中小プロジェクト向け CCD 読み出しシステムの開発 東京大学 天文学教育研究センター 三鷹 / 木曽観測所 酒向 重行 加藤(東大卒)、中尾(北大)、征矢野(木曽)、 木曽 KWFC 開発チーム 「可視赤外線観測装置技術ワークショップ」 2012 年 2 月 22-23 日 国立天文台 三鷹キャンパス.

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中小プロジェクト向け CCD 読み出しシステムの開発 東京大学 天文学教育研究センター 三鷹 / 木曽観測所 酒向 重行 加藤(東大卒)、中尾(北大)、征矢野(木曽)、 木曽 KWFC 開発チーム 「可視赤外線観測装置技術ワークショップ」 2012 年 2 月 日 国立天文台 三鷹キャンパス すばる棟大セミナー室

アウトライン 中小望遠鏡プロジェクトの装置開発 木曽アレイコントローラ (KAC) 完全空乏型 CCD 対応版 KAC

中小望遠鏡プロジェクト すばる、 TMT 、 SPICA へ進む一方、 大学を中心に研究用の中小望遠鏡の整備が進 む 大学間連携観測に参加の望遠鏡 広大 1.5m, 北大 1.6m, 石垣島 1.05m, 京産大 1.3m, 鹿児島大 1.0m 、岡 山 1.88m, MITSuME, 東工大明野 MITSuME, ぐんま 1.5m, 西はりま 2.0m, 東大木曽観測所 1.0m, 東京大 miniTAO 1.0m, 名大南アフリカ 1.3m, 美星 1.0m 特定の科学的トピックに集中して 独自性を得る  科学的に「とがった」装置がほしい

中小プロジェクトの装置開発へのアプ ローチ アプローチ 1 : こだわりの装置をすべて自作する – 人が育つ、チームに開発力がつく – 開発時間がかかる – 必要な項目に絞って開発すること アプローチ 2 : 企業の確かな技術で作る – 光学系 – 制御系 – 検出器 商用パーケージ品を購入 国内には秀でた設計、製造の会社がある。  積極的に利用すべき。  全国に、自然と互助会ネットワークができる アプローチ 3 : 「 2 」の中から、1つ以上の独自開発項目をもつ お金ないし、 学生たくさんいるけど スタッフいないし

中小望遠鏡プロジェクトの装置開発を通して 技術拠点とネットワークを構築 精密加工 検出器 分散素子 真空冷却 制御ソフ ト メカトロニク ス 望遠鏡 システ ム 強度計算 光学設計 遠隔システ ム 熱設計 DB システ ム 低温対応 気象観測 国内企業 ネットワーク 精密加工 検出器 分散素子 真空冷却 制御ソフ ト メカトロニク ス 望遠鏡 システ ム 強度計算 光学設計 遠隔システ ム 熱設計 DB システ ム 低温対応 気象観測 国内大学 ネットワーク りんごは青森、うどんは香川

国内企業 国内大学 東京大学 国内大学 TMT を支えるのは 中小望遠鏡プロジェクトの 技術と人 TMT TMT への準備とは、 国内の大学と企業の技術ネットワークをつくること

木曽アレイコントローラ KAC 木曽観測所が、自分たちのために 開発した CCD 読み出しシステム

木曽観測所 超広視野カメラ KWFC (Kiso Wide Field Camera) 視野 : 2°x 2° CCD : MIT 社製 2k x 4k (2ch 出力 ) x 4 台 SITe 社製 2k x 4k (2ch 出力 ) x 4 台 読み出しシステム 木曽観測所で独自に開発したシステム Kiso Array Controller; KAC

KWFC の場合 KAC の構成図 ADC #1 #2 #3 #4 DRV #1 #2 #3 #4 電源 CCD x8 台 LVDS 信号 (LAN ケーブル, <10m) IF ボードへ preAmp なし Linux PC Interface 社 PEX x2 枚 LVDS ボード clockdata

ADC 用マザーボード DRV 用マザーボード 4ch ADC ボード x 4 枚 DRV ボード MIT-CCD 用 x 2 枚 SITe-CCD 用 x 2 枚 KWFC の場合 LVDS ボード IF ボード KAC のアナログボードの構成

KAC の完全空乏型 CCD への対応 KWFC 用システムを設計しはじめたころ、 よくよく思い出してみれば、日本の CCD 技術は木 曽観測所から旅立っていったもの。 「浜松ホトニクスの完全空乏型 CCD を動かせない か?」 何件も問い合わせを受ける、 国立天文台が大型プロジェクトが多忙になり、 CCD 読み出しシステムのサポートに手が回らなくなった ことが背景に、あるようだ。 もう一度、木曽から頑張ろう。自分たちが使いや すい読み出しシステムを開発してみよう。

完全空乏型 CCD 対応版 KAC 木曽観測所が、中小規模プロジェクト向けに 開発した CCD 読み出しシステム 蕎麦 といえば、 木曽 CCD 読み出しといえば、木曽

KAC の系譜 MICS 中間赤外線装置用コントローラ COMICS 中間赤外線装置用コントロー ラ miniTAO 赤外線装置用コントローラ TAC TAO 中間赤外線装置用コントローラ TAC2 木曽観測所 CCD 用コントロー ラ KAC かたざ、宮田 (D 論 ) かたざ、酒向 (D 論 ) 酒向、本原、内一 酒向、征矢野、加藤 (M 論 ) 、中尾 (M 論 ) 酒向、岡田 ( 卒論, ポスター ) 創始者 FPGA でクロック生成、 DMA 転送、低消費 ADC LVDS 採用、 RealTime-OS 採用  不評 FPGA 処理をすべてソフトで実行 非 RealTime-OS 、低ノイズ化、シンプル化 大容量データをどうしよう、設計中

KAC のデザインポリシー 中小望遠鏡プロジェクトが必要としているもの  駆動する CCD を限定  シンプルな構造  低コスト  アップグレードを容 易に  情報をすべて公開  入手性の良い部品  開発体制が不十分な グループには提供しな い 以上の制限のなか、最高の性能を得る  最大 8 台、専用の DRV ボー ド  調整機能を減、スイッチポ ン  アナログ + デジタルで 50 万円  母ボード、娘ボードの構 成に ユーザが機能を理解 ユーザがメンテ ユーザが育つ ・ 開発者の負担減につながる ・ 我々はサポートセンタではない ・ 我々は共同利用研ではない

完全空乏型 CCD 対応版 KAC 16cm 10cm (3U) 浜松ホトニクス 2k x 4k (4ch 出力 ) x1 台用 アナログボード メインボード LVDS ボード 高電圧と正方向シグナルに対応

LVDS DRV IF4ch ADC KAC のアナログボードの構成 電源 +60V, +12V,+7V, -7V, -26V, +3.3V CCD 4ch preAmp なし 浜松ホトニクス 2k x 4k (4ch 出力 ) x1 台用 アナログ ボード

KAC の構成図 IF DRV 電源 CCD 4ch LVDS 信号 (LAN ケーブル, <10m) パラレル (1m) Linux PC Interface 社 PCIexpress-bus PEX x2 枚 LVDS ボード clock data preAmp なし 4ch ADC 浜松ホトニクス 2k x 4k (4ch 出力 ) x1 台用 10MHz 内部同期信号 /16 デジタルデータ処理用のプロセッサ ( DSP 、 FPGA )も持たないことが特長 すべて計算機上でおこなう。

アナログ部 ADC ボード  同設計の 4 回路  16bit 500ksps 完全差動 ADC  3 次 LP 差動ベッセルフィルタ  多重サンプリングによる CDS  両極性(正負)信号に対応  CCD ゲイン( e-/ADU )は抵抗 R G のみで 設定 ADC 入力オフセット調整 #1 #2 #3 #4 RGRG ADC 3 rd LP filter (BW=700kHz) Instr. Amp PreAmp Clamp RGRG

アナログ部 DRV ボード  CCD によって交換  8 種クロックを出力  7 種バイアスの出力  一部バイアスは 2 ステートに切替え可  調整機能なし(半固定)  電圧モニタ機能。適正電圧を確認後に、自動で出力 ON 浜松完全空乏型用 MIT 社, SITe 社用 e2V 社用 計画未定

アナログ部 IF + LVDS ボード 16bit 10MHz 同期 パラレル信号 最大長 1.5m LVDS 差動シリアル信号 LAN ケーブルを利用 最大長 10m LVDS/ パラレル 変換器 LVDS/ パラレル 変換器 FPGA IF ボード LVDS ボード LVDS clock frame-data  FPGA が ADC データをハンドリング。オンボード処理なし。  LVDS 信号に変換して長距離を転送 frame-data 転送用 同期クロック clock 転送用 同期クロック

 Interface 社 PEX  PCIexpress-bus  DMA(Direct Memory Access) 転送バスマス タ式 デジタル部 I/O ボードと DAQ … …. PEX DMA メインメモリ Linux PC clock pattern buffer frame data buffer SSDCPU 遂次 間欠的 展開 遂次 間欠的 転送 最大 20Mbyte/s 10MHz 内部 同期クロック 10MHz 外部 同期クロック デジタルデータ処理用のプロセッサ( DSP 、 FPGA )も持たない ことが特長 すべて計算機上でおこなう。 36,540 通販サイト

 付属の Linux ドライバを介して制御  核となるソフトウエアは3つ  これらと他の支援ソフトを、スクリプトで順に実行すれば、欲 しい画像データが得られる ソフトウェア  c lp (クロックプロセッサ) 使い方 : clp [ クロックパタンファイル名 ]  frp (フレームプロセッサ) 使い方 : frp [ データ数 ] [raw データファイル名 ]  r2f ( raw データ  fits データ変換) 使い方 : r2f [raw データファイル名 ] [fits ファイ ル名 ] ※ CDS や配列変換はここでおこなわれる あらかじ作成しておく ADC の出力そのまま 最低限のヘッダが付加

 デジタル性能 2kx4kCCD x8 台を 20  12.8 Mbyte/sec に相当 LVDS ケーブル距離 約 8m  アナログ性能 全機能が安定に動作 読み出しノイズ ~ 浜松完全空乏型 CCD, 実験室 (今後、調整により~ 3e- まで下がる可能性) 線形性、温度安定性 未評価 ※ KWFC の試験観測では天文観測に十分な値 が 計測されている 性能試験の結果

開発の道のり KWFC 用 KAC 完全空乏型対応 KAC 2012/4 2011/4 2009/4 加藤 M 論 中尾 M 論 詳細試験 (KWFC チーム ) 設計、 動作試験 ( 東大 M1-2 加 藤 ) 設計、 動作試験 ( 北大 M2 中尾 ) 詳細試験 ( 北大 D 中尾、 東大 M 橋場 ) 2013/4 共同利用開始 北大へ JAXA へ 東大へ NAOJ CCD 貸与 JAXA/SPICA 京都 3D 、青学 X 線 JAXA/SPICA NAOJ 北大 東大 NAOJ CCD 情報提 供 北大 NaCS でファーストライト

まとめ 中小プロジェクトに適した CCD 読み出しシステムを 開発 木曽観測所 KWFC の読み出しシステム KAC を 完全空乏型 CCD に対応させたもの 北大 1.6m 望遠鏡をはじめ、複数の用途に導入され はじめている TMT と中小プロジェクトの溝をどのように埋めるべ きか? キーワードは「人」と「名産」。

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