1 PCB のムラサキイガイへの濃縮特性 に関する研究 京都大学大学院工学研究科 ○ 新海貴史、田中康寛、津野洋 兵庫県立健康環境科学センター 中野 武、松村千里 PCB をはじめとする POPs の監 視 背景・目 的 環境中で微量なため測定困 難 ムラサキイガイを用いた生物モニタリングが有 効 蓄積物質の単純比較 詳しい濃縮特性は明らかになっていな い 濃縮特性の把握 数理モデルの構 築 ムラサキイガイの成長と PCB 濃縮過程 を表現しうる生態系数理モデル 大阪湾・播磨灘での現地調査による データとの比較 感度分析による重要因子の検討
2 窒素 PCB 海水 V[L], 水温 T[ ℃ ] 濾水速度 F 海水中 PiCB (C A i ) ムラサキイガ イ 体内 (W B ) PiCB (C B i ) プランクトン (M) 栄養塩 (N) R1 (増 殖) R2(死・呼 吸) R3(摂 取) Y B (収 率) 1-Y B R4(呼 吸) R5(取り込 み) R6(排 出) r( トラップ 率) 1-r q( 吸着) I (日 射) PiC B ( C M i) 分解 数理モデル モデル概念図
3 結果1 体内 PCB 濃度 (ngPCB/g- wet) プロット:実 測値 曲線:計算値 体長 ( cm ) 計算値と実測値の比較検証 各同族体、 TotalPCB 濃度のオーダーが一致 同族体レベルで再現可能 同じ諸係数を用いて他地点でも再現可能 各同族体、 TotalPCB 濃度のオーダーが一致 同族体レベルで再現可能 同じ諸係数を用いて他地点でも再現可能 ムラサキイガイ中 PCB 濃 度
4 YBYB F max 倍率 YBYB r 結果2 各パラメータを基準値より‐ 50% から +50% 変化さ せた K M Y B r K 0 i q kd B Fmax Wbc ムラサキイガイの成長において、収率 Y B ・最大ろ水速度 F max が 重要因子 PCB 濃縮において、収率 Y B ・トラッ プ率 r が重要因子 感度分析 体内濃度体長
5 結論 1. ムラサキイガイの成長と PCB 濃縮の関係を再 現可能である数理モデルを構築した 2. ムラサキイガイの成長には、収率・最大ろ水 速度が重要因子 3.PCB 濃縮には、収率・トラップ率が重要因子 1. ムラサキイガイの成長と PCB 濃縮の関係を再 現可能である数理モデルを構築した 2. ムラサキイガイの成長には、収率・最大ろ水 速度が重要因子 3.PCB 濃縮には、収率・トラップ率が重要因子 1. 重要因子に関しての詳しい調査・実 験 2. 各異性体についても本モデルを適用 1. 重要因子に関しての詳しい調査・実 験 2. 各異性体についても本モデルを適用 今後の課題
6 調査内容 大阪湾および播磨灘において海水およびムラサキイガイを 採取 海水・ムラサキイガイ中の PCB 濃度の測 定 濃縮係数は 10 2 ~ 10 5 のオーダー 海水とムラサキイガイ中で同族体分布が異 なる 数理モデルでトラップ率として表現 海水中 ムラサキイガイ中 PCBs 濃度 ( ngPCB/L) PCBs 濃度 (ngPCB/g- wet)