原子核三者若手夏の学校2015. 重イオン衝突の物理概観(スライド) 重イオン衝突の物理概観(スライド) 流体モデル(スライド) 流体モデル(スライド) 相対論的流体力学(板書) 相対論的流体力学(板書) 重イオン衝突の物理に親しむ 重イオン衝突の物理に親しむ 相対論的流体力学に親しむ 相対論的流体力学に親しむ.

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原子核三者若手夏の学校2015

重イオン衝突の物理概観(スライド) 重イオン衝突の物理概観(スライド) 流体モデル(スライド) 流体モデル(スライド) 相対論的流体力学(板書) 相対論的流体力学(板書) 重イオン衝突の物理に親しむ 重イオン衝突の物理に親しむ 相対論的流体力学に親しむ 相対論的流体力学に親しむ

原子核三者若手夏の学校2015

1.物質創成機構の解明、 初期宇宙での極限物 質の様相とその進化 の理解

0 collision axis time tokyo.ac.jp/~sato/index-j.htm

Big BangLittle Bang タイムス ケール ~10 -5 秒 ( 輻 射優勢期 ) ~ 秒 膨張率 ~10 5 / 秒 ~10 23 / 秒 ハッブル膨 張 3 次元 1 次元 脱結合光子ハドロン スペクトル赤方偏移青方偏移 平坦性メカ ニズム インフレー ション カラーフラックス チューブ (?)

2.高密度QCD多体系 の相構造の解明、高 密度極限における物 質の様相

「原子核物理学」滝川昇(朝倉書店)

3.QCD真空の構造、 ハドロン質量発現機 構の解明

対称性のある真空ヒッグス凝縮カイラル対称性の破れた真空 物理的真空に“穴”を開けることができるか?その“穴”が動的にどう修復されるか?

4.高強度ゲージ場と非 平衡QCDのダイナ ミクスの解明

(RUN2, )

STAR PHENIX ALICE ATLASCMS RHIC LHC

衝突エネルギー:a few GeV to TeV 衝突核種:p, d, 3 He, 63 Cu, 197 Au, 208 Pb, 238 U 解析手法に工夫  中心度(当たり具合)  トリガー

衝突エネルギー↑ 粒子密度↑ バリオン密度↓ Stock(2008, Jaipur)

Fukushima (2009) 重イオン衝突で相図上のスキャンしうる領域の目安 SPS AGS RHICLHC

数少ないパラメータのなか一つの切り口衝突径数により現れ方が違う物理

0 collision axis time

TH(2014) QCDですべて記述できれば良いのだが…

1. バルク成分 系自体を構成 系自体を構成 系の歴史を反 映 系の歴史を反 映 低運動量ハド ロン 低運動量ハド ロン 2. プローブ成分 系を通過 系を通過 プローブの軌 跡上の系の情 報を反映 プローブの軌 跡上の系の情 報を反映 高エネルギー クォーク、重 クォーク(が ハドロン化) 高エネルギー クォーク、重 クォーク(が ハドロン化) クォーコニウ ム クォーコニウ ム 3. 放射成分 系から放射 系から放射 系の内部情報 を反映 系の内部情報 を反映 熱光子、熱レ プトン対 熱光子、熱レ プトン対

0 collision axis time プローブ 放射

1. カラーグラス凝縮 2. グラズマ 3. QGP流体 4. ハドロンガス 5. ハドロン自由粒子 0 collision axis time

Courtesy of K. Watanabe 高エネルギーハドロン/原子核衝突 グルーオンの塊同士の衝突 McLerran, Venugopalan, Balitsky, Kovchegov, Jalilian-Marian, Kovner, Leonidov, Weigert, …

ハドロン・原子核の“相図” プローブによる 見え方の違い QCDに根差した 高エネルギーハドロン・原子核の普遍的な姿の理解へ Courtesy of K. Watanabe 分解能  エネルギー 

1. カラーグラス凝縮 2. グラズマ 3. QGP流体 4. ハドロンガス 5. ハドロン自由粒子 0 collision axis time

カラーグラス凝縮から クォーク・グルーオン・プラズマ へ向かう中間状態 Lappi, McLerran (2006)

“QCDコンデンサーのダイナミクス” 衝突直後 の原子核  カラー荷 を持つ極板 原子核の運動 エネルギー  カラー場の エネルギーと して蓄え カラーフラックスチューブ T.Matsui (1987)

? 衝突直後 流体化 ダークエネルギーもどき グラズマの時空発展 カラーフラックスチューブの崩壊 カラーフラックスチューブの崩壊 流体化、等方化、局所熱平衡化、、、 流体化、等方化、局所熱平衡化、、、 Lappi, McLerran (2006)

1. カラーグラス凝縮 2. グラズマ 3. QGP流体 4. ハドロンガス 5. ハドロン自由粒子 0 collision axis time

保存則に根差している QGP 物性量に直結している ☺ 局所熱平衡を前提初期条件をどうするか、どこで止めるか☹

1. カラーグラス凝縮 2. グラズマ 3. QGP流体 4. ハドロンガス 5. ハドロン自由粒子 0 collision axis time

クォークやグルーオンの再閉じ込め クォークやグルーオンの再閉じ込め Crossover  ×相分離 Crossover  ×相分離 流体力学はマクロ変数のみ 流体力学はマクロ変数のみ ミクロなメカニズム? ミクロなメカニズム?  Recombination? ハドロン化後の時空発展 ハドロン化後の時空発展  希薄になりどこかで流体描像は壊れる  ハドロンカスケード (UrQMD, JAM) が主流 (低エネルギー衝突からの蓄積)

phi 断面積を反映した運動学的時空発展 Courtesy of S. Takeuchi Omega

非自明な時空相関 Courtesy of H. Hinohara

WHOT-QCD(2012) 目安となるスケール

STAR(2008) Toia(QM11)

Andronic (QM12) 化学平衡と無矛盾(≠必要十分)ハドロンカスケードによる補正が必要ダイナミカルな判定 未発見のストレンジハドロンの影響? (Bazavov et al. 2014)

PHENIX (2010) ALICE (2012)

QGP生成のための 重イオン同士の衝 突 QGP生成のための 重イオン同士の衝 突 参照系としての陽 子ー陽子衝突 参照系としての陽 子ー陽子衝突 初期効果を知るため の陽子ー原子核衝突 初期効果を知るため の陽子ー原子核衝突

CMS(2015)

複雑な反応は第一原理(QCD)で記述する ことが難しい。  時間スケールやエネル ギースケールで反応を分解 複雑な反応は第一原理(QCD)で記述する ことが難しい。  時間スケールやエネル ギースケールで反応を分解 個々の物理には豊富なトピック 個々の物理には豊富なトピック 自分なりの全体像を持って新しいデータ に備える(木を見て、森も見る) 自分なりの全体像を持って新しいデータ に備える(木を見て、森も見る) 今後は実験解析、理論計算が精密化の方 向  若手の力が必要 今後は実験解析、理論計算が精密化の方 向  若手の力が必要