1 調査法B (心理カウンセリング学科・カウンセリング研究コース) 第4講 2007 年 10 月 19 日 担当:岡田佳子
2
3 第4講 調査の実施方法
4 今日の授業の予定 実施方法の種類 依頼状・回収率・倫理的な問 題 班に分かれて、テーマについ ての話し合い。
5 1.実施方法の種類
6 1-1.集団型 特徴:低費用で高回収率が期待できるが、 特定の集団に限られる 集合調査 :対象者に一定の会場に集合し てもらい、調査者がそこへ出向いて、調 査票の配布・説明・記入・回収を行う方 法。 宿題調査 :調査票の配布・説明・回収は 集合して行い、調査票の記入は対象者が 持ち帰って行う方法。
7 1-2.個別型 特徴:労力・時間はかかるが高回収率・質 の高い回答が期待できる 面接調査 :調査者が対象者を戸別訪問し、 調査票にしたがって口頭で質問し、対象 者に回答してもらって調査者が調査票に 記入し、その場で回収する方法。 留置調査 :調査者が対象者を戸別訪問し、 対象者の手元に調査票を一定期間留め置 き、回答を記入してもらい、後日回収す る方法。
8 1-3.間接型 特徴:広域で大規模な調査が可能 郵送調査 :調査票の配布・回収を郵送で 行う方法。 委託調査 :対象者にアクセスしやすい立 場にいる人・組織を通じて調査票の配 布・回収を行う方法(例:生徒に委託し て両親に・病院長に委託して医師、看護 師に・担任に委託して生徒に)。
9 演習:以下の長所と短所は、どの実施方法のものか考 えてみましょう (集合調査・面接調査・留置調査・郵送調査) 長所:回収率が高い。回答の質が高い。 短所:費用と時間と労力がかかる。プライバシーに立ち入った質問は できない。質問量に制限あり。 長所:回収率、回答の質は面接よりはやや落ちるが、他の方法よりは 高い。 質問内容や量に関する制限が少ない。 短所:回答者が必ずしも本人ではない可能性あり。 長所:時間・労力・費用など調査者の負担は小さい。一時に多くの回 答を得られる。回収率が高い。 短所:調査対象者は一定時間の拘束されるため負担。質問量に制限あ り。 長所:広範囲に分散した個々の対象者から大量のサンプルを得ること が可能。 短所:回収率が非常に低い。回答の質が落ちる。回収までに時間がか かる。
10 演習:以下の長所と短所は、どの実施方法のものか考 えてみましょう (集合調査・面接調査・留置調査・郵送調査) 面接調査 長所:回収率が高い。回答の質が高い。 短所:費用と時間と労力がかかる。プライバシーに立ち入った質問は できない。質問量に制限あり。 留置調査 長所:回収率、回答の質は面接よりはやや落ちるが、他の方法よりは 高い。 質問内容や量に関する制限が少ない。 短所:回答者が必ずしも本人ではない可能性あり。 集合調査 長所:時間・労力・費用など調査者の負担は小さい。一時に多くの回 答を得られる。回収率が高い。 短所:調査対象者は一定時間の拘束されるため負担。質問量に制限あ り。 郵送調査 長所:広範囲に分散した個々の対象者から大量のサンプルを得ること が可能。 短所:回収率が非常に低い。回答の質が落ちる。回収までに時間がか かる。
11 2.依頼状
12 調査の原則:「説明と同意」 ⇒調査に先立って、対象者に協力依頼状を 配布し、調査の説明をしておく必要があ る。 (調査票の表紙に印刷してもよい)
13 依頼状に記載する項目 ( a )調査の目的・主旨、 ( b )対象となった理由 ( c )匿名か否か、データの処理と管理の 方法 ( d )結果の使用方法 ( e )回収日・回収方法 ( f )結果のフィードバックの仕方または 謝礼 ( g )調査主体と連絡先
14 3.回収数と回収率
15 回収数と回答率 回収数:因子分析を行う場合、 項目 数の2~5倍 の被験者を必要とする (田中, 1996 ※ ) 回収率:回収率が低い=調査票を配 布した集団の一部の意見のみを反映 した偏った結果。母集団の正確な姿 を代表しない結果に。
16 回収率を上げる工夫 ①簡単な構造、わかりやすいことば、多す ぎない質問量の質問票をつくること。 ②対象者に依頼状で調査の目的・結果の利 用を説明し、調査への感心を高める。 ③謝礼をだす。もしくは、結果をフィード バックする。 ④返信用封筒に切手を貼る。 … など
17 4.倫理的な問題
18 ①説明と同意 (インフォームド・コン セント) 説明 事前説明(依頼状や口頭による調査の 説明)・事後説明(結果のフィード バック) 同意 強制ではない。協力せずとも不利はな い。回答したくない場合は「無回」 も許容。
19 ②プライバシーの保護 禁止されている項目 (例:学校で親の職業を聞く) 収集された資料の管理。破棄の際 にも十分注意。
20 ③質問内容の限界 質問内容:望んでいても手にすることの許 されないものがあり、倫理的限界が存在 する。 プライバシーにふれる質問は禁止 否定的認識が成立するような種類の質問 は避ける (例:隣に座りたくない人はだれです か?)
21 班別活動 これから、班に分かれて、調査のテーマ について話合う時間をとります。 1週休みになるので、次回( 11 月 2 日)ま でに、ひとり1つ以上の文献(の該当箇 所のコピー)もしくは、論文をさがして くることを宿題にします。 次回、それらの資料をもとに、班で最終 的なテーマを決めてもらいます。
22
23 班分けについて 先週の聞いた希望をもとに、 5 人から 6 人 で 1 班になるように、分けました。 原則、希望の似ている人を同じ班にしま したが、どうしても希望に添えない人も います。 もし、他のテーマを見て、班を変えたい 人は、遠慮なく申し出て下さい。
24 来週は桐和祭臨時休講で お休みなので注意して下さいね。