関の協力も得て、東海地域の地震活動、地殻活動等を24時間体制で監視。 東海地域とその周辺の観測体制 1cm3 観測精度:1000m3のプールに1cm3の ビー玉を入れた時の体積変化を観測可能 1000m3 25m 1.6m 25m
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主な基本計画の改正 東海地震に関する情報と予知体制 1999年改正 「判定会招集連絡報」を受けた防災関係機関担当職員の緊急参集
東海地震に関する情報と予知体制 <2009年8月11日> 本日(11日)5時7分頃に駿河湾の深さ20kmでM6.5(暫定値)の地震がありました。 今回の地震が、想定震源域で発生した地震であることから、気象庁では、地震・地殻の観測データの推移を注意深く監視し、想定される東海地震との関連性を調査しています。 主な基本計画の改正 1999年改正 「判定会招集連絡報」を受けた防災関係機関担当職員の緊急参集 2003年改正 「注意情報」の導入に伴う準備行動の開始 <2017年5月29日> 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。 東海地震に関連する調査情報(臨時) ○1ヵ所のひずみ計で有意な変化が観測された場合 ○東海地域周辺でマグニチュード6以上(あるいは震度5弱以上)の地震を観測した場合 東海地震注意情報 ○2ヵ所のひずみ計で有意な変化が観測され、前兆すべりによる可能性が高まったと「判定会」が判断した場合 ○3ヵ所以上のひずみ計で有意な変化が観測された場合 東海地震予知情報 下記の基準かつ警戒宣言が発せられた場合 ○3ヵ所以上のひずみ計で有意な変化が観測され、前兆すべりによるものと「判定会」が判断した場合 ○5ヵ所以上のひずみ計で有意な変化が観測され、気象庁で前兆すべりと判断した場合
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主な基本計画の改正 1ヶ所以上のひずみ計 2ヶ所以上のひずみ計 3ヶ所以上のひずみ計 東海地震に関する情報と予知体制 1999年改正
東海地震に関する情報と予知体制 <2009年8月11日> 本日(11日)5時7分頃に駿河湾の深さ20kmでM6.5(暫定値)の地震がありました。 今回の地震が、想定震源域で発生した地震であることから、気象庁では、地震・地殻の観測データの推移を注意深く監視し、想定される東海地震との関連性を調査しています。 主な基本計画の改正 1999年改正 「判定会招集連絡報」を受けた防災関係機関担当職員の緊急参集 2003年改正 「注意情報」の導入に伴う準備行動の開始 <2017年5月29日> 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。 1ヶ所以上のひずみ計 2ヶ所以上のひずみ計 3ヶ所以上のひずみ計 東海地震に関連する調査情報(臨時) ○1ヵ所のひずみ計で有意な変化が観測された場合 ○東海地域周辺でマグニチュード6以上(あるいは震度5弱以上)の地震を観測した場合 東海地震注意情報 ○2ヵ所のひずみ計で有意な変化が観測され、前兆すべりによる可能性が高まったと「判定会」が判断した場合 ○3ヵ所以上のひずみ計で有意な変化が観測された場合 東海地震予知情報 下記の基準かつ警戒宣言が発せられた場合 ○3ヵ所以上のひずみ計で有意な変化が観測され、前兆すべりによるものと「判定会」が判断した場合 ○5ヵ所以上のひずみ計で有意な変化が観測され、気象庁で前兆すべりと判断した場合
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強化計画(静岡県) 警戒宣言発令時の対応策(例) 大震法 基本計画(国) 運行停止(最寄りの安全な駅まで低速運転し停車)
対策の義務付け 大震法 基本計画(国) 強化計画(静岡県) ③交通規制 道路交通 【第24条】 避難、緊急輸送のための道路交通規制 強化地域への流入制限 強化地域内の走行制限 【H11修正】住民の日常生活影響等も考慮して、強化地域内の交通規制を実施するように明示 緊急輸送車両以外の車両の県内流入を極力制限 強化地域内の一般車両の走行抑制(走行車両は低速走行) 鉄道 運行停止(最寄りの安全な駅まで低速運転し停車) 【H15修正】津波の恐れがなく、震度6弱未満の地域は運行可 運行停止(最寄りの安全な駅まで低速運転し停車) 【H18修正】新幹線は6弱未満(名古屋以西)運行継続
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「厳しい対応」が可能か? 強化計画(静岡県) 警戒宣言発令時の対応策(例) 大震法 基本計画(国)
対策の義務付け 大震法 基本計画(国) 強化計画(静岡県) ③交通規制 道路交通 【第24条】 避難、緊急輸送のための道路交通規制 強化地域への流入制限 強化地域内の走行制限 【H11修正】住民の日常生活影響等も考慮して、強化地域内の交通規制を実施するように明示 緊急輸送車両以外の車両の県内流入を極力制限 強化地域内の一般車両の走行抑制(走行車両は低速走行) 鉄道 運行停止(最寄りの安全な駅まで低速運転し停車) 【H15修正】津波の恐れがなく、震度6弱未満の地域は運行可 運行停止(最寄りの安全な駅まで低速運転し停車) 【H18修正】新幹線は6弱未満(名古屋以西)運行継続 「厳しい対応」が可能か?
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南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会
地震発生は「予測」できるのか? 「予知」はできるのか? できない (1978年当時の意味の「予知」) 現時点においては、地震の発生時期や場所・規模を確度高く予測する科学的に確立した手法はなく、大規模地震対策特別措置法に基づく警戒宣言後に実施される現行の地震防災応急対策が前提としている確度の高い地震の予測はできないのが実情である。 南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会
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南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応のあり方について(報告)
現在の科学的知見から得られた大規模地震の予測可能性の現状を踏まえると、大震法に基づく現行の地震防災応急対策は改める必要がある。 一方で、現在の科学的知見を防災対応に活かしていくという視点は引き続き重要 中央防災会議 防災対策実行会議 南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく 防災対応検討ワーキンググループ (2017)
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気象庁の対応 「南海トラフ地震に関する情報」の発表 「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の開催
当面の暫定的な防災体制への対応として、南海トラフ全域を対象として、以上な現象を観測した場合や地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価した場合等に、「南海トラフ地震に関する情報」の発表を行う。 「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の開催 従来の地震防災対策強化地域判定会による東海地域を対象とした検討は、「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の中で行う。
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南海トラフ地震に関連する情報 情報名 情報発表条件 南海トラフ地震に関連 する情報(臨時)
○南海トラフ沿いで異常な現象(※1)が観測され、その 現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合 ○観測された現象を調査した結果、南海トラフ沿いの大規 模な地震発生の可能性が平常時と比べて相対的に高ま ったと評価された場合 ○南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が相対的 に高まった状態ではなくなったと評価された場合 南海トラフ地震に関連 する情報(定例) ○「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の定例会 合において評価した調査結果を発表する場合 ※1:南海トラフ沿いでマグニチュード7以上の地震が発生した場合や東海地域に 設置されたひずみ計に有意な変化を観測した場合などを想定
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大規模地震発生後に同規模の地震が発生する可能性は、最初の地震発生から2年経過した期間を基準とした場合の1日あたりの相対的な発生確率が地震直後から3日程度は100倍以上と極めて高い、など言える。
中央防災会議 防災対策実行会議 南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく 防災対応検討ワーキンググループ (2017)
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大規模地震発生後に隣接領域で同規模の地震が発生した事例
大規模地震発生後に隣接領域で同規模の地震が発生した事例 中央防災会議 防災対策実行会議 南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく 防災対応検討ワーキンググループ (2017)
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まとめ 阪神・淡路大震災の後に「地震本部」 日本は世界最大の地震災害リスク 日本世界最先端の「地震調査研究」 揺れ・津波の予測の高度化
今の科学の実力を活かす 社会全体で備える 2017/10/19 日台防災協力セミナー
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中央防災会議 防災対策実行会議 南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく 防災対応検討ワーキンググループ (2017)
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