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第1章 貨幣とは何か① §1.貨幣の機能・役割 第2回
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本日のキーワード 交換手段 価値尺度 価値貯蔵手段 欲望の二重の一致 流動性
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§1.貨幣の機能・役割 (1)交換手段(medium of exchange)
(2)価値尺度(standard of value,unit of account) (3)価値の貯蔵手段(store of value)
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(1)交換手段(medium of exchange) :経済取引を媒介する手段
貨幣を媒体とすることにより、交換はスムーズに進められる。 もしも、貨幣が存在しなかったら、 物々交換 この場合 “ 欲望の二重の一致 ”が必要となる (double coincidence of wants)
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欲望の二重の一致:難しい取引 物々交換の場合 欲望の二重の一致 (double coincidence of wants)
物々交換の場合 欲望の二重の一致 (double coincidence of wants) 自分が交換に差し出そうとするモノを 相手がほしいと思い、 かつ その相手が交換に差し出そうとするモノを 自分がほしいと思わなければ成立しない。
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(a)Aさんはコメを持っており、それと交換に魚がほしい。 (b)Bさんは魚を持っており、それと交換にコメがほしい。
コメ A B 魚 Aさんは、 この状況下で物々交換は成立する。 Aさんは 魚を持っている人のなかで コメを欲している 人を探さねばならない コメがほしがっている人を探し、コメと交換に魚を さしだしたい人を探せなければ、交換は成り立たない。
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次に以下のようなケースを考えよう。 この状況下で物々交換は成立しない。 (a)Aさんはコメを持っており、それと交換に魚がほしい。 (b)Bさんは魚を持っており、それと交換に布がほしい。
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貨幣が存在すると・・・ ここで、誰もが受容する貨幣が存在するとし、 また布をもっているCさんが存在するとしよう。 すると、今度は 貨幣 貨幣
ここで、誰もが受容する貨幣が存在するとし、 また布をもっているCさんが存在するとしよう。 すると、今度は 貨幣 貨幣 A B C 魚 布 ここではAさんは魚を持っている人を探せばよい 同様にBさんは布を持っている人を探せばよい 交換はスムーズに成立する
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だれもがコメを受容すると・・・ このとき、コメは貨幣の役割を果たしている ここで、誰もが生活に役立つものとしてコメ受容し、
ここで、誰もが生活に役立つものとしてコメ受容し、 そこで布をもっているCさんもコメを受容するとしよう。 すると、今度は コメ コメ A B C 魚 布 となり、交換はスムーズに成立する。 このとき、コメは貨幣の役割を果たしている
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前のケースに戻ろう。 (a)Aさんはコメを持っており、それと交換に魚がほしい。 (b)Bさんは魚を持っており、それと交換に布がほしい。 この状況下で物々交換は成立しなかった。 ここで、誰もが受容するコメが存在する ことにより、交換はスムーズに成立した
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貨幣は最終需要財でなくてよい いま、Bさんにとってコメそのものは最終的にほしいものではない Bさんにとってコメは2つの交換を実現して、最終的に ほしいもの(布)を手に入れるための手段にすぎない。 このような役割を貨幣の交換手段、支払手段、あるいは決済手段の機能という。 逆にいえば、交換手段として役割を果たすものが貨幣となっている。 コメ コメ A B C 魚 布 (貨幣) (貨幣) コメは交換手段、 貨幣となっている。 貨幣の役割を 果たしている。
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貨幣として用いられた交換手段 16世紀後半奈良において実際にコメが 交換手段として用いられていた 紙幣(日本銀行券)・硬貨 銀行預金
(電気料金などは口座振替で支払われる) 現在は? なぜ受け入れるか 信認
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代わりにマールボロというタバコが使用された
一般的受容性があるもの 交換手段である貨幣となりうる 一般的受容性 貨幣商品説と貨幣法制説 信認のなかったロシアルーブル 受け入れられず 代わりにマールボロというタバコが使用された
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(2)価値尺度(standard of value)
貨幣の単位が 価値尺度(standard of value)あるいは 計算単位(unit of account)となっている ミカン1個100円とすると、 ミカン1個は日本円100個分
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(2)価値尺度(standard of value)
取引の単位として価格の提示が必要、その価格をどのような単位で計るか 共通の価値尺度を用いる 貨幣をその価値尺度として用いている。 ミカン1個100円とすると、 ミカン1個は日本円100個分
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貨幣という共通の価値尺度があると 交換比率表示が単純
貨幣という共通の価値尺度があると 交換比率表示が単純 ミカン1個100円とすると、 ミカン1個は日本円で100個分 リンゴ1個300円とすると、 リンゴ1個は日本円で300個分 貨幣という共通の価値尺度のない場合 交換比率表示:多数
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ミカン、リンゴ、スイカ、バナナ、コメの5財しかないとする。
ミカンの価値を示すのに、 リンゴ0.5個、スイカ0.1個、バナナ1本、コメ30グラムといったさまざまな表記の方法がある。 リンゴについても同様 貨幣が存在しない場合、種々の表記の価格が並存し、相互の比較が困難 コメを共通の価値尺度とすれば、 スイカはコメ300グラム、リンゴはコメ60グラム スイカとリンゴの比較も簡単になる
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物々交換貨幣という共通尺度がない場合の交換比率表示数
物々交換貨幣という共通尺度がない場合の交換比率表示数 N=2の場合 1 N=3の場合 3 リンゴはミカン何個分 リンゴはミカン何個分、 ケーキはミカン何個分 ケーキはリンゴ何個分 N=10の場合 45 N=100の場合 4950 N=10000の場合 ○の数だけ交換表示が必要
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交換比率、価格表示数 N=2の場合 1 N=3の場合 2 N=10の場合 9 N=100の場合 99 N=10000の場合 9999
交換比率、価格表示数 N=2の場合 1 N=3の場合 2 N=10の場合 9 N=100の場合 99 N=10000の場合 9999 ミカン1個100円(ミカンと円) ミカン1個100円、りんご1個300円 (ミカンとりんごと円)
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貨幣 N番目の財:価値尺度財(ニュメレール) N=2の場合 1 1 N=3の場合 3 2 N=10の場合 45 9
貨幣という共通尺度の ない場合の 交換比率表示数 N 財目を 貨幣として用いる場合の交換比率表示数 N=2の場合 1 1 N=3の場合 3 2 N=10の場合 45 9 N=100の場合 4950 99 N=10000の場合 9999 N番目の財:価値尺度財(ニュメレール) 貨幣
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(3)価値の貯蔵手段(の 1つ) 価値の貯蔵 「購買力を将来にわたって維持する機能」 購買力の一時的住まい
価値の貯蔵 「購買力を将来にわたって維持する機能」 働いて給与を貨幣で受け取ったとき、それを必ずしも直ちにモノやサービスと交換しようとはせずに、しばらく手元に取っておき、将来それと交換にモノやサービスを購入する 購買力の一時的住まい
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流動性 流動性「(その価格を変化させずに)ある資産を他の資産に転換する際の容易さの度合い」 貨幣は流動性が最も高い資産だから
価値の貯蔵手段を持つものは貨幣だけではない 株式や債券や土地、家屋、宝石 にもかかわらず、なぜ貨幣を保有しようとするのか 流動性「(その価格を変化させずに)ある資産を他の資産に転換する際の容易さの度合い」 1万円あれば1万円分のものを入手できる 貨幣は流動性が最も高い資産だから 貨幣は流動性が100%の資産だから
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