ファイル管理(ファイルシス テム) オペレーティングシステム 第 11 回
ファイルとは データの集まりの入れ物 データの集まり自身 データセットと呼ぶ場合もある 両方を意味
ファイルシステムの機能 大容量ファイルの実現 ファイルへの高速アクセス(読み書き) ファイルを安全に保持(機密保持) 物理的装置の抽象化 実際のアクセスはかなり手間がかかる 異なる装置でも,同様な操作でアクセス可 HDD でトラックとか セクタというような 話があった
ファイルとディレクトリ ファイルシステム 物理的装置の抽象化 Unix で説明 Windows のコマンドプロンプトでも
ファイルの中身 - データ Unix での考え方 すべてのデータはビットの並び 文書データもあれば画像データもある アプリケーションプログラムが解釈する 汎用機の OS では異なる(省略)
HDD でのファイル HDD では,セクタに格納される 一般には複数のセクタが必要 連続している,あちこちに散らばっている ? 最初の部分はどこにあり,次はどこにあり … ということを利用者は気にする必要がない ファイル名を指定すればよい 物理的装置の抽象化
ディレクトリ(1 ) ディレクトリ ファイルを保管する袋(のようなイメージ ) 中のファイルの一覧表が貼ってある Windows ではフォルダ ファイルを整理して保管 格納場所の情報 なども
ディレクトリ(2 ) ディレクトリの中に,ファイルだけでなく, 別のデイレクトリを入れることができる 中のディレクトリをサブディレクトリ 外のディレクトリを親ディレクトリ 親ディレクトリの参照 .. “ 袋 ” のイメージなら,袋の中に 袋が入っている 中の袋がサブディレクトリで 外の袋が親ディレクト
ディレクトリ(3 ) 最も外側のディレクトリ すべてのファイルとディレクトリが入って いる システムでひとつ ルートディレクトリ /
ディレクトリ(4 ) ある作業に関連しているファイルをまとめて ,保管するものがディレクトリ ある作業中は,主にあるディレクトリ中の ファイルを使う(ことが多い) カレントディレクトリ(作業ディレクトリ )として指定することができる . 作業に応じて,変更できる
ファイルとディレクトリ(1 ) ルートディレクト リ ディレクトリ a ファイル b ディレクトリ c ファイル d と e ルートディレクトリを頂点とする木構造 c は, a のサブディレクトリ a は, c の親ディレクトリ
ファイルとディレクトリ(2 ) ディレクトリだけを, “ 袋 ” のイメージで 考える /(ルートディレクトリ) a c
ファイルとディレクトリ(3 ) ファイル e の指定方 法 ルートディレクトリ からたどる /a/c/e 絶対パス名
ファイルとディレクトリ(4 ) ファイル e の指定方 法 カレントディレクト リ c カレントディレクト リからたどる . /e 単に e 相対パス名
ファイルとディレクトリ(5 ) ファイルの指定方法 ルートディレクトリからのパス名 /a/c/e 絶対パス名 カレントディレクトリからのパス名 . /e e 相対パス名
ファイルとディレクトリ(6 ) 同名のファイル b 右側 /b 左側 /a/b 区別可能なので OK
ファイルとディレクトリ(7 ) ホームディレクトリ 各々の利用者に割り当てられているディレ クトリ 自分のファイルを保管
ファイルとディレクトリ(8 ) カレントディレクト リ c .. は何か? カレントディレクト リの親ディレクトリ ディレクトリ a .. /b は? .. / .. /b は?
ファイルとディレクトリ まと め 物理的な装置は多種 HDD , USB メモリ, CD , … ファイルの保管のされ方もいろいろ しかし,利用者の使い方は同じ つまり,ファイルとかディレクトリといった ものに抽象化している ということをファイル管理が行っている
Windows では
ディレクトリは ホルダー ホルダーの中にホルダーを含むことが可 階層化
物理的装置の取扱い(1) 例 HDD が二つ接続されている C ドライブ, E ドライブ 名前を付けることもできる C ドライブのことを “ ローカルディスク ” 物理的には一つでも論理的に分割して,別ド ライブとして扱うこともできる
物理的装置の取扱い(2) 各ドライブごとに “ ルートディレクトリ ” があ る感じ Unix では,すべてを一つにまとめる ルートディレクトリはひとつ
アクセス管理
ア ク セ ス 管 理(1) ファイルの論理的保護 ファイルの共有を実現 アクセスが許されていない者からのアクセ スを禁止できなければならない セキュリティ機構
ア ク セ ス 管 理(2) 保護属性 ファイルの保有者 共有の可否・可能な者 アクセス方法(読出し,書込み など) など 誰が,どのようにアクセスできるか
ア ク セ ス 管 理(3) MS-DOS レベル ファイルのプロパティ
ア ク セ ス 管 理(4) “ 読み取り専用 ” ファイルを削除しようとする と 誤削除防止
ア ク セ ス 管 理(5) NTFS 誰が 何をできる・ できない
ア ク セ ス 管 理(5) 同じファイルに対して, 利用者により異なる指定ができる
補 足
HDD に格納されるファイル( 1) HDD はセクタに分割 ファイルはセクタに格納されるが 一般に複数のセクタに格納される 同一トラックのセクタに格納されると,読 み書きの時間が短くなりそう バラバラのトラックのセクタに格納される と,時間がかかりそう
HDD に格納されるファイル( 2) 削除されたファイルが格納されていたセクタ はいずれ再利用される(上書き) しばらく使っている HDD では,ファイルの格 納・削除が繰り返される 格納するためのセクタが散らばる となると,読み書きに時間がかかるように なる
ディレクトリの実現 ファイル名と格納場所の情報などとの対応表
ファイルの削除 ファイル名 A のファイルを削除 ディレクトリの “A” についての情報を削除 セクタに格納されている A の内容は残る そのセクタを読み出せば,削除したはずのフ ァイルの内容が分かる
多重化ファイルシステム HDD が壊れたら困る 障害対策
R A I D (1) Redundant Array of Inexpensive (Independent) Disks 複数のディスクを用いる 障害対策+高速化 RAID0 ~ 6 まで
R A I D (2) データだけを記録しているのではない 付加情報 障害発生でデータを失っても,回復可能
R A I D (3) RAID 0 データを分け, 分散して記録 障害対策には ならない 高速化
R A I D (4) RAID 1 ミラーリング コピーを別の 媒体に記録 障害対策には なる ディスクの使 用効率は悪い
R A I D (5) RAID 5 parity1 は, A と B か ら生成する A と parity1 から, B を復元できる B と parity1 から, A を復元できる
R A I D (6) disk1 に障害発生 disk2 と disk3 から,復元可能 新しいディスク と交換
R A I D (7) RAID5 では,複数のディスクに障害が発生す ると,復元不可能 高速化
R A I D (8) 複数の RAID を組み合せる場合がある ary/index.html ary/index.html ホットスワップ システムを稼動したまま,障害が発生した ディスクを交換して,データの復元ができ るもの
R A I D (9) 用語解説 RAID (富士通)
ま と め
ま と め(1) ファイルシステムの目的(機能)
ま と め(2) ファイルとディレクトリ(ホルダ) 木構造をしたディレクトリ(階層化ディレ クトリ) サブディレクトリと親ディレクトリ ルートディレクトリ カレントディレクトリ ホームディレクトリ 絶対パス名と相対パス名
ま と め(3) アクセス管理 障害対策 基本はバックアップ