ハラール産業と ハラール認証 ©NPO Japan Halal Association All rights reserved 1.

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ハラール産業と ハラール認証 ©NPO Japan Halal Association All rights reserved 1

背景 ・世界人口のうち 18 億人 、 約 4 人に 1 人がイスラー ム教徒である 。 ・アジア地域に 10 億人以上が偏在 。 ・ 1400 年以上前に成立 、 六信五行 ( 実践の宗教 )。 e.g. 礼拝 、 断食 、 巡礼 ・季節性はないが 、 イスラム暦にそって 、 イベントが 発生 。 経済活動にも大きな影響 ・イスラーム特有の連帯意識 平等性 、 同朋意識 (e.g. FB での拡散の速さ 、 共有の越境性 ) ・イスラーム教徒のエンターテイメント性 / 非エン ターテイメント性 共有 、 信頼 、 公平 、 合法 、 伝統 、 誠実さ / 逸脱 、 裏 切り 、 華美 、 不平等 、 革新性 2

世界のハラール産業  ハラール産業 、 ハラール認証に 、 まったく関心のない 国も多い 。 ( エジプト 、 チェニジアなど )  ムスリムと非ムスリムが混在している国家ほどハラー ル製品に対する関心は高い 。  製造業とマーケットを持つ国 ( マレーシア 、 インドネ シアなど ) の経済成長 。( 中間所得層の増大 ) 3 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

世界のハラール産業市場規模  食品 : 畜産 、 農業 、 加工食品  飲食 、 ケータリング  医薬  化粧  皮革  アパレル  教育  金融  旅行 FMCG(Fast Moving Consumer Goods) 食品と畜産だけで市場全体の 62% を占める USD2.3trillion Value 4 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

非イスラーム国でのハラール産業規 模 インド 1.4 億人中国 4000 万人米国 800 万人フィリピン 600 万人フランス 600 万人英国 150 万人カナダ 80 万人ドイツ 300 万人 5 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

ハラール化 ( ハラール認証を 取得 ) した大手企業の例  ケンタッキーフライドチキン 、 マクドナルド 、 ネスレ 、 テスコ 、 クイックバーガー 、 バーガーキング 、 カリフォー ( カルフール ) 等  キューピー 、 味の素 、 ヤクルト等 6 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

イスラーム市場での成功事例 ・ 「 価値観の共有 、 仲間意識の醸成 」( フェイスブック ) 元々 、 同朋意識が強いイスラム圏では SNS は非常に親和性がある 。 ・ 「 ラマダンに潤いを与える 」( 水はイスラームに象徴的なイメージ ) 断食期間の効果的な PR でイスラム圏で爆発的な普及 ( 大塚製薬 ) ・ 「 娘に伝統を身につけさせたい 」 イスラームの規範に則った理想的な人形 ( シリアのおもちゃメーカー ) ・ 「 イスラーム教徒のライフスタイルに合った携帯 」 イスラームバリューに訴えかける商品開発 ( Nokia, LG ) ・ 「 ハラール ( 合法な ) に則った旅行の提供 」 礼拝 、 食規定をクリアした旅行商品の提供でニッチ市場での成功 ( ミヤコ国際ツーリスト ) 7

マレーシアのハラール基準  政府機関がハラールスタン ダードを確立 。 (Development of standard Malaysia)  ハラール認証を促進 。 (JAKIM)  ハラール教育を国内で実 施 、 海外でも自国の認証や ハラールの浸透を計って実 施している 。( HDC)  自国のハラール製品を海外 へ輸出斡旋 。 (MATRADE) 8 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

ハラール認証 ( 定義 )  ハラール基準 ( ハラールスタンダード ) に基づき監査 され 、 ハラールであることが証明される事 。  通常は 「 ハラール認証団体 ( 機関 )」 (Halal certification body : CB) によって監査される 。  監査はあくまでも 、 各ハラール認証機関のハラールス タンダード 、 監査人によるものであり世界統一基準 はない 。  通常ハラール認証は 1 年間で更新を必要とする 。  通常ハラール認証は各製品ごと 、 工場ごと店舗ごとに行 われる 。 9 ©NPO Japan Halal Association All rights reserved

ハラール認証 ( 定義 )  生産地から消費者までの全工程についてハラール基準 に基づき 、 すべての製造流通過程 ( 肥料 、 屠畜 、 動物 愛護 、 衛生 、 加工 、 倉庫管理 、 輸送 、 社内ハラール取 り組み等 ) を第三者機関 ( ハラール監査団体 ) が確認 し 、「 ハラール製品 」 認証し 、 消費者が安心して消 費 、 摂取する事ができるようにする事 10 ©NPO Japan Halal Association All rights reserved

マレーシアのハラール認証  ハラール認証を政府 機関が運営 。  ウラマー委員会 、 ファトワ委員会も同 機関内に設置されて いる 。 11 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

ハラール認証 ( 認証書 )  通常の有効期間は 1 年間 。  期間中に監査 1 回 ( 以上 ) 海外では 抜き打ち監査 。  必ずアラビア文字の 「Ha l al」 認証取得後は毎年更新手続きが必要 。 12 ©NPO Japan Halal Association All rights reserved

ハラール認証が必要になった訳  ハラールは単純であるが 、 ハラール産業は複雑化して きている 。  テクノロジーの発達から食品加工において原材料の特 定が難しくなっている 。  ムスリムにとって食品を一目でハラールだと確認する ことが難しくなっている 。  ムスリムの間で消費者としてハラール食品を見分ける 方法を高める意識が生まれた 。 13 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

ハラール認証が可能にする事 ムスリムにとっての食の安心・安全の確保  製造される製品がハラールであり 、 ハラームな素材を 含んでいないことを確認できる 。  ハラール食品の製造 、 流通 、 販売において 、 虚偽の情報 から消費者を保護する 。  ハラール食品のグローバルな取引を促進する 。  他宗教が混合する国では大変重要 。  ハラール食品の信頼性を高める 。 14 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

ハラールフードチェーン 農場 原料 ・動物 ・植物 加工 処理 食肉処理等 単位工程 / プロセス * 予備処理工程 * 加工工程 * 保存処理工程 * 製品化工程 食材・添加物 調整 包装 貯蔵 輸送 貯蔵・販売 消費者 15 ©NPO Japan Halal Association-All rights reserved

ハラール認証制度の発展過程 ( 年代 )  1980 年から 2000 年代にかけて 、 多品目 、 多分野に認証の範囲が 拡大 → 生産から小売りまで全ての段階 をハラールにする  多品目・多分野への拡大 → 食品だけでなく 、 化粧品 、 医薬 品にまで認証の範囲が拡大 16 ©NPO Japan Halal Association All rights reserved

イスラーム経済の 動向 17

18

増加するムスリム人口  現在のムスリム人口は 16 億 ~18 億  2030 年までには世界人口の 35% にまで増加  アジア地域でムスリム人口の 60% を占める 中東地域では 20%, アフリカで 15% ほど 46

ムスリム人口 上位 5 カ国 2010 年の推計 ( 億人 )  インドネシア 2.04  パキスタン 1.78  インド 1.77  バングラディシュ 1.48  エジプト 0.8 2030 年の推計 ( 億人 )  パキスタン 2.56  インドネシア 2.38  インド 2.36  バングラディシュ 1.87  ナイジェリア

イスラーム圏における食肉 消費の変容 年代以降、中東諸国と 東南アジア(特にマレーシア)で 鶏肉の消費が顕著に増加 和牛輸出ハラール対応屠畜場 必要

台頭するイスラーム経済 ① 22 49

台頭するイスラーム経済 ②  イスラーム金融  ハラールツアー・ハッジ経済  ハラールサービス  シャリーアコンプライアント 23 50

ハラール産業  1980 年代後半から 、 勃興  イスラーム法に則った食品 、 化粧品 、 医薬品 の生産 24 51

ハラールパーク ( 農水産物ハラール加工特区 ) 25 52

ハラールパーク ( ハラール復興特区 ) 26 53

イスラーム経済と日本の産業  食品 、 医薬品 、 化粧品  包装 、 配管 、 陶器  金融 、 物流 、 投資 例 ) Cambridge Engneered Solutions ( 鉄ベルトメーカー ) 食品だけでなく 、 素材までイスラーム対応が求められる 27 54

【 なんばで天ぷら・まぐろの刺身を堪能するマレーシア人観光客 】 28

【 大阪の梅田近辺でハラール対応の食事をとるマレーシア人観光客 】

【 神戸モスクで礼拝をするマレーシア人の観光客 】 30

日本のハラール産業  食品から 、 鉄メーカー 、 化粧品 、 包装材までありとあらゆる 分野にニーズが発生  日本国内で今後最もニーズが大きい分野はツーリズム 、 フードサービス  空港 、 主要駅周辺 、 学食 、 病院食 、 グローバル企業の社食 、 拘置所での食事 例 ) サムソン 、 社食でのハラールミール開始 31

某ホテルのレセプション メニュー  サラダバー  大正海老のチリソース  ミックスサンド → ハム ×  ベークドポテト  チキンのトマト煮込み → ハラールチキン ○  ビーフカレー → ハラールビーフ ○  プリン → ゼラチン ×  季節のフルーツ盛り合わせ 32

調理場の確認 33 大阪キャッスルホテル ・ハラールミート ○ ・味醂・料理酒 × ・酒精添加・醤油・味噌 × ・天ぷら粉 ( 乳化剤 ) ×

ハラールチェックシート 34

原材料の確認 35 大阪キャッスルホテル

USJ でのメニュー例 ( 弁当会社との協力 )  白米  シャケ ( 焼き )  キンピラゴボウ ( 材料 : ゴボウ 、 ニンジン )  調味料 : ミリンの替わりに砂糖 、 鷹の爪 、 代替の醤油 )  天ぷら ( 材料 : レンコン 、 ナス 、 インゲン 、 キス 、 エビ 、 小麦粉 、 植物油 )  だし巻き ( 砂糖 、 かつお昆布だし ) 植物油  季節のフルーツ : いちご 36

ハラール対応の難易度 高 低 フードサービ ス 加工品素材 37

結論 ・ イスラーム圏での新たな産業の発生 ・日本からの参入が遅れている ・イスラームへの理解が急務 ・イスラミックマーケティングの専門家 の養成 、 ムスリムの雇用の促進が課題 38 65

ご清聴ありがとう ございました ©NPO Japan Halal Association All rights reserved 〒 大阪市平野区西脇 ミヤコ三愛ヒ ゙ ル T : F : E W: 66