社会福祉施設の火災事例 と法令改正の動向 名古屋市消防局指導課 平成 22 年 3 月 26 日 地域密着型サービ ス事業者説明会
平成21年火災発生状況 平成21年の火災統計より(名古屋市消防局) 平成21 年 平成20 年 過去5年平均 ( 16 年~ 20 年) 火災件数 9291,0501,036 建 物 建物以外 損 害 額(千円) 1,079,013872,303941,611 焼損床面積 (㎡) 9,1717,1509,784 死 者 被 害 死 自 殺 死 697 負 傷 者
平成20年火災原因ワースト5につい て 平成20年の火災統計より(名古屋市消防局) 放火 319 件, 34. 3% たばこ, 161 件, 17.3 % こんろ, 101 件 10.9% 10.9% 火遊び, 60 件, 6.5% 電灯配線等, 24 件, 2.6% 24 件, 2.6% その他, 264 件 28.4% 28.4% 火災件数929件
小規模社会福祉施設に関する改正(6項ロ関係)
過去の主な社会福祉施設の火災 発 生 年 等施 設、死 傷 者 等 昭和62年6月6日 東京都村山市 特別養護老人ホーム「松寿園」 死者17名 負傷者25名 平成18年1月8日 長崎県大村市 認知症高齢者グループホーム「やすらぎの里」 死者7名 負傷者3名 平成20年6月2日 神奈川県綾瀬市知的障害者施設「ハイムひまわり」死者3名 負傷者1名 平成20年11月1 3日 仙台市若林区老人福祉施設「六郷の杜」負傷者33名 平成21年3月19 日 群馬県渋川市 有料老人ホーム静養ホーム「たまゆら」(未 届) 死者10名 負傷者1名 平成22年3月13 日 札幌市北区 認知症高齢者グループホーム「みらいとんで ん」 死者7名 負傷者2 名
名古屋市内で発生した 社会福祉施設の火 災 平成 16 年から平成 21 年までの 6 年間で 平成 16 年から平成 21 年までの 6 年間で 13件 の火災が発生している。 13件 の火災が発生している。 死者 1 名発生 死者 1 名発生 放火と推定される火災が 放火と推定される火災が 6件 発生している。 6件 発生している。 タバコの火が原因の火災が タバコの火が原因の火災が 2 件 発生している。 2 件 発生している。 乾燥機から取出した洗濯物から自然発火した火災 が 乾燥機から取出した洗濯物から自然発火した火災 が 2 件 発生している。 2 件 発生している。
日時:平成 18 年 1 月 8 日 午前 2 時 25 分覚知 日時:平成 18 年 1 月 8 日 午前 2 時 25 分覚知 場所:長崎県大村市「やすらぎの里さくら 館」 場所:長崎県大村市「やすらぎの里さくら 館」 建物概要:鉄筋一部木造平屋建て 279 ㎡ 建物概要:鉄筋一部木造平屋建て 279 ㎡ 小規模社会福祉施設に関する改正(6項ロ関 係) 長崎県大村市 GH 火災の概要
「やすらぎの里」火災概要 死傷者:死者 7 名、負傷者 3 名 死傷者:死者 7 名、負傷者 3 名 消防用設備等:消火器、誘導灯 消防用設備等:消火器、誘導灯 出火場所:共用室居間のソファ付近 出火場所:共用室居間のソファ付近 出火原因:ライターによる着火の可能性が高 い。 出火原因:ライターによる着火の可能性が高 い。 火災確認:仮眠中の職員が「パチパチ」とい う音に気付き、共用室へ行くとソファ等が燃 えており、炎は天井まで届き、横に広がって いた。 火災確認:仮眠中の職員が「パチパチ」とい う音に気付き、共用室へ行くとソファ等が燃 えており、炎は天井まで届き、横に広がって いた。 初期消火・・・消火器で行ったが失敗、断念 初期消火・・・消火器で行ったが失敗、断念 119 番通報・・・携帯電話により 110 番通報 119 番通報・・・携帯電話により 110 番通報 避難誘導・・・未実施 避難誘導・・・未実施
日時:平成21年3月13日 22 時4 5 分頃 日時:平成21年3月13日 22 時4 5 分頃 場所:群馬県渋川市 有料老人ホーム 場所:群馬県渋川市 有料老人ホーム 静養ホーム 「たまゆら」 静養ホーム 「たまゆら」 建物概要:木造平屋建て 本 館 : ㎡ 建物概要:木造平屋建て 本 館 : ㎡ 別館 1:192.0 ㎡ 別館 1:192.0 ㎡ 別館 2: ㎡ 別館 2: ㎡ 群馬県渋川市 有料老人ホームの火災概要
静養ホーム「たまゆら」の火災概 要 死傷者:死者 10 名、負傷者 1 名 死傷者:死者 10 名、負傷者 1 名 消防用設備等:消火器、誘導灯(本館に設 置) 消防用設備等:消火器、誘導灯(本館に設 置) 出火場所:別館1の居室部分と推定 出火場所:別館1の居室部分と推定 出火原因:調査中 出火原因:調査中 火災確認:本館入所者の声で宿直者が火災に 気づいた。 火災確認:本館入所者の声で宿直者が火災に 気づいた。 初期消火・・・未実施 初期消火・・・未実施 119 番通報・・・未実施 119 番通報・・・未実施 避難誘導・・・本館の入所者を近隣協力者と 避難誘導 避難誘導・・・本館の入所者を近隣協力者と 避難誘導
日時:平成22年3月13日 午前 2 時 25 分 頃 日時:平成22年3月13日 午前 2 時 25 分 頃 場所:札幌市北区 グループホーム 場所:札幌市北区 グループホーム 「み らいとんでん」 「み らいとんでん」 建物概要:木造2階建て 248.43㎡ 建物概要:木造2階建て 248.43㎡ 札幌市北区 認知症高齢者グループホームの火災概 要
「みらいとんでん」の火災概要 死傷者:死者 7 名、負傷者 2 名 死傷者:死者 7 名、負傷者 2 名 消防用設備等:消火器、誘導灯 消防用設備等:消火器、誘導灯 出火場所: 1 階食堂のストーブ付近 出火場所: 1 階食堂のストーブ付近 出火原因:ストーブの上に洗濯物が落ちるな どし て出火と推定(報道情報より) 出火原因:ストーブの上に洗濯物が落ちるな どし て出火と推定(報道情報より) 火災確認:1階入居者の介護作業中にストー ブ から出火。気づいた時にはすでに燃 え広がっていた。 火災確認:1階入居者の介護作業中にストー ブ から出火。気づいた時にはすでに燃 え広がっていた。 初期消火・・・消火器で行ったが失敗、断念 初期消火・・・消火器で行ったが失敗、断念 119 番通報・・・携帯電話により 119 番通報 119 番通報・・・携帯電話により 119 番通報 避難誘導・・・未実施 避難誘導・・・未実施
「みらいとんでん」の見取り図 サンケイ新聞より ・ 1 階には住宅用火災 警報器が設置されてい た。 2 階部分は不明 ・出火場所の 1 階食堂 は住宅用火災警報器が 設置されていなかった 食堂 消防法令違反事項 ・消防計画の未届 ・消防用設備等点検 結果報告の未届
小規模社会福祉施設に関する改正(6項ロ関 係) 6項イ 6項ロ 6項ハ 6項イ 6項ハ 6項ロ 6項ニ 消防法施行令別表第1の改正概要イメー ジ 改正前改正後 6項ロ
小規模社会福祉施設に関する改正(6項ロ関 係) ①火災の発見 ①火災の発見 ②初期消火 ③119番通報④避難誘導⑤防火管理 ☆問題点 ☆規制強化の内容 ● 既存建物の設備:H 24 年 4 月 1 日から改正法令が適用 (消火器はH 22 年 4 月 2 日) ● 施行日:H 21 年 4 月 1 日から (収容人員 10 人以 上) ⑤防火管理者の選任 ①自動火災報知設備(全 て) ②消火器(全て) スプリンクラー設備 スプリンクラー設備 ( 275 ㎡以 上) ( 275 ㎡以 上) ③火災通報装置(全て) ④避難介助に専念する環境
小規模社会福祉施設に関する改正(6項ロ関 係) 1.特定施設水道連結型スプリンクラー設 備 2.特定小規模施設用自動火災報知設備 3.特定火災通報装置 ・ 6項ロのうち、500㎡未満の対象物 ・ 6項ロのうち、300㎡未満の対象物 ・ 6項ロのうち、1000㎡未満(275 ㎡以上)の対象物に設置することができる ・ 送水ポンプが不要な設備である
小規模施設に対応した改正 平成20年12月26日に各種省令や告示 公布 参考 ・総務省令155号~158号 ・消防庁告示25 号~32号 ・総務省告示726号 1.特定小規模施設用自動火災報知設備 ・ 警報機能付感知器・ 連動型警報機能付感知器 2.特定施設水道連結型SP関連 ・ 閉鎖型SPヘッドの規格省令の一部改正・ 配管、管継手、バルブ類の基準 3.特定火災通報装置 ・ 小型で安価な緊急通報装置を改良