Presentation is loading. Please wait.

Presentation is loading. Please wait.

運動器検診から見た 子どもロコモ         林整形外科           林  承弘 運動器検診から見た「子どもロコモ」について、検討した。

Similar presentations


Presentation on theme: "運動器検診から見た 子どもロコモ         林整形外科           林  承弘 運動器検診から見た「子どもロコモ」について、検討した。"— Presentation transcript:

1 運動器検診から見た 子どもロコモ         林整形外科           林  承弘 運動器検診から見た「子どもロコモ」について、検討した。

2 内容 子どもの体の現状について 運動器検診について 姿勢について 子どもロコモ体操 子どもの体を守るのは大人の使命
近年、雑巾がけで歯を折ってしまう、倒立はおろか倒立する子を支えられないなど子どもの体に異変が起きている。7年間の運動器検診でも、身体のかたい、バランスの悪い子が急増している現実を目の当たりにしてきた。またこのような運動器機能不全の子どもの中に、姿勢の悪さがベースになっている例も見られた。姿勢教育は心身の状態や体力と密接に関係する。学校や医療機関だけでなく、家庭、社会が一体となって子どもの運動器を支えるシステム構築が求められる。子どもの体を守るのは大人の使命である。 子どもの体を守るのは大人の使命 第27回JCOA学会 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

3 今の子どもは? 体のバランスがよい 体がやわらかい 反射神経がよい 元気で疲れ知らず 今の子どもの体は、どうなっているのだろう。 は、本当?

4 子どもの運動器機能に異変が 朝礼で立っていられない、足がすぐつってしまう 和式トイレがつかえない
雑巾がけできない、手で支えられず歯を折ってしまう 組体操で下になって支えられない 倒立できない、倒立する子を支えられない 転んだ時、手をつけずに顔面を打ってしまう キャッチボールでボールをグラブでキャッチできず、   顔に当ててしまう *身体のバランス・柔軟性及び反射神経(危険回避能力)   の低下は、ケガや故障を誘発しやすい バランス 柔軟性 反射神経 学校現場から寄せられた 今の子どもの運動器機能の異変についての、様々な実態である。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

5 子どもの約4割が運動器機能不全 ①片足でしっかり立つ ②手をまっすぐ挙げる ③しゃがみ込む ④体前屈する 身体を動かす基本動作ができない子が急増、 7年間の埼玉県運動器検診では、一つでも できない子どもは約4割にのぼった 埼玉県運動器検診でも、 子どもの運動器機能に異変が起こっているのが明らかになった。 身体を動かす基本動作である ①片足でしっかり立つ ②手を真っ直ぐ挙げる ③しゃがみ込む ④体前屈のうち、 一つでもできない子どもたちは、約4割にのぼった。 これらの「体がかたい、バランスが悪い」状態を運動器機能不全とした。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

6 埼玉県運動器検診事業の推移 ( 6年間:H19はシミュレーションとして実施) ②平成21~25年度 小5,6年 7校 合計 680名
①平成19~24年度 就学時 25校     合計 名     ( 6年間:H19はシミュレーションとして実施)   ②平成21~25年度 小5,6年 7校  合計 名 ( 5年間) ③平成23~25年度 中学生 3校     合計 名      (3年間) ④平成24~25年度 幼稚園 2校     合計  192名       (2年間)                        埼玉県運動器検診では、7年間で延べ37校、3526名にモデル事業を実施してきた。 平成19年度に就学時から始めて、平成21年には小学校高学年、平成23年度から中学生も対象とした。 運動器不全の子どもが予想外に多いことがわかり、検診の年齢を前倒しし、平成24年度からは幼稚園も加わった。 7年間  延べ37校、  3526名 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 in 仙台

7 平成22年度からの変更点 正常欄・異常欄に分け、いずれかを必ずチェック 平成20,21年、運動器担当医による検診手順・結果にばらつきあり
 平成20,21年、運動器担当医による検診手順・結果にばらつきあり  ①運動器検診チェック項目票の整備    正常欄・異常欄に分け、いずれかを必ずチェック 具体的チェック項目(正常) 具体的チェック項目(異常) (特記事項あれば、ご記入ください) □歩容異常なし □歩容異常あり  (           ) □片足立ち:左右ともふらつかず □片足立ち5秒以上できない         5秒以上立てる          (左・右) □形態異常なし □形態異常あり O脚・X脚 内反足・扁平足、外反母趾 脚長差あり・LCC疑い その他(         ) □スポーツ障害なし □スポーツ障害あり オスグッド病 平成22年度からは、スライドのように ①運動器チェック項目票の整備を行い ②対象校を絞り、熟練した検診医をあて 検診の精度をあげた。 ②対象校を絞り、熟練した運動器検診医をあて   検診の精度をあげた S.HAYASHI 第27回JCOA学会 in 仙台

8 就学時運動器検診結果 5年間の比較 運動器機能不全ある者 18% 16% 41% 58% 43% 問診票の食育について
就学時運動器検診結果 5年間の比較                     H H H H H24 (998名) (869名) (143名) (48名)    (47名) 運動器機能不全ある者 18% %   41% % % (4項目中1つでもあるもの) 問診票の食育について     ・朝食を毎日とる      95% %     99% % %     ・主食+おかず+汁を 35% % % % %    バランスよくとっている          H22より検診精度をあげた結果、4割強に 就学時の運動器検診5年間の比較では、平成22年度より検診精度を上げた結果、運動器機能不全は、4割強にのぼった。 保護者問診票の食育について 朝食を毎日とるが95%前後であったが 内容として、主食・おかず・汁物をバランスよくとっているものは4割弱に過ぎず、食育に問題ありと考えられた。 朝食バランスよくとれているのは4割弱 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 in 仙台

9 平成22年度からの課題 1)運動器機能不全チェック: しゃがみ込みや 体前屈など、基本動作のできない子どもに 対する運動指導の検討 -DVD制作・体育教諭との連携ー 2)食事がバランスよくとれてない子どもに対する 食事指導の検討 ー養護教諭・栄養士との連携ー 平成22年度からの課題として ①運動器機能不全の子どもへの運動指導②食事がバランスよくとれていない子への  食事指導等が検討された。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

10 運動器機能不全チェック4項目 運動器機能不全チェック4項目では ①片足立ちは 身体の静的バランスを ②しゃがみ込みは 下肢の柔軟性を
運動器機能不全チェック4項目     ①片足立ち :   左右ともにバランスよく、5秒以上    ふらつかずに立てる ②しゃがみ込み: 途中で止まらず、最後までできる             踵が上がらない             後方転倒しない ③肩拳上: 左右ともバランスよく、180度まで挙がる ④体前屈: 膝を曲げずに、指先が楽に床につく 身体のバランス                              (静的バランス)  下肢の柔軟性    上肢の柔軟性 運動器機能不全チェック4項目では ①片足立ちは    身体の静的バランスを ②しゃがみ込みは  下肢の柔軟性を ③肩拳上は      上肢の柔軟性を ④体前屈は      体幹(股関節含む)の              柔軟性を見る  体幹の柔軟性 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

11 運動器検診・運動器機能不全例 平成22~25年(1343名中)
運動器検診・運動器機能不全例 平成22~25年(1343名中)        対象  学年全体 40%強 幼稚園 (192名) 就学時 (237名) 小5,6年 (520名) 中学生 (394名) 全体  (1343名)  25%弱 15%前後 7~8% 幼稚園~中学まで 運動器機能不全を学年全体でみると 片足立ち・しゃがみ込みに問題あるものが15%前後、肩拳上が7~8%、体前屈は25%であり、これら一つでも問題あるものは、実に40%強であった。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

12 運動器検診・運動器機能不全例 平成22~25年(1343名中)
運動器検診・運動器機能不全例 平成22~25年(1343名中)  学年別変化 かたさ ふらつき かたさ 幼稚園~中学まで学年別にみると、 片足立ちは、学年が上がるにつれ静的 バランスがしっかりしてきて、ふらつきは改善する。但し、中学でもふらつく子が 7~8%いる。 一方、しゃがみ込みや体前屈は学年が上がるにつれ、出来ない子が増え、かたさが増す。 また肩拳上は、学年を通じて出来ない子が数%にみられた。 これらが一つでも出来ない子は、4割を占めた。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

13 高校生の運動器機能はどうか ・ 男子が8割の工業の専門高校 実技、実習が多い教育課程のために体を動かすことに抵抗は少ない。 ・ 体育は男女共修、運動部加入率は50% ・ 体育行事が多い(強歩大会・体育祭・マラソン大会) 高校生の運動器機能について 川越工業高校で調査が行われた。 同校はスライドのごとく、実技・実習そして体育行事も多く、生徒は体を動かすことに抵抗が少ない環境にある。 埼玉県立川越工業高等学校 本庄朋香教諭調査

14 高校生の運動器機能不全チェック(平成23年度)
調査の結果、 高校(自己新申告)でも、就学時~中学と同様に、しゃがみ込み・体前屈などに問題があった。 *高校(自己申告)でも、 就学時~中学と同様 しゃがみ込み・体前屈などに問題があった 埼玉県立川越工業高等学校 本庄朋香教諭調査

15 高校生のからだのおかしさ ○ボール投げができない。 ○すぐ骨折する。 ○手足が不器用、靴紐結べない。 ○突き指、捻挫⇒高校で初めての経験。 ○体の硬さ⇒前転、後転で首捻挫、まっすぐ後 ろに回れない、手のつき方悪い。 ○車酔い⇒ マット運動等で、気分が悪くなり授 業に参加できない。 スライドのように、高校生の体にも異変が 起こっている。 埼玉県立川越工業高等学校 本庄朋香教諭調査

16 H26年度からの新しい取組み 保護者による事前チェック票の記載 ②運動器機能不全チェック(裏面) 子どもの身体の健康を守る基本は家庭
学校や医療機関だけでなく、家庭、社会が一体となって 子どもの運動器を支えるシステムを構築する必要がある 子どもの運動器について先ず保護者にチェックしてもらう ことは、検診システムの効率化、ロコモ予防にもつながる 保護者による事前チェック票の記載     ①側弯症チェック(表面)     ②運動器機能不全チェック(裏面) 平成26年度から 新しい取組みとして、保護者にも側弯症や運動器機能不全の事前チェックをしてもらう。このことは検診システムの効率化に加え、子どもの成長を見守る親としての自覚を喚起し、結果、ロコモ予防にもつながる。 埼玉県運動器検診モデル事業

17 保護者による事前チェック票 裏面 表面 埼玉県運動器検診モデル事業では、平成26年から保護者に側弯症および運動器機能不全の事前チェックチ票を配布、記載してもらうこととした。◎運動器機能不全では両者の見立てに大きな差が出ず、事前チェックとして有効と考えられた。 ◎側弯症では保護者と検診医で差が出る傾向にあったが、大阪能勢町の側弯症訴訟を見るまでもなく、学校だけでなく家庭での気付き・見守りが重要と思われる。事前チェックは保護者にも子供の体の異変に気付き、成長を見守る責任の一旦を担ってもらう、という点で意義がある。 埼玉県運動器検診モデル事業

18 【あんよ】までの成長過程 なぜ、子どもの身体に異変が起こったのだろうか。先ず、 【あんよ】までの成長過程について、考えてみる。
①首が据わる(3~4ヶ月) ②寝返り( 5~6ヶ月) ③お座り( 7~8ヶ月) ④ハイハイ( 8ヶ月~) ⑤つかまり立ち( 8~9ヶ月) ⑥伝い歩き( 10~11ヶ月) ⑦あんよ( 12~18ヶ月) なぜ、子どもの身体に異変が起こったのだろうか。先ず、 【あんよ】までの成長過程について、考えてみる。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

19 ハイハイの効能 全身運動 上肢の動的機能・反射能力 腹筋と背筋のバランス 肩甲帯と尻の筋肉強化 これらが 身についていないと
このうちハイハイは、 全身運動であり、上肢の動的機能・反射能力、腹筋と背筋のバランス強化に有用であり、肩甲帯と尻の筋力強化にもなる。これらが身についていないと、しっかり歩けない、転倒でうまく手が出ない、組体操の下で支えられないことになる。 ハイハイは、個体差や住宅事情等から、あまりしないまま成長するケースも見られるが、出来ればハイハイをしっかり行う期間(4~5ヶ月)がほしい。 しっかり歩けない 転倒でうまく手が出ない 組体操の下段で支えられない S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

20 子どもの運動器機能に異変が 【パラシュート反応】 生後8~10ヶ月 赤ちゃんを腹ばいの形で地面と平行に もちあげ、頭から落そうとすると、
 転んだ時、手をつけずに顔面を打ってしまう  【パラシュート反応】 生後8~10ヶ月  赤ちゃんを腹ばいの形で地面と平行に  もちあげ、頭から落そうとすると、  赤ちゃんが両腕を伸ばし体を支え、  頭を守ろうとする保護伸展反応           ↓  元々、人に備わった反応:  目と手の協応運動で  危険回避能力である    (脳性まひ・ダウン症等を除く) 今の子どもの運動器機能の異変として 転んだ時、手をつけずに顔面を打ってしまうことについて: 「パラシュート反応」は元々、人に備わった防御反応で、普通の子どもなら、本来生後8~10ヶ月で出現する。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

21 【あんよ】に必要な条件 ①身体の筋力がついていること 筋力 ②体のバランス機能が発達していること バランス
①身体の筋力がついていること 筋力 ②体のバランス機能が発達していること バランス ③転んだときにパッと手が前に出る 反射神経                          (危険回避能力) ④「歩きたい」という欲求があること     意欲  したがって「あんよ」に必要な条件として、筋力やバランス、歩きたいという欲求の他に、転んだときパッと手が前に出る反射神経が求められる。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

22 外遊びの減少・ゲームの普及は、バランスの発達過程に影 響し、子どもの体に異変を起こしているのでは
Ⅰ、Ⅱともに 近年の外遊びの減少・ゲームの普及は、上手に歩く、走る、ボールを蹴る、投げるなどバランスの発達過程に影響し、子どもの運動器機能に異変を起こしているのでは、と推測される。

23 子どもの運動器機能に異変が 【社会的要因】 【家庭内要因】 ゲームの普及(親も含めて) 車社会・外は危険がいっぱい 外遊び場が少ない
  【社会的要因】 ゲームの普及(親も含めて) 車社会・外は危険がいっぱい 外遊び場が少ない 塾・習い事が多い 一緒に運動できる若い 体育教師が少ない     【家庭内要因】 小さなころからスマホ・ゲーム 車移動で、歩き・かけっこしない ゲーム以外に遊べない 一緒に遊ぶ友達がいない 遊びの仕方がわからない  小さなケガもしない スライドは、 子どもの運動器機能の異変について、社会的要因および家庭内要因からみたものである。 危険回避能力の低下→手がうまく出せない 大ケガ S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

24 遊び場がない⇒ゲームしかない 放課後、校庭で遊べない 公園でボール遊びは禁止・大きな声出せない 園庭で遊ぶと、うるさいと近所から苦情が
マンション敷地内で、遊んでいると 叱られる ゲームしないと仲間外れ 特に遊び場がない環境が、ゲームに走らせている。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

25 グループゲーム(3DS) 内でも 外でも 内遊び 室内では、皆が集まっているのに、 隣の子と会話もせず、ゲームに没頭し、
また外でも、内遊びしている。 残念ながらこうした光景が決して珍しくないのが現実である。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

26 姿勢と運動器機能 生活習慣の劣化 姿勢の崩れ 疲れやすい 運動器機能不全 ケガ
ゲーム・スマホ普及による外遊びの減少、偏食など生活習慣の劣化は、先ず姿勢の崩れをきたす。 次いで疲れやすさ、そして体のかたさ・バランスの悪さなどの運動器機能不全もひきおこす。 結果、ケガを誘発し易くなる。 ケガ S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

27 両者ともケガ歴なし:危険回避能力が備わっていない
症例:手首骨折 症例1  15才男 跳箱(背屈位) →Colles 骨折 症例2  10才女  馬跳(掌屈位)→Smith 骨折    平成25年6月25日    平成25年11月19日 症例を供覧する。 15才男子は跳箱で、10才女子は馬跳びで、それぞれ両手首を骨折した。 男子は体のかたさ・姿勢の悪さが見られたが、女子には見られなかった。 但し両者ともケガ歴がなく、危険回避能力が十分備わっていなっかったのでは、と考えられた。 両者ともケガ歴なし:危険回避能力が備わっていない S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

28 症例3:手首・指が反らない グーパーで手首が反らない グーパーで指もそらない 症例3は、もともと体がかたい例で
手指も手首も、十分に反れない。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

29 症例3:しゃがみこみできない 途中で止まってしまう アキレス腱がかたい しゃがみ込みでも途中で止まってしまう。
   途中で止まってしまう    アキレス腱がかたい しゃがみ込みでも途中で止まってしまう。 アキレス腱がかたく、背屈が不十分。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

30 症例3:体前屈できない 体前屈でもかたさが目立つ。 症例3のように普段スポーツを行っていても元々、体のかたい子はいる。
ただし、運動不足で体がかたかったり、バランスの悪い子では、多くはストレッチや姿勢指導等で改善する。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

31 保護者による事前チェック5項目 平成26年度より運動器機能不全について、 保護者に事前チェックしてもらうこととした。
保護者による事前チェック5項目          ②しゃがみ込み:途中で止まらず・踵が上がらず・後ろへ倒れないか ①片足立ち:5秒以上ふらつかず立てるか 平成26年度より運動器機能不全について、 保護者に事前チェックしてもらうこととした。 注)この事前チェック5項目については、運動不足からくる運動器機能不全だけでなく、オスグッドや野球肩など使いすぎによるものも含まれる。 ③肩拳上:耳の後ろまで しっかり上がるか ④体前屈:膝を伸ばしたまま指が床につくか

32 事前チェック5項目 ⑥グーパー動作:先ず、両腕を水平に伸ばし 平成26年度からは、上肢の動的機能を 見る⑤グーパー動作を追加した。 準備
事前チェック5項目          準備 グー パー ⑥グーパー動作:先ず、両腕を水平に伸ばし グーといいながら肘を後ろにひき、 パーと勢いよく手を前に突き出す  *一連の動きをスムーズに行えるか、 パーで手首・指がほぼ直角(70度以上)に反れるか 平成26年度からは、上肢の動的機能を 見る⑤グーパー動作を追加した。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

33 運動器機能不全チェック5項目 ①片足立ち ⇒身体のバランス
①片足立ち       ⇒身体のバランス ②しゃがみ込み    ⇒ 下肢の柔軟性 ③肩拳上        ⇒ 上肢の柔軟性 ④体前屈        ⇒ 体幹の柔軟性 ⑤グーパー:      ⇒ 上肢の動的機能 *一つでもできないものは「子どもロコモ」疑いあり   但し、運動不足からくる運動器機能不全に、    オスグッドなど使いすぎによるものも含まれる 平成25年まで運動器機能不全のチェックとして、 ①片足立ち②しゃがみ込み③肩拳上④体前屈を実施してきた。 平成26年度からは、上肢の動的機能を見る⑤グーパー動作を追加した。 この5項目のうち、一つでもできないものは「子どもロコモ」疑いあり 但し、運動器機能不全だけでなく、オーバーユースも含まれる。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

34 平成26年度運動器事前検診 中2(143名) 平成26年 3月18日
平成26年度運動器事前検診            中2(143名) 平成26年 3月18日  1)片脚立ち5秒以上できない % 2)しゃがみ込みに問題あり    % 3)肩が180 度まで挙がらない % 4)腰椎前屈で指先が楽に  %     床につかず 5)グーパーに問題あり        20.3%           *運動器不全を有するもの   % (5項目中一つでも当てはまるもの)    5人に1人 グーパー動作を加えた5項目の運動器機能不全チェックについて、 中2の生徒143名に対し、4名の運動器検診医(整形外科医)を配置し、実施した。 結果は、スライドのごとくである。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

35 ロコモの要因 【大人】 バランス能力の低下 筋力の低下 骨や関節の病気 バランス能力の低下 柔軟性の低下 使いすぎ症候群
     【大人】 運動器障害で移動機能低下を きたして、進行すると要介護に なる危険性の高い状態      【子ども】 姿勢不良や運動不足または使いすぎにより、運動器機能不全をきたして、ロコモ予備軍になる可能性が高い状態 バランス能力の低下 筋力の低下 骨や関節の病気 バランス能力の低下 柔軟性の低下 使いすぎ症候群 ロコモの要因として 大人の場合、加齢によるバランス能力の低下、筋力の低下そして骨や関節などの疾患など、運動器障害で移動機能低下をきたして、進行すると要介護になる可能性の高い状態をいう。 一方子どもの場合、姿勢不良や運動不足または使いすぎにより、運動器機能不全をきたして、ロコモ予備軍になる可能性が高い状態をいう。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

36 今後の学校運動器検診とロコモ予防 平成28年4月からの運動器検診導入に向けて 学校現場にとって負担の少ないシステム構築 ①問診票・事前チェック票の有効活用 側弯症検診と同様、運動器機能不全についても 保護者に事前チェックしてもらう ②保護者⇔養護教諭・体育教諭・校医・整形外科医 の良好な協力関係の構築 *子どもロコモ対策→ロコモ予防: 整形外科医の積極的な関与 今後の学校運動器検診では、 学校現場にとって負担の少ないシステム 構築が求められる。 S.HAYASHI 第27回JCOA学会 2014

37 「姿勢についてのアンケート」 姿勢について、
●実施期間:平成24年9月27日~10月4日実施 ●実施学年:越谷市立大相模小学校全校児童 1~2年:学級担任 3~6年:児童 *姿勢の実態調査は、学級担任 ●回収率:98.6%(495/502) 1年生・・・・・85人 2年生・・・・・79人 3年生・・・・・79人 4年生・・・・・86人 5年生・・・・・91人 6年生・・・・・75人 姿勢について、 越谷市立大相模小にてアンケート調査が行われた。  対象は全校生徒502名で、姿勢の実態調査は学級担任が行った。 越谷市立大相模小 亀山俊子養護教諭調査

38 姿勢チエックシート 山岸似佐美『小学校の姿勢指導』東山書房,1995より
13% 14% 50% 姿勢チェック(机・椅子の座り姿勢)では、 ①足を後ろに曲げ、背中を曲げているが、50%、 ②机と椅子の間があきすぎが、 14% ③体がのけぞり足が机より前に出ている が、12% これらの座り姿勢では、いずれも猫背・骨盤後傾となっている。 机と椅子が平行になっていないが、13%あり、机と椅子が体に合ってない場合も 考えられる。 12% 越谷市立大相模小 亀山俊子養護教諭調査

39 姿勢が悪いと注意されたことがありますか?
「姿勢が悪い、と注意されたことがありますか?」に対し、 「よく言われる」「たまに言われる」を合わせると、全体で72.1%であった。 学年別では、4年生6年生が80%以上と高い。3年生は低く60%を切っていた。 越谷市立大相模小 亀山俊子養護教諭調査

40 体の不調の有無 体の不調の有無では、「よくある」「時々ある」を合わせると、
①「疲れを感じる時がある」が、実に75.7% ②「イライラする時がある」が63.8%  ③「眠れない時がある」が61.3% ④「授業に集中できない時がある」57.3%と  半数以上の児童が訴えている。 ⑤「肩がこる」と訴える児童も、43%いた。 越谷市立大相模小 亀山俊子養護教諭調査

41 姿勢で心配なことはありますか 姿勢がすぐ崩れてしまう(3年) 椅子に座っても足がちゃんと着かない(3年)
授業の最初は姿勢を気にしているが、姿勢がだんだんと 崩れてきて心配(6年) ・ 姿勢が悪いままだとどうなってしまうのか?(4・5・6年) ・ 姿勢が悪いとすぐ疲れるので姿勢をよくしたい(4年) 猫背を直したい 直るのか?(3・4年) 姿勢をよくするポイントを知りたい。どうすれば姿勢が良く   なり体力がつくのか?(4・6年) 姿勢に対する心配が、多く寄せられた。 越谷市立大相模小 亀山俊子養護教諭調査

42 子どもは姿勢を気にしている 子どもは大人が思っている以上に姿勢を 気にしている 将来、姿勢の悪さが続くのを心配している
  気にしている 将来、姿勢の悪さが続くのを心配している できれば姿勢を矯正したいと思っている 矯正したいがその方法がわからない 子どもは思った以上に姿勢を気にしている。しかい矯正のしかたがわからない、あるいは誰に教わったらいいのかわからない、といったところが現状である。 越谷市立大相模小 亀山俊子養護教諭調査

43 朝食(夕食)は誰と食べていますか 朝食(夕食)を誰と食べるかで、
「家族全員で食べている」児童は、36.8%「家族の誰かと食べている」児童は、54%孤食すなわち「一人で食べている」児童は9.2%と、実に1割弱もいた。 朝食よりも夕食の方が、家族全員で食べることが多いようである。 越谷市立大相模小 亀山俊子養護教諭調査

44 平成20年度文部科学白書によると、 朝食の摂取と学力との関係では、毎日食べているが、全く食べていないに比べ、 国語A,B、数学A,Bともに上回っていた。 朝食と体力との関係でも、毎日食べている、時々欠かす、全く食べてないという順に、体力合計点が低下した。 朝食の摂取の有無は、学力・体力ともに大きく影響する。

45 食育と子どもドライマウス やわらかい食べ物中心 よくかまない あごや舌の筋肉を使わない 唾液が出ない、唾液がネバネバ
糖尿病 シェーグレン 薬剤副作用 ストレスその他 よくかまない あごや舌の筋肉を使わない 唾液が出ない、唾液がネバネバ ドライマウスは、糖尿病・シェーグレン・薬剤副作用などからおこるが、子どもでは、食育による場合が多い。 かたいものを食べる習慣が薄れ、やわらかい食べ物中心の食生活となっている。 結果、よくかまない→あごや舌の筋肉を使わない→唾液が出ない、唾液がネバネバとなり→口臭が強くなり、免疫力低下や味覚障害も惹き起こす。 食育を見直す必要がある。 口臭    免疫力低下   味覚障害 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

46 昔遊び 一昔前は、外遊びの場や、仲間そして怖いオジサンもいた。 小さなケガをたくさんして、外遊びから危険回避の身のこなし方を自然に学んだ。
一昔前は、外遊びに恰好の路地や 広場があちこちにあった 遊び仲間もたくさんいた 怖いオジサンはいたが、危険な 不審者はいなかった 車も少なかった 一昔前は、外遊びの場や、仲間そして怖いオジサンもいた。 小さなケガをたくさんして、外遊びから危険回避の身のこなし方を自然に学んだ。 打ち身・擦り傷など小さなケガは 誰もがたくさん経験した 外遊びから危険回避の身のこなし かたを自然に学んだ S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

47 ある幼稚園の取組み 土に触れ、自由に遊べる園庭 コナラを植えてカブトムシに触れさせる みかんやぽんかんを植えて食べさせる
小さな山(傾斜)・橋・土管を作り遊ばす 屋根のぼりをさせる ある幼稚園では、広い園庭に様々な外遊び場を設け、子どもたちに多様な経験をさせている。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

48 ぽんかんをもぎとり ぽんかんの実をもぎとり、皆で美味しそうに食べている。 皆で美味しそうに食べている
S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

49 橋わたり・土管くぐり 橋わたりや土管くぐりを、自主的に楽しそうに遊んでいる。園長がカラーコーンを置いたら、橋わたりは一休み。
園長が、カラーコーンを置いたら 橋わたりはお休み S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

50 屋根のぼり 屋根のぼりも、女の子がすいすいと上手にのぼっていた。 女の子も上手にのぼっていた
S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

51 土いじりと手洗い 土いじりなど外遊びの後に、皆しっかりと手洗いしていた。 外遊びの後は、しっかり手洗い
S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

52 文科省「体力・運動能力調査」 小学校 スライドは 文科省「体力・運動能力調査」小学校の 昭和61年~平成22年までの比較である。
    文科省「体力・運動能力調査」  小学校 スライドは 文科省「体力・運動能力調査」小学校の 昭和61年~平成22年までの比較である。 *昭和60年頃から長期的に低下、体力が高い子と低い子の格差拡大 *ここ10年は、横ばいかやや向上、25年前の成績と比べると低下 *土日に運動している子どもは体力合計点が高かった

53 文科省「体力・運動能力調査」 中学校 スライドは 文科省「体力・運動能力調査」中学校の 昭和61年~平成22年までの比較である。
    文科省「体力・運動能力調査」 中学校 スライドは 文科省「体力・運動能力調査」中学校の 昭和61年~平成22年までの比較である。 *小学校と同じく、25年前の成績に追いついていない *子どもの体力の低下の原因は、子どもが体を動かす機会が   減少しているという点が指摘されている

54 運動量と体力・気力・意欲 生活習慣が良い子どもは、 体力・気力・意欲 そして学力も高い 運動量の少ない子どもは、多い子どもと比べて
      運動量と体力・気力・意欲 生活習慣が良い子どもは、 体力・気力・意欲 そして学力も高い 運動量の少ない子どもは、多い子どもと比べて 意欲もなく体力もなく、睡眠不足、遅刻が多い 運動以外のこともできない 運動量と体力・気力・意欲は密接に関係する。 運動することの喜び、楽しみを教えることが重要

55 (公益財団法人骨粗鬆症財団リーフレットより)
子どもの骨が弱くなっている? 30年間で 2倍以上増加 子どもの骨が弱くなっている? 骨折発生率の経年変化(鳥居ら)では、 1970年~2000年までの30年間で、 小・中・高の子どもの骨折率が2倍になった。 (公益財団法人骨粗鬆症財団リーフレットより)

56 姿勢について 1才児 とくに姿勢指導をして いないが 姿勢はとても良い 姿勢について考えてみる。
      姿勢について 1才児 とくに姿勢指導をして いないが 姿勢はとても良い 姿勢について考えてみる。 1~2才児は、とくに姿勢指導していないのに、姿勢はとても良い。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

57 いつから姿勢が悪くなるの 歩き始めた頃の子どもの姿勢は、胸がしっかり前を向き 頭をバランスよく首の上に保つことができている
  頭をバランスよく首の上に保つことができている 姿勢が悪くなるのは、長時間の勉強等で体を丸める体勢   が多くなる7歳前後といわれる 最近では長時間ゲームする子どもが低年齢化し、顎だし・   猫背姿勢になる時期がどんどん下がっている では、いつ、どうして姿勢が悪くなるのだろう?  その一因として、ゲーム・スマホの低年齢化が挙げられる。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

58 姿勢教育の退行 習い事: 書道・茶道・華道 武 道: 相撲・剣道・弓道 行往座臥(歩く、立ち止まる、座る、寝る)
習い事: 書道・茶道・華道 武  道: 相撲・剣道・弓道 行往座臥(歩く、立ち止まる、座る、寝る) 立居振る舞いに美しさを求める習慣があった 日常生活の躾、姿勢教育 姿勢教育は心身の状態や体力と密接に関係  姿勢の崩れは、姿勢教育が行われなくなってきたことにも一因がある。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

59 躾について + 【しつけ3原則】 ①挨拶 「あいさつ」 ②返事 「ハイの返事」 ③後始末 「はきものをそろえる」 躾について、
              森 信三(1896~1992)哲学者・教育者 ①挨拶   「あいさつ」 ②返事   「ハイの返事」   ③後始末 「はきものをそろえる」 + 躾について、 哲学者・教育者の森信三氏は、 しつけ3原則 ①挨拶 ②返事 ③後始末  + 立腰(りつよう)すなわち腰(骨盤)を立    てる こととしている。 立腰:腰(骨盤)を立てる S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

60 立腰(骨盤を立てる) 昔の子どもたち 今の子どもたち 指導を受けた子どもたち 昔の子どもたちは、姿勢が良かった。
今の子どもたちはゲームの影響で、姿勢が崩れてきているが、きちんと指導を受ければ、矯正は可能である。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

61 姿勢はADLの基本 ・集中力がつく ・持続力がつく ・身のこなしや振る舞いが美しくなる 立腰:腰(骨盤)を立てることにより、
運動器機能にも影響し、身のこなしや振る舞いが美しくなる。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

62 武道の蹲踞 元来は神前の礼→相撲の様式の中で変化 姿勢良い 武道の蹲踞では、
相撲・剣道ともに頭・肩・骨盤のラインが真っ直ぐ通り、姿勢が良い。 相撲では爪先立ちで踵の上に尻を載せて 腰をおろし、膝を開いて上体を起こした 状態を指す 剣道も以前は、両膝をついた「かしこまった」 体勢だったが、今は立ち会いまでの効率等を 考え、相撲の蹲踞と同じになった S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

63 相撲の四股と鉄砲 【正しい四股の踏み方】 無駄な力をいれず、インナーマッスルの腸腰筋を 【鉄砲での注意点】 股関節 肩甲骨
使ってその場から脚をスッと上に上げる 腰を割り上体を真っ直ぐにして、重心線に腸腰筋が のるように膝を開き腰を入れる。無理に膝を伸ばし たり、あえて高く脚を上げる必要はない 【鉄砲での注意点】 腕の力だけで押すのではなく、肩甲骨を基点に して、肩甲骨から腕が前に押し出されてことを 意識する               松田哲博・元:一ノ矢(大相撲力士)、高砂部屋マネジャー 肩甲骨 国技である相撲の四股と鉄砲は、それぞれ股関節、肩甲骨の機能訓練である。 上肢は肩甲骨、下肢は股関節を上手く使えれば、ケガをしにくい体となる。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

64 イチローのストレッチング 股関節 肩甲骨 四股 鉄砲 まさにイチローがとり入れているストレッチは、四股と鉄砲の動きである。
大リーグで大記録を打ち立て、長年にわたり活躍出来ているのも、このように理にかなったケアを怠らず、ケガも少ないからと考える。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

65 正しい姿勢 頭頂~体幹~足まで、重心線が一直線になる 正しい姿勢とは、
耳垂 肩峰 大転子 正しい姿勢とは、 耳垂→肩峰→大転子→外果前縁を結んだラインが一直線になること、といわれる。 外果前縁 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

66 悪い姿勢 悪い姿勢とは、 ①顎だし、猫背で腹が前に出て、骨盤が 後傾する、いわゆる「腹突き出し」姿勢 が悪い姿勢の典型である。
隠れ猫背 猫背 顎だし 骨盤後傾 悪い姿勢とは、 ①顎だし、猫背で腹が前に出て、骨盤が  後傾する、いわゆる「腹突き出し」姿勢  が悪い姿勢の典型である。 ②また「反り過ぎ」は、一見良い姿勢にも  見えるが、猫背が隠されていることが  あり、胸の反り過ぎも良くない。 正常 腹突き出し 反り過ぎ S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

67 首の角度と負荷 0度 15度 30度 45度 60度 首の角度と負荷では
頭の重さ5kg 12kg 18kg 22kg 小3の体重 27kg 4.5~5.5kg 12kg 18kg 22kg 27kg 首の角度と負荷では 大人の頭の重さが約5kgとして、15度づつ前傾するごとに、2倍、3倍、4倍と首にかかる負荷が増し、60度では、小3の体重にあたる27㎏になるという。 子どものゲーム遊び等でも、大きな負荷がかかっているのがわかる。 1倍 2倍 3倍 4倍 5倍 Kenneth K. Hansraj, SURGICAL TECHNOLOGY INTERNATIONAL 25th EDITION Oct, 2014 一部改変 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

68 頭の重さ : 頭と身体の比率 新生児 1歳 大人 1kg(体重の30%) 2kg 5kg (体重の10%)
 新生児   1歳            大人  1kg(体重の30%)  2kg    5kg (体重の10%) 小さな子どもになるほど、重心位置が高くなり 大きな頭を上手く支え、バランスをとろうとする 頭の重さと重心位置について: 頭と身体の比率では、大人から児童生徒、 幼児、新生児になるにつれて、頭身が 6~8頭身から、5頭身、4頭身、3頭身となる。すなわち小さな子どもほど、頭でっかちで体の重心位置が高くなり、大きな頭を上手く支え、バランスをとろうとする。 3頭身 4頭身 5頭身 6~8頭身 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

69 重い頭を支える 首座り 頭に重いものを載せて歩く 体重に占める頭の重さ:新生児で30%、成人で10% 重い頭を支えるという点では
      首座り 赤ちゃん アフリカで 日本でも 重心位置が高い 重い頭を支えるという点では 新生児では体重比30% 、成人で10%と 新生児は大人の3倍の頭でっかちである。 アフリカでは女性が重い荷物を運んでいる光景を目にする。日本でも桶に子どもを 載せた女性の写真がある。 こうした所作では、頭でっかちとなり、重心位置が高くなる。 結果、重い頭部を上手く支え、バランスを とろうとして姿勢が良くなる。 重い頭部を支え バランスをとる 姿勢が良くなる S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

70 立位での姿勢矯正① 立位での姿勢矯正では 先ず、 ①頭のてっぺんを糸で天井から 引っ張られるイメージをもつ 次いで、 ②顎をひく
引っ張られているイメージをもつ 耳垂 ②顎を引く 肩峰 ③肩の力を抜く ④お腹を引っ込める 大転子 ⑤尻を引き締める 立位での姿勢矯正では 先ず、 ①頭のてっぺんを糸で天井から   引っ張られるイメージをもつ  次いで、 ②顎をひく ③肩の力を抜く ④お腹を引っ込める ⑤尻を引き締める これだけで、多くは姿勢が矯正される。 外果前縁 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

71 立位での姿勢矯正② 立位での矯正指導を行うと 立位での姿勢矯正例である。 指導後、直ぐに姿勢矯正された。
問題はその持続であり、良い姿勢を保つことがいかに大切か保護者にも理解・協力してもらうことが重要である。 before after S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

72 膝立ちでの姿勢矯正 ①尻が引き締まる ②お腹が引っ込む ③肩の力が抜ける ④顎が引く ⑤頭が立つ(首座り) 膝立ち姿勢をとらせると
立位で矯正がうまくいかない場合、 膝立ち姿勢をとらせると良い。 膝立ちでは、幼児に近い頭でっかちの身体バランスとなり、結果、重心位置が高くなり、良い姿勢がとりやすくなる。 重心位置が高くなり S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

73 座位での矯正 ー座具を使ってー 動画部分 座位での矯正では 矯正座具を使ってみるのも良い。 座具を当てるだけで、姿勢は直ぐ矯正される。
座位での矯正 ー座具を使ってー 動画部分 座具を使うと簡単に姿勢矯正できるが 座具なしで、維持することが大切 座位での矯正では 矯正座具を使ってみるのも良い。 座具を当てるだけで、姿勢は直ぐ矯正される。 問題はその持続であり、座具なしでも正しい姿勢がとれるよう、常に意識付けを行う。 このスライド73のみ、差し替えをお願いします S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

74 両手挙げによる姿勢矯正④ 顎が前に出ていると肩が真っ直ぐ 挙がらない 両手挙げによる猫背矯正例である。
機能不全チェック項目の両手挙げで、垂直に挙がらない場合、スライド左のように顎が前に出ていて猫背姿勢のことがある。 スライド右のように 両手を組み、掌を上に向けてしっかり挙げていき、つま先立ちしながら大きく伸びをする。両腕が肩甲骨を引っ張っる形で垂直に挙がり、結果、姿勢も良くなる。 両腕が肩甲骨から垂直 に挙がり姿勢も良くなる 両手を組み、掌を上に向け挙げて いき、つま先立ち大きく伸びをする S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

75 柏手による猫背の矯正法 肩甲骨を上手く動かせると、猫背も良くなる 柏手による猫背矯正では
両肩を水平に挙げたまま、肘を直角にまげ前腕を立てる。 両肘を肩甲骨がくっつく位に後ろへ引き、次いでそのまま前に出し柏手を打つ。 肩甲骨を上手く動かせると、猫背も良くなる。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

76 猫背だと何故悪い 猫背気味 横隔膜や腹横筋がうまく動かない 胸郭がうまく膨らませられない 首の筋肉で息を吸う 肩が凝りやすい
 肩が凝りやすい 猫背だと、横隔膜や腹横筋がうまく動かないため、結果、疲れやすくなる。 子どものゲーム遊び姿勢では、首への負担だけでなく、猫背による疲れやすさも加わり、心身に影響をおよぼす。  呼吸が浅くなる      疲れやすい S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

77 子どもロコモ体操 SLOCウェブサイト参照 http://sloc.or.jp/?page_id=750
子どもロコモ体操は、しゃがみ込み、体前屈など 一つ一つの基本動作をしっかり身に着けることに 主眼を置き、構成されています *上肢は、 下肢は、 上手に使うことが重要 肩甲骨 股関節 SLOC ウェブサイトに掲載されている 子どもロコモ体操は、しゃがみ込み、 体前屈など一つ一つの基本動作をしっかり身に着けることに主眼を置き、構成されている。 上肢では肩甲骨、下肢は、股関節を 上手く使うことが重要である。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

78 子どもロコモ体操 図 Recrew 2014, Octoberより
胸郭の運動 呼吸法 猫背矯正 上肢全体の運動 肩甲骨の運動 胸郭の運動では しっかり吸って吐くという呼吸法ならびに猫背矯正を 肩甲骨(柏手)の運動は 肩甲骨の柔軟性・上肢全体の運動機能の向上を 結果、姿勢も良くなることを目的とする。 姿勢も良くなる S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

79 子どもロコモ体操 図 Recrew 2014, Octoberより
体前屈運動 体幹・下肢のストレッチ 股関節をうまく使う   骨盤前傾 姿勢も良くなる 体前屈では、 子どもの2~3割がうまくできない。 実際にかたい子もいるが、股関節から曲げることがわかってない子が多い。 しっかり指導するとできるようになる。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

80 *寝たきりを防ぐキーワードは、運動と食事
                                                                                                                                                                                                                                                                                                    健  康 生活習慣(運動・食事 ) 運動不足 偏   食 妊婦のダイエット 子どものダイエット  低出生体重児 →メタボ予備軍 骨密度低下 →骨粗鬆症予備軍 メ タ ボ ロ コ モ 認知症 生涯健康でいられるかどうかは、運動・食事など生活習慣による。運動不足・偏食など生活習慣の劣化は、メタボ・ロコモ・認知症を引き起こす。一方ダイエットも問題で、妊婦のダイエットの結果、飢餓状態で生まれた低出生体重児はメタボになり易い。また子どものダイエットでは、最大骨量が得られず骨密度低下による骨粗鬆症予備軍となり、ロコモになり易くなる。メタボ・ロコモ・認知症は寝たきりの三大要因であり、寝たきりを防ぐキーワードは、運動と食事ということになる。 寝たきり *寝たきりを防ぐキーワードは、運動と食事 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

81 子どものころからのロコモ対策 ロコモの啓発・予防 子どもへの前倒し対策 学校運動器検診の重要性 運動・食事など生活習慣の改善 ロコモ・メタボ・認知症などの予防にもつながる 保護者にも 事前チェックを 姿勢指導 ロコモの啓発・予防には子どもへの前倒し対策が必要。そのためには、学校運動器検診でのチェックが重要となる。この際 保護者にも事前チェックをしてもらい、 問題のある子供たちには、運動・食事など生活習慣の改善が求められる。 これが、結果的に将来のロコモ・メタボ・認知症などの予防にもつながる。 運動、食事以外で重要な生活習慣に姿勢があり、幼児からの姿勢指導が重要。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

82 子どもの体を見守るのは大人の使命   「体を動かそう」 「よく食べよう」 「姿勢は大事、骨盤を立てよう」 と、大人がしっかり子どもに伝えてやること! 子どもの体を見守るのは大人の使命 学校や医療機関だけでなく、家庭、社会が一体 となって子どもの運動器を支えるシステム構築を 子どもの身体を守るのは大人の使命である。 学校や医療機関だけでなく、家庭、社会が一体となって子どもの運動器を支えるシステム構築が求められる。 S.HAYASHI 平成26年度 高崎市医師会学校医講習会

83 ご清聴ありがとうございました。


Download ppt "運動器検診から見た 子どもロコモ         林整形外科           林  承弘 運動器検診から見た「子どもロコモ」について、検討した。"

Similar presentations


Ads by Google