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高血圧症 疾患別研修 これから高血圧症についての発表を始めたいと思います。
スライドが多くなってしまったので、一部を省略して発表したいと思います。
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高血圧症とは… 高血圧とは、安静時血圧が正常範囲を超えている状態をいう。
はっきりした自覚症状がないため、知らないうちに高血圧が進行し、 気づいたときには脳卒中、心筋梗塞や腎不全などの合併症を起こ してしまうことが少なくない。 まず、高血圧症の定義です。 ①高血圧とは、安静時血圧が正常範囲を超えている状態をいいます。 ②はっきりした自覚症状がないため、知らないうちに高血圧が進行し、気づいたときには脳卒中、心筋梗塞や腎不全などの合併症を起こしてしまうことが少なくありません。
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高血圧症の分類 本態性高血圧 原因不明の高血圧で、高血圧の大部分を占める(90~95%) 発症には遺伝的素因と環境因子が関与 二次性高血圧
続いて、高血圧症の分類です。 ①高血圧症は大きく2つに分けられます。本態性高血圧と二次性高血圧です。 ②本態性高血圧は、原因不明の高血圧で、高血圧の大部分を占めます。 ③発症には遺伝的素因と環境因子が関与しているとされています。 ④二次性高血圧は、種々の基礎疾患があり、その結果二次的に起こる高血圧をいいます ⑤糖尿病性腎症などの腎性高血圧と褐色細胞腫、アルドステロン症などの内分泌性高血圧があります。 種々の基礎疾患があり、その結果二次的に起こる高血圧 腎性高血圧と内分泌性高血圧がある
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成人における血圧値の分類 140/90mmHg以上のどちらか一方、又は両方の場合を高血圧と判定 分類 収縮期血圧 拡張期血圧 正常域血圧
至適血圧 <120 かつ <80 正常血圧 120~129 かつ/または 80~84 正常高値血圧 130~139 85~89 高血圧 Ⅰ型高血圧 140~159 90~99 Ⅱ型高血圧 160~179 100~109 Ⅲ型高血圧 ≧180 ≧110 (孤立性)収縮期高血圧 ≧140 <90 成人における血圧値の分類です。 ①こちらがまとめた表になります。 ②つまり、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上のどちらか一方、または両方を満たす場合を高血圧と判断します。
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診察室血圧と家庭血圧 高血圧の方に限らず一般の人でも、病院や診療所で測ると家庭よりも高 い数値が出ることが多い。
診察室で測定した血圧は「診察室血圧」または「随時血圧」と呼ばれ、家 庭で測る「家庭血圧」に比べると、収縮期血圧で20~30mmHg、拡張期 血圧で10mmHgも高くなる場合もある。 続いて、診察室血圧と家庭血圧についてです。 ①高血圧の方に限らず一般の人でも、病院や診療所で測ると家庭よりも高い数値が出ることが多いとされています。 ②診察室で測定した血圧は「診察室血圧」または「随時血圧」と呼ばれ、家庭で測る「家庭血圧」に比べると、収縮期血圧で20~30mmHg、拡張期血圧で10mmHgも高くなる場合もあるとのことです。
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診察室外血圧の測り方 《体の力を抜いてリラックスする》 ・トイレを我慢しているときや、出かける直前の あわただしい時間などには血圧が上昇して
しまうので避ける。 ・測定前1時間位の間には、食事・入浴・運動 は避ける。 《座って測定する》 ・「心臓の高さにある上腕の血圧を 座って計測した値」が血圧の基準。 続いて、診察室外血圧の測り方をまとめました。 ①測定するときは、体の力を抜いてリラックスします。 ②トイレを我慢しているときや、出かける直前のあわただしい時間などには血圧が上昇してしまうので避けた方がよいです。 ③また、測定前1時間位の間には、食事・入浴・運動は避けた方がよいです。 ④血圧は毎日同じ時間に測ることが大切です。 ⑤血圧は、時間によって変動するため、ほぼ同じ時間に測らないと、日々の変化がつかめないからです。 ⑥血圧は座って測定しましょう。 ⑦「心臓の高さにある上腕の血圧を座って計測した値」が血圧の基準であるからです。 ⑧信頼できる血圧計を選択しましょう。 ⑨血圧計は上腕部にカフを巻くタイプのものがよいです。 ⑩手首や指先で測る血圧計では正確な測定ができないことがあるからです。 《毎日同じ時間に測る》 ・血圧は、時間によって変動するため、 ほぼ同じ時間に測らないと、日々の 変化がつかめない。 《信頼できる血圧計を選択する》 ・上腕部にカフを巻くタイプのものがよい。 ・手首や指先で測る血圧計では正確な測定が できないことがある。
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白衣高血圧と仮面高血圧 白衣高血圧 仮面高血圧 診察室外血圧が正常域血圧でも、診察室の血圧では高血圧を示す状態。
診察室血圧 家庭血圧 ≧140/90mmHg <135/85mmHg 白衣高血圧 診察室外血圧が正常域血圧でも、診察室の血圧では高血圧を示す状態。 診察室外血圧も高い持続性高血圧と比較すると、臓器障害は軽度で心血管予後 は良好のことが多い。 診察室血圧 家庭血圧 <140/90mmHg ≧135/85mmHg 続いて、白衣高血圧と仮面高血圧についてです。 ①まずは、白衣高血圧です。 ②白衣高血圧は、診察室外血圧が正常域血圧でも、診察室の血圧では高血圧を示す状態をいいます。 ③具体的には、診察室血圧が140/90mmHg以上で、家庭血圧が135/85mmHg未満の状態です。 ④診察室外血圧も高い持続性高血圧と比較すると、臓器障害は軽度で心血管予後は良好のことが多いです。 ⑤次に、仮面高血圧です。 ⑥仮面高血圧は、診察室血圧が正常域血圧でも、診察室外の血圧では高血圧を示す状態をいいます。 ⑦具体的には、診察室血圧が140/90mmHg未満で、家庭血圧が135/85mmHg以上の状態です。 ⑧臓器障害と心血管イベントのリスクは、正常域血圧や白衣高血圧と比べ有意に高く、持続性高血圧患者とほぼ同等とされています。 仮面高血圧 診察室血圧が正常域血圧でも、診察室外の血圧では高血圧を示す状態。 臓器障害と心血管イベントのリスクは、正常域血圧や白衣高血圧と比べ有意に 高く、持続性高血圧患者とほぼ同等。
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降圧目標 診察室血圧 家庭血圧 若年、中年、前期高齢者患者 140/90mmHg未満 135/85mmHg未満 後期高齢者患者
糖尿病患者 130/80mmHg未満 125/75mmHg未満 CKD患者(蛋白尿陽性) 脳血管障害患者 冠動脈疾患患者 続いて、降圧目標です。 ①これは、降圧目標をまとめた表になります。患者さんの状態によって目標値は変わってきます。心血管病のリスクが高い糖尿病、蛋白尿陽性のCKD患者では、降圧目標が130/80mmHg未満と厳しく設定されています。臓器障害を伴うことの多い後期高齢者では、150/90mmHg未満を降圧目標として慎重に降圧治療を進め、最終的な降圧目標は140/90mmHg未満とします。
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診察室血圧に基づいた心血管病リスク層別化
初診時の高血圧治療計画を決定 診察室血圧に基づいた心血管病リスク層別化 血圧分類 リスク層 (血圧以外の予後影響因子) Ⅰ型高血圧 140~159/90~99mmHg Ⅱ型高血圧 160~179/100~109mmHg Ⅲ型高血圧 ≧180/≧110mmHg リスク第一層 (予後影響因子がない) 低リスク 中等リスク 高リスク リスク第二層 (糖尿病以外の1~2個の危険因子、 3項目を満たすメタボリックシンドロームの いずれかがある) リスク第三層 (糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、 4項目を満たすメタボリックシンドローム、 3個以上の危険因子のいずれかがある) 続いて、診察室血圧に基づいた心血管病リスクの層別化です。 ①まとめたものがこの表になります。リスク層と血圧分類を元にして脳卒中や心筋梗塞、心不全などの危険度を示し、 ②初診時の高血圧治療計画を決定していきます。 【リスク要因】 糖尿病、脂質異常症、喫煙、高齢(65歳以上)、メタボリックシンドローム、CKD(慢性腎臓病)、家族歴など
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高血圧治療の流れ 低リスク群 中等リスク群 高リスク群 生活習慣の修正を指導 生活習慣の修正 生活習慣の修正 生活習慣の修正
直ちに降圧薬治療 1ヶ月以内の指導で 140/90mmHg以上なら 降圧薬治療 高血圧治療の流れを示しました。 ①まず、どの患者さんにも生活習慣の修正を指導します。前のスライドより、 ②低リスク群に該当する患者さんは ③生活習慣の修正にて血圧を下げることを目標とします。しかしながら、 ④3ヶ月以内の指導で140/90mmHg以上の場合、降圧薬による治療を始めます。 ⑤中等リスク群に該当する患者さんは ⑥低リスク群と同様に、生活習慣の修正にて血圧を下げることを目標とします。しかしながら、 ⑦1ヶ月以内の指導で140/90mmHg以上の場合、降圧薬による治療を始めます。 ⑧高リスク群に該当する患者さんは ⑨生活習慣の修正をしながら ⑩直ちに降圧薬による治療を始めます。 3ヶ月以内の指導で 140/90mmHg以上なら 降圧薬治療
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一般療法(ライフスタイルの改善) 食塩制限・・・6g/日以下 食事療法・・・野菜、果物の積極的摂取 コレステロール、飽和脂肪酸の摂取制限
コレステロール、飽和脂肪酸の摂取制限 体重管理・・・適正体重の維持、BMIで25を超えない 運動療法・・・有酸素運動(心血管病のない高血圧患者が対象) アルコール制限・・・男性:20~30mL/日以下 女性:10~20mL/日以下 (エタノール量として) 禁煙 治療法の1つ目として、一般療法があります。 ①まず、食塩制限です。食塩は1日6g以下を目標とします。 ②食事療法では、野菜、果物の積極的摂取、コレステロール、飽和脂肪酸の摂取制限などがあります。 ③体重管理では、適正体重の維持、BMIで25を超えないように体重をコントロールすることが大切です。 ④運動療法では、有酸素運動が効果的です。 ⑤アルコール制限も大切で、男性ではエタノール量として1日20~30mL以下、女性では10~20mL以下に抑えることが望ましいです。 ⑥禁煙も大切です。
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薬物治療 降圧薬は、最初は単薬で低用量から開始し、3ヶ月で降圧目標の達成を 目指す。達成できない場合は薬の増量や変更を行う。治療開始後6ヶ月 を経過しても降圧目標に到達できない場合には、高血圧専門医に紹介 して治療を行う。 降圧薬は、積極的な適応や禁忌もしくは慎重使用となる病態や合併症 の有無に応じて選択する。 治療法の2つ目として、薬物療法があります。ガイドラインによると、 ①降圧薬は、最初は単薬で低用量から開始し、3ヶ月で降圧目標の達成を目指します。達成できない場合は薬の増量や変更を行います。治療開始後6ヶ月を経過しても降圧目標に到達できない場合には、高血圧専門医に紹介して治療を行います。 ②降圧薬は、積極的な適応や禁忌もしくは慎重使用となる病態や合併症の有無に応じて選択します。
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降圧薬の種類 Ca拮抗薬 ARB ACE阻害薬 直接的レニン阻害薬 利尿薬 β遮断薬 αβ遮断薬 α遮断薬 中枢性交感神経抑制薬 血管拡張薬
配合剤 降圧薬の種類です。降圧薬には、 ①Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬など、ここに示すようにたくさんあります。それぞれの降圧薬の特徴をまとめてみました。
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Ca拮抗薬 細胞外Caイオンの流入に関わる膜電位依存性L型Caチャネルを阻害する ことにより、血管平滑筋を弛緩させ、降圧作用を示す
副作用:動悸、頭痛、ほてり感、浮腫、歯肉肥厚、便秘など まずはじめにCa拮抗薬です。 ①薬理作用としては、細胞外Caイオンの流入に関わる膜電位依存性L型Caチャネルを阻害することにより、血管平滑筋を弛緩させ、降圧作用を示します。 ②副作用として動悸、頭痛、ほてり感、浮腫、歯肉肥厚、便秘などがあります。 ③服用後数時間に起こる動悸、頭痛、ほてり感、浮腫は心配のない副作用ですが、症状が強く、アドヒアランス低下につながると思われる場合は、多剤への変更を考慮します。 ④禁忌としては、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人ですが、ニフェジピンは 妊娠20週未満が禁忌となっています。 症状が強く、アドヒアランス低下につながると思われる場合は多剤への変更を考慮 禁忌:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 (ニフェジピンは妊娠20週未満が禁忌)
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Ca拮抗薬 ジヒドロピリジン系 ベンゾチアゼピン系 フェニルアルキルアミン系 アムロジピン (アムロジン、ノルバスク) ジルチアゼム
(ヘルベッサー) ベラパミル (ワソラン) ・降圧作用が強い ・短時間作用型は反射性頻脈に 注意 ・N型チャネルやT型チャネルを 同時に抑制する薬剤は反射性 頻脈の副作用が少ない ・抗蛋白尿作用を示し、腎保護 作用も期待できる ・ジヒドロピリジン系より降圧作用は 緩徐で弱く、心抑制作用を伴う ・冠攣縮性狭心症や頻脈性不整脈 を有する高血圧によい適応がある ・血管系への作用は弱く、心臓を主に 抑制するため頻脈性不整脈の治療に 使用される Ca拮抗薬は、構造の面で分けると3種類に分けられます。 ①アムロジピンなどのジヒドロピリジン系、ジルチアゼムのようなベンゾチアゼピン系、ベラパミルのようなフェニルアルキルアミン系の3種類です。 ②ジヒドロピリジン系は、降圧作用が強いという特徴があります。 ③ニフェジピンなどの短時間作用型は反射性頻脈に注意が必要です。 ④N型チャネルやT型チャネルを同時に抑制する薬剤(例えばシルニジピンなど)は反射性頻脈の副作用が少ないとされています。 ⑤抗蛋白尿作用を示し、腎保護作用も期待できます。 ⑥ジヒドロピリジン系のCa拮抗薬には、ここに示すような薬剤があります。 ⑦ベンゾチアゼピン系のジルチアゼムは、ジヒドロピリジン系より降圧作用は緩徐で弱く、心抑制作用を伴うという特徴があります。 ⑧冠攣縮性狭心症や頻脈性不整脈を有する高血圧によい適応があります。 ⑨フェニルアルキルアミン系のベラパミルは、血管系への作用は弱いので、高血圧の治療ではなく、心臓を主に抑制するため頻脈性不整脈の治療に使用されます。 アゼルニジピン(カルブロック) アムロジピン(アムロジン、ノルバスク) アラニジピン(サプレスタ) エホニジピン(ランデル) シルニジピン(アテレック) ニカルジピン(ペルジピン) ニソルジピン(バイミカード) ニトレンジピン(バイロテンシン) ニフェジピン(アダラート、セパミット) ニルバジピン(ニバジール) バルニジピン(ヒポカ) フェロジピン(ムノバール、スプレンジール) ベニジピン(コニール) マニジピン(カルスロット)
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グレープフルーツジュースとの相互作用 グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類(ベルガモチン、ナリンゲニン等)が小腸消化管壁に存在する薬物代謝酵素CYP3A4を阻害する。 Ca拮抗薬の代謝が阻害される Ca拮抗薬の半減期や消失速度は変わらないが、最高血中濃度とAUCが上昇する。 GFJ摂取の効果は3~4日持続することが知られている。 AUC Cmax アムロジピン(アムロジン、ノルバスク) 1.08~1.16倍 1.07~1.15倍 ニソルジピン(バイミカード) 1.98~4.55倍 3.06~4.92倍 ニフェジピン(アダラート、セパミット) 1.08~2.03倍 1.04倍~1.94倍 ベニジピン(コニール) 1.59倍 1.73倍 マニジピン(カルスロット) 2.31~2.44倍 2.35~3.07倍 アゼルニジピン(カルブロック) 3.32倍 2.54倍 ジルチアゼム(ヘルベッサー) 1.03~1.10倍 1.02~1.07倍 ベラパミル(ワソラン) 1.28~1.42倍 0.85~1.61倍 同時服用しない GFJを常飲している場合 飲用中止4日目から投与 同時服用しない 併用注意であるものの 対処法の記載なし Ca拮抗薬の服用においては、グレープフルーツジュースとの相互作用が関わってきます。 ①グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類(ベルガモチン、ナリンゲニン等)が小腸消化管壁に存在する薬物代謝酵素CYP3A4を阻害するため、Ca拮抗薬との併用により、 ②Ca拮抗薬の代謝が阻害されます。 ③その結果、Ca拮抗薬の半減期や消失速度は変わらないのですが、最高血中濃度とAUCが上昇します。 ④グレープフルーツジュース摂取の効果は3~4日持続することが知られています。 ⑤ここに主なCa拮抗薬とグレープフルーツジュースの併用により、Ca拮抗薬のAUCと最高血中濃度が何倍になるかを示しました。青字は影響を受けにくいもの、赤字は影響を受けやすいものを示しています。 ⑥影響を受けやすいニソルジピンの添付文書には、グレープフルーツジュースを常飲している場合は飲用中止4日目から投与、アゼルニジピンは服用中はグレープフルーツジュースを飲用しないと記載されていました。 ⑦中程度の影響を受けるベニジピンとマニジピンは、併用注意とされているものの、対処法の記載はありませんでした。 ⑧同じく中程度の影響を受けるニフェジピンとベラパミルは同時服用しないと記載されていました。 ⑨影響を受けにくいアムロジピンについても、同時服用しないと記載されていました。 ⑩影響を受けにくいジルチアゼムに関しては、グレープフルーツジュースは併用注意とされていませんでした。 服用中は飲用しない 併用注意に記載なし 同時服用しない
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ARB(アンギオテンシンⅡ受容体阻害薬)
アンギオテンシンII(AII)タイプ1(AT1)受容体に特異的に結合することで、 AIIによる強力な血管収縮、体液貯留、交感神経活性を抑制し、降圧作用 を示す 副作用:血管浮腫、低血糖、横紋筋融解症、高K血症など 禁忌:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者 ループ系薬 サイアザイド系薬 など 併用により高K血症を弱める 続いてARBです。 ①薬理作用としては、アンギオテンシンII(AII)タイプ1(AT1)受容体に特異的に結合することで、AIIによる強力な血管収縮、体液貯留、交感神経活性を抑制し、降圧作用を示します。 ②副作用としては、血管浮腫、低血糖、横紋筋融解症、高K血症などがあります。 ③高K血症に関しては、ACE阻害薬、抗アルドステロン薬などとの併用による高K血症の増強に注意が必要です。 ④逆に、ループ系薬、サイアザイド系薬などの低K血症を起こす薬剤との併用では、高K血症を弱めることができます。 ⑤禁忌としては、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者となっています。アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者に禁忌となっているのは、 ⑥腎機能障害、高K血症及び低血圧を起こすおそれがあるためとされています。 ACE阻害薬 抗アルドステロン薬 など 併用による高K血症の 増強に注意 腎機能障害、高K血症及び低血圧を起こすおそれがあるため
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ARB 心保護作用があり、心肥大を抑制し心不全の予後を改善する
腎においては輸出細動脈を拡張することにより糸球体内圧を低下させ、 蛋白尿の減少効果などもある インスリン感受性改善作用を有し、糖尿病の新規発症を防ぐ NSAIDsの併用はARBの降圧効果を減弱させる 降圧作用が強く、長時間作用を示す 降圧のピークに達するまで1~2週間が必要 腎プロスタグランジン合成阻害作用 1日1回 慢性心不全に適応 アジルサルタン(アジルバ) イルベサルタン(イルベタン、アバプロ) オルメサルタン(オルメテック) カンデサルタン(ブロプレス) テルミサルタン(ミカルディス) バルサルタン(ディオバン) ロサルタン(ニューロタン) ARBには、 ①心保護作用があり、心肥大を抑制し心不全の予後を改善する効果も持っています。 ②腎においては輸出細動脈を拡張することにより糸球体内圧を低下させ、蛋白尿の減少効果などもあります。 ③また、インスリン感受性改善作用を有し、糖尿病の新規発症を防ぐともいわれています。 ④NSAIDsとの併用はARBの降圧効果を減弱させます。これは、 ⑤NSAIDsの腎プロスタグランジン合成阻害作用が関係しているようです。 ⑥ARBは降圧作用が強く、長時間作用を示します。 ⑦つまり、1日1回の服用で十分な効果を示します。 ⑧降圧のピークに達するまで1~2週間が必要となります。 ⑨ARBにはここに示す薬剤があります。この中で、 ⑩テルミサルタンに関しては、40mgを超えると非線形を示すので、40mgから80mgに増量するときは注意が必要です。 ⑪また、テルミサルタンは肝代謝(胆汁排泄型)なので、肝障害患者ではさらに急激に増加するので注意が必要です。 ⑫その他、カンデサルタンは慢性心不全にも適応を有しています。 ⑬ロサルタンは、糖尿病性腎症にも適応を有しています。 テルミサルタン(ミカルディス) ・40mgを超えると非線形 ・肝代謝(胆汁排泄型)なので、 肝障害患者ではさらに急激に増加 糖尿病性腎症に適応
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利尿薬(ループ系) ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-Cl-共役輸送系を阻害することにより、 尿の濃縮、希釈機構を抑制し、利尿作用を示す
フロセミド ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-Cl-共役輸送系を阻害することにより、 尿の濃縮、希釈機構を抑制し、利尿作用を示す 副作用:低K血症、低Na血症、耐糖能低下(高血糖症)、高尿酸血症、 聴覚障害(耳鳴、難聴)、光線過敏症 禁忌:無尿の患者、肝性昏睡の患者、 体液中のNa・Kが明らかに減少している患者 定期的に検査 続いて、ループ系利尿薬です。 ①薬理作用としては、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-Cl-共役輸送系を阻害することにより、尿の濃縮、希釈機構を抑制し、利尿作用を示します。 ②副作用としては、低K血症、低Na血症、耐糖能低下(高血糖症)、高尿酸血症などがあります。 ③低K血症は、定期的に検査することが大切です。 ④ここにフロセミドの構造を示しますが、光線過敏症の起こる機序には、 ⑤構造式中にカルボニル基と共役構造を持っていることが関与しています。 ※日光によってカルボニル基上にある電子が飛ばされ、不安定状態の反応性が高い状態になったとき、通常はすぐに元の安定な状態に戻るので問題はないが、カルボニル基に共役構造が組み合わさることによって不安定な状態が持続し反応性が高いままになる。反応性が高いままだと、薬が体のタンパク質と結合しやすくなり、光線過敏症が起こる。 ⑥禁忌としては、無尿の患者、肝性昏睡の患者、体液中のNa・Kが明らかに減少している患者となっています。 ⑦無尿の患者さんでは、十分な効果が得られないため、禁忌となっています。 ⑧肝性昏睡の患者さんでは、低K血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがあるため、禁忌となっています。 低K血症によるアルカローシスの増悪により 肝性昏睡が悪化するおそれがあるため 十分な効果が得られないため
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利尿薬(ループ系) サイアザイド系よりも利尿作用は強いが、降圧作用は弱い 原則として午前中に内服 効果持続時間が短い(4~5時間)
併用によりジギタリス製剤の作用増強 アミノグリコシド系抗生物質やシスプラチンなどとの併用で 腎障害、聴覚障害が増強されることがある 他の降圧薬との併用で使われることが多い 腎機能の低下、むくみが強い場合に使用 頻尿は服用後3~4時間以内に集中する 生活環境を聞き、生活に応じたアドバイスを行う 低K血症が、ジギタリス製剤に対する心筋の感受性を増大させるため 腎血流量の低下が起こりにくいので 腎機能が低下していても使いやすい ループ利尿薬は、 ①サイアザイド系よりも利尿作用は強いが、降圧作用は弱いです。 ②利尿作用による夜間の不眠を避けるため、原則として午前中に内服します。 ③頻尿は服用後3~4時間以内に集中します。 ④患者さんに生活環境を聞き、生活に応じたアドバイスを行うことができるとよいと思います。 ⑤効果持続時間が4~5時間と短いことも特徴です。 ⑥ループ利尿薬との併用によりジギタリス製剤の作用増強するので、注意が必要です。 ⑦これは、低K血症が、ジギタリス製剤に対する心筋の感受性を増大させるために起こります。 ⑧また、アミノグリコシド系抗生物質やシスプラチンなどとの併用で腎障害、聴覚障害が増強されることがあります。 ⑨単剤というより、他の降圧薬との併用で使われることが多いです。 ⑩腎機能の低下、むくみが強い場合に使用されます。 ⑪これは、ループ利尿薬により腎血流量の低下が起こりにくいので、腎機能が低下していても使いやすい面があるからです。 ⑫ループ利尿薬には、ここに示すような薬剤があります。 アゾセミド(ダイアート) ルプラック(トラセミド) ピレタニド(アレリックス) ブメタニド(ルネトロン) フロセミド(ラシックス、オイテンシン)
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Kの変動によって起きる症状 低K血症 高K血症 Kの正常の範囲:3.5〜5.0mEql
脱力感や筋力低下などの骨格筋の症状、悪心、嘔吐、便秘などの消化管の症状、多尿、多飲などの腎臓の症状、四肢麻痺、呼吸筋麻痺、不整脈、腸閉塞など 高K血症 Kの変動によって起きる症状についてまとめました。 ①Kの正常の範囲は、3.5~5.0mEqlです。 ②低K血症では、脱力感や筋力低下などの骨格筋の症状、悪心、嘔吐、便秘などの消化管の症状、多尿、多飲などの腎臓の症状、四肢麻痺、呼吸筋麻痺、不整脈、腸閉塞などの症状が出ます。 ③高K血症では、知覚過敏、脱力感などの筋肉・神経症状、悪心、嘔吐などの胃腸症状、しびれ感、不整脈などの症状が出ます。Kの濃度が7〜8mEqlを超えると危険な不整脈が現れ、心停止の危険性が生じます。 知覚過敏、脱力感などの筋肉・神経症状、悪心、嘔吐などの胃腸症状、しびれ感、不整脈など 7〜8mEqlを超えると危険な不整脈が現れ、心停止の危険性が生じる
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β遮断薬 心臓のβ1受容体遮断により心拍出量の低下
血管のβ2受容体遮断により α1作用が優位となり 急激に血圧が上昇することがある →α受容体遮断薬と併用して使用 β遮断薬 心臓のβ1受容体遮断により心拍出量の低下 腎臓のβ1受容体遮断により傍糸球体細胞からのレニン分泌を抑制し、 レニン-アンギオテンシン系を抑制 副作用:徐脈、房室ブロック、心不全、気管支喘息、末梢循環障害など 禁忌:糖尿病性ケトアシドーシス・代謝性アシドーシスのある患者、 褐色細胞腫(単剤投与の場合) 続いて、β遮断薬です。 ①薬理作用としては、心臓のβ1受容体遮断により心拍出量の低下をもたらします。 ②また、腎臓のβ1受容体遮断により傍糸球体細胞からのレニン分泌を抑制し、レニン-アンギオテンシン系を抑制します。 ③副作用としては、徐脈、房室ブロック、心不全、気管支喘息、末梢循環障害などがあります。この副作用のうち、 ④徐脈、房室ブロック、心不全は、β1受容体遮断による副作用で、 ⑤気管支喘息、末梢循環障害は、β2受容体遮断による副作用です。この副作用で起こる疾患をもっている患者さんには、禁忌または慎重投与となっています。 ⑥その他の禁忌として、糖尿病性ケトアシドーシス・代謝性アシドーシスのある患者、単剤投与の場合は褐色細胞腫があります。糖尿病性ケトアシドーシス・代謝性アシドーシスのある患者については、 ⑦アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがあるため、禁忌となっています。褐色細胞腫については、 ⑧血管のβ2受容体遮断により、α1作用が優位となり、急激に血圧が上昇することがあるため、α受容体遮断薬と併用して使用することとされています。 β1受容体遮断による副作用 β2受容体遮断による副作用 アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれ
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β遮断薬 内因性刺激因子(ISA)を有するものは、過度の心抑制が起こりにくく、 徐脈傾向の患者にも使いやすい
徐脈性不整脈を自己測定により自覚させる 禁忌症について確認する 45拍/分未満 要注意 40拍/分未満 危険ゾーン β1受容体非選択性 β1受容体選択性 カルテオロール塩酸塩(ミケラン) ピンドロール(カルビスケン、ブロクリン-L) ナドロール(ナディック) ニプラジロール(ハイパジール) プロプラノロール(インデラル) アセブトロール塩酸塩(アセタノール) セリプロロール塩酸塩(セレクトール) アテノロール(テノーミン) ビソプロロールフマル酸塩(メインテート) ビソプロロール(ビソノ) ベタキソロール塩酸塩(ケルロング) メトプロロール酒石酸塩(セロケン、ロプレソール) β遮断薬のうち、 ①内因性刺激因子(ISA)を有するものは、過度の心抑制が起こりにくく、徐脈傾向の患者にも使いやすいです。 ②患者さんには、副作用の徐脈性不整脈を自己測定により自覚させることが大切です。 ③ちなみに、1分あたり45拍未満で要注意、40拍未満で危険ゾーンです。 ④禁忌症は多くあるので、禁忌症について確認してから、投薬することが大切です。 ⑤β1受容体非選択性の薬剤はここに示すものがあります。 ⑥β1受容体選択性の薬剤はここに示すものがあります。 ⑦この中で、ISAを有するものは赤字で示しました。 ⑧ISAを有しないものは青字で示しました。患者さんの状態に合った選択が大切になります。 ISA(+) ISA(-)
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処方解析 処方解析に移ります。
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処方1 東京 はやて 生年月日:昭和30年12月1日 60歳男性 Rp1) Rp2) Rp3) セララ錠25mg ノルバスク錠5mg
身長:168cm、体重:59kg 血圧:158/98mmHg、Hb:15.2g/dL、CRP:0.1mg/dL、 Na:148mEq/L、K:3.2mEq/L、BUN:16mg/dL、Cr:1.0mg/dL、HbA1c:5.6% 生年月日:昭和30年12月1日 60歳男性 Rp1) Rp2) Rp3) セララ錠25mg ノルバスク錠5mg カプトリル錠25mg 1錠 2錠 副作用歴:ペニシリン系で発疹 1年前に高血圧と診断され、薬物治療を行っている。 1日1回朝食後 30日分 血圧がなかなか下がらず、 先生からホルモン検査を勧められたので受けてきました。 病名は良く分からなかったが、副腎かなにかが悪いんだって。 階段を上るときとか前よりしんどくないかって先生に言われた。 そう言われればそうだけど、年のせいじゃないのかな? カルデナリン錠1mg 1錠 処方1です。 ①患者さんは東京はやてさん、60歳の男性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③ここに、今回の検査値を示します。 ④ペニシリン系の薬剤での副作用歴があります。 ⑤1年前に高血圧と診断され、薬物治療を行っています。 ⑥患者さんは、「血圧がなかなか下がらず、先生からホルモン検査を勧められたので受けてきました。病名は良く分からなかったが、副腎かなにかが悪いんだって。階段を上るときとか前よりしんどくないかって先生に言われた。そう言われればそうだけど、年のせいじゃないのかな?」と話しています。 ⑦前回処方からの相違点は、セララ錠の追加です。 1日1回夕食後 マグミット錠 2錠 1日2回朝夕食後 【前回処方からの相違点】 セララ錠の追加
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処方1 原発性アルドステロン症 原発性アルドステロン症?
副腎皮質球状層に原発する腫瘍から産生される過剰のアルドステロンが、腎尿細管に作用してNa蓄積とK喪失をきたす疾患。 正常値から外れている検査値 原発性アルドステロン症? ・血圧:158/98mmHg ・Na:148mEq/L ・K:3.2mEq/L レニン 【症状】 ・高血圧 ・低K血症による 筋力低下、四肢麻痺 ・耐糖能障害、二次性糖尿病 ・多飲・多尿 ・代謝性アルカローシス、 テタニー アンギオテンシンⅡ 負のフィードバック 腫瘍 ・副腎が悪い ・階段を上るとき しんどい 副腎 処方1の私なりの解析です。 ①まず、正常値から外れている検査値を挙げました。赤字は正常値より上、青字は正常値より下の数値を示しているものです。 ②患者さんのコメント中の副腎が悪い、階段を上るときしんどい、 ③抗アルドステロン薬であるセララ錠の処方があることから、 ④私は、この患者さんは原発性アルドステロン症ではないかと推測しました。 ⑤原発性アルドステロン症とは、副腎皮質球状層に原発する腫瘍から産生される過剰のアルドステロンが、腎尿細管に作用してNa蓄積とK喪失をきたす疾患です。 ⑥ここにレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系を示しました。 ⑦原発性アルドステロン症では、副腎に腫瘍ができており、この腫瘍から過剰のアルドステロンが産生され、 ⑧この影響で、血圧、体液量、NaCl濃度が上昇します。 ⑨すると、負のフィードバック機構が働き、レニンの濃度が減少します。これが、原発性アルドステロン症の病態です。 ⑩症状としては、高血圧、筋力低下、二次性糖尿病などが起こります。 ⑪原発性アルドステロン症の患者さんは、日本人で200~400万人いるとされており、これは高血圧患者の5~10%にあたります。日本人の約30~60人に1人いるということになります。 アルドステロン ・抗アルドステロン薬である セララ錠(エプレレノン)の処方 日本人で200~400万人 (高血圧患者の5~10%) 日本人の約30~60人に1人 血圧 体液量 NaCl濃度
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処方1 原発性アルドステロン症の診断 フィードバック フィードバック 【血液検査】 アルドステロン/レニン比(ARR)測定 ARR>200
アンギオテンシンⅡ アルドステロン 血圧 体液量 NaCl濃度 副腎 フィードバック レニン アンギオテンシンⅡ アルドステロン 血圧 体液量 NaCl濃度 腫瘍 副腎 フィードバック 処方1 カプトプリル カプトプリル 原発性アルドステロン症の診断 【血液検査】 アルドステロン/レニン比(ARR)測定 ARR>200 原発性アルドステロン症の疑い ・原発性と続発性との鑑別 ・原発性では無反応 【確定診断】 続発性 原発性 カプトプリル負荷試験 ・原発性と低レニン性本態性高血圧症との鑑別 ・利尿効果と立位による交感神経の刺激によりレニン分泌を刺激して反応を見る ・原発性では無反応 原発性アルドステロン症の診断です。この患者さんもホルモン検査を受けてきたとありました。 ①まず、血液検査でアルドステロン/レニン比を測定します。 ②ここで、アルドステロン/レニン比が200を超えた場合、原発性アルドステロン症の疑いとなります。 ③次に、確定診断のために、カプトプリル負荷試験、立位フロセミド負荷試験、ACTH負荷試験などの検査が行われます。 ④このうち、カプトプリル負荷試験は、原発性アルドステロン症と続発性アルドステロン症の鑑別に用いられます。 ⑤左の図が続発性アルドステロン症、右の図が原発性アルドステロン症のレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系の図です。続発性は、副腎以外の原因により、レニン-アンギオテンシン系が活性化し、アルドステロンの上昇が起きているので、レニンの濃度は高くなっています。 ⑥続発性アルドステロン症にACE阻害薬であるカプトプリルを投与すると、アンギオテンシンⅡの生成が阻害されます。 ⑦すると、アルドステロンは減少するので、血圧、体液量、NaCl濃度が下がり、 ⑧フィードバック機構によりレニンが上昇します。つまり、カプトプリルの投与により、反応が起きます。一方、原発性アルドステロン症では、 ⑨カプトプリルによりアンギオテンシンⅡの生成が阻害されても、副腎の腫瘍によりアルドステロンの上昇が起きているので、 ⑩アルドステロンは全く影響を受けず、濃度は高いままです。 ⑪従って、レニンの濃度は低下したままです。つまり、 ⑫この試験で、原発性アルドステロン症は無反応ということになります。 ⑬続いて、立位フロセミド負荷試験は、原発性アルドステロン症と低レニン性本態性高血圧症との鑑別に用いられます。 ⑭利尿効果と立位による交感神経の刺激によりレニン分泌を刺激して反応を見ます。 ⑮原発性アルドステロン症では無反応となります。 ⑯ACTH負荷試験では、原発性アルドステロン症と続発性アルドステロン症の鑑別を目的として、ACTHを投与してアルドステロンを測定します。 ⑰RAA系が抑制されている原発性アルドステロン症では、ACTHが主要な調節因子となっているため、ACTH刺激で過大反応を示します。 ⑱続発性アルドステロン症や本態性高血圧症では反応が増大してもわずかです。 立位フロセミド負荷試験 ACTH負荷試験 ・原発性と続発性の鑑別を目的として、ACTHを投与してアルドステロンを測定 ・RAA系が抑制されている原発性アルドステロン症では、ACTHが主要な調節因子となっているため、 ACTH刺激で過大反応を示す ・続発性や本態性高血圧症では反応が増大してもわずか 他…
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処方1 原発性アルドステロン症の治療 片側性の原発性アルドステロン症であると診断された場合は、
腹腔鏡下副腎摘出術によって、原因となる副腎を摘出することが一般的。 両側性の原発性アルドステロン症、片側性の原発性アルドステロン症で手術を希望しない場合は、内服治療。過剰なアルドステロンの作用を抑える降圧剤を使用する。 カプトプリルとの併用により、血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること セララ錠 降圧薬として抗アルドステロン薬が第一選択。 投与早期にアルドステロン分泌の抑制作用が報告されているCa拮抗薬も併用。 続いて、原発性アルドステロン症の治療です。 ①片側性の原発性アルドステロン症であると診断された場合は、腹腔鏡下副腎摘出術によって、原因となる副腎を摘出することが一般的です。 ②両側性の原発性アルドステロン症、片側性の原発性アルドステロン症で手術を希望しない場合は、内服治療になります。過剰なアルドステロンの作用を抑える降圧剤を使用します。 ③降圧薬として抗アルドステロン薬が第一選択となっています。投与早期にアルドステロン分泌の抑制作用が報告されているCa拮抗薬も併用するとよいとのことです。この患者さんの場合も、 ④抗アルドステロン薬であるセララ錠が処方されたと考えました。しかし、この患者さんには、ACE阻害薬であるカプトリル錠が以前から処方されており、 ⑤セララ錠とカプトリル錠の併用により、血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意する必要があります。もしくは、ACE阻害薬は原発性アルドステロン症では効果が得られにくいので、処方医にカプトリル錠の処方の削除を依頼してもいいのかもしれません。よって、この患者さんには、 ⑥まだよく理解されていない原発性アルドステロン症について、わかりやすい言葉を使って説明します。 ⑦そして、過剰分泌されたアルドステロンは、動脈硬化の原因にもなり、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈、腎不全等の疾患を引き起こす危険性が非常に高くなることを説明し、それを防ぐために、今回セララ錠が追加されたことを説明します。 ⑧また、セララ錠の服用で起きうる高K血症などの副作用の説明と、カプトリル錠の服用を続ける場合は、カリウム値の定期的な検査を受けるよう指導することが大切であると思います。 ・原発性アルドステロン症について、わかりやすい言葉を使って説明 ・過剰分泌されたアルドステロンは、動脈硬化の原因にもなり、脳卒中や心筋梗塞、 心不全、不整脈、腎不全等の疾患を引き起こす危険性が非常に高くなることを説明し、 それを防ぐために、今回セララ錠が追加されたことを説明 ・高K血症などの副作用の説明と、カリウム値の定期的な検査を受けるよう指導
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処方2 大阪 のぞみ 生年月日:昭和23年12月1日 67歳女性 Rp1) ニューロタン錠50mg アテレック錠10mg 1錠
血圧:148/94mmHg 身長:152cm 体重:50kg WBC:6800/μL、PLT:25万/μL、BUN:18mg/dL、Cr:1.0mg/dL、 CCr:43.1mL/min、Na:140mEq/L、K:4.5mEq/L、Cl:102mEq/L、HbA1c:5.7%、LDL:126mg/dL、HDL:53mg/dL、TG:132mg/dL、 尿潜血(-)、尿蛋白(+) 生年月日:昭和23年12月1日 67歳女性 Rp1) ニューロタン錠50mg アテレック錠10mg 1錠 アレルギー歴:花粉 1日1回朝食後 30日分 数年前高血圧と診断され治療中。 今回血圧がまだ少し高いので薬を追加すると言われた。 血液検査の結果をみて、 先生から腎臓にも気を付けたほうがいいと言われたけど、 血圧と腎臓の関係もわからないし、 何を気を付けたらいいかわからない。 血液検査の結果もどれを見たらいいのか… 処方2です。 ①患者さんは大阪のぞみさん、67歳女性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③ここに、今回の検査値を示します。 ④花粉に対してのアレルギー歴があります。 ⑤数年前に高血圧と診断され治療中です。 ⑥患者さんは、「今回血圧がまだ少し高いので薬を追加すると言われた。血液検査の結果をみて、先生から腎臓にも気を付けたほうがいいと言われたけど、血圧と腎臓の関係もわからないし、何を気を付けたらいいかわからない。血液検査の結果もどれを見たらいいのか…」と話しています。 ⑦前回処方からの相違点は、アムロジンOD錠5mgからアテレック錠10mgへの変更と、ニューロタン錠の追加です。 【前回処方からの相違点】 アムロジンOD錠5mg→アテレック錠10mg ニューロタン錠50mg追加
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Naと水分の排出がうまく行われず血液の量が増え、血圧上昇
処方2 悪循環 血圧が上昇すると… 正常値から外れている検査値 ・血圧:148/94mmHg ・CCr:43.1mL/min ・尿蛋白(+) 腎臓への負担が増え、腎臓の機能が低下 腎臓のはたらきが悪くなると… 中等度の腎障害 GFR:42.9ml/min/1.73m2 GFR区分:G3b 処方2の私なりの解析です。 ①まず、正常値から外れている検査値を挙げました。 ②この検査値より、中程度の腎障害が起きていると考えられます。 ③GFRを計算すると42.9、GFR区分はG3bでした。 ④血圧が上昇すると腎臓への負担が増え、腎臓の機能が低下します。 ⑤腎臓の機能が低下すると、Naと水分の排出がうまく行われず血液の量が増えたり、血圧を調節する能力が低下したりして、血圧の上昇が起こります。 ⑥つまり、血圧上昇と腎機能低下の悪循環を起こしてしまいます。結果、 ⑦高血圧により、脳卒中や心筋梗塞など心血管病発症のリスクが高まり、 ⑧腎不全になると、体内から老廃物を除去できなくなり、最終的には透析や移植が必要になります。このことを患者さんに伝え、血圧をコントロールすることの大切さを知ってもらうことが大切であると思います。 Naと水分の排出がうまく行われず血液の量が増え、血圧上昇 血圧を調節する能力が低下し、血圧上昇 高血圧により脳卒中や心筋梗塞など心血管病発症のリスクが高まる。 腎不全になると体内から老廃物を除去できなくなり、最終的には透析や移植が必要になる。
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処方2 処方変更の意図 アムロジンOD錠5mg(アムロジピン) →アテレック錠10mg(シルニジピン)
シルニジピンは輸入・輸出細動脈をともに拡張することが報告されているN型Caチャネル拮抗薬。 進行したCKDを伴う高血圧患者に対し、RA系抑制薬併用下でシルニジピンとアムロジピンとの比較試験を実施した結果、シルニジピンの方が腎保護効果に優る。 ニューロタン錠50mg(ロサルタン)追加 処方変更の意図を考えました。 ①まず、アムロジンOD錠5mgをアテレック錠10mgに変更した理由です。 ②シルニジピンは輸入・輸出細動脈をともに拡張することが報告されているN型Caチャネル拮抗薬です。 ③進行したCKDを伴う高血圧患者に対し、RA系抑制薬併用下でシルニジピンとアムロジピンとの比較試験を実施した結果、シルニジピンの方が腎保護効果に優るというデータがありました。この腎保護効果を期待し、処方医は変更したと考えました。 ④次に、ニューロタン錠50mgを追加した理由です。 ⑤アンギオテンシンは腎臓の線維化を促進し、腎不全の原因となりますが、ARBであるロサルタンは腎臓の線維化を抑え、腎保護作用を発揮します。 ⑥ロサルタンのようなARBは腎不全の1つの指標である尿中蛋白を減少させることが報告されており、腎不全に対しても第一選択薬となっています。このことを考慮して、ニューロタン錠を追加したと考えました。 アンギオテンシンは腎臓の線維化を促進し、腎不全の原因となるが、ロサルタンは腎臓の線維化を抑え、腎保護作用を発揮する。 ロサルタンのようなARBは腎不全の1つの指標である尿中蛋白を減少させることが報告されており、 腎不全に対しても第一選択薬となっている。
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処方2 生活面で気を付けること 禁煙・・・喫煙は心血管病など様々な病気の危険因子
節酒・・・過度の飲酒は、慢性腎臓病(CKD)や末期腎不全の危険因子 適度な運動・・・適正な体重を維持する 規則的な生活・・・過労を避け、十分な睡眠を 食事面・・・タンパク質の制限、塩分の制限、カリウムの制限、十分なエネルギーの補給等 生活面で気を付けることを考えました。 ①まず、喫煙は心血管病など様々な病気の危険因子となるので、禁煙すべきです。 ②過度の飲酒は、慢性腎臓病や末期腎不全の危険因子となるので、適度な量で抑えるべきです。 ③適度な運動は、適正な体重を維持するためには大切です。 ④過労を避け、十分な睡眠をとるなど、規則的な生活が大切です。 ⑤食事面では、タンパク質の制限、塩分の制限、カリウムの制限、十分なエネルギーの補給等に気を付けるようにします。よって、この患者さんには、 ⑥腎臓と血圧の関係について、クレアチニンクリアランス等の検査値の見方も併せてわかりやすく説明し、治療することの大切さを伝えることが必要であると思います。 ⑦また、腎機能障害の程度に合わせた、食事面などの生活面での具体的なアドバイスをするとさらによいと思います。 ・腎臓と血圧の関係について、クレアチニンクリアランス等の検査値の見方も併せて わかりやすく説明し、治療することの大切さを伝える ・腎機能障害の程度に合わせた、生活面での具体的なアドバイスをする
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処方3 品川 こだま 生年月日:昭和33年12月1日 57歳女性 Rp1) Rp2) Rp3) アマリール錠1mg エクア錠50mg 2錠
身長:170cm、体重:79kg、腹囲:90cm、 血圧:152/98mmHg LDL:139mg/dL、HDL:43mg/dL、HbA1c:7.2%、TG:170mg/dL 生年月日:昭和33年12月1日 57歳女性 嗜好品:喫煙なし、飲酒3回(ビール2缶)/週 糖尿病(1年程)と高血圧(半年程)で治療中。 食べ物に関しては自分で料理はせず、 仕事で夜遅いときはカップラーメンやレトルト食品で すませることが多い。 Rp1) Rp2) Rp3) アマリール錠1mg エクア錠50mg 2錠 1日2回朝夕食後 30日分 レザルタス配合錠LD 1錠 コレステロール、中性脂肪も少し高めだけど、 もうしばらく食事で様子を見ようと先生から言われています。 食塩は医師より1日8g以下を目安にするように指導を受けました。 今日追加になった薬は、先生から 「なかなか下がらないから新しい薬を試してみようか」とだけ 言われました。 1日1回朝食後 処方3です。 ①患者さんは品川こだまさん、57歳女性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③ここに、今回の検査値を示します。 ④嗜好品は、喫煙はせず、飲酒は週3回で1回あたりビール2缶ほどです。 ⑤糖尿病を1年程と高血圧を半年程、治療中です。食べ物に関しては自分で料理はせず、仕事で夜遅いときはカップラーメンやレトルト食品ですませることが多いとのことです。 ⑥患者さんは、「コレステロール、中性脂肪も少し高めだけど、もうしばらく食事で様子を見ようと先生から言われています。食塩は医師より1日8g以下を目安にするように指導を受けました。今日追加になった薬は、先生から【なかなか下がらないから新しい薬を試してみようか】とだけ言われました。」と話しています。 ⑦前回処方からの相違点は、ラジレス錠の追加です。 ラジレス錠150mg 1錠 1日1回朝食後 【前回処方からの相違点】 ラジレス錠の追加
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処方3 生活習慣の問題が大きい 降圧目標:130/80mmHg未満 生活改善はやりやすいことから 患者さんの生活に合ったアドバイス
正常値から外れている検査値 ・血圧:152/98mmHg ・HbA1c:7.2% ・TG:170mg/dL ・BMI:27.3 【減塩】 ・普段食べているものの塩分量を把握する ・少しずつ塩分量を減らす 食べ物に関しては自分で料理はせず、 仕事で夜遅いときは カップラーメンやレトルト食品で すませることが多い 【食事療法】 ・野菜、果物の積極的摂取 ・コレステロール、飽和脂肪酸の摂取制限 ・腹八分目 ・よく噛む 処方3の私なりの解析です。 ①まず、正常値から外れている検査値を挙げました。この検査値の内容と、 ②患者さんに関する情報として、食べ物に関しては自分で料理はせず、仕事で夜遅いときはカップラーメンやレトルト食品ですませることが多いとのことから、 ③この患者さんは、生活習慣の部分の問題が大きいと考えました。なので、生活改善が必須であると思います。 ④生活改善はやりやすいことから、患者さんの生活に合ったアドバイスができるとよいと思います。 ⑤まずは、減塩です。 ⑥普段食べているものの塩分量を把握することは、減塩のための第一歩かと思います。 ⑦例えば、この患者さんがよく食べているというカップラーメンです。日清のカップヌードルでは、この1個だけで ⑧食塩相当量は5.1gになります。この患者さんは医師から食塩を1日8gを目安とすると指導を受けていますから、1日の半分以上の塩分を1回の食事で摂ってしまうことになります。このように、食品の塩分量を把握することで、意識も違ってくると思います。 ⑨また、一気に食塩の量を減らしてしまうと、物足りなさを感じ、ストレスとなって続けられなくなるので、少しずつ塩分量を減らしていくことが大切かと思います。 ⑩続いて、食事療法です。 ⑪野菜、果物の積極的摂取や、 ⑫コレステロール、飽和脂肪酸の摂取制限、 ⑬腹八分目を心掛けること、 ⑭よく噛んで食事をすることなど、やりやすいところから入っていくといいと思います。 ⑮運動療法では、 ⑯通勤で歩くなど、有酸素運動を取り入れるとよいことを伝えるとよいと思います。 ⑰ちなみに、糖尿病を発症しているこの患者さんの降圧目標は、ガイドラインより130/80mmHgです。目標を伝えることも意識をあげる1つになるかと思います。 【運動療法】 食塩相当量:5.1g ・通勤で歩くなど、有酸素運動を取り入れる
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処方3 レザルタス配合錠HD ラジレス錠 禁忌 ラジレス錠の添付文書
(オルメサルタンメドキソミル/アゼルニジピン) (アリスキレン) ラジレス錠の添付文書 アンギオテンシン変換酵素阻害剤又はアンギオテンシンII受容体拮抗剤を投与中の糖尿病患者 (ただし、アンギオテンシン変換酵素阻害剤又はアンギオテンシンII受容体拮抗剤投与を含む 他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く) 禁忌 α遮断薬の追加 禁忌についての確認 代替薬の提案 脂質代謝を改善する作用あり 続いて、処方内容についてです。この処方では、 ①レザルタス配合錠HDとラジレス錠を併用することになっています。しかしながら、 ②ラジレス錠の添付文書には、ACE阻害剤又はARBを投与中の糖尿病患者には禁忌とされています。レザルタス配合錠HDには、ARBであるオルメサルタンを含んでいるので、ラジレス錠とは禁忌となります。例外として、ACE阻害薬又はARB投与を含む他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除くとあり、この患者の場合もこの例外にあたるのかもしれませんが、できれば併用は避けたいと私は考えました。なので、 ③処方医に連絡し、禁忌であることを承知の上で今回処方したのか、まずは確認したいと思います。そして、ラジレス錠の処方を止めるのであれば、 ④代替薬の提案をできるようにしたいと思います。経験の浅い私が、薬の情報だけで単純に選ぶなら、 ⑤α遮断薬はどうかなーと思いました。この患者さんは、コレステロールや中性脂肪が高めということなので、脂質代謝を改善する作用を併せ持つα遮断薬を選択してみました。よって、この患者さんには、 ⑥まず、高血圧、糖尿病を治療する意味を伝えることが大切かと思います。治療する必要性を感じていないからこそ、生活習慣の乱れを改善する意識が薄くなっていると思うからです。 ⑦続いて、薬物治療と併せて、生活習慣の改善も大切であることを、具体的な方法と併せて伝えたいと思います。 ⑧また、降圧目標を伝えることで、意識をあげたいと思います。 ⑨そして、追加処方についてわかりやすく説明し、服用の大切さを伝えたいと思います。 ・高血圧、糖尿病を治療する意味を伝える ・薬物治療と併せて、生活習慣の改善も大切であることを伝える ・降圧目標を伝える ・追加処方についてわかりやすく説明
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ご清聴ありがとうございました 以上です。 ご清聴ありがとうございました。
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