元気で長生き ― 運動器のこと知っています かー 佐々木整形外科麻酔科クリニッ ク 佐々木 信之 2007年9月9日 豊齢者の集い 国見ヶ丘5丁目町内会
運動器 運動器具 ・・・・・スポー ツ店に ?
運動器は器官 消化器 循環器 呼吸器 運動器
運動器とは 動物の器官の分類の一つで 身体を 構成し 支え 身体運動を可能にする器管
運動器は人の原点 運動器は動く生物の原動力であり 立って歩いて 行動 人の主な関心はこれまで 生命を長らえること 医学・医療は命を長らえることに力を注いできた 長寿社会になり どのように生きるかが大きな関 心事 生活・人生の質 (QOL) の向上を目指し 個人の尊厳を尊重することに関心があり 自立と尊厳の保持には 自発的な身体活動が重要な要素
平均寿命 男性 78.5歳 第4位 女性 85.5歳 第1位 WHO 2005年 健康寿命 日常生活に介護を必要としない 心身ともに自立的な状態で生存できる期間 平均 73.6歳 第1位 WH O 2002年 健康寿命を長くする方法は? 平均寿命と健康寿命
男性 1 位 腰 痛 2 位 肩こり 女性 1 位 肩こり 2 位 腰 痛 3 位 手足の関 節痛 2004 年国民生活基礎調査 全てが運動器の障害 頻度の高い自覚症状
1位 脳卒中 2 位 老衰 3 位 認知症 4 位 転倒・骨折 5 位 関節症 2 004年国民生活基礎調査 要介護となる原因
頻度の高い自覚症状 要介護となる原因 運動器疾患が多い
宮里藍ちゃん
筋肉
骨格筋 平滑筋 心筋
骨格筋=横紋筋 骨に付着した骨格筋が 拮抗する筋肉群と して関節周囲に配置されていることによっ て 姿勢を保ったり移動することができ る 骨格筋は脳によってコントロールされ 本 人の意思によって動くため随意筋と呼ばれ る 骨格筋の大きさと強さは日ごろの運動によ って維持され増強される 筋肉の役割
骨
骨の役割 人体を堅固に形づくるとともに内臓を保 護 骨髄組織で血液細胞を産生 体内のカルシウムの貯蔵器官 小児期に成長板と呼ばれる部分で伸長し 成人の身長に達した後 成長板は閉じ その後も骨はゆっくりと成長し伸びるよ りも むしろ 厚さを増していきます
関節
関節の役割 いくつかの骨が集まって形成 各関節はその構造によって 動かせる範囲と方向が決まる 関節はかなり 広い範囲で複雑な動きができる
肩関節 肩関節は 球状の部分 が受け皿に収まった形 をしていて 内外への回転 前方 後方 横方向に腕を動 かす
蝶番関節 は 一定の方向にだけ 曲げたり 伸ばした り 肘 指の関節
靭帯(じんたい)
靭帯の役割 丈夫な線維性の束で コラーゲンと弾性 線維からなる結合組織 弾性線維によっていくらか伸び縮み 関節の周囲を取り巻いてその連結を強め 関節の強化と安定に役立って 靭帯の働きによって 各関節は特定の方向のみに動くように 靭帯には骨と骨を連結しているものも
宮里優作選手 1999 年 東北福祉大学入学 2000 年 日本学生ゴルフ選手権優 勝 VISA 太平洋マスターズ コースレコード 年 日本アマゴルフ大会優勝 2003 年 東北福祉大学卒業 プロ
加齢による運動器への影響
筋組織の量と筋線維の数や大きさが減 少 筋肉量が除々に低下し 筋力も低下 筋肉の収縮速度が遅くなる 運動機能低下 加齢による影響-筋肉-
加齢による影響ー骨ー
骨の加齢=骨粗鬆症 運動機能低下
加齢による影響ー関節 靱帯ー 関節内の軟骨がすり減ったり 軟骨の成 分(プロテオグリカン)が変化するこ とにより 関節の弾力性が低下し損傷を 受ける 関節の表面の滑りが悪くなり やがて 変形性関節症になる 靭帯や腱の結合組織が硬くもろくなり 関節が硬くなって関節の動く範囲が制 限 運動機能低下
速度の低下 歩幅の短縮 両足支持期の延長 腕の振りの減少 足の挙上減少 方向転換の不安定性 運動機能低下 加齢による影響ー歩行ー 高齢者 若年者
運動機能低下をきたす疾患 脊椎圧迫骨折 大腿骨頚部骨折など 骨粗鬆症 変形性関節症 腰部脊柱管狭窄症 頚部脊髄症 脊髄損傷など 神経・筋疾患 関節リウマチ 関節炎 下肢切断 長期臥床後の運動器廃用 高頻度転倒者
年
年齢と骨折率との関係 ※雑誌「暮しの手帖」 282 名のアン ケート 年齢
祝 準優勝 東北高校 第 85 回 全国高校野球大会 03 年 8 月 23 日 ダルビッシュ有投手 高校2年生 身長 194 ㎝
運動器不安定症 バランス 能力 移動歩行能力 低下が生じ 閉じこもり 転倒リスク 高まった 状態 高齢化により
運動器不安定症の診断 障害高齢者の日常生活自立度判定基準 ランクJ A 運動機能評価 以下のいずれか バランス能力: 開眼片脚起立時 間 15 秒未満 移動歩行能力:3m Timed up & go test 11 秒以上
開眼片脚起立時間の測定 ・ 床から5㎝上げ る 運動器不安定症 1 5秒未 満
年齢階層別の開眼片脚起立時間 における非転倒・転倒群との比較 男性 非転倒群 転倒 群 65 歳代 47.7±39.9 秒 21.8±20.9 秒※ 70 歳代 32.5± ±26.0 ※ 75 歳代 23.9± ±26.6 ※ 80 歳代 12.8± ±15.4 ※ 85 歳以上 4.1± ±10.9 (※ p ‹0.05 ) 坂田悍教
年齢階層別の開眼片脚起立時間 における非転倒・転倒群との比較 女性 非転倒群 転倒群 65 歳代 42.7±42.2 秒 28.8±20.9 秒※ 70 歳代 31.2± ±30.4 ※ 75 歳代 24.6± ±21.2 ※ 80 歳代 10.5± ±10.9 ※ 85 歳以上 6.4± ±3.9 (※ p ‹0.05 ) 坂田悍教
開眼片脚起立時間 転倒予防のための基準値 65 ~ 69 歳 40 秒 70 ~ 74 歳 30 秒 75 ~ 79 歳 20 秒 80 ~ 84 歳 10 秒
開眼片脚起立時間の測定意義 どこでも測定可能 機器不用 頻回チエック 転倒予防対策 歩行形態の変化予測 ADL 確保の基準体力 下肢運動機能低下疾患の早期発見
転倒と高齢者の体力 移動歩行能力:3m Timed up & go test 運動器不安定症 11 秒以上 3m
転倒予防のためのフラミンゴ療 法 開眼片脚起立 60秒 左右1回ずつ 1日2回
運動の全身的な効用 体脂肪率の低下 代謝率の増加 糖尿病予防 消化の促進 血圧の低下 血中脂質の改 善 腰痛 肩こり 関節痛の予防 関節の機能改善 骨粗鬆症 転倒の予防 達成感 ストレスの除去 爽快感
大病や事故を予防する 老化のスピードを遅らせる 心身機能を改善する 転倒 骨折のリスク要因や予防のための対応 健康寿命 平均73.6歳 健康寿命を長くする対策
運動器の 10 年世界運動 2000~2010年 Lidgren博士が提唱 国連 WHO主導 96カ国 参加 運動器障害による病態に関す る研究の推進 運動器障害がもたらす苦痛と その医療費など社会的損失の 評価と対応 個人の自立と尊厳という視点 に立って運動器の重要性の評 価 運動器疾患制圧の予防法や 治療薬等の研究開発 BJDロゴ
ホネのホ 十と八 整形外科の記 念日 1995年から毎年テーマ を決め 骨粗鬆症 スポーツと整形外科 関節リウマチ 腰痛 肩凝り 骨折 関節の痛み 運動器不安 定症 講演会 医療相談 電話相談 ポスター作製 新聞広告 街頭での啓蒙活動など 十月八日 骨と関節の日
骨と関節の日 ポスター
ご静聴ありがと う