Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 1 次ページボタン ではなく、 画面をクリックする 「 PPT アニメーション機能」で ご覧下さい。
Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 2 ちょっと一休み( 37 ) Rev 今回の「ちょっと一休み」は・・・ 商品コンセプト に関してです。 「何でもあり!」の多機能商品群・・・ これらの共通点は、薄利と短命。そして、設計思 想(≒コンセプト)が感じられないことです。 今や、「全員設計(≒チームデザイン)」を卒 業し、全員企画(≒チームプランニング)」の時 代になっています。 時代遅れにならないように! 今回は・・・ 「はとバス」の全員企画を設計分析します。 【引用文献・参考文献 】 ・
Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 3 はとバスの商品企画を設計分析する 2002 年 10 月 30 日 ( 水 ) ・ 夕刊フジより部分抜粋著者の設計分析 ■ 貸し切りバス向けに、日本一の「バスをつくろう」 【引用文献・参考文献 】 ・ 2003 年 10 月 30 日 夕刊フジ 昨年四月、定期観光用バスとして通常価格の倍という 高価 格 の「はとまるくん」を投入した「はとバス」ではその好評 を受けて、今度は貸し切りバス向けに 2 台のコンセプトカーを 2002 年春に投入することにし、そのプランニングに入った。 マクドナルドの復活と同じです ね。 逆に、「価格破壊は自己破壊! 」・・・ 「ちょっと一休み( 23 ):吉野 家の牛丼を設計分析する( Part-2 )」を復習してみましょう。 本 Home Page では、何度も主 張していますが、現代の改革 は「トップダウン」です。 「はとまるくん」のときと同様に車両対策委員会がつくられ 、新坂愛一郎バス事業本部長 ( 現・常務 ) が委員長となり、企 画担当役員の渡逸功一氏のほか、営業、運輸など各部門の中 間管理職 6 人が委員として加わった。 「価格破壊は自らを破壊する」 【引用文献・参考文献 】 「ちょっと一休み( 23 ):吉野家の牛丼を設計分析する( Part-2 )」 「ちょっと一休み( 10 ):超 コスト化設計法:トヨタカロ ーラ版」を復習してみましょ う。
Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 4 はとバスの商品企画を設計分析する 2002 年 10 月 30 日 ( 水 ) ・ 夕刊フジより部分抜粋著者の設計分析 ■ 先ずはコンセプト 先ず議論されたのは、どういうコンセプトの車にするかであ った。貸し切り用のコンセプトカーというとサロンカーが想 起されるが、はとバスの場合はサロンカーと用途が違うし、 顧客対象も異なる。 先ずは、コンセプトです。 「何でもあり!」やオールイン ワンなどに見られる多機能商品 には、コンセプトが感じられま せん。 ですから、直ぐに市場から消え ていきます。 身近な例は、「リンスインシャ ンプー」です。 これがコンセプトです。コン セプトが明確になれば、商品 企画からすんなりと設計行為 に移行できます。 しかし、「何でもあり!」だ と何処から手をつけて良いも のか・・・ 現経営企画室次長で、当時営業部代表として委員会に加わっ ていた黒瀬智弘氏によると・・・ 【引用文献・参考文献 】 ・ 2003 年 10 月 30 日 夕刊フジ 「バス旅行において、移動空間の狭い広いが顧客度に占める ウエイトが大きい。なにしろ座席で過ごす時間が長いですか ら。そこで狭くて、暗い感じのする座席周りを大きく変えよ うという話になったのです。」 という。
Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 5 はとバスの商品企画を設計分析する 2002 年 10 月 30 日 ( 水 ) ・ 夕刊フジより部分抜粋著者の設計分析 ■ 新幹線のグリーン車並み アイデアとして浮上してきたのが、通常横に 4 席並んでいる 座席を 3 席にしたらどうかというもの。 シート間のピッチを広げ、同時に座席の幅を広げようとすれ ば、はとバスが現在使っている横 4 席で、定席 45 (ほかに補 助席 10 席)を大きく削減するしかないのだ。 リスクは必ず伴います。 要は、プライオリティの問題で す。 リスクは、シミュレーションで 必ず、解決できます。 【引用文献・参考文献 】 ・ 2003 年 10 月 30 日 夕刊フジ 重要なのはここです。 つまり、コンセプト無しにいきなり・・・ ① 通常 4 列シート → 3 列シート ② シート間ピッチ → ピッチ拡大 が、企画の、設計開始の、前面に出てきてしまう場 合が多いのです。 ですから・・・
Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 6 はとバスの商品企画を設計分析する 2002 年 10 月 30 日 ( 水 ) ・ 夕刊フジより部分抜粋著者の設計分析 ■ 来年 4 月まで満杯 しかし、二つの方向から反対が出て激論となった。ひとつは 「この車が、それほど人気が出るとは思われない。座席があ まりにも少ないと汎用性が無くなり、近い将来、無用の長物 になりかねない」というものであった。 改革には必ず、反対勢力が勃発 します。 そして、反対するだけの行為で あり、代替案を提示しないのが 常です。 要するに、本改革(≒本案) が成功しても、予約関係者の 手柄にはなりません。 従って、やりたくないのです 。 【引用文献・参考文献 】 ・ 2003 年 10 月 30 日 夕刊フジ 一方、予約関係者からは、「コンピュータ・ソフトは横 4 席 で組まれており、 3 席になるとこれを作り直さないといけない 」という現実的課題が投げかけられた。これは確かに難問だ った。 最近、この割り切った考え方 が多いですね。 最近、この「割り切った考え方が増加」して いることに、会社トップや経営陣は気が付いて いないかもしれません。 その原因は・・・ 「成果主義の弊害」と、一部では言われている ようです。 従って、改革がボトムアップでは、上手く行くはずがありません。 改革はトップダウンで成される時代なのです。いずれ本コーナーで特 集しましょう。 注:本 Home Page 内の「改革」とは「設計改革」のことです。
Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 7 はとバスの商品企画を設計分析する 2002 年 10 月 30 日 ( 水 ) ・ 夕刊フジより部分抜粋著者の設計分析 ■ ゆったり豪華に「ピアニシモ」・・・人気加速 だが論議を重ねる中で、 「うちはバス会社であるとともに、バス主体の旅行会社。他 社と一線を画す意味でも、お客さまに夢を与えるような車を つくろう」 という方向に意見は集約されていった。 「基本に戻れ!」・・・これも ビジネスの、設計の、鉄則です ね。 【引用文献・参考文献 】 ・ 2003 年 10 月 30 日 夕刊フジ 結局、席数 28( プラス添乗員席:1 ) で、幅とピッチも従来よ り 10 センチほど広くなった。新幹線のグリーン車並みのゆと りだという。 見てみましょう。クリック! ・ 通常、横 4 列シートが 3 列 になっていることに注 目!
Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 8 はとバスの商品企画を設計分析する 2002 年 10 月 30 日 ( 水 ) ・ 夕刊フジより部分抜粋著者の設計分析 ■ マッサージ付き? 見てみましょう。クリック。 すばらしいコンセプトでした 。これなら、設計者も設計の やりがいがありますね! しかも座席には、電動マッサージ機 が付いている。 このほかエコロジーに配慮し、また内・外装もデザイン事務 所を入れて斬新なものにした。 新車両は「ピアニシモ」と命名され、今年 4 月から運用が開 始された。 ピアニシモはいまでもなく音楽用語で、「極めてゆっくり」 の意味である。だが人気は逆で、まさにアレグロで高まり、 ピアニシモを用いる旅行コースは来年 4 月まですべて満杯だと いう。 【引用文献・参考文献 】 ・ 2003 年 10 月 30 日 夕刊フジ ・ シートは電動マッサージ 付きであることに注目!
Copy right ( C) 2004 國井 良昌 & Active Design Office ce All rights reserved . ちょっと一休み (37) 9 ■ 講師の考え 何度も、本 Home Page では訴えていますが、現在、「何でもあり!」や「オールインワ ン」などの多機能商品が蔓延しています。 ラジカセ、携帯電話、デジカメ、プリンタ、大画面 TV 、 DVD-R ・・・もう、数え切れま せん。 これらの商品の共通点は、 ① 薄利多売 ② 短命 ③ 急激な値下がり そして、 終わり はとバスの商品企画を設計分析する ④ コンセプト無し。 手にした時、全くコンセプトが感じられないのです。 むしろ、「儲かれば何でも良い!」という魂(?)のコンセプトが感じられます。 今一つ、原点に戻って考え直してみませんか? 企画者も設計者も・・・