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Published byΜέλαινα Κακριδής Modified 約 5 年前
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前田 啓一 東京大学大学院総合文化研究科 広域システム科学系(宇宙地球部会) 2004年5月27日 HDSゼミ@国立天文台
極超新星:後期観測の特徴と元素合成 前田 啓一 東京大学大学院総合文化研究科 広域システム科学系(宇宙地球部会) 2004年5月27日 HDSゼミ@国立天文台
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概要 可視域後期観測から超新星爆発の性質を特定しよう、という話。 相補的な観測に関してコメント。 球対称からのズレ。
SNe 1998bw, 2002ap 超金属欠乏星(EMPS)の化学組成を説明すると提案されている(Umeda&Nomoto 2003)極超新星のprototype。 予想される元素組成。 相補的な観測に関してコメント。 (C-richなEMPSとの関連)暗い超新星の観測。 BH/NSの伴星大気組成。
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本研究の位置づけ 超新星の理論モデル 光学観測 元素組成のパターン 銀河化学進化 *金属欠乏星 エネルギー 質量 非球対称性 スペクトル
エネルギー 質量 非球対称性 光学観測 スペクトル 光度曲線 偏光 etc 元素組成のパターン 銀河化学進化 *金属欠乏星
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超新星の初期観測 (t < 約50日) 吸収線幅、光度進化等:超新星外層部の情報 内層部: 爆発的元素合成 膨張 (r = v t)
フラックス(規格化) 吸収線幅、光度進化等:超新星外層部の情報 内層部: 爆発的元素合成 2.5 SN 1998bw 2 1.5 SN 1994I 1 0.5 膨張 (r = v t) l [A] (Rest) 超新星元素パターンの不定性
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一方、後期観測 (t > 約50日) 輝線幅、光度進化等: 超新星内層部の情報 +29日 後期観測は超新星の性質を特定するのに有用。
対数フラックス(規格化) 輝線幅、光度進化等: 超新星内層部の情報 後期観測は超新星の性質を特定するのに有用。 +29日 膨張 (r = v t)密度減少 +337日 l [A] (Rest) [OI]6300A
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最も良いS/Nのスペクトルが得られているもの。 SNe1998bw, 2002ap 極超新星(Mms>25M)
後期観測は当然困難。 最も良いS/Nのスペクトルが得られているもの。 SNe1998bw, 2002ap 極超新星(Mms>25M) 金属欠乏星の組成に寄与? Umeda & Nomoto 2003 SNe1998bw、2002apについて 後期観測を用いたモデルの制限 得られたモデルから予測される元素組成パターン を紹介します。 超新星の光度曲線
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“極”超新星 SN 1998bw (GRBと同起源) 幅の広い吸収線 大量の高速物質 膨張の運動エネルギー:大 “極超新星”
フラックス(規格化) 2.5 2 1.5 1 0.5 l [A] (Rest) SN 1994I 大量の高速物質 “極超新星” 膨張の運動エネルギー:大 “極超新星” 球対称、初期観測(<50日) E51 = E/1051erg = 30-50 MMS ~ 40M しかし… 後期(>50日)観測と矛盾。 Iwamoto et al. 1998
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超新星は丸いのか? 軸対称かつ非球対称な構造をもつもの。 GRBの標準モデルはジェット。 回転重力崩壊の理論計算は軸対称構造を示唆。
SN1987A, Cas A GRBの標準モデルはジェット。 GRB980425/SN1998bw 回転重力崩壊の理論計算は軸対称構造を示唆。 SN1987A Cas A
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(Axisymmetric)非球対称爆発モデル GRB980425、後期観測からの示唆
球対称 非球対称 Vz=Z/t 密度 酸素 Fe 鉄(56Ni) 低密度領域 Vr=r/t (Axisymmetric)非球対称爆発 Z軸:高速度(鉄←56Ni) R軸:低速度、高密度(酸素) e.g., Nagataki 2000, Maeda et al. 2002, Maeda & Nomoto 2003
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パラメータ の各々について の理論モデルを計算。 ちなみに今までの研究では 親星:Mms=25M, 40M
エネルギー:E51=E/1051ergs=1-30 非球対称の程度(次のページ:軸比 Vz/Vr) の各々について 光度曲線 (後期)スペクトル 元素組成パターン の理論モデルを計算。 ちなみに今までの研究では 球対称モデルのみ。 そもそも後期観測は説明できていない。
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爆発の流体計算 2M 2M 最終的な 中心コア質量 9M 10M 非球対称 Vz/Vr=1.5 E51=30 球対称 E51=30
1.2s 0.8s 1.6s 1.0s 12s 6.0s 17s 5.3s 6.8s 3.4s 17s 4.0s 28s 23s 90s 10s 2M 2M 最終的な 中心コア質量 9M 10M 非球対称 Vz/Vr=1.5 E51=5 ジェット状 E51=10
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光度曲線(角度平均) 約50日以降の光度に差。 SN1998bw 40M 2.5 x 1051erg 球対称:矛盾。
非球対称:観測を説明するモデルが存在。 40M 2.5 x 1051erg SN1998bw
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光度曲線の特徴 後期観測は爆発モデルを特定する上で有用。 m 後期観測 1998bw *モデル=40M(Mej~10M) 初期観測 0.03
球対称 非球対称 E↑,M↓ 非球対称性↑ 1998bw 40 0.03 tpeak 100日 m: 減光率 0.02 0.01 *モデル=40M(Mej~10M) 40 tpeak 初期観測
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後期スペクトル 非球対称(光度曲線と無矛盾) 球対称 R Z 1998bw 2.5x1052ergs 5x1051ergs
[OI] [OI] [FeII] 2.5x1052ergs R 5x1051ergs [FeII] Z 1998bw E↑:[OI]6300A× E↓:<5500A(Fe)× 後期スペクトルも良く説明。
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R Z [FeII] blend 5200A Vz = Z / t Fe(56Ni) [OI] [FeII] O Vr = R / t
視線方向Z軸: 各Fe輝線のblend。 →幅の広い輝線。観測傾向と一致。 視線方向R軸: 各Fe輝線の幅が狭く、blendが少ない。 →幅が狭く、細かいfeature。観測傾向と不一致。
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SNe1998bw, 2002apの性質 極超新星=大質量星の非球対称爆発 非球対称モデル(Vz/Vr=1.5)
非球対称性↑? 40M(16MHe)、 E~10x1051ergs、 視線方向z軸。 20M‐35M?、 E51~(2‐10)x1051ergs、 視線方向?。 極超新星=大質量星の非球対称爆発
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超新星後期観測を有効に活用するモデル計算が可能になった。
より多くのサンプルがほしい。 極超新星(SNe1998bw,2002ap) 非球対称モデルで説明可→エネルギー、質量。 1998bw:通常の超新星 < E < 球対称モデルでの見積もり。 元素組成パターン? 金属欠乏星の化学組成
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超新星(後期)観測のプロポーザル(Subaru)
S04AB Hypernovae/SNe Ib/c, 初期-後期 Spectropolarimetry (FOCAS), Kawabata, K., et al. SNe Ib/c, 後期観測 Spectoroscopy (FOCAS), Deng, J., et al. SNe Ia, 後期観測 NIR Spectroscopy (CISCO), Nomoto, K., et al.
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元素組成パターン 非球対称性を考慮することにより、初期から後期にわたる光学観測を矛盾無く説明するモデルが得られた。
SNe 1998bw, 2002ap: 極超新星 一方、大質量星の爆発である極超新星は超金属欠乏星の化学組成を説明するモデルとして提案されている(Umeda & Nomoto 2003)。今回の結果はconsistentか?
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超金属欠乏星([Fe/H]<-2.5) [Fe/H]>-2.5に比べ、 [(Zn,Co)/Fe] [(Mn,Cr)/Fe]
[(Mg,O)/Fe] 球対称モデルでパラメータ(E, M, マスカット)を 動かしても説明不可 (Umeda & Nomoto 2002,2003; Tsuimoto & Shigeyama 2003)。 Mixing & Fallback (Umeda & Nomoto, 2003) Zn,Co Zn,Co Mn,Cr Mn,Cr マスカット (中心天体の質量) Mg,O Mg,O
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元素分布の例 56Fe 64Zn 16O 55Mn Z軸方向に沿って より重い元素 より高速 球対称 16O 55Mn 56Fe 64Zn
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元素分布(全方向平均) 元素分布の反転:中心から O→Fe(56Ni) Mn→Zn 球対称モデルと反対の分布
log(mass fraction) 非球対称 (E51=10, Vz/Vr=2) 16O -2 56Ni (Fe) 64Zn 55Mn -4 -6 109 2x109 V cm s-1 元素分布の反転:中心から O→Fe(56Ni) Mn→Zn 球対称モデルと反対の分布 ZnよりもMnの方が放出されにくい!
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元素組成パターンの特徴 (少なくとも定性的には) Umeda&Nomoto(2003)で提案されているMixing & Fallbackと同様の効果。 Mixing & Fallbackを実現する過程として提案 (Maeda & Nomoto 2003)。 Mixing & Fallback (Umeda & Nomoto, 2003) Aspherical Explosion (Maeda & Nomoto, 2003) Zn,Co Zn,Co Mn,Cr Mn,Cr Mg,O Mg,O
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元素パターン:金属欠乏星との比較 [(Zn,Co)/Fe]↑, [(Mn,Cr)/Fe] ↓ Zn O O Mg Zn Mg Mn Mn
超金属欠乏星 [Fe/H] = ‐2.5-‐4 球対称 (E51=10) *No mixing & Fallback 非球対称 (E51=10,Vz/Vr=2) [(Zn,Co)/Fe]↑, [(Mn,Cr)/Fe] ↓
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“非球対称性”の(元素組成からの)検証?
鉄族元素に関しては(球対称的)Mixingと非球対称爆発の元素組成はほぼ同様(にできる)。 Intermediate元素には特徴が現れ得る? [S/Si], [Si/O], [O/C]↓ for [Fe/H]↓ 但し,異なる質量の親星等を考え出すと、話はそれほど単純では無い。今後の課題。 [S/Si] -0.8 [Si/O] [C/O] -0.5 -1.2 -1 10 10 10 MBH M(Fe)↑
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= モデルの予測: 暗い超新星のサンプルを増やすことが重要。 [C/(O,Fe)]-richな超新星 [C/O] 暗い超新星
例:SNe1997D, 1999br ともに低エネルギー Fe-deficient Hypernova (暗い極超新星)は存在? -0.8 [C/O] = C-rich: 暗い超新星 -1.2 10 MBH M(Fe)↑ 56Ni *モデルは太陽組成の親星を仮定。
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もっと直接的には NS/BH + normal star Binaryを視る!
GRO J : Israelian et al. 1999 BH (~5M) + F IV/III (~2M) Fe, Zn SN O, Mg サンプルは依然として少ない(主にIsraelian et al.)。 V4641 Sgr (BH+B III; Orosz et al. 2001) A (BH+K V; Gonzalez Hernandez et al. 2004) 観測例はすべて[/Fe]が大きい。 モデル:Podsiadlowski et al. 2000
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Znの観測例が欲しい。 サンプルが増えれば。 HDSでの観測にもってこい? Fe, Zn
もし[Zn/Fe]が大きいようなら球対称的 なmixing (e.g., レイリーテイラー) and/or 弱い非球対称性が必要。 サンプルが増えれば。 十分な数のサンプルがあれば、 超金属欠乏星のフィットから得られたモデルの系列 (全放出物質)、 BH/NS連星から得られたモデルの系列 (赤道方向への放出物質) を比較。その違いから角度方向の情報が得られるのでは? HDSでの観測にもってこい? 過去のプロポーザルは通りませんでしたが、、、。 SN O, Mg
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まとめ 後期観測の重要性 元素合成 さらなる観測? 極超新星(SNe1998bw,2002ap)のモデルの特定。
非球対称モデルで説明可→E,M。 通常の超新星 < E < 球対称モデルでの見積もり。 元素合成 [(Zn,Co)/Fe]↑,[(Mn,Cr)/Fe]↓,[(Mg,O)/Fe]→ 超金属欠乏星を説明する上でのMixing & Fallbackモデル(Umeda & Nomoto 2003)を実現する過程として提案。 さらなる観測? 超新星後期観測 暗い超新星 = C-rich 金属欠乏星 BH/NSの伴星 = Mixing & Fallbackの過程に制限?
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