研究倫理・情報倫理.

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1 研究倫理・情報倫理

2 APRIN の教材を参考利用 APRIN とは
一般財団法人公正研究推進協会(APRIN, Association for the Promotion of Research Integrity) APRIN eラーニングプログラム（eAPRIN） 研究倫理教育

3 目次 研究倫理 情報倫理 責任ある研究行為について 研究不正 データ管理上の倫理問題 論文発表とピア・レビュー 共同研究 研究者の社会的責任
情報倫理とは 九州大学情報倫理規定 九州大学情報セキュリティポリシー

4 研究倫理＝責任のある研究活動 研究とは 共通して持つべき価値観
既存の知識の中に感じた疑問点を拾い上げ、それに対し て科学的な実験を行ない、その結果を踏まえて新たな知 見を得る 共通して持つべき価値観 正直さ 情報を正直に伝え、誠心誠意を尽くす。 正確さ 得られた所見を誤りなく正確に伝える。 効率 資源を無駄なく有効に使う。 客観的 事実をそのまま表現する。個人的な所見を加えない。

5 責任ある研究行為について 責任ある研究行為 各種の規則や広く受け入れられているやり方を守っ て行われる研究。
ルールは必ずしも明文化されているわけではない。 推奨されるガイドラインの存在 常に監視されているわけではない

6 責任のある研究活動のためのルールは存在しない - 事例 -
科学者の行動規範 (日本学術会議) 「科学者は、自らが携わる研究の意義と役割を公開して 積極的に説明し、その研究が人間、社会、環境に及ぼし 得る影響や起こし得る変化を評価し、その結果を中立 性・客観性をもって公表すると共に、社会との建設的な 対話を築くように努める」 研究活動の不正行為に関する特別委員会報告(文部 科学省) 「研究成果の発表とは、研究活動によって得られた成果 を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、研 究者コミュニティーに向かって公開し、その内容につい て吟味・批判を受けることである」

7 責任ある研究行為の根拠となり得る4種類の規則(その1)
職能団体の行動規範 科学者は個人として、あるいはコミュニティとして 自律的に振る舞うよう求められている。 行政による規制・指針 ライフサイエンス分野におけるルール 組換えDNA実験、人を対象とした研究 、ヒトクローン等 、 動物実験 研究不正についてのルール

8 責任ある研究行為の根拠となり得る4種類の規則(その2)
研究機関のルール 機関内xxx委員会 個人の誠実さ 研究者自身の正しい判断能力と、正しくありたいと いう誠実な心が不可欠

9 研究不正 何が研究不正にあたるのか 研究不正が及ぼす影響 どうして研究不正が行われるのか 研究不正を予防するには 組織での対応

10 研究における不正行為とは 捏造・改ざん・盗用 捏造とは、存在しないデータ、研究成果等を作成す ること。
改ざんとは、研究資料、機器・過程を変更する操作 を行い、データ、研究活動によって得られた結果等 を真正でないものに加工すること。 盗用とは、他の研究者等のアイディア、分析・解析 方法、データ、研究結果、論文又は用語を、当該研 究者の了解又は適切な表示なく流用すること。

11 研究不正が及ぼす影響 社会の信頼に対する影響 専門家集団に対する影響 個々の研究者に対する影響
国民が研究者に寄せる「研究が行われるプロセスに は透明性と健全性が担保されており、かつ、研究結 果には信憑性がある」という暗黙の信頼を裏切る。 専門家集団に対する影響 健全な研究手法とそれに伴う研究発表に信頼性があ り、研究者が他の研究者の成果を再現し、さらにそ の上に自己の研究を発展させる前提が崩れる。 個々の研究者に対する影響 不正を行った研究者個人にも極めて大きなマイナス の結果を生む。

12 どうして研究不正が行われるのか 職務上のプレッシャー 共同研究者または組織からのプレッシャー 一番乗りで発表したいという願望
研究費を失うことの心配 大学院課程を修了したい、学位を取得したい、 という願望 プロフェッショナルとしての規範と倫理指針の 無理解 自己欺瞞 (Self-Deception)

13 研究不正を予防するには ガイドライン 日本化学会会員行動規範
IEEEは、盗用を、原著者及び原著について記述すること なく、先行する他人のアイデア・方法・結果または用語 を使用することと定義する 日本化学会会員行動規範 著者の主要な義務は、行った研究の正確な説明とその意 味の客観的な議論を提示することである。論文に記載す るデータの偽造、ねつ造や他の著者の文献からの盗用を 行ってはならない。 著者はその研究の背景となる以前の研究や、その研究を 他の研究者が繰り返すために必要な情報の出所を明らか にしなければならない。また、関連する他者の重要な貢 献を無視するような不適切な引用を行ってはならない。

14 研究機関の責任 予備調査、本調査 措置 政府機関への報告 告発する者・される者の保護
正当な理由なく、本来存在するべき基本的な研究記 録(生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬 等が存在しないなど) の不足により証拠を示せない 場合は、不正行為とみなされます。 措置 資金配分機関によるものと、被告発者が所属する機 関によるもの 政府機関への報告 告発する者・される者の保護 慎重に行われる必要がある。

15 データ管理上の倫理問題 研究データが倫理的に取扱われることは、研究 する者にも、研究で影響を受ける者にも、本質 的にあらゆる人に利害がある。
研究者は、どのようにすれば、実験のデータ収 集を倫理的に確実におこなえるか。 研究者は、同じ分野の他の研究者たちが使っている 最低の基準だけは守るようにすべき。これができな い場合は、口頭発表や論文発表の場で、研究とその 方法の持つ限界を、はっきりと開示することが倫理 的に必要。

16 ピア・レビュー（Peer review） 同じ分野の専門家による査読・審査
科学研究では同じ分野の専門家同士が互いに査 読・審査し合うことが最も質が高く、公平な評 価に至るものとして、今日広く受け入れられて いる。 査読 シングル・ブラインド 著者には査読者の名前を伏せる ダブル・ブラインド 著者・査読者が互いに誰であるかを知らされない

17 査読者の倫理 守秘義務 建設的な批判 適格性 不偏性・公正性 利益相反の開示 即応性

18 (企業との)共同研究 共同研究で起き得る問題 個々の研究者で異なる姿勢 領域内および領域をまたがった際の研究スタイルの 違い
研究データや成果の共有に関する大学と企業の姿勢 の違い 企業戦略と研究者の経済的ニーズの違い

19 共同研究を行うときの注意 研究開始に先立つ徹底調査 コミュニケーション 役割分担とその流動性についての認識を共有して おく
オーサーシップ（論文著者となる資格）について 事前に話し合っておく データや研究資材、試料の取り扱いについて事前 に話し合っておく リーダーシップを確立する 各研究者が担う責任を明確にしておく

20 利益相反 (りえきそうはん) 利益相反とは 金銭やその他の個人的な利害を考慮することによっ て、専門家として行う判断に妥協もしくは偏向が生 じ、またその客観性が失われる可能性のある状況

21 個人レベルで生じ得る利益相反 学問上の思い入れ（形を有さないもの）による 場合が多い。 持論を証明したいという願望。
本人が信じる仮説に合致しないデータの黙殺。 特定の理論に対する過度の信頼。 自分が好むグループが唱える理論に対する特別な思 い入れや偏重。 成果を得なければならない、という内外からのプ レッシャー。

22 研究者の社会的責任 研究者には、真理の追究や発明によって、科学 の進歩と社会の安全・安心に貢献する責任があ ります。その上で、公共、研究委託者（クライ エント）や所属する研究機関の利益を守る責任 がある。

23 情報倫理と情報モラルとは 情報倫理（じょうほうりんり、英語： information ethics）（Wikipedia）
人間が情報をもちいた社会形成に必要とされる一般的 な行動規範。 情報を扱う上での行動が社会全体に対し悪影響を及ぼ さないように、より善い社会を形成しようとする考え 方 倫理：社会という共同体の中での道徳（自発的な善悪 の判断規範）の結合体，かつ行動の規範の中核 情報モラル：情報社会で適正な活動を行うための 基になる考え方と態度」（文科省指導要領）

24 九州大学情報倫理規定 九州大学の情報資産を利用する者の心得、 責務、遵守事項等を定めることにより、利 用者の倫理（「情報倫理」）を保持し、情 報資産の安全、円滑及び適正な利用を促進 し、もって本学の教育、研究、診療及び大 学運営（「教育等」）の充実を図ることを 目的とする．

25 九州大学情報倫理規定 情報資産を利用するに当たり、情報資産の管理及び運用に ついて定めた学内規則等の遵守と，禁止行為
(1) 利用資格において許可されていない行為 (2)他者の権利利益を害する行為 (3)虚偽の情報又は公序良俗に反する情報を発信する行為 (4)情報資産を毀損し、又は混乱させる行為 (5)その他情報政策委員会が不適切とする行為 利用者は、情報資産を利用するに当たり、不正アクセス行 為の禁止等に関する法律（平成１１年法律第１２８号）、 著作権法（昭和４５年法律第４８号）、独立行政法人等の 保有する個人情報の保護に関する法律（平成１５年法律第 ５９号）その他の関係法令を遵守しなければならない。 情報セキュリティ事故に関する報告義務

26 九州大学セキュリティポリシー 主な内容 組織・体制 情報の格付け、分類と管理 物理的セキュリティ保護の方針

27 組織・体制 最高情報責任者(CISO) 最高情報セキュリティ責任者（ＣＩＳＯ） 情報政策委員会 九大ＣＳＩＲＴ

28 情報の格付け、分類と管理 公開可能 関係者のみ公開可能 公開不可

29 物理的セキュリティ保護の方針 情報ネットワーク接続の管理
情報システムを情報セキュリティ責任者(部局長等)の許可なく情報ネッ トワーク機器（公共情報端末や情報コンセントを含む）に接続してはな らない。 バックドア（ＰＰＰサーバ、コンピュータに接続する公衆回線、ＶＰＮ 装置及びソフトウェア等大学構内以外からあたかも構内からの接続であ るように見せることができる設備、以下「学外からのＬＡＮ接続」とい う。）を設置し、接続することを原則的に禁止する。 前項の規定にかかわらず、教育・研究上必要な場合は、ＣＩＳＯの承認 を得て前項の機器等を設置し本学の情報ネットワークに接続することが できる。この場合においては、次のように取り扱う。 ① 学外からのＬＡＮ接続が承認された場合においても、地理的に学外から利用が 禁じられているもの（学内の特定の情報サービス）や、インターネットへの接続 をすることはできない。 ② 管理運営部局は学内の情報サービスを運用するために必要と認められた場合は、 その時点で最も安全であると判断される認証方法を用いて学外からの接続サービ スを本学構成員に対して提供することができ、このサービスを利用する場合はイ ンターネットへの接続も利用できるものとする。 ③ システム管理者は、管理運営部局が提供する学外からのＬＡＮ接続サービスを 利用したアクセスが不適当であると判断した場合は管理するシステムへのアクセ スを拒否することができる。 本学のＩＰアドレス及びドメインは、基本的に本学の教職員等及び学生 等のみが利用可能である。 本学のＩＰアドレスは、地理的に本学のキャンパス（遠隔地施設を含 む）以外の場所においても本学の教職員等及び学生等教職員等が必要に 応じて利用できる。