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1 関節リウマチ 疾患別研修 これから、関節リウマチについての発表を始めたいと思います。.

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1 1 関節リウマチ 疾患別研修 これから、関節リウマチについての発表を始めたいと思います。

2 関節リウマチとは… 関節滑膜の増殖による慢性・持続性・骨破壊性の多発 関節炎を特徴とする全身性炎症性疾患である
2 関節リウマチとは… 関節滑膜の増殖による慢性・持続性・骨破壊性の多発 関節炎を特徴とする全身性炎症性疾患である 関節のみの症状にとどまらず、全身症状やさまざまな 臓器病変(関節外症状)の合併を認め、リウマトイド因 子(変性IgGのFc部分に対する自己抗体)などの自己抗 体を認める全身性自己免疫疾患である 好発年齢は30~50歳代に多く、男女比は約1:3と女 性に多い まずは、関節リウマチの定義についてです。 ①関節リウマチは、関節滑膜の増殖による慢性・持続性・骨破壊性の多発関節炎を特徴とする全身性炎症性疾患です。 ②そして、症状は関節のみにとどまらず、関節外症状と呼ばれる全身症状やさまざまな臓器病変の合併を認め、リウマトイド因子などの自己抗体を認める全身性自己免疫疾患でもあります。 ③好発年齢は30~50歳代に多く、男女比は約1:3と女性に多いことが特徴です。

3 病因 遺伝的要因(HLAおよび非MHC遺伝子)と環境要因 (ウイルス感染など)が想定されている
3 病因 遺伝的要因(HLAおよび非MHC遺伝子)と環境要因 (ウイルス感染など)が想定されている Ⅲ型アレルギーによる自己免疫説が有力であり、リ ウマトイド因子は関節リウマチ患者の70~80%に 検出される 続いて病因です。 ①病因として、遺伝的要因と環境要因が想定されています。 ②また、Ⅲ型アレルギーによる自己免疫説が有力であり、リウマトイド因子は関節リウマチ患者の70~80%に検出されます。

4 病態 4 正常な関節 関節リウマチの関節 軟骨はクッションの役割を、 免疫異常により関節に炎症が起こる
関節腔を満たす関節液は潤滑油の役割をしている 免疫異常により関節に炎症が起こる 続いて病態です。 左の図は正常な関節、右の図は関節リウマチを起こした関節を示しています。 ①正常である関節の場合、軟骨はクッションの役割を、関節腔を満たす関節液は潤滑油の役割を果たしています。 ②一方、関節リウマチを起こした関節では、免疫異常により関節に炎症が起こっています。 ③炎症により、滑膜が腫れ、関節腔に関節液がたまっていきます。 ④すると、炎症に関与するサイトカインが過剰につくられ、さらに炎症が悪化していきます。 ⑤炎症により滑膜細胞は増殖し、パンヌスと呼ばれる肉芽細胞を形成して、軟骨・骨・軟部組織を破壊しながら増殖していき関節の変形を起こします。 ⑥最終的に、パンヌスは線維性組織及び骨組織に置き換わって可動性が消失し、強直をきたします。 滑膜が腫れ、関節腔に関節液がたまる 炎症に関与するサイトカインが過剰につくられ、さらに炎症が悪化する 炎症により滑膜細胞は増殖し、パンヌスと呼ばれる肉芽細胞を形成して、 軟骨・骨・軟部組織を破壊しながら増殖していき関節の変形を起こす パンヌスは線維性組織及び骨組織に置き換わって可動性が消失し、強直をきたす

5 骨破壊のメカニズム 5 炎症性サイトカイン (IL-6、IL-1、TNF-α) 滑膜マクロファージ 破骨細胞誘導性T細胞 滑膜線維芽細胞
RANKL IL-17 Th17細胞 RANK 破骨細胞前駆細胞 続いて、骨破壊のメカニズムです。 ①関節の滑膜に浸潤したTh17細胞は ②IL-17を産生することで ③滑膜マクロファージを活性化させ ④IL-1、IL-6などの炎症性サイトカインの産生を促します。 ⑤炎症性サイトカインは強いRANKL誘導能をもちます。 ⑥また、IL-17はそれ自体が滑膜線維芽細胞に作用しRANKLの発現を誘導することができます。 ⑦RANKLの発現増強に伴い、破骨細胞の分化が亢進し、過剰な骨破壊が生じます。 ⑧TNF-αやIL-1がRANKLを介さずに直接破骨細胞の分化や機能を制御する報告もあり、関節リウマチ病変における骨破壊には複数の機構が関与していると考えられています。 ⑨ちなみに、Th1細胞はINF-γを、Th2細胞はIL-4を産生して破骨細胞の活性化を抑制しています。 IFN-γ Th1細胞 IL-4 Th2細胞 破骨細胞

6 6 症状 ボタン穴変形 スワンネック変形、尺側偏位 関節症状 初期症状は朝のこわばり 病変は手指などの小関節から左右 対称性・多発性に進行し、しだいに 肘、肩、股、膝、頸などの大関節も 侵される 頸椎病変による末梢神経障害を認 めることがある 次に関節リウマチの症状です。 ①まず最初に関節症状です。 ②初期症状としては、朝のこわばりが特徴的です。 ③病変は手指(しゅし)などの小関節から左右対称性・多発性に進行し、しだいに肘(ひじ)、肩、股(また)、膝(ひざ)、頸(くび)などの大関節も侵されていきます。 ④頸椎病変による末梢神経障害を認めることもあります。 ⑤手の関節の中で症状が出やすい関節として ⑥手首の関節があります。 ⑦また、中手指節関節(ちゅうしゅしせつかんせつ)に炎症が続くと、指を伸ばす「すじ」が手のひら側にずり落ち、中手指節関節は曲がり、近位指節間関節は反り、指先の遠位指節間関節は曲がって、形が白鳥の首のようになるスワンネック変形や ⑧親指を除く4本の指の、中手指節関節がずれたり亜脱臼を起こし、指が小指側に曲がって起こる尺側偏位(しゃくそくへんい)につながります。 ⑨近位指節間関節(きんいしせつかんかんせつ)に炎症が続くと、指の背側の関節包が引き伸ばされ、腱が裂けて、骨が飛び出ます。そのため、近位指節間関節は出っ張って内側へ曲がり、遠位指節間関節は外側へ反って、 ⑩ボタンホール変形を起こします。 ⑪足の関節では ⑫足首での炎症や ⑬中足趾節関節(ちゅうそくしせつかんせつ)での炎症が多く ⑭外反母趾や槌趾(ついし)変形などが起こります。 外反母趾

7 関節外症状 全身症状(発熱、体重減少、全身倦怠感、易疲労感) 皮下結節(リウマトイド結節)
7 関節外症状 全身症状(発熱、体重減少、全身倦怠感、易疲労感) 皮下結節(リウマトイド結節) 血管炎(紫斑、皮膚潰瘍、壊疽、多発性単神経炎、下血 など) 眼症状(強膜炎、虹彩毛様体炎、乾燥性角結膜炎、 シェーグレン症候群) 肺病変(間質性肺炎、胸膜炎、肺内リウマトイド結節) 二次性アミロイド―シス[タンパク尿、ネフローゼ症候群、 腎不全、消化管障害(下痢、便秘、下血など)] 次に関節外症状です。関節リウマチでは、関節以外の部分でも症状が出ます。 ①発熱、体重減少、全身倦怠感、易疲労感などの全身症状や ②リウマトイド結節とも呼ばれる皮下結節が起こります。 ③リウマトイド結節では、肘や膝の関節の外側、アキレス腱、後頭部など、皮膚の下に骨があり、外部から圧迫されやすい部分に、痛みも痒みもないこぶのようなしこりができます。 ④その他には、紫斑などの血管炎や ⑤強膜炎(きょうまくえん)などの眼の症状 ⑥間質性肺炎などの肺の病変 ⑦タンパク尿などの二次性アミロイド―シスなどがあります。 リウマトイド結節 肘や膝の関節の外側、アキレス腱、後頭部など、皮膚の下に骨があり、外部から圧迫されやすい部分に、痛みも痒みもないこぶのようなしこりができる。

8 検査 赤沈(赤血球沈降速度) CRP(C反応性タンパク) 8
赤沈とは、血液を固まらないようにしてガラ ス管内に静置した時に、赤血球が1時間に 何mm沈むかを測ったもの。体内で炎症が 起こっていると、沈む速度が速まり、値が大 きくなる。感染症など炎症を伴うさまざまな 病気で値が高くなり、関節リウマチでも診断 や活動性を知る目安となる。 正常値:1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下 CRP(C反応性タンパク) 続いて検査についてです。 ①まず、赤血球沈降速度です。 ②この検査は、血液を固まらないようにしてガラス管内に静置した時に、赤血球が1時間に何mm沈むかを測ったものです。体内で炎症が起こっていると、沈む速度が速まり、値が大きくなります。感染症など炎症を伴うさまざまな病気で値が高くなり、関節リウマチでも診断や活動性を知る目安となります。 ③正常値は1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下となっています。 ④次に、CRPです。 ⑤CRPとは、体内に炎症や組織の破壊がある時に、肝臓で作られる特殊なタンパク質です。感染症など炎症を伴うさまざまな病気で値が高くなりますが、関節リウマチの場合はこの値が2mg/dL以上のとき、活動性が高いと判断されます。 ⑥正常値は0.3mg/dL以下となっています。 CRPとは、体内に炎症や組織の破壊がある時に、肝臓で作られる 特殊なタンパク質である。感染症など炎症を伴うさまざまな病気で 値が高くなるが、関節リウマチの場合はこの値が2mg/dL以上の とき、活動性が高いと判断される。 正常値:0.3mg/dL以下

9 抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体)
9 リウマトイド因子(RF) リウマトイド因子とは、自己抗体のひとつで、関節リウマチや他の 膠原病などの自己免疫疾患の方にみられるタンパク質の一種で ある。関節リウマチ患者の約80%が陽性であるが、残りの20%で は陰性となるため、たとえリウマトイド因子が陰性でも関節リウマチ ではないとは言い切れない。 抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体) 抗CCP抗体は、自己抗体のひとつであるが、リウマ トイド因子と違い、エリテマトーデスなど他の病気で はあまりみられないこと、早期の関節リウマチでも みられることから、関節リウマチの診断に役立てら れる。 続いて、リウマトイド因子です。 ①リウマトイド因子とは、自己抗体のひとつで、関節リウマチや他の膠原病などの自己免疫疾患の方にみられるタンパク質の一種です。関節リウマチ患者の約80%が陽性となるが、残りの20%では陰性となるため、たとえリウマトイド因子が陰性でも関節リウマチではないとは言い切れません。 ②次に抗環状シトルリン化ペプチド抗体です。 ③抗CCP抗体は、自己抗体のひとつですが、リウマトイド因子と違い、エリテマトーデスなど他の病気ではあまりみられないこと、早期の関節リウマチでもみられることから、関節リウマチの診断に役立てられています。 ④続いて、マトリックスメタロプロテアーゼ-3です。 ⑤MMP-3とは、線維芽細胞や滑膜細胞、軟骨細胞から分泌されるタンパク分解酵素で、関節炎がひどくなると、その量はより増加します。リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに有用です。 マトリックスメタロプロテアーゼ-3(MMP-3) MMP-3とは、線維芽細胞や滑膜細胞、軟骨細胞から分泌されるタ ンパク分解酵素で、関節炎がひどくなると、その量はより増加する。 リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに有 用である。

10 10 画像検査 X線検査では、骨が虫食いのように欠けたり(骨びらん)、関節のす き間が狭くなって骨同士がくっつく状態(強直)などから、リウマチの 進行度がわかる。 関節超音波検査は、リウマチの早期診断に使われる。また、個々 の関節の炎症の程度を知ることもできる。 CT検査は、首(頸椎)や太もも(大腿骨頭)の病変、間質性肺炎など をみるのに有効である。 MRI検査では、骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖の度合い、 骨びらんなどが早期からわかる。 尿検査 続いて画像検査です。 ①X 線検査では、骨が虫食いのように欠けたり、関節のすき間が狭くなって骨同士がくっつく状態などから、リウマチの進行度がわかります。 ②関節超音波検査は、リウマチの早期診断に使われます。また、個々の関節の炎症の程度を知ることもできます。 ③CT 検査は、首や太ももの病変、間質性肺炎などをみるのに有効です。 ④MRI 検査では、骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖の度合い、骨びらんなどが早期からわかります。 ⑤最後に尿検査です。 ⑥リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪くなり、尿にタンパクが出ることがあります。また、尿検査は、薬の副作用や、合併症のチェックもできます。 リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪く なり、尿にタンパクが出ることがある。 尿検査は、薬の副作用や、他に発病し た病気(合併症)のチェックもできる。

11 診断 11 関節リウマチ分類のための米国リウマチ学会改定基準(1987年) この基準は発症早期のRAの診断には必ずしも適していない
朝のこわばり(1時間以上持続) 2 3ヶ所以上の関節腫脹 3 近位指節関節(PIP)、中手指節関節(MCP)または手関節の関節腫脹 4 対称性関節腫脹 5 リウマトイド結節 6 血清リウマトイド因子陽性 7 手指・手のX線変化(骨びらんなど) ・1~3の所見は6週間以上の持続を要する ・関節腫脹とは医師により確認された関節軟組織の腫脹か滑液貯留で、自覚的な関節痛または ・圧痛・運動痛のみは該当しない ・7項目中4項目以上を満たせばRAと分類してよい 続いては、診断についてです。 ①この表は、関節リウマチ分類のための米国リウマチ学会改定基準です。7項目中4項目以上を満たせば関節リウマチと分類してよいというものです。 ②しかしながら、この基準では早期の患者さんを関節リウマチと診断できないことが多く、早期診断には適していませんでした。 ③関節リウマチの早期診断には抗CCP抗体や関節MRIが有用とされています。 この基準は発症早期のRAの診断には必ずしも適していない RAの早期診断には抗CCP抗体や関節MRIが有用である

12 日本リウマチ学会の早期関節リウマチの診断基準(1994年)
12 日本リウマチ学会の早期関節リウマチの診断基準(1994年) 1 3つ以上の関節で、指で押さえたり動かしたりすると痛みを感じる 2 2つ以上の関節に炎症による腫れがみられる 3 朝のこわばりがみられる 4 皮下結節(リウマトイド結節)がひじやひざなどにみられる 5 血液検査で赤沈に異常がみられる、またはCRPが陽性である 6 血液検査でリウマトイド因子が陽性である ・6項目のうち、3項目以上にあてはまる場合を早期関節リウマチとするとされる そこで、日本リウマチ学会では、1994年に早期関節リウマチの診断基準を提唱しています。 ①6項目のうち、3項目以上にあてはまる場合を早期関節リウマチと診断します。この基準は、早い時期での関節リウマチ診断に役立つことが示されています。

13 (ただし、他の関節腫脹を来す疾患を鑑別)
13 2010ACR/EULAR関節リウマチ新分類基準(2010年) 欧州リウマチ学会と米国リウマチ学会の共同作成による新しい関節リウマチ分類基準。早期に抗リウマチ薬による治療開始が必要な患者を同定することを意図したもの。 1つ以上の関節腫脹を認める (ただし、他の関節腫脹を来す疾患を鑑別) 関節病変 中~大関節に1つ以下の腫脹または疼痛関節あり 中~大関節に2~10個の腫脹または疼痛関節あり 1 小関節*に1~3個の腫脹または疼痛関節あり 2 小関節に4~10個の腫脹または疼痛関節あり 3 少なくとも1つ以上の小関節領域に10個を超える腫脹または疼痛関節あり 5 血清学的因子 RFも抗CCP抗体も陰性 RFか抗CCP抗体のいずれかが低値の陽性(基準値上限の3倍以下) RFか抗CCP抗体のいずれかが高値の陽性(基準値上限の3倍を超える) 滑膜炎持続時間 6週間未満 6週間以上 炎症マーカー CRP 、ESR ともに正常値 CRP 、ESRのいずれかが異常値 スコア6点以上ならばRAと診断 1987年の米国リウマチ学会による分類基準では早期の患者さんを関節リウマチと診断できないことが多く、早期診断には適していなかったという状況から、2010年に米国および欧州リウマチ学会が合同で新しい分類基準を発表しました。 ①早期に抗リウマチ薬による治療開始が必要な患者を同定することを意図したものとなっています。 ②この基準では、少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症がみられ、その原因として関節リウマチ以外の病気が認められない場合に、(1)症状がある関節の数、(2)リウマトイド因子または抗CCP抗体、(3)症状が続いている期間、(4)CRPまたは赤沈、の4項目についてのそれぞれの点数を合計し、6点以上であれば関節リウマチと診断、抗リウマチ薬による治療を開始します。日本リウマチ学会でもこの基準が検証され、早い時期での関節リウマチ診断に役立つことが示されました。ただし、関節リウマチ以外の病気でも合計6点以上になってしまうことがあるため、点数をつける前に他の疾患がないか十分に検討する必要があります。 *手関節(手首)は小関節に含める。 大関節:肩、肘、股、 膝、 足関節

14 病期分類 関節リウマチの進行度 14 ステージⅠ (初期) ステージⅡ (中等期) ステージⅢ (高度進行期) ステージⅣ (末期)
続いて、病期分類です。 ①この図は、リウマチの進行度について分類したものです。 ②ステージⅠは、X線検査で骨・軟骨の破壊がない状態です。 ③ステージⅡは、軟骨が薄くなり、関節の隙間が狭くなっているが骨の破壊はない状態です。 ④ステージⅢは、骨・軟骨に破壊が生じた状態です。 ⑤ステージⅣは、関節が破壊され、動かなくなってしまった状態です。 ステージⅠ (初期) X線検査で骨・軟骨の 破壊がない状態 ステージⅡ (中等期) 軟骨が薄くなり、 関節の隙間が狭くなっているが 骨の破壊はない状態 ステージⅢ (高度進行期) 骨・軟骨に破壊が生じた状態 ステージⅣ (末期) 関節が破壊され、 動かなくなってしまった状態

15 機能障害の進行度 15 クラスⅠ(ほぼ正常) クラスⅡ(軽度障害) クラスⅢ(制限) クラスⅣ(不能) 次に機能障害の進行度の分類です。
①クラスⅠは、健康な方とほぼ同様に不自由なく生活や仕事ができる状態です。 ②クラスⅡは、多少の障害はあるが普通の生活ができる状態です。 ③クラスⅢは、身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要な状態です。 ④クラスⅣは、ほとんど寝たきりあるいは車椅子生活で身の回りのことが自分ではほとんどできない状態です。 クラスⅠ(ほぼ正常) 健康な方とほぼ同様に 不自由なく生活や仕事が できる状態 クラスⅡ(軽度障害) 多少の障害はあるが 普通の生活ができる状態 クラスⅢ(制限) 身の回りのことは 何とかできるが 外出時などには 介助が必要な状態 クラスⅣ(不能) ほとんど寝たきり あるいは車椅子生活で 身の回りのことが自分では ほとんどできない状態

16 16 合併症 シェーグレン症候群 自己免疫現象が涙腺や唾液腺に対して起こり、涙腺や唾液腺が炎症を  起こして破壊されていき、涙や唾液の分泌量が低下する 症状としては、眼が乾く・ゴロゴロする・痛い、口が乾く、急に虫歯が増えた、 ビスケットやせんべいが食べにくいなど 橋本病 甲状腺に慢性の炎症が起き、甲状腺の機能が低下する自己免疫疾患 症状としては、甲状腺の腫れ、体重増加、皮膚の乾燥など 続いて、合併症です。関節リウマチには、種々の合併症が 出現することが知られています。 ①まず、シェーグレン症候群です。 ②シェーグレン症候群とは、自己免疫現象が涙腺や唾液腺に対して起こり、涙腺や唾液腺が炎症を起こして破壊されていき、涙や唾液の分泌量が低下する疾患です。 ③症状としては、眼が乾く・ゴロゴロする・痛い、口が乾く、急に虫歯が増えた、ビスケットやせんべいが食べにくいなどがあります。 ④次に、橋本病です。 ⑤橋本病とは、甲状腺に慢性の炎症が起き、甲状腺の機能が低下する自己免疫疾患です。 ⑥症状としては、甲状腺の腫れ、体重増加、皮膚の乾燥などがあります。 ⑦次に、うつ状態です。 ⑧関節リウマチの痛みが続くことによって、うつ状態になる場合があります。 うつ状態 関節リウマチの痛みが続くことによって、うつ状態になる場合がある

17 アミロイドーシス 骨粗鬆症 感染症 17 慢性的な炎症によって、「アミロイド蛋白」という物質が増え、さまざまな臓器 に沈着して障害を起こす
下痢や便秘などの消化器症状や、タンパク尿などの腎障害、心臓の肥大や 不整脈などが起こる 骨粗鬆症 関節リウマチになると、炎症に関係するさまざまなサイトカインが増え、その 影響で骨がスカスカになって、もろくなる骨粗鬆症が起こりやすい 治療に使われるステロイドの副作用として骨粗鬆症が起こることもある 感染症 次に、アミロイドーシスです。 ①アミロイドーシスとは、慢性的な炎症によって、「アミロイド蛋白」という物質が増え、さまざまな臓器に沈着して障害を起こす疾患です。 ②下痢や便秘などの消化器症状や、タンパク尿などの腎障害、心臓の肥大や不整脈などが起こります。 ③続いて、骨粗鬆症です。 ④関節リウマチになると、炎症に関係するさまざまなサイトカインが増え、その影響で骨がスカスカになって、もろくなる骨粗鬆症が起こりやすくなっています。 ⑤また、リウマチの治療に使われるステロイドの副作用として骨粗鬆症が起こることもあります。 ⑥次に、感染症です。 ⑦関節リウマチの治療に使われるステロイド、抗リウマチ薬、生物学的製剤は、免疫の働きを抑えるため、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、これらの感染症にかかりやすくなってしまいます。 ⑧感染症がきっかけとなって、関節リウマチの症状が悪くなることもあります。 関節リウマチの治療に使われるステロイド、抗リウマチ薬、生物学的製剤は、 免疫の働きを抑えるため、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、これら の感染症にかかりやすくなる 感染症がきっかけとなって、関節リウマチの症状が悪くなることもある

18 治療 基礎療法(患者教育、安静・運動など) 薬物療法 特殊療法(白血球除去療法など) リハビリテーション 外科療法 18 治療目標
続いて、治療についてです。 ①治療法として、基礎療法、薬物療法、特殊療法、リハビリテーション、外科(げか)療法などがあります。 ②関節リウマチの治療目標は、寛解に導き、関節破壊の進行を阻止することです。 ③疾病により生じる疼痛の軽減、身体機能を維持して非可逆的変化の出現を防止し、患者の身体的、精神的、社会的な生活の質(QOL)の向上を図ることにあります。 治療目標 RAを寛解に導き、関節破壊の進行を阻止する 疾病により生じる疼痛の軽減、身体機能を維持して 非可逆的変化の出現を防止し、患者の身体的、精神的、 社会的な生活の質(QOL)の向上を図ることにある。

19 19 基礎療法 患者教育 関節リウマチは治療を始めた時期や、患者さんによって症状や進行に差 のある病気である。同じ薬であっても、効果の程度には差がある。 その ため、治療にあたっては症状・予後・治療法・薬の効果などを患者さん本 人や家族が知り、十分に理解することが大切である。 安静 関節リウマチでは、微熱・貧血・リンパ節腫脹・体重減少などの全身疾患 を伴うため、リウマチの活動性が活発なときには、例えば昼寝といった安 静も必要になる。 しかし、全身的安静時であっても、関節可動域を保持 するための簡単な運動を1日数回行う必要がある。 リウマチの患者さんは他の人に比べて疲れやすいので、睡眠は十分にと る(9~10時間くらい)。 治療法の1つ目、基礎療法です。 ①まずは、患者教育です。 ②関節リウマチは治療を始めた時期や、患者さんによって症状や進行に差のある病気です。 同じ薬であっても、効果の程度には差が出ます。 そのため、治療にあたっては症状・予後・治療法・薬の効果などを患者さん本人や家族が知り、十分に理解することが大切です。 ③次に、安静です。 ④関節リウマチでは、微熱・貧血・リンパ節腫脹・体重減少などの全身疾患を伴うため、リウマチの活動性が活発なときには、例えば昼寝といった安静も必要になります。 しかし、全身的安静時であっても、関節可動域を保持するための簡単な運動を1日数回行う必要があります。 ⑤リウマチの患者さんは他の人に比べて疲れやすいので、9~10時間くらいの睡眠をとることが大切です。

20 20 運動 関節リウマチでは、病気が進行するにつれ関節の軟骨や骨が破壊され、 運動機能を制限する症状が現れるようになる。しかし、関節を動かさない でいると関節は固くなり、筋肉は痩せ、骨への荷重をかけないでいると、 骨からカルシウムが出てしまう。そのため、筋力の維持や、関節可動域の 維持を目的とした運動を、自宅や病院で行う必要がある。 運動例として、入浴後や温熱療法後などに最大限の屈 伸運動を全関節で行ったり、お風呂やプールなど体重や 重力の負担が少ない状況での運動を行ったりするなどが ある(1日1回以上)。 薬を正しく服用 処方薬を規則正しく服用することが大切 薬によっては2~3ヶ月後くらいから効き目が出てくるものもあるため、 効かないからといって勝手に服用をやめてはいけない 3~4ヶ月服用してもまったく症状が改善しない場合や身体に異常が 生じた場合は、主治医に相談する 次に、運動です。 ①関節リウマチでは、病気が進行するにつれ関節の軟骨や骨が破壊され、運動機能を制限する症状が現れるようになります。しかし、関節を動かさないでいると関節は固くなり、筋肉は痩せ、骨への荷重をかけないでいると、骨からカルシウムが出てしまいます。そのため、筋力の維持や、関節可動域の維持を目的とした運動を、自宅や病院で行う必要があります。 ②運動例として、入浴後や温熱療法後などに最大限の屈伸運動を全関節で行ったり、お風呂やプールなど体重や重力の負担が少ない状況での運動を行ったりするなどがあります。 ③続いて、薬の服用です。 ④関節リウマチの治療では、処方薬を規則正しく服用することが大切です。 ⑤薬によっては2~3ヶ月後くらいから効き目が出てくるものもあるため、効かないからといって勝手に服用をやめてはいけません。 ⑥3~4ヶ月服用してもまったく症状が改善しない場合や身体に異常が生じた場合は、主治医に相談するようにします。

21 21 日常生活指導 関節リウマチは患者さんの生活と密接に関わっている。患者さんが生活 をコントロールすることで、症状を軽減し、病気の進行を抑制し、遅らせる ことがある程度期待できる。 食事については、糖尿病や高血圧などの合併症がない限り、食事制限は なく、タンパク質・ビタミン・ミネラルなどのバランスのとれた食事を心掛け ることが大切である。肥満は関節への負担が増すので注意が必要。また、 骨を強くする意味でカルシウムを摂るよう心掛ける。 温度調整については、できるだけ関節を冷やさないよう、冷房の当たる場 所などでは膝掛けを利用するなど工夫をする。 痛みが少しでも楽になる姿勢をとりがちだが、これは関節の強直や変形を 助長してしまうので、寝ているときでも、座っているときでも、正しい姿勢を とるように心掛ける。 続いて、日常生活指導です。 ①関節リウマチは患者さんの生活と密接に関わっています。患者さんが生活をコントロールすることで、症状を軽減し、病気の進行を抑制し、遅らせることがある程度期待できます。 ②食事については、糖尿病や高血圧などの合併症がない限り、食事制限はなく、タンパク質・ビタミン・ミネラルなどのバランスのとれた食事を心掛けることが大切です。肥満は関節への負担が増すので注意が必要です。また、骨を強くする意味でカルシウムを摂るよう心掛けることも大切です。 ③温度調整については、できるだけ関節を冷やさないよう、冷房の当たる場所などでは膝掛けを利用するなど工夫をすることが大切です。 ④痛みが少しでも楽になる姿勢をとりがちですが、これは関節の強直や変形を助長してしまうので、寝ているときでも、座っているときでも、正しい姿勢をとるように心掛けることが大切です。

22 薬物療法 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs) 生物学的製剤(bDMARD) NSAIDs 副腎皮質ステロイド性薬
22 薬物療法 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs) 生物学的製剤(bDMARD) NSAIDs 副腎皮質ステロイド性薬 その他(関節機能改善薬) 続いて、薬物療法です。 ①関節リウマチの治療薬は、疾患修飾性抗リウマチ薬、生物学的製剤、NSAIDs、副腎皮質ステロイド性薬、その他の5種類に分けられます。 ②関節リウマチの治療方式として、ステップダウンブリッジ方式というものがあります。 ③関節リウマチにおける骨破壊は発症の比較的早期に起こり、早期治療により関節破壊を遅らせる可能性があることなどから、現在の薬物治療は強力なDMARDsを早期から使用し、NSAIDs、少量の副腎皮質ステロイド性薬を補助的に用いることにより、関節炎の進行を抑え、その後の症状に合わせて減薬や副作用の少ない薬剤への変更を行っていくというものです。 ステップダウンブリッジ方式 関節リウマチにおける骨破壊は発症の比較的早期に起こり、早期治療により関節破壊を遅らせる可能性があることなどから、現在の薬物治療は強力なDMARDsを早期から使用し、NSAIDs、少量の副腎皮質ステロイド性薬を補助的に用いることにより、関節炎の進行を抑え、その後の症状に合わせて減薬や副作用の少ない薬剤への変更を行う。

23 早期関節リウマチ(罹病期間:6ヶ月未満)に関する 2012年度のACR Recommendations
23 早期関節リウマチ(罹病期間:6ヶ月未満)に関する          2012年度のACR Recommendations 目標:低疾患活動性または寛解 疾患活動性 中等度 予後不良の特徴* 予後不良の特徴* なし あり なし あり 早期関節リウマチの治療に関する2012年度のACR Recommendationsのフローチャートを示します。 ①疾患活動性の程度や予後不良の特徴の有無で使用する薬剤を決めていきます。ヒドロキシクロロキンについては、日本では関節リウマチの適応が承認されていません。 抗TNF製剤 (MTXと併用 または併用せず) または DMARD併用療法 (2剤・3剤療法#) DMARD単剤療法 または ヒドロキシクロロキン※ およびMTX DMARD併用療法 (2剤・3剤療法) DMARD単剤療法 *:機能制限、関節外疾患、リウマトイド因子もしくは抗CCP抗体陽性、X線画像での骨びらんのうち、1つ以上が存在する。 #:2剤療法;MTX+ヒドロキシクロロキン※、MTX+レフルノミド、MTX+SASP、SASP+ヒドロキシクロロキン※など 3剤療法;MTX+ヒドロクロロキン※+SASP ※:国内未承認

24 2012年度のACR Recommendations
24 確定診断された関節リウマチに関する          2012年度のACR Recommendations 目標:低疾患活動性または寛解 低疾患活動性 (予後不良の特徴*なし) 低疾患活動性(予後不良の特徴*あり) または中等度以上の疾患活動性 MTX単剤療法またはDMARD併用療法+MTX (2剤・3剤療法*を含む) DMARD単剤療法 再評価 再評価 A:MTX、ヒドロキシクロロキン*、 またはレフルノミドを追加投与 (必要に応じて) B:他のDMARDを追加投与、 または他のDMARDに切り替え 再評価 再評価 D:アバタセプトまたは リツキシマブを追加投与、 もしくはアバタセプトまたは リツキシマブに切り替え C:抗TNF生物学的製剤を追加投与、または抗TNF生物学的製剤に切り替え 続いて、確定診断された関節リウマチに関する2012年度のACR Recommendationsのフローチャートを示します。 ①再評価を繰り返しながら、治療薬を決定していきます。 再評価 または非重篤有害事象を 認めた場合 再評価 または何らかの有害事象を 認めた場合 重篤有害事象を 認めた場合 E:他の非TNF生物学的製剤に切り替え F:他の抗TNF生物学的製剤、または非TNF生物学的製剤に切り替え 再評価 G:他のタイプまたはカテゴリーの抗TNF生物学的製剤もしくは非TNF生物学的製剤に切り替え

25 他のcsDMARDに変更もしくは追加併用する
25 関節リウマチ診療フローチャート (関節リウマチ診療ガイドライン2014) RAと診断 MTX使用可能 MTX禁忌 できる限り早期にMTX開始±短期間少量PSL併用 効果不十分であれば他のcsDMARD併用 できる限り早期にcsDMARD開始±短期間少量PSL併用 効果不十分であれば他のcsDMARD併用 YES 3~6ヶ月以内に寛解-低疾患活動性を達成 継続 NO 予後不良因子あり 予後不良因子なし bDMARDを追加する 他のcsDMARDに変更もしくは追加併用する NO 関節リウマチ診療ガイドライン2014の示すフローチャートです。 ①これが最新の治療方針となっています。関節リウマチ診断確定後はできるかぎり早期にcsDMARD(MTXが禁忌でなければMTX、禁忌ならcsDMARD)を開始するとともに、適宜NSAIDsを併用します。炎症の強い症例では少量のステロイド(プレドニゾロン換算10mg/日以下)も初期関節破壊抑制効果が証明されており、短期間併用を考慮できます。次に、3ヶ月後に最初のcsDMARDの治療効果を判定し効果がみられないか不十分の場合、他のcsDMARDを追加・併用しさらに3ヶ月間効果を観察します。それでも効果不十分で予後不良因子(RF/ACPA高値、高疾患活動性持続、関節破壊あり)を有する場合はbDMARDを導入します。一方、予後不良因子がない場合は、さらに他のcsDMARDへの変更および併用が推奨されています。bDMARD、tsDMARDの効果は非常に高いですが特有の有害事象があるため、TNF阻害薬、トシリズマブ、アバタセプト、トファシチニブの使用ガイドラインは細かく定められています。 3~6ヶ月以内に寛解-低疾患活動性を達成 3~6ヶ月以内に寛解-低疾患活動性を達成 従来型DMARD(csDMARD) メトトレキサート(MTX)、サラゾスルファピリジン(SASP)、ブシラミン(BUC)、レフルノミド(LEF)、タクロリムス(TAC)、イグラチモド(IGU)、注射金製剤(GST) 分子標的型DMARD(tsDMARD) トファシチニブ 生物学的製剤(bDMARD) インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル、トシリズマブ、アバタセプト YES YES NO 継続 継続 YES bDMARDを変更する (トファシチニブも選択肢) 3~6ヶ月以内に寛解-低疾患活動性を達成 継続 NO

26 26 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs) 炎症自体を抑える作用はないが、RAの免疫異常を是正することによっ て、RAの活動性をコントロールする 抗リウマチ薬の多くは効果発現まで2~3ヶ月を要するので、服薬を開 始したら最低3ヶ月は投与を続け、3ヶ月続けても効果がみられないとき に他の薬に変更する 効果は個人差が大きく、ある薬剤がある症例に有効(レスポンダー)でも、 他の症例には無効(ノンレスポンダー)であることがある 投与を続けRAがよくコントロールされていても、治療法を変えないのに 再び活動性が亢進してくることがある(エスケープ現象) 原則、NSAIDsと併用して用いる 治療薬の1つ目、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs:ディーマーズ)です。 ①炎症自体を抑える作用はないのですが、関節リウマチの免疫異常を是正することによって、関節リウマチの活動性をコントロールします。 ②抗リウマチ薬の多くは効果発現まで2~3ヶ月を要するので、服薬を開始したら最低3ヶ月は投与を続け、3ヶ月続けても効果がみられないときに他の薬に変更するようにします。 ③効果については個人差が大きく、ある薬剤がある症例に有効でも、他の症例には無効であることがあります。 ④投与を続け関節リウマチがよくコントロールされていても、治療法を変えないのに再び活動性が亢進してくることもあります。 ⑤この薬は、原則、NSAIDsと併用して用います。 ⑥DMARDsは、免疫調節薬、免疫抑制薬、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬の3種類に分けられます。 免疫調節薬 オーラノフィン、金チオリンゴ酸ナトリウム、アクタリット、ロベンザリット、サラゾスルファピリジン、D-ペニシラミン、ブシラミン、イグラチモド 免疫抑制薬 メトトレキサート、レフルノミド、タクロリムス、ミゾリビン、アザチオプリン*、シクロホスファミド* JAK阻害薬 トファシチニブ *関節リウマチに対する保険適応はないが、悪性関節リウマチには使用される

27 免疫調節薬 27 金チオリンゴ酸ナトリウム(シオゾール) 筋注 オーラノフィン 経口
金チオリンゴ酸ナトリウム(シオゾール) 筋注 金(Au)が体内の硫黄に対して高親和性を示し、種々のSH酵素を阻害し効果を示す 関節炎症部位でのマクロファージ、好中球の成熟を抑制しリウマトイド因子(自己抗体) を低下させる キレート剤(D-ペニシラミン)と併用すると、重篤な血液障害を起こすため併用禁忌 オーラノフィン 経口 関節リウマチにおけるリウマトイド因子増加、補体活性化などの異常な免疫反応を 是正する 酸性非ステロイド性抗炎症薬で効果が得られないときに使用する寛解導入薬である まず、1つ目に免疫調節薬です。 ①金チオリンゴ酸ナトリウムは筋注で用います。 ②金が体内の硫黄に対して高親和性を示し、種々のSH(スルフヒドリルorチオール)酵素を阻害し効果を示します。 ③関節炎症部位でのマクロファージ、好中球の成熟を抑制しリウマトイド因子を低下させます。 ④D-ペニシラミンなどのキレート剤と併用すると、重篤な血液障害を起こすため、併用禁忌となっています。 ⑤オーラノフィンは経口で用います。 ⑥関節リウマチにおけるリウマトイド因子増加、補体活性化などの異常な免疫反応を是正します。 ⑦酸性非ステロイド性抗炎症薬で効果が得られないときに使用する寛解導入薬です。 金チオリンゴ酸ナトリウム(シオゾール) オーラノフィン

28 サラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN)
28 ロベンザリット(カルフェニール) アクタリット(オークル、モーバー) *現在その存在が疑問視されている サプレッサーT細胞*の分化誘導を促進し、免疫異常を正常化する 副作用:腎障害など ロベンザリットはタンパク結合能が強く、多剤との併用には注意 サラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN) 持続性スルホンアミド系薬 PG、LT類の産生抑制により抗炎症作用を示す マクロファージ・ヘルパー細胞からIL-1、IL-2及びIL-6遊離抑制を介して自己抗体産生 を抑制する 胃腸障害が強いので、腸溶錠が用いられる キャリア 続いて、ロベンザリット、アクタリットです。 ①サプレッサーT細胞の分化誘導を促進し、免疫異常を正常化するとされていますが、作用機序については不明な点が多いとされています。 ②副作用には腎障害などがあります。 ③ロベンザリットはタンパク結合能が強く、多剤との併用には注意が必要です。 ④次に、サラゾスルファピリジンです。 ⑤サラゾスルファピリジンは持続性スルホンアミド系薬です。 ⑥PG、LT類の産生抑制により抗炎症作用を示します。 ⑦マクロファージ・ヘルパー細胞からIL-1、IL-2及びIL-6遊離抑制を介して自己抗体産生を抑制します。 ⑧胃腸障害が強いので、腸溶錠が用いられています。 ⑨これは、サラゾスルファピリジンの体内での代謝の過程を示したものです。腸に運ばれたサラゾスルファピリジンのうち、1/3は小腸から吸収されます。 ⑩残りは大腸に移動し、腸内細菌によってサラゾスルファピリジンが分解され、スルファピリジンと5-アミノサリチル酸に分解されます。 ⑪小腸から吸収されたサラゾスルファピリジンは白血球などの免疫細胞に作用し、関節リウマチによる異常な抗体が作られる過程を抑制します。 ⑫一方、大腸で分解されて生成した5-アミノサリチル酸は、大腸で炎症が起こっている部位に結合し、炎症を鎮めると考えられています。これが、潰瘍性大腸炎の治療に用いられるメサラジンです。 ⑬分解によって生成するスルファピリジンは、もともと大腸に5-アミノサリチル酸を運ぶためのキャリアとしての役割を果たしていますが、副作用の原因となることもあります。 大腸の腸内細菌 により代謝 大腸部位の炎症を抑制 (メサラジン) 抗リウマチ作用

29 29 D-ペニシラミン(メタルカプターゼ) ブシラミン(リマチル) SH基を分子内に1個有する
ヘルパーT細胞を介して細胞性免疫系に働き、抑制する 免疫複合体やリウマトイド因子のジスルフィド結合(-S-S-)に働いて開裂させる 副作用:無顆粒球症、重症筋無力症、ネフローゼ症候群など 副作用頻度が高く、RAの治療薬として第一選択となることはない キレート剤のため食間投与 D-ペニシラミン(メタルカプターゼ) ブシラミン(リマチル) SH基を分子内に2個有する SH基が免疫複合体やリウマトイド因子のジスルフィド結合(-S-S-)を開裂させる ペニシラミンのような重篤な副作用がないので、活動性及び進行性例に対しては注射 金製剤に代わって汎用されている 食後投与可能 続いて、D-ペニシラミンです。 ①D-ペニシラミンはSH(チオール)基を分子内に1個有しています。 ②ヘルパーT細胞を介して細胞性免疫系に働き、抑制します。 ③免疫複合体やリウマトイド因子のジスルフィド結合(-S-S-)に働いて開裂させます。 ④副作用として、無顆粒球症、重症筋無力症、ネフローゼ症候群などが知られています。 ⑤副作用の頻度が高く、関節リウマチの治療薬として第一選択となることはありません。 ⑥キレート剤であるため、食間投与となっています。 ⑦次に、ブシラミンです。 ⑧こちらは、SH(チオール)基を分子内に2個有しています。 ⑨SH(チオール)基が免疫複合体やリウマトイド因子のジスルフィド結合(-S-S-)を開裂させます。 ⑩ペニシラミンのような重篤な副作用がないので、活動性及び進行性例に対しては注射金製剤に代わって汎用されています。 ⑪こちらは、食後投与が可能です。 ブシラミン(リマチル)

30 30 イグラチモド(ケアラム、コルベット) Nf-κB阻害作用により、炎症性サイトカインを抑制する
1日1回25mgを朝食後に4週間以上、その後1回25mgを1日2回に朝・夕食後に増量 単剤でサラゾスルファピリジンと同等の有効性を認め、RAの治療薬として第一選択と なり得る メトトレキサートとの併用で追加効果も証明されており、メトトレキサート効果不十分症 例にも併用を考慮できる 副作用として、肝機能障害の発生頻度がやや高いため、投与前及び最初の2ヶ月は2 週に1回、以降は1ヶ月に1回の肝機能検査が必要(AST、ALTが100IUで投与中止) 併用禁忌:ワルファリン 最後に、イグラチモドです。 ①Nf-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)阻害作用により、炎症性サイトカインを抑制します。 ②1日1回25mgを朝食後に4週間以上、その後1回25mgを1日2回に朝・夕食後に増量します。 ③単剤でサラゾスルファピリジンと同等の有効性が認められており、関節リウマチの治療薬として第一選択となり得ます。 ④メトトレキサートとの併用で追加効果も証明されており、メトトレキサート効果不十分症例にも併用を考慮できます。 ⑤副作用として、肝機能障害の発生頻度がやや高いため、投与前及び最初の2ヶ月は2週に1回、以降は1ヶ月に1回の肝機能検査が必要です。 ⑥併用禁忌の薬剤として、ワルファリンがあります。 ラムちゃん コルベアくん

31 免疫抑制薬 31 メトトレキサート(リウマトレックス)
ジヒドロ葉酸レダクターゼの働きを阻害することでDHFがTHFとなる反応を抑制し、 葉酸の活性化を阻害 抗体産生・リンパ球増殖抑制、血管新生や滑膜増殖抑制作用 致命的な骨髄抑制が現れることがあるので、休薬時間を厳守 重篤な副作用:感染症、肺障害、血液障害など 発熱、空咳、息切れ等の症状が出た場合にはすぐに医師に連絡 メトトレキサート最終投与後24~48時間後にフォリアミン5mgを週1回投与すること で効果を減じることなく副作用の一部を抑制できることがある ビタミンE剤併用で肝機能悪化が改善することがある 投与開始前・投与中は腎機能検査を行う 続いて、免疫抑制薬です。 ①1つ目はメトトレキサートです。 ②ジヒドロ葉酸レダクターゼの働きを阻害することで、DHF(ジヒドロ葉酸)がTHF(テトラヒドロ葉酸)となる反応を抑制し、葉酸の活性化を阻害します。 ③抗体産生・リンパ球増殖抑制、血管新生や滑膜増殖抑制作用を有します。 ④致命的な骨髄抑制が現れることがあるので、休薬時間を厳守することが大切です。 ⑤服用日が変則的であるため、メトトレキサートのPTPシートは、服用する日を記載できるようなデザインになっています。 ⑥重篤な副作用として、感染症、肺障害、血液障害などがあります。 ⑦発熱、空咳、息切れ等の症状が出た場合にはすぐに医師に連絡する必要があります。 ⑧メトトレキサート最終投与後24~48時間後にフォリアミン5mgを週1回投与することで効果を減じることなく副作用の一部を抑制できることがあります。 ⑨フォリアミンはメトトレキサートの作用に拮抗し、副作用の一部を抑制する効果があります。 ⑩ビタミンE剤との併用で肝機能悪化が改善することがあります。 ⑪投与開始前・投与中は腎機能検査を行うことが大切です。 服用する日を記載できる PTPのデザイン メトトレキサートの作用に拮抗し 副作用の一部を抑制 メトトレキサート(リウマトレックス) 葉酸製剤 フォリアミン

32 32 投与スケジュール(1週間で6mgの場合) ①3回分割投与の場合、初日から2日目にかけて1回2mgを12時間間隔で3回服用、残りの5日間は休薬 2mgずつ 12hr 12hr 5日間休薬 1日目 2日目 7日目 1週間6mg ②2回分割投与の場合、初日に1回3mgを12時間間隔で2回服用、残りの6日間は休薬 3mgずつ 12hr 6日間休薬 7日目 1日目 1週間6mg 1週間で6mgの場合のメトトレキサートの投与スケジュールの例を示します。 ①3回分割投与の場合、初日から2日目にかけて1回2mgを12時間間隔で3回服用し、残りの5日間は休薬します。 ②2回分割投与の場合、初日に1回3mgを12時間間隔で2回服用し、残りの6日間は休薬します。 ③1回分割投与の場合、初日に6mg服用し、残りの6日間は休薬します。 ③1回分割投与の場合、初日に6mg服用、残りの6日間は休薬 6mg 5日間休薬 1日目 7日目 1週間6mg

33 33 レフルノミド(アラバ) ピリミジン生合成に関与するジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)の活性を 阻害することにより、関節リウマチの原因とされている自己反応性のリンパ球の増 殖抑制作用を示す メトトレキサート不応性の症例に有効であるとされたが、重篤な間質性肺炎の多発 を受け、現在その安全性・投与法の再検討中 肝代謝で腸肝循環するため、半減期が長く、副作用発現時にはコレスチラミン投与 が必要 投与開始時、投与開始後6ヶ月間は少なくとも1ヶ月に1度、その後は1~2ヶ月に1 度、肝機能検査を行う 投与開始時、投与開始後6ヶ月間は2週間に1度、その後は1~2ヶ月に1度、血液検 査を行う 半減期は約2週間 続いて、レフルノミドです。 ①レフルノミドは、ピリミジン生合成に関与するジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)の活性を阻害することにより、関節リウマチの原因とされている自己反応性のリンパ球の増殖抑制作用を示します。 ②メトトレキサート不応性の症例に有効であるとされたが、重篤な間質性肺炎の多発を受け、現在その安全性・投与法の再検討が行われています。 ③肝代謝で腸肝循環するため、半減期が長く、副作用発現時にはコレスチラミン投与が必要です。 ④ちなみにレフルノミドの半減期は約2週間です。 ⑤投与開始時、投与開始後6ヶ月間は少なくとも1ヶ月に1度、その後は1~2ヶ月に1度、肝機能検査を行う必要があります。 ⑥また、投与開始時、投与開始後6ヶ月間は2週間に1度、その後は1~2ヶ月に1度、血液検査を行うことも大切です。

34 朝のこわばりの症状を軽減するために、夕食後に服用する
34 タクロリムス(プログラフ、グラセプター) ヘルパーT細胞内のイムノフィリンのFKBPと結合してカルシニューリンを阻害し、 NF-ATの核内移行を抑制する。その結果、ヘルパーT細胞でのサイトカイン(IL-2、 IFN-γ)の生合成・分泌を抑制することによって、キラーT細胞の誘導を抑制する 3mgを1日1回夕食後(高齢者は1.5mgを1日1回夕食後から開始) TDMに基づく投与設計が必要(血中濃度をできるだけ20ng/mL以下に維持) 副作用:腎障害、中枢神経障害(痙攣など)、高血糖など 併用禁忌:生ワクチン、シクロスポリン、ボセンタン、K保持性利尿薬 朝のこわばりの症状を軽減するために、夕食後に服用する ミゾリビン(ブレディニン) リンパ球におけるプリン合成系のイノシン酸からグアニル酸に至る経路を阻害する 高分子核酸(DNA、RNA)中には取り込まれない 副作用:骨髄抑制、胃障害、高尿酸血症など 併用禁忌:生ワクチン 続いて、タクロリムスです。 ①ヘルパーT細胞内のイムノフィリンのFKBPと結合してカルシニューリンを阻害し、NF-ATの核内移行を抑制します。その結果、ヘルパーT細胞でのサイトカインの生合成・分泌を抑制することによって、キラーT細胞の誘導を抑制します。 ②用法は、3mgを1日1回夕食後であり、高齢者の場合は、1.5mgを1日1回夕食後から開始とされています。 ③ちなみに、朝のこわばりの症状を軽減するために、夕食後の服用となっているようです。 ④タクロリムスはTDMに基づく投与設計が必要です。血中濃度をできるだけ20ng/mL以下に維持します。 ⑤副作用として、腎障害、中枢神経障害、高血糖などが知られています。 ⑥併用禁忌として、生ワクチン、シクロスポリン、ボセンタン、K保持性利尿薬があります。 ⑦次にミゾリビンです。 ⑧リンパ球におけるプリン合成系のイノシン酸からグアニル酸に至る経路を阻害します。 ⑨DNAやRNAなどの高分子核酸中に取り込まれることなく、作用を発揮します。 ⑩副作用として、骨髄抑制、胃障害、高尿酸血症などが知られています。 ⑪こちらも併用禁忌として、生ワクチンがあります。

35 キサンチンオキシダーゼを競合的に阻害する
35 アザチオプリン(イムラン、アザニン) 生体内で代謝されてメルカプトプリンとなり、DNAに取り込まれたのちに作用を発現 する 体内でチオイノシン酸となり、イノシン酸と拮抗してリンパ球のDNA生合成を阻害し、 細胞増殖を抑制することにより免疫抑制作用を示す 副作用:骨髄抑制(顆粒球減少、血小板減少)、肝障害など 併用禁忌:生ワクチン、フェブキソスタット、トピロキソスタット アロプリノールとの併用によって血中濃度が上昇するため、アザチオプリンを1/3~ 1/4へ減量することが必要 キサンチンオキシダーゼを競合的に阻害する プリン骨格 続いて、アザチオプリンです。 ①アザチオプリンは生体内で代謝されてメルカプトプリンとなり、DNAに取り込まれたのちに作用を発現します。 ②アザチオプリンはプリン骨格を持っており、アデニンやグアニンと骨格が似ているため、DNAに間違って取り込まれてしまいます。 ③体内でチオイノシン酸となり、イノシン酸と拮抗してリンパ球のDNA生合成を阻害し、細胞増殖を抑制することにより免疫抑制作用を示します。 ④副作用としては、骨髄抑制、肝障害などが知られています。 ⑤併用禁忌として、生ワクチン、フェブキソスタット、トピロキソスタットがあります。 ⑥フェブキソスタットであるフェブリクがなぜ併用禁忌かというと、アザチオプリンは生体内ですみやかに6-メルカプトプリンに分解された後、キサンチンオキシダーゼ及びTPMTによって代謝され、尿中に排泄されます。そのため、キサンチンオキシダーゼを特異的、強力に阻害するフェブキソスタットと併用すると、アザチオプリンが代謝されず、血中濃度が過度に上昇する可能性があるので併用禁忌となっています。 ⑦また、アロプリノールとの併用によって、アザチオプリンの血中濃度が上昇するため、アザチオプリンを1/3~1/4へ減量することが必要となってきます。 ⑧アロプリノールはキサンチンオキシダーゼを競合的に阻害するため、併用注意の扱いになっています。 アザチオプリン(イムラン、アザニン) アザチオプリンは生体内ですみやかに6-MPに分解された後、キサンチンオキシダーゼ及びTPMTによって代謝され、尿中に排泄される。そのため、キサンチンオキシダーゼを特異的、強力に阻害するフェブキソスタット(フェブリク)と併用すると、アザチオプリンが代謝されず、血中濃度が過度に上昇する可能性があるので併用禁忌となっている。

36 36 シクロホスファミド(エンドキサン) アルキル化薬 投与後、生体内で活性化される
代謝物のアクロレインにより出血性膀胱炎を起こすため、メスナと併用される 副作用:出血性膀胱炎、骨髄抑制、間質性肺炎、肝障害、心筋梗塞など 併用禁忌:ペントスタチン(コホリン) シクロホスファミドは用量依存性の心毒性があり、 ペントスタチンは心筋細胞に影響を及ぼすATPの代謝を阻害する。 両剤の併用により心毒性が増強すると考えられている。 メスナがアクロレインと結合することで アクロレインが無障害性物質となる 続いて、シクロホスファミドです。 ①シクロホスファミドはアルキル化薬です。 ②投与後、生体内で活性化されます。 ③代謝物のアクロレインにより出血性膀胱炎を起こすため、メスナと併用されます。 ④これがシクロホスファミドの活性化の過程で生成するアクロレインです。これが出血性膀胱炎の原因となります。 ⑤メスナはこのような構造をしています。 ⑥メスナがアクロレインと結合することでアクロレインが無障害性物質となり、出血性膀胱炎を防止することができます。 ⑦副作用として、出血性膀胱炎の他に、骨髄抑制、間質性肺炎、肝障害、心筋梗塞などが知られています。 ⑧併用禁忌の薬剤として、ペントスタチンがあります。 ⑨シクロホスファミドは用量依存性の心毒性があり、ペントスタチンは心筋細胞に影響を及ぼすATPの代謝を阻害します。そのため、両剤の併用により心毒性が増強すると考えられ、併用禁忌となっています。 メスナ アクロレイン

37 JAK阻害薬 37 トファシチニブ(ゼルヤンツ)
シグナル伝達に関わるJAK1及びJAK3を阻害し、インターロイキン*の働きを抑制す ることで、リンパ球の活性化、増殖及び機能発現を抑制する 抗リウマチ作用の強さは、生物学的製剤と同等の新規分子標的型合成DMARD 副作用:感染症、好中球減少など *IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、IL-21を阻害すると考えられている 続いて、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。 ①トファシチニブが該当します。 ②シグナル伝達に関わるヤヌスキナーゼ(JAK)1及びヤヌスキナーゼ(JAK)3を阻害し、インターロイキンの働きを抑制することで、リンパ球の活性化、増殖及び機能発現を抑制します。 ③抗リウマチ作用の強さは、生物学的製剤と同等の新規分子標的型合成DMARDです。 ④副作用として、感染症、好中球減少などが知られています。

38 生物学的製剤(bDMARD) 38 RAの病態に深く関与するサイトカイン(TNF-α、IL-6など)を選択的に抑制す る
速効性の顕著な抗炎症効果が認められ、関節破壊の進行も抑えられる との期待も大きいが、投与を止めるとリウマチ炎症が再燃するので、根治 療法ではないと考えられる 副作用のリスクは他の抗リウマチ薬に比べて高く、特に感染症(肺炎や結 核など)には注意が必要である 使用する際には、他の抗リウマチ薬によって十分な治療を実施できない 理由を十分に検討する必要がある 続いて、生物学的製剤です。 ①関節リウマチの病態に深く関与するサイトカインを選択的に抑制する作用を持ちます。 ②速効性の顕著な抗炎症効果が認められ、関節破壊の進行も抑えられるとの期待も大きいですが、投与を止めるとリウマチ炎症が再燃するので、根治療法ではないと考えられます。 ③副作用のリスクは他の抗リウマチ薬に比べて高く、特に感染症には注意が必要です。 ④使用する際には、他の抗リウマチ薬によって十分な治療を実施できない理由を十分に検討する必要があります。 ⑤生物学的製剤は、抗TNF製剤、抗IL-6製剤、細胞標的薬の3種類に分類されます。 抗TNF製剤 レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジア 抗IL-6製剤 アクテムラ 細胞標的薬 オレンシア

39 抗TNF製剤 39 インフリキシマブ(レミケード) 遺伝子組換え抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体
可溶性及び膜結合型TNF-αに対して選択的に結合し、血中TNF-αの中和作用とサイ トカインIL-1及びIL-6の産生を抑制する クローン病及び潰瘍性大腸炎にも有効 効果の増強と中和抗体産生を抑えるために、MTXの併用が義務づけられている 副作用:感染症、間質性肺炎、肝機能障害など マウス由来 全体の25%がマウス蛋白なので、ヒトにとっては本来、体にはない異物と認識されるために、アレルギー反応を起こすことがある。このため、アナフィラキシーと呼ばれる生命にも関わる可能性のある強いアレルギー反応も起こりえる。また連用しているとレミケードに対する抗体(抗キメラ抗体)ができて、効果が薄れてくることがある。このアレルギー反応や抗キメラ抗体の産生を抑えるためにMTXと必ず併用する。 ヒト由来 まず、抗TNF製剤です。 ①1つ目はインフリキシマブです。 ②インフリキシマブは遺伝子組換え抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。 ③可溶性及び膜結合型TNF-αに対して選択的に結合し、血中TNF-αの中和作用とサイトカインIL-1及びIL-6の産生を抑制します。 ④クローン病及び潰瘍性大腸炎にも有効とされています。 ⑤効果の増強と中和抗体産生を抑えるために、メトトレキサートの併用が義務づけられています。 ⑥インフリキシマブはキメラ型モノクローナル抗体です。 ⑦TNF-αと結合する部位のみがマウスの蛋白質からなり、その他はヒト由来の蛋白質でできています。 ⑧全体の25%がマウスの蛋白質なので、ヒトにとっては本来、体にはない異物と認識されるために、アレルギー反応を起こすことがあります。このため、アナフィラキシーと呼ばれる生命にも関わる可能性のある強いアレルギー反応も起こりえます。また連用しているとインフリキシマブに対する抗体ができて、効果が薄れてくることがあります。このアレルギー反応や抗キメラ抗体の産生を抑えるためにメトトレキサートとの併用が義務づけられているのです。 ⑨副作用として、感染症、間質性肺炎、肝機能障害などが知られています。 ⑩用法・用量は、「1回3mg/kgをメトトレキサート製剤に併用して点滴静注、初回後、2週、6週、以後8週間隔で投与、6週投与以後、効果不十分・減弱には増量や投与間隔短縮可、段階的に行う」となっています。 キメラ型モノクローナル抗体 1回3mg/kgをメトトレキサート製剤に併用して点滴静注 初回後、2週、6週、以後8週間隔で投与 6週投与以後、効果不十分・減弱には増量や投与間隔短縮可、段階的に行う

40 40 エタネルセプト(エンブレル) 遺伝子組換え完全ヒト型可溶性TNF-α/LT-α受容体製剤
ヒトTNF可溶性受容体部分が過剰に産生されたTNF-α及びLT-αをおとり受容体として 捕捉し、細胞表面の受容体との結合を阻害する 既存の治療に抵抗性を示す症例に使用する 異種蛋白を含まないため、MTX併用の義務はないが、併用で効果は増強 副作用:日和見感染、敗血症、肝機能障害など 併用注意:サラゾスルファピリジン(併用により白血球数減少) 続いて、エタネルセプトです。 ①エタネルセプトは、遺伝子組換え完全ヒト型可溶性TNF-α/LT-α受容体製剤です。 ②ヒトTNF可溶性受容体部分が過剰に産生されたTNF-α及びLT-αをおとり受容体として捕捉し、細胞表面の受容体との結合を阻害します。 ③既存の治療に抵抗性を示す症例に使用します。 ④異種蛋白を含まないため、インフリキシマブのようにメトトレキサート併用の義務はないですが、併用により効果は増強するとされています。 ⑤副作用として、日和見感染、敗血症、肝機能障害などが知られています。 ⑥併用注意の薬剤として、サラゾスルファピリジンがあり、併用により白血球数が減少するという報告があります。 ⑦用法・用量は、「1日1回10~25mgを週に2回、又は1日1回25~50mgを週に1回、皮下注」となっています。 1日1回10~25mgを週に2回、又は1日1回25~50mgを週に1回、皮下注

41 41 アダリムマブ(ヒュミラ) ゴリムマブ(シンポニー) セルトリズマブ ペゴル(シムジア)
遺伝子組換え完全ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)に用いられる MTXとの併用は義務ではないが、併用により効果は増強 副作用:敗血症、肺炎等の重篤な感染症、結核など MTXの併用の有無で 用量が違うので注意 ヒュミラ 1回40mgを2週に1回皮下注 シンポニー MTX併用:50mgを4週に1回皮下注 MTX併用なし:100mgを4週に1回皮下注 セルトリズマブ ペゴル(シムジア) ペグ化抗TNF-α抗体 抗体のTNF結合部分のみを精製し、安定化のためポリエチレングリコール(PEG)化さ れている 局所アレルギー反応が起こりにくい、組織移行性が高い、胎盤を通過しにくいことな どが特徴 MTX併用の義務はないが、併用で効果は増強 副作用:感染症、結核、間質性肺炎など 続いて、アダリムマブ、ゴリムマブです。 ①この2つの薬剤は、遺伝子組換え完全ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。 ②既存治療で効果不十分な関節リウマチに用いられます。 ③メトトレキサートとの併用は義務ではないのですが、併用により効果は増強するとされています。 ④副作用として、敗血症、肺炎等の重篤な感染症、結核などが知られています。 ⑤用法・用量ですが、ヒュミラは「1回40mgを2週に1回皮下注射」します。シンポニーは「メトトレキサート併用時では、50mgを4週に1回皮下注射し、メトトレキサートの併用をしない場合は、100mgを4週に1回皮下注射」します。 ⑥シンポニーはメトトレキサートの併用の有無で用量が違ってくるので、注意が必要です。 ⑦次に、セルトリズマブペゴルです。 ⑧こちらは、ペグ化抗TNF-α抗体です。 ⑨抗体のTNF結合部分のみを精製し、安定化のために、ポリエチレングリコール化されています。 ⑩局所アレルギー反応が起こりにくい、組織移行性が高い、胎盤を通過しにくいことなどが特徴的です。 ⑪メトトレキサート併用の義務はないのですが、併用で効果は増強するとされてます。 ⑫副作用として、感染症、結核、間質性肺炎などが知られています。 ⑬用法・用量は「1回400mgを初回、2週後、4週後、以後1回200mgを2週間隔で皮下注射」します。「安定後は1回400mgを4週間隔も可」とされています。 1回400mgを初回、2週後、4週後、以後1回200mgを2週間隔で皮下注 安定後は1回400mgを4週間隔も可

42 抗IL-6製剤 42 トシリズマブ(アクテムラ) 遺伝子組換えヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体
既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)に用い られる MTXとの併用効果はTNF阻害薬より弱い アミロイド―シスに対する有効性も認められている 副作用:アナフィラキシー様症状、感染症など 続いて、抗IL-6製剤です。 ①この薬剤には、トシリズマブがあります。 ②トシリズマブは遺伝子組換えヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体です。 ③可溶性及び膜結合性IL-6受容体に結合し、IL-6の活性の発現を抑制します。 ④既存治療で効果不十分な関節リウマチに用いられます。 ⑤メトトレキサートとの併用効果はTNF阻害薬より弱いとされています。 ⑥アミロイド―シスに対する有効性も認められています。 ⑦副作用としては、アナフィラキシー様症状、感染症などが知られています。 ⑧用法・用量は、点滴静注では「1回8mg/kgを4週間隔」、キットでは「1回162mgを2週間隔で皮下注射」となっています。 注:1回8mg/kgを4週間隔で点滴静注 キット:1回162mgを2週間隔で皮下注

43 細胞標的薬 43 アバタセプト(オレンシア) T細胞選択的共刺激調節剤
抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻 害することで、関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産 生を抑制する 既存の治療に抵抗性を示す症例に使用する 他のbDMARDより感染症のリスクがやや低いとされる MTX併用の義務はない 副作用:重篤な感染症、重篤な過敏症、間質性肺炎など 続いて、細胞標的薬です。 ①この薬剤として、アバタセプトがあります。 ②アバタセプトは、T細胞選択的共刺激調節剤です。 ③抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻害することで、関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制します。 ④既存の治療に抵抗性を示す症例に使用します。 ⑤他の生物学的製剤より感染症のリスクがやや低いとされています。 ⑥こちらの薬剤も、メトトレキサートの併用の義務はありません。 ⑦副作用として、重篤な感染症、重篤な過敏症、間質性肺炎などが知られています。 ⑧用法・用量として、注射用では「体重ごとに決められた用量を1回の投与量とし、点滴静注」します。「初回投与後、2週、4週に投与し、以後4週間の間隔で投与」します。キットでは「初日に負荷投与として点滴静注用製剤の点滴静注を行った後、同日中に125mgを皮下注射し、その後、週1回125mgを皮下注射」します。「125mgを週1回皮下注射から開始も可」となっています。 注射用:以下の用量を1回の投与量とし点滴静注 初回投与後、2週、4週に投与し、以後4週間の間隔で投与 患者の体重:60kg未満 投与量:500mg 患者の体重:60kg以上100kg以下 投与量:750mg 患者の体重:100kgを超える 投与量:1g キット:初日に負荷投与として点滴静注用製剤の点滴静注を行った後、同日中に125mgを皮下注 その後、週1回125mgを皮下注 125mgを週1回皮下注から開始も可

44 44 NSAIDs 速やかに鎮痛効果をもたらすが、抗炎症作用の発現には1~2週間を要 し、RAでは炎症の程度を軽減させても、その進行の阻止や関節破壊を防 止する作用はない 慢性の関節炎にともなう疼痛・腫脹を主訴とするRAでは第一選択薬とし て用いられる 副作用:胃腸障害、腎障害など 胃腸障害が少ない アスピリン(アスピリン) メフェナム酸(ポンタール) ザルトプロフェン(ソレトン、ペオン) ナプロキセン(ナイキサン) フルルビプロフェン(フロベン) インドメタシン(インテバン、インダシン) インドメタシンファルネシル(インフリー) スリンダク(クリノリル) ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン、ナボールSR、レクトス) アンピロキシカム(フルカム) ロルノキシカム(ロルカム) チアラミド(ソランタール) ロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニン)                                etc… COX-2選択的阻害薬 メロキシカム(モービック) エトドラク(ハイペン、オステラック) セレコキシブ(セレコックス) 続いて、NSAIDsです。 ①速やかに鎮痛効果をもたらしますが、抗炎症作用の発現には1~2週間を要し、関節リウマチでは炎症の程度を軽減させても、その進行の阻止や関節破壊を防止する作用はありません。 ②慢性の関節炎にともなう疼痛・腫脹を主訴とする関節リウマチでは第一選択薬として用いられます。 ③主な副作用として胃腸障害、腎障害が知られています。 ④NSAIDsにはここに示すような薬剤があります。 ⑤COX-2選択的阻害薬としては、メロキシカム、エトドラク、セレコキシブがあります。 ⑥COX-2選択的阻害薬は、胃腸障害が少ないことが特徴的です。

45 45 副腎皮質ステロイド性薬 強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持つため、RAの炎症を迅速かつ 効果的に抑制し、活動性の病変を有するRA患者のQOLを著明に改善 する 依存性や長期連用による副作用の問題があるため、ステロイド薬使用 の際は、適応を慎重に考慮するとともに、患者からの減量と中止の必 要性の理解を得たうえで投与を開始することが必要になる プレドニゾロン(プレドニン) プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(水溶性プレドニン) メチルプレドニゾロン(メドロール) メチルプレドニゾロン酢酸エステル(デポ・メドロール) メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(ソル・メドロール) コルチゾン酢酸エステル(コートン) ヒドロコルチゾン(コートリル) ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム(ソル・コーテフ、サクシゾン) ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム(水溶性ハイドロコートン) フルドロコルチゾン酢酸エステル(フロリネフ) デキサメタゾン(デカドロン) デキサメタゾンパルミチン酸エステル(リメタゾン) デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム(オルガドロン、デカドロン、ソルコート) トリアムシノロン(レダコート) トリアムシノロンアセトニド(ケナコルト-A) ベタメタゾン(リンデロン) ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(セレスタミン)                                             etc… 続いて、副腎皮質ステロイド性薬です。 ①強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持つため、関節リウマチの炎症を迅速かつ効果的に抑制し、活動性の病変を有する関節リウマチ患者のQOLを著明に改善します。 ②依存性や長期連用による副作用の問題があるため、ステロイド薬使用の際は、適応を慎重に考慮するとともに、患者からの減量と中止の必要性の理解を得たうえで投与を開始することが必要になります。 ③副腎皮質ステロイド性薬として、ここに示すような薬剤があります。

46 その他(関節機能改善薬) 46 コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(コンドロイチン) ヒアルロン酸ナトリウム(アルツ、スベニール)
適応:進行する感音性難聴(音響外傷含む)、症候性神経痛、腰痛症、関節痛、 肩関節周囲炎 ヒアルロン酸ナトリウム(アルツ、スベニール) 適応:関節リウマチにおける膝関節痛〔(1)~(4)の基準を満たす場合のみ〕: (1)抗リウマチ薬等で全身の病勢がコントロールできていても膝関節痛がある (2)CRP値10mg/dL以下                                 (3)膝関節の症状が軽症~中等症                           (4)膝関節のLarsenX線分類がGradeⅠ~Ⅲ その他、関節リウマチの治療に使用される関節機能改善薬です。 ①1つ目は、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムです。 ②適応はここに示す通りです。 ③2つ目は、ヒアルロン酸ナトリウムです。 ④関節リウマチにおける膝関節痛に用いられます。 ⑤3つ目は、ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー・ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体であるサイビスクです。 ⑥保存的非薬物治療及び経口薬物治療が十分奏効(そうこう)しない疼痛を有する変形性膝関節症の疼痛緩和に用いられます。 ⑦鶏冠(とさか・けいかん)を原料に用いており、卵や羽毛等鳥類の蛋白質に対する過敏患者には投与禁忌となっています。 ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー・ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体(サイビスク) 適応:保存的非薬物治療及び経口薬物治療が十分奏効しない疼痛を有する 変形性膝関節症の疼痛緩和 鶏冠を原料に用いており、卵や羽毛等鳥類の蛋白質に対する過敏患者には 投与禁忌

47 47 抗TNF製剤投与による結核の発症 結核の既感染者、胸部X線写真で陳旧性肺結核に合致する陰影(胸膜肥厚、索状影、5mm以上の石灰化影)を有する患者、インターフェロン-γ遊離試験あるいはツベルクリン反応が強陽性の患者は潜在性結核を有する可能性があるため、必要性およびリスクを十分に評価し慎重な検討を行った上で、TNF阻害薬による利益が危険性を上回ると判断された場合にはTNF阻害薬の開始を考慮してもよい。 潜在性結核の可能性が高い患者では、TNF阻害薬開始3週間前よりイソニアジド(INH)内服(原則として300mg/日、低体重者には5mg/kg/日に調節)を6~9ヶ月行う。 スクリーニング時にツベルクリン反応等の検査が陰性の患者や、抗結核薬による予防投与がなされていた患者からも投与後、活動性結核が認められたとの報告がある。TNF阻害薬による治療期間中は結核の発現に留意し、患者観察を行う。 抗TNF製剤投与による結核の発症についてです。 ①結核の既感染者、胸部X線写真で陳旧性(ちんきゅうせい)肺結核に合致する陰影を有する患者、インターフェロン-γ遊離試験あるいはツベルクリン反応が強陽性の患者は潜在性結核を有する可能性があるため、必要性およびリスクを十分に評価し慎重な検討を行った上で、TNF阻害薬による利益が危険性を上回ると判断された場合にはTNF阻害薬の開始を考慮してもよいとなっています。 ②潜在性結核の可能性が高い患者では、TNF阻害薬開始3週間前よりイソニアジドの内服を6~9ヶ月行います。 ③スクリーニング時にツベルクリン反応等の検査が陰性の患者や、抗結核薬による予防投与がなされていた患者からも投与後、活動性結核が認められたとの報告があります。TNF阻害薬による治療期間中は結核の発現に留意し、患者観察を行っていきます。 ④呼吸器感染症予防のために、インフルエンザワクチンは可能な限り接種すべきであり、肺炎球菌ワクチン接種も考慮すべきとされています。 呼吸器感染症予防のために、インフルエンザワクチンは可能な限り接種すべきであり、肺炎球菌ワクチン接種も考慮すべきである。

48 48 抗TNF製剤投与によるB型肝炎の発症 リウマチ学会のガイドラインでは①HBs抗原②HBs抗体③HBc抗体の3種類の抗体を必ず検査するよう推奨されている。 HBs抗原(+) ウイルス量が多い状態。 リウマチ治療の前に速やかに肝臓専門医を受診し、B型肝炎ウイルスを抑える治療が必要。 HBs抗体のみ(+) 感染ではなく、ワクチン接種による抗体獲得の場合があるので、事前に聴取をしておく必要がある。 HBs抗体・HBc抗体が(+) ワクチン接種歴がなく、HBs抗体・HBc抗体が(+)の場合、既感染パターンと言われ、過去にウイルス感染をしたが、現在はウイルスの活動性が抑えられている状態。 一度B型肝炎に暴露すると、ごく僅かながら体の中にウイルスが残っている可能性が高い。そして、リウマチ治療をすることによって、この抑えこまれていたウイルスが再活性化し、劇症肝炎という非常に致死率の高い肝炎を発症するケースが報告されている。なので、この既感染パターンの時には、次にHBV-DNA定量検査を行う。これはHBs抗原よりも検出感度の優れた検査で、ごく僅かなウイルス量でも確認することができる。この検査である一定以上のウイルス量が確認された場合には、やはりリウマチ治療に先行して肝炎の治療をする必要がある。HBV-DNA定量検査で検出感度以下の場合には、リウマチ治療を先行し、随時ウイルス量をチェックを行う。そして、ウイルス量が上昇してくるようなら、ウイルスを抑える治療を併用する。 抗TNF製剤投与によるB型肝炎の発症についてです。 ①リウマチ学会のガイドラインでは、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体の3種類の抗体を必ず検査するよう推奨されています。 ②HBs抗原が+の場合は ③ウイルス量が多い状態を示します。リウマチ治療の前に速やかに肝臓専門医を受診し、B型肝炎ウイルスを抑える治療が必要となります。 ④HBs抗体のみが+の場合は ⑤感染ではなく、ワクチン接種による抗体獲得の場合があるので、事前に聴取をしておく必要があります。 ⑥HBs抗体とHBc抗体が+の場合で ⑦ワクチン接種歴がない場合、既感染パターンと言われ、過去にウイルス感染をしたが、現在はウイルスの活動性が抑えられている状態を示します。 ⑧一度B型肝炎に暴露すると、ごく僅かながら体の中にウイルスが残っている可能性が高いです。そして、リウマチ治療をすることによって、この抑えこまれていたウイルスが再活性化し、劇症肝炎という非常に致死率の高い肝炎を発症するケースが報告されています。なので、この既感染パターンの時には、次にHBV-DNA定量検査を行います。これはHBs抗原よりも検出感度の優れた検査であり、ごく僅かなウイルス量でも確認することができます。この検査である一定以上のウイルス量が確認された場合には、やはりリウマチ治療に先行して肝炎の治療をする必要があります。HBV-DNA定量検査で検出感度以下の場合には、リウマチ治療を先行し、随時ウイルス量をチェックを行います。そして、ウイルス量が上昇してくるようなら、ウイルスを抑える治療を併用していきます。

49 49 特殊療法 白血球除去療法(LCAP療法) 血液中の活性化した白血球を取り除き、炎症をすみやかに鎮める治療法。つまり、活 性化した白血球が関節内にとどまり、炎症を長引かせたり、軟骨や骨の破壊を始める 前に取り除く方法である。 イメージとしては血液透析のような治療法であるが、血液透析のように長い治療時間 (3~5時間)は必要ない。また、血液透析のように、血液中の水分や栄養成分には影 響を与えないので、副作用も小さい。このフィルターは、活性化した白血球のみを取り 除き、正常な白血球や水分、栄養成分は通過するように出来ている。 治療時間と治療回数 1回の治療時間は約1時間。 これを週1回のペースで5回行う。 1回の治療では、2,000~3,000mLの血液を白血球 除去フィルターに通す。 治療方法 肘または大腿などの静脈から血液を体外に取り出し、フィルターで活性化した白血球を除去し、浄化された血液を静脈へ戻す。 LCAP療法では血液を体の外に取り出すため、血液を一時的に固まりにくくする抗凝固剤を使用する。 続いて、特殊療法です。 ①特殊療法には、白血球除去療法があります。 ②血液中の活性化した白血球を取り除き、炎症をすみやかに鎮める治療法です。つまり、活性化した白血球が関節内にとどまり、炎症を長引かせたり、軟骨や骨の破壊を始める前に取り除く方法です。 ③イメージとしては血液透析のような治療法ですが、血液透析のように長い治療時間は必要ありません。また、血液透析のように、血液中の水分や栄養成分には影響を与えないので、副作用も小さいとされています。このフィルターは、活性化した白血球のみを取り除き、正常な白血球や水分、栄養成分は通過するように出来ています。 ④1回の治療時間は約1時間であり、これを週1回のペースで5回行います。1回の治療では、2,000~3,000mLの血液を白血球除去フィルターに通します。 ⑤肘または大腿などの静脈から血液を体外に取り出し、フィルターで活性化した白血球を除去し、浄化された血液を静脈へ戻します。LCAP療法では血液を体の外に取り出すため、血液を一時的に固まりにくくする抗凝固剤を使用します。

50 50 リハビリテーション 温熱療法 温めたパック(ホットパック)を用いて、症状の出ている関節を15分~20分程 度温める。家庭でも安全にでき、また局所の温熱効果は、痛みや血流の改 善などに効果がある。また、運動療法前に行うと有効。 温泉療法も温熱療法に入る。体力を消耗するため、高齢者の場合は特に 疲労や湯あたりに注意する必要がある。 作業療法 続いて、リハビリテーションです。 ①1つ目は、温熱療法です。 ②温めたパックを用いて、症状の出ている関節を15分~20分程度温めます。家庭でも安全にでき、また局所の温熱効果は、痛みや血流の改善などに効果があります。また、運動療法前に行うと有効とされています。 ③温泉療法も温熱療法に入ります。体力を消耗するため、高齢者の場合は特に疲労や湯あたりに注意する必要があります。 ④2つ目は、作業療法です。 ⑤関節の変形によって低下あるいは失われた機能を補うため、日常生活動作の訓練を行ったり、自助具を作ったりすることなどを作業療法といいます。 ⑥病院では医師や作業療法士の指導の下で行われます。自助具は既製品を患者さんに合うような道具にアレンジして作り出され、ヘアブラシ・ボタンエイド・調理器具・家屋(かおく)の改造などさまざまです。 ⑦関節リウマチの治療は、患者さんのQOLの維持を目的として行われます。 関節の変形によって低下あるいは失われた機能を補うため、日常生活動 作の訓練を行ったり、自助具を作ったりすることなどを作業療法という。 病院では医師や作業療法士の指導の下で行われる。自助具は既製品を患 者さんに合うような道具にアレンジして作り出され、ヘアブラシ・ボタンエイ ド・調理器具・家屋の改造などさまざまである。 関節リウマチの治療は、患者さんのQOLの維持を目的として行われる。

51 運動療法 51 関節可動域訓練 筋力増強訓練 起立・歩行訓練
関節の可動域の維持や拡大、筋力の増強を目的として運動を行うが、激しい 運動は関節炎の症状を悪化させるため注意が必要。 医師や理学療法士の指導の下、適度に行う。 関節可動域訓練 入浴後や温熱療法後などに行う。 痛みが強い場合には無理に曲げたり伸ばしたりせず、できる範囲で訓練する。 炎症が再燃しないように注意する。 筋力増強訓練 手指や腕の筋力訓練は、ゴムボールなどを用いて行う。 下肢の場合は、大腿四頭筋・中殿筋・大殿筋を鍛える訓練が覚えやすく、 一般的。 3つ目は運動療法です。 ①関節の可動域の維持や拡大、筋力の増強を目的として運動を行いますが、激しい運動は関節炎の症状を悪化させるため注意が必要です。 ②医師や理学療法士の指導の下、適度に行っていきます。 ③関節可動域訓練は、入浴後や温熱療法後などに行います。 ④痛みが強い場合には無理に曲げたり伸ばしたりせず、できる範囲で訓練します。 ⑤炎症が再燃しないように注意します。 ⑥筋力増強訓練において、手指や腕の筋力訓練では、ゴムボールなどを用いて行います。 ⑦下肢の場合は、大腿四頭筋・中殿筋(ちゅうでんきん)・大殿筋(だいでんきん)を鍛える訓練が覚えやすく、一般的です。 ⑧起立・歩行訓練では、立つ・歩くといった基本動作の訓練を行います。 ⑨病院では斜面台や平行棒、温水プールなどを使うこともあります。 起立・歩行訓練 立つ・歩くといった基本動作の訓練を行う。 病院では斜面台や平行棒、温水プールなどを使う。

52 52 外科療法 一度変形してしまった関節は、薬を使ったり、リハビリテーションを行った りしても、元に戻すことはできない。関節の機能が失われて日常生活に 支障をきたす場合や、薬を飲んでも激しい痛みが続くような場合などには、 手術が勧められる。 滑膜切除術 炎症を起こしている滑膜を取り除く手術。 腫れや痛みは軽くなるが、関節の破壊が進んでしまっている場合は、 効果は望めない。また、手術後、再び滑膜ができて症状が出る可能性 もある。 生物学的製剤の進歩などにより、この手術適応は減少している。 続いて、外科療法です。 ①一度変形してしまった関節は、薬を使ったり、リハビリテーションを行ったりしても、元に戻すことはできません。関節の機能が失われて日常生活に支障をきたす場合や、薬を飲んでも激しい痛みが続くような場合などには、手術が勧められます。 ②1つ目に、滑膜除去術というものがあります。 ③これは、炎症を起こしている滑膜を取り除く手術です。 ④腫れや痛みは軽くなりますが、関節の破壊が進んでしまっている場合は、効果は望めないとのことです。また、手術後、再び滑膜ができて症状が出る可能性もあります。 ⑤生物学的製剤の進歩などにより、この手術適応は減少しているようです。

53 人工関節置換術 関節固定術 53 破壊された関節を切り取って、人工関節と取り換える手術。
関節の破壊が進んで、日常の動作に問題が出ている場合に行われる。 股関節、膝、肘、肩、足の関節などに行われる。 手術の後も、引き続きリハビリテーションや薬物療法を続ける必要がある。 人工関節の耐用年数(現在では15年程度)の問題や、手術に伴う細菌感染 などの問題もある。 関節固定術 関節を固定する手術。 関節を動かせる範囲が限定されてしまうが、痛みをやわらげ、関節を安 定させることができる。 頸椎が変形して神経を圧迫する危険がある時や、手や足の支える力が 落ちている時などに行われる。 2つ目は、人工関節置換術です。 ①これは、破壊された関節を切り取って、人工関節と取り換える手術です。 ②関節の破壊が進んで、日常の動作に問題が出ている場合に行われます。 ③股関節、膝(ひざ)、肘(ひじ)、肩、足の関節などに行われます。 ④手術の後も、引き続きリハビリテーションや薬物療法を続ける必要があります。 ⑤人工関節の耐用年数の問題や、手術に伴う細菌感染などの問題もあります。 ⑥3つ目は、関節固定術です。 ⑦これは、関節を固定する手術です。 ⑧関節を動かせる範囲が限定されてしまうのですが、痛みをやわらげ、関節を安定させることができます。 ⑨頸椎が変形して神経を圧迫する危険がある時や、手や足の支える力が落ちている時などに行われます。

54 54 処方解析 最後に、処方解析です。

55 処方1 55 新橋 浜子 【前回処方】 Rp1) アザルフィジンEN錠500mg 1日2回 朝・夕食後 2錠 28日分 Rp2)
今までメトトレキサートとアザルフィジンで治療を続けていたが、症状があまりよくならず、今回新しい薬を試してみようと言われケアラムが追加となっている。 シンバシ ハマコ 新橋 浜子 合併症:不整脈(心房細動)既往あり 他科受診:地元の市立病院 併用薬:次回お薬手帳を確認する 生年月日:昭和27年12月18日 64歳女性 Rp1) アザルフィジンEN錠500mg  1日2回 朝・夕食後 2錠 28日分 【前回処方】 Rp1) アザルフィジンEN錠500mg  1日2回 朝・夕食後 2錠 Rp2) プレドニゾロン錠1mg(旭化成)  1日2回 朝・夕食後 4錠 42日分 Rp2) プレドニゾロン錠1mg(旭化成)  1日2回 朝・夕食後 2錠 Rp3) ネキシウムカプセル20mg  1日1回 朝食後 1Cap Rp3) ネキシウムカプセル20mg  1日1回 朝食後 1Cap Rp4) メトトレキサート錠2mg「タナベ」  1日2回 朝・夕食後(月曜日) 6錠 Rp4) メトトレキサート錠2mg「タナベ」  1日2回 朝・夕食後 5.5錠 4日分 ( ) 6日分 Rp5) 処方1です。 ①患者さんは、新橋浜子(しんばし はまこ)さん、64歳女性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③患者背景です。今までメトトレキサートとアザルフィジンで治療を続けていましたが、症状があまりよくならず、今回新しい薬を試してみようと言われケアラムが追加となっています。合併症として、不整脈(心房細動)の既往があり、他科受診として、地元の市立(いちりつ)病院に通院中であり、併用薬は、次回お薬手帳を確認するとなっています。 ④前回までの処方内容はここに示す通りです。 ⑤前回処方の方がプレドニゾロンとメトトレキサートの用量が少なくなっています。 ⑥患者さんの話です。「最近痛みが強くて、炎症の数値も高くなっているみたい。新しい薬については病院でパンフレットをもらいました。他にも薬飲んでいるんだけど、一緒で大丈夫かしら?他の薬も量が増えたみたいだけどなんでかしら。こんなに飲んで大丈夫?」と話しています。 フォリアミン錠5mg  1日1回 朝食後(水曜日) 1錠 Rp5) フォリアミン錠5mg  1日1回 朝食後(水曜日) 1錠 Rp6) ロキソニンテープ100mg  1日1回 貼付 35枚 Rp6) ロキソニンテープ100mg  1日1回 貼付 35枚 最近痛みが強くて、炎症の数値も高くなっているみたい。 新しい薬については病院でパンフレットをもらいました。 他にも薬飲んでいるんだけど、一緒で大丈夫かしら? 他の薬も量が増えたみたいだけどなんでかしら。 こんなに飲んで大丈夫? Rp7) ケアラム錠25mg  1日1回 朝食後 1錠 28日分

56 メトトレキサートが5.5mgから6mgに増量となった理由
56 ケアラム錠(一般名:イグラチモド) 免疫調節剤 1日1回25mgを朝食後に4週間以上、その後1回25mgを1日2回に朝・夕食後に増量 メトトレキサートとの併用で追加効果も証明されている メトトレキサートが5.5mgから6mgに増量となった理由 副作用として、肝機能障害の発生頻度がやや高いため、投与前及び最初の2ヶ月は 2週に1回、以降は1ヶ月に1回の肝機能検査が必要(AST、ALTが100IUで投与中止) 定期的な肝機能検査の重要性を説明 併用禁忌:ワルファリン ケアラム錠の添付文書 ワルファリンの作用が増強され、重篤な出血をきたした症例が報告されている。 患者がワルファリンの治療を必要とする場合は、ワルファリンの治療を優先し、本剤を投与しないこと。 ここで、追加となったケアラム錠についてです。 ①ケアラムは免疫調節剤です。 ②1日1回25mgを朝食後に4週間以上、その後1回25mgを1日2回に朝・夕食後に増量していきます。今回の処方の用法・用量については、特に問題ありませんでした。 ③メトトレキサートとの併用で追加効果も証明されています。 ④この効果の増強を狙って、メトトレキサートが増量になったと考えました。 ⑤副作用として、肝機能障害の発生頻度がやや高いため、投与前及び最初の2ヶ月は2週に1回、以降は1ヶ月に1回の肝機能検査が必要です。 ⑥なので、定期的な肝機能検査の重要性を患者さんに説明することも大切かなと思います。 ⑦ケアラムと併用禁忌の薬剤として、ワルファリンがあります。 ⑧ケアラム錠の添付文書には、「ワルファリンの作用が増強され、重篤な出血をきたした症例が報告されている。患者がワルファリンの治療を必要とする場合は、ワルファリンの治療を優先し、本剤を投与しないこと。」と記載されています。 ⑨ここで、現在得られるこの患者さんの情報ですが、心房細動の既往があって、地元の市立病院に通院しているのですが、併用薬については詳しく確認できていない状態です。 ⑩これらの情報から、この患者さんがワルファリンを服用している可能性が否定できないことになります。 ⑪従って、患者さん本人に服用中の薬を確認するとともに、お薬手帳を確認できていないことも含めて、処方医に相談することが必要になってくると思います。 合併症:不整脈(心房細動)既往あり 他科受診:地元の市立病院 併用薬:次回お薬手帳を確認する ワルファリンを服用している 可能性あり!! 患者本人に服用中の薬について確認 処方医に相談

57 処方2 57 渋谷 恵美 Rp1) リウマトレックスカプセル2mg 1日1回 朝食後(月曜日) 2Cap 8日分 Rp2)
シブヤ  エミ 渋谷 恵美 生年月日:昭和17年1月3日 75歳女性 治療は2年ほど、最近肝機能が悪化してきている。 前回3カプセルだったリウマトレックスが 今回より2カプセルに減量になった。 Rp1) リウマトレックスカプセル2mg  1日1回 朝食後(月曜日) 2Cap 8日分 他科受診:あり 併用薬:フェロミア錠50mg Rp2) フォリアミン錠5mg  1日1回 朝食後(木曜日) 1錠 最近は病院での治療が良く効いて痛みも取れてきてるのに、肝機能が悪化しちゃってね、1つ薬の量を減らすから飲み方に注意してって先生が言ってました。肝機能悪化しちゃってるし他の病院でも飲んでいる薬があるからなるべく薬を飲みたくないんだよね。特に痛みもないからフォリアミン、カロナール、フェキソフェナジンは飲まなくていい? Rp3) アザルフィジンEN錠500mg リマチル錠100mg ガスター錠20mg ウルソ錠100mg  1日2回 朝・夕食後 2錠 56日分 続いて、処方2です。 ①患者さんは、渋谷恵美(しぶや えみ)さん、75歳女性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③患者背景です。治療は2年ほどで、最近肝機能が悪化してきています。前回3カプセルだったリウマトレックスが、今回より2カプセルに減量になっています。他科受診はあり、併用薬はフェロミア錠50mgです。 ④患者さんの話です。「最近は病院での治療が良く効いて痛みも取れてきてるのに、肝機能が悪化しちゃってね、1つ薬の量を減らすから飲み方に注意してって先生が言ってました。肝機能悪化しちゃってるし、他の病院でも飲んでいる薬があるからなるべく薬を飲みたくないんだよね。特に痛みもないからフォリアミン、カロナール、フェキソフェナジンは飲まなくていい?」と話しています。 Rp4) プレドハン錠2.5mg  1日1回 朝食後 1錠 56日分 Rp5) カロナール錠200mg フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「EE」  1日2回 朝・夕食後 2錠 1日分

58 メトトレキサートと葉酸 58 メトトレキサートは葉酸の構造に似ており、ジヒドロ葉酸還元酵素はこれを葉酸と間違えて取り込むことで機能が失われる
メトトレキサートと葉酸の関係性についてです。 ①こちらの図は、葉酸の代謝と、メトトレキサートの構造を示したものです。 ②メトトレキサートは葉酸の構造に似ているため、ジヒドロ葉酸還元酵素はメトトレキサートを葉酸と間違えて取り込んでしまいます。それによって、ジヒドロ葉酸還元酵素の機能が失われます。 ③メトトレキサートであるリウマトレックスは葉酸の働きを抑えることによって関節リウマチの治療効果を示しますが、過度の葉酸不足により ④口内炎、悪心、肝臓障害、血球産生障害などの副作用が現れてしまいます。これを予防するのが葉酸製剤のフォリアミンということになります。 ⑤肝機能障害等の副作用の予防には、葉酸の投与が有効であるとの報告もあり、副作用防止のためにフォリアミンの服用は大切であることを患者さんに理解してもらうことが必要となってくると思います。 肝機能障害等の副作用の予防には、 葉酸の投与が有効であるとの報告がある 口内炎、悪心、肝臓障害、 血球産生障害など

59 メトトレキサート最終投与後24~48時間後にフォリアミン5mgを 週1回投与することで効果を減じることなく副作用の一部を抑制できる。
59 メトトレキサート最終投与後24~48時間後にフォリアミン5mgを 週1回投与することで効果を減じることなく副作用の一部を抑制できる。 【今回の処方】 リウマトレックスカプセル2mg  1日1回 朝食後(月曜日) フォリアミン錠5mg  1日1回 朝食後(木曜日) リウマトレックスとフォリアミンの服用間隔が48時間以上空いており 間隔が離れすぎているため、医師に確認が必要である。 メトトレキサート最終投与後24~48時間後にフォリアミン5mgを週1回投与することで効果を減じることなく副作用の一部を抑制できます。 ①しかし、今回の処方では、リウマトレックスの服用は月曜日、フォリアミンの服用は木曜日となっています。 ②つまり、リウマトレックスとフォリアミンの服用間隔が48時間以上空いており、間隔が離れすぎているため、医師に確認が必要になってきます。 ③リウマトレックスが減量となる前は、リウマトレックスを2日間に分けて服用しており、フォリアミンの服用は木曜日で正しかった可能性があります。したがって、医師がリウマトレックスを減量した後に、フォリアミンを服用するタイミングをずらすことを忘れていた可能性が考えられます。 リウマトレックスが減量となる前は、 リウマトレックスを2日間に分けて服用しており、 フォリアミンの服用は木曜日で問題なかった可能性がある。

60 カロナールとフェキソフェナジンの処方意図
60 カロナールとフェキソフェナジンの処方意図 患者さんの話より、今回の処方薬以外に病院でも薬物治療を受けていた可能性が考えられる。 インフュージョンリアクションの発症予防? インフュージョンリアクションとは… 薬の投与を開始してから24時間以内に発熱、悪寒などの症状が起こる、抗体製剤に特徴的なアレルギー反応。 インフュージョンリアクションの主な症状 発熱、悪寒の他に、吐き気・嘔吐、頭痛、関節痛、皮疹など。多くの場合、症状は軽度から中等度であるが、まれに呼吸困難や血圧低下などの重篤な症状を起こすことがある。 続いて、カロナールとフェキソフェナジンの処方意図に関する考察です。 ①患者さんの話より、今回の処方薬以外に病院でも薬物治療を受けていた可能性が考えられます。 ②そこで、カロナールとフェキソフェナジンの処方意図として考えられるのが、インフュージョンリアクションの発症予防です。 ③まず、インフュージョンリアクションとは、薬の投与を開始してから24時間以内に発熱、悪寒などの症状が起こる、抗体製剤に特徴的なアレルギー反応を言います。 ④インフュージョンリアクションの主な症状として、発熱、悪寒の他に、吐き気・嘔吐、頭痛、関節痛、皮疹などがあります。多くの場合、症状は軽度から中等度ですが、まれに呼吸困難や血圧低下などの重篤な症状を起こすことがあります。 ⑤発症頻度は40~90%と非常に高いが、アナフィラキシー・ショックと違い、この反応が見られるのは、おおむね初回投与のときです。2回目以降は体が抗体に慣れるので症状が起こらないか、起こっても最初より軽くなります。ただし、まれに2回目以降も、重い症状が現れることもあります。 ⑥したがって、事前に抗ヒスタミン薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬を投与しておくことで、インフュージョンリアクションの発症を防ぐのです。 発症頻度は40~90%と非常に高いが、アナフィラキシー・ショックと違い、この反応が見られるのは、おおむね初回投与のときである。2回目以降は体が抗体に慣れるので症状が起こらないか、起こっても最初より軽くなる。ただし、まれに2回目以降も、重い症状が現れることもある。 事前に抗ヒスタミン薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬を投与して インフュージョンリアクションの発症を防ぐ!!

61 レミケード(インフリキシマブ)? 61 インフュージョンリアクションが起こる可能性のあるリウマチの治療薬… マウス由来の蛋白質を含むため、
アレルギー反応が起こりやすいと考えられる。 インフュージョンリアクションの発症を防ぐために カロナールとフェキソフェナジンの服用は大切である。 患者さんにはこの薬の処方意図と 服用を勝手に中止しないよう説明する必要がある。 ここで、インフュージョンリアクションが起こる可能性のあるリウマチの治療薬を考えました。 ①私はレミケードではないかと考えました。 ②レミケードはマウス由来の蛋白質を含むため、アレルギー反応が起こりやすいと思われます。添付文書にも、インフュージョンリアクションに注意するよう記載がありました。 ③従って、インフュージョンリアクションの発症を防ぐために、カロナールとフェキソフェナジンの服用は大切であると言えます。患者さんにはこの薬の処方意図と、服用を勝手に中止しないよう説明する必要があると思います。 ④インフュージョンリアクションの発症を防ぐため、カロナールとフェキソフェナジンはレミケードの投与の前に服用する必要がありますが、処方せんには服用のタイミングについて記載がありません。 ⑤従って、服用タイミングについて、医師に確認をとる必要があると思われます。 インフュージョンリアクションの発症を防ぐため、 カロナールとフェキソフェナジンはレミケードの投与の前に服用する必要がある。 服用タイミングについては医師に確認をとる必要がある。

62 処方3 62 田町 品子 Rp1) エンブレル皮下注シリンジ25mg0.5mL 1日1回 注射(週に1回水曜日) 4筒 Rp2)
タマチ  シナコ 田町 品子 エンブレルは1年ほど継続している 生年月日:昭和43年1月1日 49歳女性 アレルギー:花粉 Rp1) エンブレル皮下注シリンジ25mg0.5mL  1日1回 注射(週に1回水曜日) 4筒 エンブレルを使用しているので、感染症に注意するように先生からもよく言われています。インフルエンザの予防注射をしたいのですが、この薬を使っているときは行っても大丈夫ですか? Rp2) アスパラCA錠200  1日3回 毎食後 3錠 28日分 Rp3) アルファロールカプセル0.5μg  1日1回 朝食後 1錠 28日分 Rp4) ロキソニン錠60mg  疼痛時 1回1錠 1錠 処方3です。 ①患者さんは、田町品子(たまち しなこ)さん、49歳女性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③患者背景です。エンブレルは1年ほど継続しているとのことです。花粉に対するアレルギーを持っています。 ④患者さんの話です。「エンブレルを使用しているので、感染症に注意するように先生からもよく言われています。インフルエンザの予防注射をしたいのですが、この薬を使っているときは行っても大丈夫ですか?」と話しています。 5回分 Rp5) リンデロンVG軟膏  1日数回 腕に塗布 5g

63 インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので
63 エンブレル皮下注シリンジ エンブレル投与中は、生ワクチン接種により感染するおそれがあるので、生ワクチン接種は行わないこと。 生ワクチン 不活化ワクチン トキソイド BCG MR(麻疹・風疹混合) 水痘 おたふくかぜ   etc… Hib B型肝炎 日本脳炎 HPV(ヒトパピローマ) インフルエンザ       etc… 破傷風 ジフテリア エンブレル皮下注シリンジは生物学的製剤です。 ①添付文書には、「エンブレル投与中は、生ワクチン接種により感染するおそれがあるので、生ワクチン接種は行わないこと。」と記載があります。 ②ワクチンには3種類あり、生ワクチンに分類されるものとして、BCG、麻疹・風疹、水痘、おたふくかぜなどがあります。 ③不活化ワクチンに分類されるものとして、Hib、B型肝炎、日本脳炎、ヒトパピローマ、インフルエンザなどがあります。 ④トキソイドに分類されるものとして、破傷風、ジフテリアがあります。 ⑤インフルエンザのワクチンは不活化ワクチンに分類されるので、この患者さんが接種しても特に問題はないと考えられます。 インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので 接種しても問題ないと考えられる

64 64 ご清聴ありがとうございました 以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。


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