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手がかりと信号 動物は,自分が置かれている物理環境,生態環境,社会環境を,感覚器官を使い,感知し,それを基に行動を決定する。直接これらを感知できることもあるが,しばしばそれができず,興味対象の状態を少なくとも部分的には示唆する情報を利用することがある。この情報を手がかり(cues)という。例えば,交尾対象の雌の健康状態あるいは近くにいる捕食者の意図を直接感知することはできないため,それらが発する手がかりを基にそれを推察しなければならない。

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Presentation on theme: "手がかりと信号 動物は,自分が置かれている物理環境,生態環境,社会環境を,感覚器官を使い,感知し,それを基に行動を決定する。直接これらを感知できることもあるが,しばしばそれができず,興味対象の状態を少なくとも部分的には示唆する情報を利用することがある。この情報を手がかり(cues)という。例えば,交尾対象の雌の健康状態あるいは近くにいる捕食者の意図を直接感知することはできないため,それらが発する手がかりを基にそれを推察しなければならない。"— Presentation transcript:

1 手がかりと信号 動物は,自分が置かれている物理環境,生態環境,社会環境を,感覚器官を使い,感知し,それを基に行動を決定する。直接これらを感知できることもあるが,しばしばそれができず,興味対象の状態を少なくとも部分的には示唆する情報を利用することがある。この情報を手がかり(cues)という。例えば,交尾対象の雌の健康状態あるいは近くにいる捕食者の意図を直接感知することはできないため,それらが発する手がかりを基にそれを推察しなければならない。 一方,信号(signals)は,送り手と受け手が存在し,その両方に平均的には利益となる情報を含んだ合図をいう(Bradbury & Vehrencamp, 2011)。その合図には,行動,匂い,色などが含まれる。 手がかりが,送り手がうっかりあるいは受け手との情報のやりとり以外の目的で出されるのに対して,信号は,受け手に情報を送るために出される。そのため,通常,手がかりより情報を正確に伝える。

2 信号の進化 信号の最初は,コミュニケイションとは関係のない(発信者または受信者の)前駆体がありそれを他方が利用して始まる。

3 送り手は自分に利益になるように受け手に影響を与えるような信号をつくるように進化する。
受け手は,自分に利益になる信号を利用。そうでないときは無視。このとき,送り手はもはや信号をだすことよって利益を得ることができない。そのとき信号は発達しない。 そのため,信号が維持されるためには,信号が平均的には,受け手にとって利益になる情報を含んでいる必要がある。 送り手と受け手の両方に平均的には利益のない前駆体は,信号とは言えない。手がかり(cue)である。

4 送り手前駆体起源の信号 受け手前駆体起源の信号

5 解放 (関係がなくなる) 儀式化

6 儀式化で起こる4つの変化 1. 目立つ 2. 誇張(繰り返し,他の信号と組み合わせる(視覚+音) 3. 標準化(単純化):信号を標準化あるいは明瞭なカテゴリーに分け,受け手が信号を解釈しやすいようにする, 4. 目立つ要素の追加。信号を出す前に,目立つ要素を付け加え,信号の重要性を強調する。 儀式化の例 社会性昆虫で見られる,尻振り(ミツバチの八の字ダンスを含む) カモ科のおける羽繕い行動から求愛行動への儀式化

7 ツクシガモ オシドリ マガモ シマアジ カモ科のおける羽繕い行動から求愛行動への儀式化 儀式化は起こっていない 色つきの場所のみ羽繕い
くちばしを色つき場所に向けるが羽繕いナシ 茶色羽根を上げ,そこをくちばしで触れる。トサカを上げる

8 意図運動の儀式化による信号  ある目的を持った一連の行動の最初に行われる行動を意図運動(intention movement)と呼び,その動物がその一連の行動を行おうとする意志を伝える。それはしばしば儀式化され信号となる。

9 威嚇行動 攻撃行動の意図運動 ユリカモメ 服従行動 服従の意図行動 マカク属 アカゲザルを含む アメリカササゴイ

10 アオノドヒメウ 速く羽を振るわせる シロカツオドリ ゆっくりと羽を振るわせる アオアシカツオドリ カワウ 首をのけぞらせる カツオドリ目における 飛び立ち行動から 求愛行動への儀式化 羽を振るわせる ズグロムナジロヒメウ アメリカヘビウ

11 動機の対立(Motivational conflict)
 動物は,飢え,攻撃,恐怖,繁殖といった多くの動機システム(motivational system)をもち,それぞれが,生理的,心理的に制御されている。 2つの動機システムにおいて同時に反応をおこすレベルに達しているとき,その動物は,動機対立の状態にあると言う。動機対立の典型例は,同じぐらいの力をもった競争相手に出会ったときに起こる。そのとき,攻撃と恐怖のシステムが同時に働く。

12 動機対立におかれて動物は,しばしば両価性行動(葛藤行動,ambibalence behaviour)をとると考えられる。
両価性行動には交互(alternation)行動と混合動機運動がある。 交互行動を取る例は,トゲウオで知られている。トゲウオのオスは,メスが縄張りに入ったとき,それを攻撃しようとする動機とそのメスを巣に導きたいという動機から,メスと巣の間を行ったり来たりする行動を取る。 混合動機運動の例は,オス同士が出会ったとき見せる,体の広い側を見せる威嚇ディスプレイ(broadside threat display)である。体が大きい個体は、闘争に勝つ確率が高いので,体を大きく見せる行動が進化したと考えられる。 オオカミでは,攻撃と恐怖の程度が表情になって現れる

13 広い側を見せる威嚇ディスプレイ(broadside threat display)
コケギンポの一種 Emblemaria pandionis 自分の住み家を守るため 背と腹のひれを威嚇のため使用

14 広い側を見せる威嚇ディスプレイ(broadside threat display)
アメリカバイソンの威嚇ディスプレイ 自分の側面をみせ,大きさを誇示する

15 広い側を見せる威嚇ディスプレイ(broadside threat display)
スベヒタイヘルメットイグアナ, Corytophanes cristatus 頭部と喉をひろげ 威嚇する

16 オオカミでは,その攻撃と恐怖の程度が表情になって現れる

17 転位行動(displacement behaviour)とは,一見動機システムとは関係のない行動をいい,通常の動きに似ているが,全く本来の機能を持たず,短い時間で終わり不完全である。
これも,動機対立におかれた動物でよく起こる。摂食行動のふり,寝たふり,羽繕いの振りなどがすることが知られている

18 転位行動でも両価性行動でも,受け手は,それによって送り手の状況を分かり,利益がある。一方,送り手も受け手反応をみることにより,利益がある可能性がある。

19 キンカンチョウ 求愛の際嘴を木にこすりつけ掃除 転位行動の例 トゲウオ 砂を掘る巣作り行動が威圧行動に儀式化 セグロカモメ 境界線を巡る闘争の際,喉を締め付けるよう音を出す。巣作りの際ペアが行う行動に似ている ソリハシセイタカシギ 闘争の際,眠る ニワトリのオス 闘争の際,優位個体は餌をついばむ


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