29.10.2002 産業知識マネジメント 産業知識マネジメント Week.4 方法論 (情報と知識・知識創造・プロトタイピング) 先端経済工学研究センター 馬場靖憲.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
キー・コンピテンシーと生きる 力 キー・コンピテンシー – 社会・文化的,技術的道具を相互作用的に活用する力 – 自律的に行動する力 – 社会的に異質な集団で交流する力 生きる力 – 基礎・基本を確実に身に付け,いかに社会が変化しようと, 自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え, 主体的に判断 し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力.
Advertisements

CMU2005 海外エンジニアリングワークショップ参加報告書 1 「真の要求を見極めろ!」: teamB 要求定義をどう捉えるか ● 要求定義とは何か? 製品には、顧客の望むことを正しく反映させる必要がある。 そのために必要なものが要求仕様である。 すなわち、要求仕様とは、顧客と製品を結ぶものであり、これを作ることが要求定義である。
社会システム論 第 1 回 システムとは何か 大野正英 経済学部准教授. この授業のねらい 現代社会をシステムという視点から捉 える。 社会の複雑さをシステムというツール を用いることによって、理解する。
人間行動と 行動科学 2014 年 7 月 1 日 人事労務管理論A(第 11 回 目) LT1011 教 室 LT1012 教 室.
基礎セミナーA あなたが起業すると考えよう
Critical Concept・戦略的コンセプト創出の ダイナミック連鎖モデル
IT企業における 知識経営の推進方法とメトリクス
組織の経営学 第1章 ニモ・クルー・からあげ.
富山大学教育学部 附属教育実践総合センター 助教授 小川 亮
マーケティング戦略の決定.
第三章要約 りんご.
組織の経営学 第八章要約 ~イノベーションと変革~
「存在の肯定」を規範的視座とした作業療法理論の批判的検討と 作業療法・リハビリテーションの時代的意義 田島明子
8章 行動を起こすためのガイドライン B班 晒名・宮川・高松・松岡 /26.
情報処理学会・経営情報学会 連続セミナー第3回 情報システム構築アプローチ 主旨
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
SCMのためのITマネジメント 先端的グローバル・ビジネスと ITマネジメント
ラーニング・ウェブ・プロジェクト(Learning Web Project) -自立・共愉的な学習ネットワークの形成に向けて-
3.労働時間の弾力化と課題 ◇新しい労働時間制度の導入◇ ◇弾力的な労働時間制度とは◇ 1987年、93年、98年
経営学特講 第3章 組織構造の構築   法政大学教授  洞口治夫.
“いじめ現象”の形式構造を探る ~人工学級のMulti-Agent Simulation~
アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書
どこで、何を使って?(準備物と場の設定)
教師教育を担うのは誰か? 日本教育学会第70回大会ラウンドテーブル 2011年8月24日 千葉大学 2108教室
知性の一般認識と 認知心理学における定義の相違
SS2009 形式手法の適用ワーキング グループの報告
パネル・ディスカッション:キーノート・スピーチ 「イノベーション推進のための社会的仕組み」 東京大学先端科学技術研究センター 馬場靖憲
マーケティング戦略の決定.
アンリ・ベルクソン Henri Bergson (1859~1941)
ヘルスプロモーションのための ヘルスリテラシーと 聖路加看護大学『看護ネット』
2018年10月開講 サテライト・イブニング・カレッジ 受講生 募集 琉球大学が取り組む 社会人のための 人材育成プログラム 地方 × 創生
Value Engineering の 紹介 経営学部 教授 吉 井 康 雄 2001年12月14日.
人工知能特論2007 東京工科大学 亀田弘之.
シミュレーション論 Ⅱ 第15回 まとめ.
麗澤大学 国際経済学部 国際経済学科4年 下田ゼミ 網澤隆之
輪読 第一章 「いろいろな組織の捉え方」 GO 2018/11/17 フッター.
ISO 9001:2015 The process approach
経済学部 岸本寿生 社会科学への誘い 経済学部 岸本寿生
The 30 Years with HBR 90年代 組織学習とビジネスモデルの時代
品質実施作業部会(Q-IWG) 現状と最新情報
麗澤大学 国際経済学部 国際経済学科4年 下田ゼミ 網澤隆之
平成25年3月27日(水) 東京工科大学 コンピュータ蓑寝椅子学部 在学生ガイダンス
ソーシャルワークの価値と倫理 ~国際ソーシャルワーカー連盟の議論を踏まえて~
社会シミュレーションのための モデル作成環境
初回授業オリエンテーション 理科(生物) 大野 智久.
- APCDⅡにおけるSbKM - 障害分野におけるナレッジ・マネジメント導入の試み 2009年9月27日 新関 良夫(ニイゼキ ヨシオ)
第60回 北海道小学校長会教育研究 宗谷・稚内大会
日韓比較労使関係論 2 労使関係論.
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
アップデート 株式会社アプライド・マーケティング 大越 章司
競争の戦略 マイケル・E・ポーター 藤井 海太.
『組織の限界』 第1章 個人的合理性と社会的合理性 前半
デジタルアーカイブ専攻 コア・カリキュラム構成の設定と学習内容・行動目標 デジタル・アーキビスト の養成 育成する人物像 入学前課題
理論研究:言語文化研究 担当:細川英雄.
「リゾーム」 ドゥルーズ、ガタリ そして今田高俊
システムズシミュレーション 樋口良之 主な研究分野 予定卒論テーマ 履修しておいてもらいたい科目 アピール
INTRODUCTION TO SOFTWARE ENGINEERING
株式会社デュナミス コーディネータGrの 提供できることカタログ お客様の新事業への サポートを通じて 組織の成長をお手伝い。
北大MMCセミナー 第68回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年6月15日(木) 16:30~18:00
Lecture2 体育・スポーツ経営とは p.16
生活綴り方の生活指導 コミュニケーションの形成.
CSR 5 すぅ.
新製品開発戦略.
図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
文脈 テクノロジに関する知識 教科内容に関する知識 教育学 的知識
ソーシャルコミュニケーション研究室 仲谷 善雄.
イノベーションと異文化マネジメント(P17~P35) 質問・コメント・問題提起
P2Pによる協調学習システム 唐澤 信介   北海道工業大学 電気工学専攻.
データ・ベース・マーケティングの概念.
Presentation transcript:

産業知識マネジメント 産業知識マネジメント Week.4 方法論 (情報と知識・知識創造・プロトタイピング) 先端経済工学研究センター 馬場靖憲

産業知識マネジメント 科学に対する異なった見方 Bruno Latour, “Science in Action”

産業知識マネジメント Bruno Latour, “Science in Action”

産業知識マネジメント Bruno Latour, “Science in Action”

産業知識マネジメント Bruno Latour, “Science in Action”

産業知識マネジメント Bruno Latour, “Science in Action”

産業知識マネジメント 設計者に対する現代の課題 既存の製品・サービスにおける効率の 向上から新しい価値基準の発見とそれ に基づいた新製品・サービスの提案 コンピュータ支援環境の向上 ⇒デジタル価値創造の実現

産業知識マネジメント パラダイム・シフト 「現場・現物」の人工物 ⇒ モノとして表現される「システム化知識」 ⇒ 知識を再利用する 企業によって開発され完成された製品 ⇒ 開発思想を提案し社会に育ててもらう製品 ⇒ 曖昧さから学ぶ (あたりまえからのフシギ発 見) 環境要因を外部化した製品 ⇒ 開発要因を内部化した製品 ⇒ 社会ニーズを盛り込む

産業知識マネジメント イノベーションの実現 : シュンペーターの新結合の起源はパレートの combinazione : 新しい組合せを見つけ出そうとする意欲,本能,発明 の才能,工夫力,独創性,構想力 イノベーションの担い手:エンジニアとブリコレール (直観・想像・知覚を駆使して「何でも手で器用に作る 人」) 依拠する思考パターン 知識 (モノゴトを実践する能力として,外在化された知識の 利用) 知性 (モノゴトを実践する能力として, リアルタイムでの知 性の実現) 特定の場所・時間に生起したブリコレールによる知性の ひらめきが変化への組合せを誘導する

産業知識マネジメント 知性の定義 「知性は,蓄積され,構造化されうる知識や 情報とは大きく異なり,それは,蓄積されるこ とのなく,有効に機能する瞬間にのみ威力を発 揮する力である.構造的に蓄積された知識は, ともすれば変化を恐れるが,知性は潜在的に萌 芽としてあるものを顕在化せしめるものだとい う意味で,本質的に変化を誘発する運動であ る.・・・知性は,ある対象構成する要素のう ちで何が可変的であり,何が不変的であるかを 識別し,変化にふさわしい組合せを予測する組 み合わせを予測する力なのである.その意味で, あらゆる知性にはいくばくかの賭けの要素が含 まれているというべきであろう.」 蓮實重彦,「東京大学卒業式における総長告辞」「学内広報」 No.1122, , p3

産業知識マネジメント 知識創造とは何か: 野中理論 図 3 - 1 組織的知識創造の2つの次元 知識の存在論的レベル 認識論的次元 形式知 暗黙知 個人 存在論的次元 組織グループ組織間

産業知識マネジメント 共同化 Socialization 表出化 Externalization 内面化 Internalization 連結化 Combination 図 3 - 2 4つの知識変換モード 形式知 暗黙知

産業知識マネジメント 共同化表出化 内面化連結化 図 3 - 3 知識スパイラル 対話 場作り 形式知 の結合 行動による学習

産業知識マネジメント 共同化 (共感知) 表出化 (概念知) (操作知) 内面化 (体系知) 連結化 図 3 - 4 知識スパイラルと内容の変化 対話 場作り 形式知 の結合 行動による学習

産業知識マネジメント 知識創造とは何か: J.S.Brown 理 論 J.S.Brown, Bridging Epistemologies: The Generative Dance Between Organizational Knowing

産業知識マネジメント J.S.Brown, Bridging Epistemologies: The Generative Dance Between Organizational Knowing

産業知識マネジメント J.S.Brown, Bridging Epistemologies: The Generative Dance Between Organizational Knowing

産業知識マネジメント 共創を生み出す場の実現 自由な人間の自然発生的協力(ハイエ ク) 共通目的 + 異質 + 平等(自由闊達) 共創の核:小集団による「全意識活 動」 (トランスコーポレーショ ン) ⇒ある意味で企業文化の革命が必要

産業知識マネジメント 製品分野ごとの 共創の「場」の類型化 工業製品分野(機能の追求)の場合 ⇒オーケストラによるコンサート・モデル デザイン志向製品開発(感性の追求)の 場合 ⇒ジャズ・モデル

産業知識マネジメント オーケストラによるコンサート・ モデル 前提:プロフェッショナルによる業務の遂 行 指揮者は何を指揮するのか? 要求される目的は,一糸乱れぬ演奏? ⇒指導者に要求されるのは, 1. 暗黙のうちのリーダーシップの発揮 2. 掛け声を出すタイミング 3. その行動を通じて,集団の独自性と精神性の明確化

産業知識マネジメント ジャズ・モデル ジャムセッション: お互いの演奏を聴きながら演奏の質を高める (他のプレイヤーの演奏に含まれる何かしらの「驚 き」によって触発された個々のプレイヤーの反応の 集積) 本当にフリーか? ⇒ 開発プロセス進行に一定のワクを人間の必要性 感性的製品の場合,一人の人間が評価を行う

産業知識マネジメント References 日本機械学会誌, vol.102,No.965,1999 年 4 月 馬場靖憲,デジタル価値創造, NTT 出版, 1998 年 ハイエク,フードリッヒ, “ 社会における知識の利用 ” , 嘉治元郎,佐代訳,「個人主義と経済秩序」,春秋社, 1990 年 ミンツバーグ,ヘンリー, “ ポスト・エンパワーメン ト:真のプロフェッショナル組織を活かすリーダーシッ プ ” ,ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス, vol.24,No.3,1999 年 5 月,pp D.Schon, “Reflective Conversation with Materials” in T. Winograd, Bringing Design to Software, ACM Press, 1996.

産業知識マネジメント 情報と知識: InfoSense by Devlin Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”

産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”

産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”

産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”

産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”

産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”

産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”

産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”

産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge”