計算物理2013年度 磁気相転移の臨界指数を求める. 今回の授業の目的 磁石が温度によって磁化をもったり,もたなかっ たりする様を計算機シミュレーションで調べる これは本当に数値実験。これを発展させて,脳の ニューロンの発火具合などのシミュレーションも 可能となる。

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課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
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課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 八尾 誠 (教授) 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
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課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
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確率的フィルタリングを用いた アンサンブル学習の統計力学 三好 誠司 岡田 真人 神 戸 高 専 東 大, 理 研
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シミュレーション物理8 磁性.
教師がコミティマシンの場合のアンサンブル学習 三好 誠司(神戸高専) 原 一之(都立高専) 岡田 真人(東大,理研,さきがけ)
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計算物理2013年度 磁気相転移の臨界指数を求める

今回の授業の目的 磁石が温度によって磁化をもったり,もたなかっ たりする様を計算機シミュレーションで調べる これは本当に数値実験。これを発展させて,脳の ニューロンの発火具合などのシミュレーションも 可能となる。

基本となる物理 熱平衡状態では自由エネルギー最小が実現している。 (等重率の原理から導くことが出来る。) 内部エネルギー E を小さくするためには,ある特定の状態を選ぶ必要がある  エントロピーが小さい エントロピーの大きな状態  一般にない部エネルギーが大きい 自由エネルギー F を小さくするには,高温では E を損しても S を大きくし, 低温ではエントロピーとは関係なく E を小さくすればよい

相転移現象 あるパラメータ(温度,圧力など)を変 えていったとき,物理量が不連続に変化 する現象 氷ー水,水ー水蒸気,強磁性ー常磁性, 常伝導ー超伝導など ここではスピン系で記述される強磁性ー 常磁性転移をシミュレーションする。こ れは非常に簡単なモデルなので,応用範 囲も広い

スピン系 スピン(磁気モーメント)をもったスピ ンが配置しているモデル – 簡単のため,スピンがいる格子点は規則的な ものとする – ここでは 2 次元を扱う Hamiltonian はまずは単純に(イジング・ モデル, Ising model )

その他のスピン系のモデル ハイゼンベルク・モデル (Heisenberg model) XY モデル n- ベクトルモデル:これらを一般の成分にしたも の, n=1 がイジング, 2 が XY , 3 がハイゼンベル ク・モデル。

このハミルトニアンをスケール 統計力学ではボルツマン因子 exp(-E/kT) が重要。よって kT/|J| を無次元の 温度として,エネルギーは |J| でスケール。 - はスピンがそろうとエネルギーが下がるので強磁性 + はスピンが互いに反対を向くとエネルギーが下がるので反強磁性 ここでは強磁性のみを扱う

熱平衡状態 ではどのようにして,ある温度での状態を求めればよいか ? スピンに運動方程式があるわけではない。スピンは熱浴からランダムな 力を受けて,平衡状態に達している。 熱平衡では状態 i,j の間に以下の関係が成立 これが実現するように系を決めてやればよい

メトロポリス法 平衡状態では そこで 一番簡単に

プログラムの手順 1 次元(統計力学の授業で解く),相転移を起こ さないのでここではやらない 2 次元スピンを考える s(i,j), integer 始め s(i,j)=1 に揃えておく 端から順にスピンを試しに反転させる – 反転してエネルギーが下がる  その反転を採用 – 反転してエネルギーが  E 上がる  その反転を確率 exp(-  E/kT) の確率で採用 この手続きを延々と繰り返す 十分時間が経ったら s(i,j) の合計をとる。この合 計の温度依存性を見る。

program ising ! ! This is a program to simulate the Ising model ! 2005/6/10 Written by T. Ohtsuki ! use KindNumbers use randomnumber2 implicit none ! Always begin with this statement real(kind=double), parameter::zero=0.0_double,one=1.0_double integer::i,lx,ly,ix,iy,isweep,nsweep,ixplus,ixminus,iyplus,iyminus integer::dE real(kind=double),dimension(5)::BoltzmannFactor integer,allocatable::spin(:,:) real(kind=double)::temperature,magnetization integer::iseed,errorcode,isample,nsample lx=10 ! X 方向のサイズ ly=10 ! Y 方向のサイズ nsweep=1000 ! 何回もスピンを試しに反転させたり戻したりする回数 nsample=50 ! サンプル平均回数 open(1,file="magnetization.txt") !output をこのファイルに allocate(spin(lx,ly),stat=errorcode) ! サイズを割り当てる if(errorcode/=0) print *,'Fail to allocate, status=',errorcode iseed=2311 ! Initializing random number call rndtsini(iseed) TemperatureLoop:do temperature=1._double,3.5_double,0.1_double ! 温度を まで, 0 . 1 刻みで

magnetization=zero sample: do isample=1,nsample ! サンプル平均 spin=1 !initial spins all up Sweep:do isweep=1,nsweep do ix=1,lx do iy=1,ly ixminus=mod(lx+ix-2,lx)+1 !(ix,iy) の左側 ixplus=mod(ix,lx)+1 !(ix,iy) の右側 iyminus=mod(ly+iy-2,ly)+1 ! (ix,iy) の下側 iyplus=mod(iy,ly)+1 !(ix,iy) の上側 spin(ix,iy)=-spin(ix,iy) ! Spin を試しに反転させる dE=-2*spin(ix,iy)*(spin(ixminus,iy)+spin(ixplus,iy)+& spin(ix,iyminus)+spin(ix,iyplus)) ! 反転前後のエネルギー差 if(exp(-dble(dE)/temperature).lt.drndts()) spin(ix,iy)=-spin(ix,iy) end do end do Sweep magnetization=magnetization+dble(sum(spin))/dble(lx*ly*nsample) end do sample write(1,'(2f14.7)') temperature,magnetization end do TemperatureLoop close(1) deallocate(spin) stop end

実行のさせ方 ソースファイルをダウンロードする。ソースファイル名 ising2013.tar ising2013.tar ソースファイルを biwa.cc.sophia.ac.jp に移動し解凍する 入力ファイル ising_in.txt を emacs で編集。 実行ファイルを作る gfortran -c KindNumbers.f90 gfortran -c random.f90 gfortran ising2013.f90 KindNumbers.o random.o gfortran./a.out シミュレーションが終わったら, magnetization.txt に出力さ れた結果をプロット 以上を様々なサイズ( lx, ly )で調べる。

課題 温度と磁化の関係をプロット。温度がど の付近で磁化が有限になるか調べる。 温度と帯磁率の関係をプロット。温度が どの値で帯磁率が最大になるか調べる。 帯磁率が最大値を取る温度,最大値の値 を様々なサイズで求め,臨界指数を見積 もる。 3 次元にも拡張してみる 7/24 までに結果をまとめて提出。