損害保険業界 藤井 稔
主な損害保険会社 ()は 2008 年度正味収入保険料 (億円) 東京海上日動火災保険 ( 21,342) 東京海上火災保険+日動火災海上保険 2004 三井住友海上火災保険 ( 14,510 ) 三井海上火災保険+住友海上火災保険 2001 損害保険ジャパン ( 13,081 ) 安田火災海上保険+日産火災海上保険+大成火災海上保険 2002 あいおい損害保険 ( 8,291 ) 大東京火災海上+千代田火災海上 2001 日本興亜損害保険 ( 6,638 ) 興亜火災海上+日本火災海上 2001 +太陽火災海上 2002
火災?海上? 損害保険は大きく分けて2つ ノンマリン分野 (火災保険・自動車保険・傷害保険・賠償責 任保険など) マリン分野 (船舶保険・運送保険・貨物保険など)
保険の多様性 身近な自動車保険、地震保険、海外旅行保 険などから、企業が事業をする上でのリス ク回避のための膨大な数の保険がある 変わった保険の例 天候デリバティブ保険、取引信用保険、土壌 汚染浄化保険、マスコミ賠償責任保険、家 電リサイクル保険
ちなみに 損害保険会社はグループ会社に生命保険を もっているところも多い 東京海上日動あんしん生命、フィナンシャ ル生命 損保ジャパンひまわり生命、 DIY 生命 三井住友海上きらめき生命、メットライフ 生命
損保会社の組織 東京海上日動の例
仕事相手の多様性(営業部門) パーソナル営業(リテール営業) 個人・中小企業の顧客を対象に、地域の代理店の営業力の 強化・商品提案を行う ディーラー営業 主に自動車保険を対象に、代理店を兼任している自動車 ディーラーの営業力強化・商品提案を行う コマーシャル営業(企業営業、マリン営 業) 商社・航空など大手企業グループの保険代理店子会社と協 力し、グループ企業への商品提案を行う
損害保険業界の不祥事 2005 年に大量の保険金不払いが発覚。( 26 社 84 億円)金融庁が業務改善命令を下す。 金融庁が 2006 年に再調査をしたところ、さ らに不払いが発覚し、不払い額は 187 億円に。 その後も不払いが判明し、金融庁は業務改 善の努力を怠ったとして 6 社に対し、業務停 止などの厳しい行政処分を行った。その後 の再々調査で、不払い額は 26 社で 381 億円に も上った。
保険の価値 保険というものは消費者から見ると、「事 故や被害があったときに初めて価値が出て くるもの」という性質がある そのため、保険を売る営業は然ることなが ら、支払いのための損害サービス部門は商 品に価値を見出す重要な仕事
保険金詐欺との関連 不払い問題後、不払いを恐れるあまり、一 時保険金の支払いが緩くなり、保険金詐欺 と思われる案件に関しても支払いを行って しまうケースが増加した。 しかし、損害率が増加するにあたり、現在 は保険会社側が整合性を技術的に確認し、 疑わしい案件に関しては支払いを拒否する など、コンプライアンスを維持しつつ、自 衛をする体制をとる状況。
業界再々編 三井住友海上火災、あいおい損害保険、 ニッセイ同和損害保険の 3 社、 2010 年 4 月を 目途として経営統合を目指すことで基本合 意。実現すれば東京海上日動を業界一位に。 損保ジャパンと日本興亜損保も 2009 年 3 月に、 2010 年をめどに経営統合することで合意。 両者が実現すれば、三井住友、東京海上、 損保ジャパンの順に3メガ体制に。