琉球海運の省エネ運航の取組み 2013 年 2 月 28 日 琉球海運㈱ 三上郁夫 目次 1、琉球海運について 2、省エネの取組み 3、就航船での採用実績 4、燃料消費量の指標 5、今後の取組み 1.

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琉球海運の省エネ運航の取組み 2013 年 2 月 28 日 琉球海運㈱ 三上郁夫 目次 1、琉球海運について 2、省エネの取組み 3、就航船での採用実績 4、燃料消費量の指標 5、今後の取組み 1

琉 球 海 運 の 航 路琉 球 海 運 の 航 路 RORO 貨物船 LOA 150~170m G/T 6000~10000 トン D/W 5200~6800 MT MCO 13,300 ~ 16,900kW 2

会 社 方 針 琉球海運の経営理念 お客様を大切にする企業 地域社会に愛される企業 社員が生き甲斐を感じる企業 ・ 環境に配慮する地球にやさしい会社を目指 す 省エネ運航への取組み グリーン経営認証取得 3

省エネへの取組み Plan 省エネ意識の向上 省エネ対策の調査・評価 省エネ診断 Do Action ハードで の対応 改善対策 PBCF 設置、 防汚塗料 他船への適用 ソフトでの対 応 燃費 計、 ECoRo Check 効果の検証・問題点の抽出 見える化 4

省エネ意識向上 社内講演会や説明会 (外航船社の対応の紹介、省エネ機器メーカーの機器紹 介) (省エネ対策の効果確認、運航船の実態認識) 省エネ診断の受診 (第 3 者からの意見) 燃料消費量の見える化 (毎月の本船レポートをグラフ化して配布) (燃料消費調査表での調査) 省エネ機器や運用での効果と問題点の共有化 5

省エネ対策の方法(ハード) ・船体の抵抗削減 → 高性能防汚塗料と低摩擦塗料 粗度改善(サンドブ ラスト) 空気潤滑 船型の改善 ・プロペラ効率向上 → 二重反転プロペラ プロペラ回りの水流 改善 ( PBCF 、省エネフィ ン、新設計など) プロペラ粗度改善 ・主機の燃費向上 → 電子制御エンジン ・電力消費量の削減 → 主冷却海水ポンプのインバータ 制御 LED 照明 6

省エネ対策の方法(ソフト) ・ 意識改革 → 環境・省エネへの全社的取 組み 燃料消費量の見える化 燃料消費量と船速の関 係の認知 ・ 減速航海 → 沖待ちを無くす 荷役時間短縮 → 陸上と の連携強化 ・ 推進性能向上 → 排水量の削減 最適トリム ・ 海象気象 → 潮流の利用 最適航海計画 ・ 節電 → 停泊中の節電 7

省エネ診断結果 ・ 運用にて実施可能な削減案 (1.8% の削 減) 1、停泊時間の短縮と減速航海 (64%) 2、燃料油の積載管理(排水量の管理) (18%) 3、主冷却海水ポンプの流量削減 (14%) ・ リーズナブルな投資効果が期待され ると思われる提案 1、オートパイロットエコノミーモード活用 8

就航船での採用状況 ・ ハードとして 高性能防汚低摩擦塗料 PBCF 船体のリセスの閉鎖 ( N 船) ・ ソフトとして 見える化の推進 省エネ運航支援機器の設置 (燃費計、 ECoRo など) 停泊中の節電対策 沖待ちなしの減速航海 9

ハードでの対応結果と問題点 N 船の燃料消費量を前回のドック後の航海 データと比較した結果 4-9 %の効果を認めた。 排水量と航海速力を一定にしたベースで修正した燃料消費量で比較。 または排水量一定で速力・燃料消費量を近似した曲線で比較。 問題点:減速するために主機回転数を減らすと 中速エンジンでは 排気温度が高くなり 運転に支障あり。 機関長と相談して解決 10

PBCF+AF 塗料 + リセス閉鎖の効果 11 省エネ効果4-9 %

ソフトでの対応の必要性 実際の燃料消費量の削減には工夫が必要 (スピード性能が向上しても以前と同じ馬力では船速が 早くなるが省エネにならない。) 無駄な速さ(燃料消費)を省く減速航海 定時性を確保してできるだけ減速運航をする。 航行中の燃料消費量と船速の確認を容易にする。 (燃費計の設置) 海象気象の利用 (特に黒潮) 海上保安庁の海流図、観測ブイデータ、経験に加えて 日本気象協会のシステム (ECoRo )をトライ中 12

速力馬力曲線 ( 喫水との関係) 13 満載( A ) d=6.7m 20.5 ノッ ト 12,000kW(85%MCO) 10,000kW(85%MCO+20%SM ) 半載( B ) d= ノット 12,000kW(85%MCO) 10,000kW(85%MCO+20%SM) 半載( C ) d= ノッ ト 9,840kW(70%MCO) 8,200kW(70%MCO+20%SM) 12,000kW(85%MCO) 10,000kW 20%SM 8,200kW 9,840kW(70%MCO) AB C 満載 d=6.7 半載 d= ノッ ト 21.5 ノッ ト 20%SM

馬力(燃料消費量)と船速・排水量の 関係および解析手法 馬力は船速の3乗、 排水量の 2/3 乗、に比例する 燃料使用量は運航馬力に比例する (馬力) ∝ (排水量) 2/3 x (船速) 3 ∝燃料消 費量 排水量=船体重量+燃料+バラスト水+貨物 類似船型ではアドミラルティ係数が一定となる。 アドミラルティ係数 Cadm = △ 2/3 x V 3 / SHP 例えば、排水量10000t、船速 20 ノットでの馬力は その近傍での アドミラルティ係数を使って推定できる。 修正 SHP = SHP x 10000 2/3 x 20 3 / ( △ 2/3 x V 3 ) 14

燃費計の設置状況 15

トレンド画面: 燃料消費量に関係のある変数と並べて、 トレンドを表示。 燃費計の画面 メイン画面: 現時点での燃料消費量を、ボタン切替によ り ”kl/nm” “kl/day” 等で表示。 条件設定画面: データ演算に必要な、航海での諸条件 を入力。 トリップ画面: 計測開始から停止までの間のパフォーマンスを、 燃費で表示。(最大 1 ヶ月間計測可能) 16

燃費計の出力帳票のサンプル 17

燃費計での航跡図 18

海上保安庁の海洋速報 19

最適航海計画支援システム 20

燃料消費調査表の整備 燃料のデータが目的別に、棚卸、機関消費量、 航海データなどがあり、それぞれ定義が異なって いるので解析用に定義を定めた調査表を作成。 21

各船の毎月の燃料消費量 22

エネルギー使用の原単位と省エネ指標 原単位は1トンの貨物を1マイル運ぶ際に排出される CO2 量。 原単位 =(エネルギー消費量) / (輸送貨物量) =(燃料消費量*機関出力) / ( DW *船速) 造船設計的には DW よりも排水量が船速に影響する。 排水量ー軽荷重量(船の重量)=載貨重量( DW ) 船会社は貨物が重要、船の運航には燃料やバラスト水も必要 DW =貨物重量+燃料+バラスト水 営業トン数は容積トンで貨物の重さとは異なる。 定期航路では荷物の過多に関わらず運航されるので、運航時間に対 する燃料消費量も重要な目安の一つとなる。 23

今後の取組み 海陸一体となった取組みの強化 定期運航での荷役時間も含めた航海時間の見直しでの 減速運航への取組み 主機(特に中速機関)の減速最適運転範囲への対応 新しい省エネ機器の調査・評価 運航での工夫 見える化の継続 (わかり易い指標) 現状の見える化、 効果の見える化 低炭素化への支援体制の有効活用 チャレンジ精神を持てる環境 24

継続 ご清聴をありがとうございました。 25 PLAN DOACTION CHECK