乳癌 PBL 4班
乳腺上皮由来の腺癌 転移 リンパ行性:腋窩、頸部、縦隔などのリンパ節 血行性:骨、肺 主症状 乳房腫、皮膚・乳頭の陥凹、びらん、 血性の乳頭異常分泌 多くは増殖にエストロゲンが関与 ⇨抗エストロゲン薬が有効 閉経前は卵巣、閉経後は脂肪組織よりエストロゲン産 生 ⇨閉経前後でエストロゲンを抑える薬が異なる
1.閉経前乳癌
酢酢酸リュープリン LL H-RH の誘導体 投投与方法 12週 11. 25 mg 皮下注 作作用機序 下垂体の LH-RH 受容体を競合阻害 ↓ 下垂体からのゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン) 放 出を抑制 ↓ 卵巣からのエストロゲン、精巣からのテストステロン低 下 適適応 閉経前乳癌、前立腺癌、子宮筋腫、子宮内膜症 リュープリン SR Leuplin
副作用 間質性肺炎、アナフィラキシー症状、尿路閉塞、 脊髄圧迫、鬱状態 禁忌 LH-RH 誘導体過敏症、妊婦、授乳婦
2.閉経後乳癌
クエン酸タモキシフェン 抗エストロゲン薬 投与方法 1錠(20 mg ) 分1 朝食後 作用機序 乳癌細胞のエストロゲン受容体に競合阻害 ↓ エストロゲンに依存した腫瘍細胞の増殖を抑制 適応 エストロゲン受容体陽性の乳癌 ノルバデックス錠 Nolvadex
副作用 視覚異常、血栓塞栓症、生理不順、顔面紅潮、 悪心・嘔吐、長期服用による女性器疾患 禁忌 妊婦または妊娠の可能性のある婦人、授乳婦、 本剤成分過敏症
3.化学療法
乳酸グラニセロトン 5 − HT3受容体拮抗薬 投与方法 3 mg 1A 点滴静注 1日1回抗悪性腫瘍薬投与の1時間前に投与 → 抗がん薬投与後の即時型の悪心・嘔吐に有効 作用機序 セロトニンの伝達遮断による制吐作用 副作用 頭痛、倦怠感などが生じることもあるが極め てまれ カイトリル Kytril
デキサメタゾン 副腎皮質ステロイド薬、糖質コルチコイド 投与方法 20 mg 1V 点滴静注 作用 抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐を抑制 適応 アジソン病の補充療法、関節リウマチ・ネフローゼな どの免疫系疾患、喘息・湿疹などのアレルギー性疾患 副作用 いらいら感、不眠、消化器症状、血圧上昇、むくみ、 体重増加、脂肪の異常沈着 デカドロン Decadron
ドキソルビシン アントラサイクリン系薬(抗生物質) 投与方法 1回60 mg / m 2 点滴静注 作用機序 腫瘍細胞の DNA と結合 ↓ DNA ポリメラーゼや RNA ポリメラーゼを阻害 ↓ DNA 、 RNA の生合成抑制 アドリアシン Adriacin
副作用 吐き気・嘔吐、脱毛、骨髄抑制、心筋障害、心 不全 禁忌 心機能障害のある患者 AC 療法 アドリアシン+エンドキサン 再発した乳癌の第一治療薬
シクロフォスファミド アルキル化薬 投与方法 1回600 mg / m 2 点滴静注 21日毎 4サイクル 作用機序 DNA をアルキル化 ↓ DNA 複製、 RNA 転写を阻害し、腫瘍細胞の増殖を抑制 副作用 白血球現象(免疫低下)、血小板減少(出血傾向)、 悪心・嘔吐、脱毛 エンドキサン Endoxan
4.骨転移の場合
乳癌、前立腺癌で多い 骨転移(特に溶血性骨転移)に伴う諸問題 1. 高カルシウム血症 骨のカルシウムが溶出して高カルシウム血症となり、その結 果、頻尿、吐き気、嘔吐、便秘、脱力感、鬱状態を生じる。 2. 痛み 3. 骨折 溶骨性骨転移で脆くなった骨が、体重や運動でつぶれる、も しくは折れる。 骨転移
ゾレドロネート 骨・カルシウム代謝薬、ビスホスホネート製剤 投与方法 4 mg 1V 点滴静注 4週間毎 作用機序 骨リモデリングを抑え、骨転移抑制 副作用 発熱、一過性の骨痛増強 禁忌 ビスホスホネート系薬過敏症、妊婦 ゾメタ Zometa
参考文献 ・独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス> 乳がん /public/cancer/data/breast.html ・ハイパー薬事典