第 1 章 参考資料 平成 25 年度 東京工業大学 大学院基礎物理学専攻 宇宙物理学(前半) 松原英雄( ISAS 、 JAXA )
2 現代の宇宙物理学の課題の解明には、多波長天文学が不可欠となっている 電波観測 赤外観測 可視光観測 X 線観測 波長 5m 1cm 10μm 500nm 250nm 0.5nm 0.5pm 色々な波長の電磁波で、 近くの宇宙から遠くの宇宙へと探る。
R1-p3 我々の銀河系(中心部) 可視光 近赤外 ( COBE 衛 星) 遠赤外 ( IRAS 衛 星) 画像提供: NASA / ADC
R1-p4 画像: NASA 提供 赤外線で見た全天 中間~遠赤外線 (銀河座標系表示) NASA 提供
5銀河の卵ー宇宙の「しわ」 宇宙背景放射探査機 COBE によって見つかった、絶対温度2.7 K の宇宙 背景放射のゆらぎ “ 宇宙のしわ ” の図。銀河や銀河団はここから誕生した。 (画像: NASA 提供)
「宇宙のシワ」の WMAP による観測 CMB ( Cosmic Microwave Background) WMAP Wilkinson Microwave Anisotropy Probe (2001 at L2) Probe the CMB fluctuation Spectrum below the horizon scale : ~ (in terms of multipole l : l = o / l ) ~ 7 0 ~ 0.2 0
Red - warm Blue - cool WMAP Observations of the CMB
ハッブル宇宙望遠鏡による 太古の宇宙の探索 ハッブル宇宙望遠鏡 (画像: NASA 提 供) 目で見える銀河はすべて見つける
9 星をまさに作りつつある銀河がいっぱい 見つかりつつあります! 赤外天文衛星「あかり」は北黄極方向に長時間の撮像観測データを 貯めています!(左は国立天文台の「すばる」望遠鏡でとった可視 光画像) 観測波長 15 m
10 写真・ STScI ハッブル宇宙望遠鏡で見る重力レンズ銀河 団 銀河団: 100 ~ 1000 個の銀河の集団
11 銀河団にはX線で輝く高温ガスがある この高温ガスを閉じこめておくためには、暗黒物質 による重力が必要です。 あすか衛星による X 線画像 (写真 / JAXA) 可視光 髪の毛座銀河団
M101 の壮観なイメージ 12
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M101 を遠赤外線で見ると・・・ 冷たい塵 暖かい塵 あかり 遠赤外サーベイヤー
暖かい塵:赤, 冷たい塵:青 可視 (DSS R- バンド, 緑 ) & 遠紫外線 (GALEX, 明るい水 色 ) M101 の外側の方で活発に星形成:すぐそば の銀河(伴銀河)からガスがはぎとられて、 M101 の周辺にふりつもったのではないか?
天体の位置の表し方(1) 地平座標系 方位角と高度 – 観測地点がどこにあ るか、また時刻に よって天体の座標は 変わってしまう。
観測地点や時刻に依らず、天体の 位置を表すには 天の赤道:天の極軸 (地球の自転軸の方 向)に垂直な面 黄道:天球上での地 球の軌道面
天体の位置の表し方(2) 赤道座標系 赤道面と黄道は、春分 点と秋分点で交わる。 – この春分点の方向は(地 球の自転軸の傾きが一定 と思えば)ほぼ慣性空間 に固定された方向である。 – 春分点を起点に赤道に 沿って測った時角を赤経 α 、経線( α が一定の大 円)に沿って赤緯 δ (赤 道 δ = 0 )を定義する。
座標変換(地平座標 赤道座標)
天体の位置の表し方(3) 黄道座標系 春分点を起点に、黄道 に沿って黄経 λ 、経線 に沿って黄緯 β を定義 する。 黄道傾斜角 – 春分点をX軸とすると、 X軸周りに θ 0 回転すれ ば得られる
天体の位置の表し方(4) 銀河座標系 銀河赤道(天の川の 中心線)は、赤道に 対して傾斜していま す。 原点は? – 銀河中心(射手座の電 波源SgrA) (J2000) を銀経の原点とする
銀河座標系は全天画像で良く使います 近赤外線でみた全天画像 銀河円盤とバルジ(丸く膨らんだ部分)を横から見たような 姿に見えますね?わたしたちは、確かに一つの銀河の中に住 んでます。 Two Micron All Sky Survey (2MASS),
R1-p 23 大気の透過率(近中間赤外) “Astrophysical Quantities”
高度5600mまで上ると・・(1)近 赤外
高度5600mまで上ると・・(2)中 間赤外 赤が PWV=0.38mm 、青が PWV=0.91mm であり、 各々高度 5600m 、 4200m での水蒸気条件上位 10% 相当。
高度5600mまで上ると・・(3) 23 - 40 m
R1-p 27 大気の透過率(サブミリ波)
ALMAサイト(チリ、標高 5000m ) ALMA はミリ波サブミ リ波電波干渉計 (Atacama Large Millimeter / Submillimeter Array) 日、北米、欧、台湾、 チリの国際協力 – チリ北部標高 5000m の乾燥大地に 設置 – アンテナ台数: 12 m 54 台、 7m 12 台 – 波長 10 mm から 0.35 mm をカバー 2011 年 8 月から運用 開始。現在 50 台稼働。 heapa.astro.isas.ac.jp/activity/2011/heapaws11/presen/6-2saito.pdf
地上からの可視・赤外線観測の際の背景光 (1)
地上からの可視・赤外線観測の際の背景光 (2) 記号名称温度 emissivity 備考 GBT Ground-Based Telescope 273 K0.1 望遠鏡鏡面からの熱 輻射 AEAtmospheric Emission ~ 273 K1 - 透過率 地球大気からの熱輻 射 OHOH airglow--- 地球大気からの非熱 的放射 ZSL Zodiacal Scattered Light 5800 K3× 黄道面付近のダスト による太陽光の散乱 ZEZodiacal Emission275 K7.1×10 -8 黄道面付近のダスト からの熱輻射 GBE Galactic Background Emission 17 K10 -3 銀河面付近のダスト からの熱輻射 CST Cryogenic Space Telescope 10 K0.05 冷却宇宙望遠鏡での 熱輻射 CBR Cosmic Background Radiation 2.73 K1.0 宇宙背景放射