第8回 商事関係法. 前回の内容 商号とは 類似商号規制の撤廃 類似商号の事例研究 名板貸って 名板貸の事例研究.

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第8回 商事関係法

前回の内容 商号とは 類似商号規制の撤廃 類似商号の事例研究 名板貸って 名板貸の事例研究

プライバシー侵害?( 128 頁~) 商業登記法について( 162 頁~) 商業登記とは 私たちが商人と取引する場合、取引上重要な事項を知 ることができれば、安心して取引関係に入ることがで きます。また、商人の側にしても、一定の事項を公示 することによって自己の信用を増すことができます。 会社の目的・商号・本店 及び支店の所在地・資本 金の額・新株予約権・取 締役の氏名など 円滑に取引ができるように

個人では得られない法人のメリット 個人事業より会社経営 会社にすると社会的信用アップ 倒産したときの責任の重さが違う たとえ赤字でも給料はもらえる 会社にすると税金面でも有利 会社には相続税がかからない 経費の認められる範囲が広い

考えてみよう! 個人商店 A は「たけ屋」という商号で営業 を営んでいたが、今度これを「合名会社 たけ屋」と変更し、同時に従来の支配人 B を解任して、あらたに C を支配人とした 。しかし、いずれもその登記はなされて いなかった。 B は、これをいいことに「合名会社たけ屋 支配人」という名義で、銀行から融資を 受けた。

たけ屋 商業登記の対抗力 合名会社たけ屋 旧支配人 B 商号変更・支配人の変更 未登記 融資を受ける 新支配人 C 支配人 B

新商法8条(通則) この編の規定により登記すべき事項は、 当事者の申請により、商業登記法の定め るところに従い、商業登記簿にこれを登 記する。

新商法9条(登記の効力) ①この編の規定により登記すべき事項は 、登記の後でなければ、これをもって善 意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事 由によってその登記があることを知らな かったときは、同様とする。 ②故意又は過失によって不実の事項を登 記した者は、その事項が不実であること をもって善意の第三者に対抗することが できない。

商業登記の 一般的効力 商業登記の対抗力 消極的公示力 積極的公示力 登記すべき事項は登記しなければ、 善意の第三者に対して、その事実を 主張できない 登記事項を登記した後は、その事実 を善意の第三者に対しても主張でき る 「善意」って何?

「善意」とは、第三者が取引の当時、登 記事項である当該事実を知らなかったこ と(過失の有無は問わない) 悪意の第三者 立証責任

謄本と抄本の違いは・・・ 戸籍謄本とは、戸籍内容(夫婦と子供全 体など)を写したもの 戸籍抄本とは、戸籍内容の一部(一人な ど)を写したもの 結婚すると、新たに戸籍を編製するため、 その父または母の戸籍とは別になります

不実登記の対抗 事実は不存在 不実 公信力 + 登記

新商法9条(登記の効力) ①この編の規定により登記すべき事項は 、登記の後でなければ、これをもって善 意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事 由によってその登記があることを知らな かったときは、同様とする。 ②故意又は過失によって不実の事項を登 記した者は、その事項が不実であること をもって善意の第三者に対抗することが できない。

会社法908条(登記の効力) ①この法律の規定により登記すべき事項 は、登記の後でなければ、これをもって 善意の第三者に対抗することができない 。登記の後であっても、第三者が正当な 事由によってその登記があることを知ら なかったときは、同様とする。 ②故意又は過失によって不実の事項を登 記した者は、その事項が不実であること をもって善意の第三者に対抗することが できない。

A 有限会社は、商号を B 株式会社に変更し 、新たに Y が代表取締役に就任したが、商 号変更及び代表取締役就任の登記はなされ ていなかった。 その後、 Y が「 B 株式会社代表取締役 Y 」名 義で約束手形を振り出した場合、その手形 の所持人 X は、 商号登記の対抗力

A 有限会社 商号登記の対抗力 代表取締役 Y X 商号変更・代表取締役 Y 未登記 約束手形振出し B 株式会社 支払人 受取人

会社法907条(通則) この法律の規定により登記すべき事項は 、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託 により、商業登記法の定めるところに従 い、商業登記簿にこれを登記する

会社法7条(会社と誤認させる名称等の 使用禁止) 会社でない者は、その名称又は商号中に 、会社であると誤認されるおそれのある 文字を用いてはならない。

会社法908条(登記の効力) ①この法律の規定により登記すべき事項 は、登記の後でなければ、これをもって 善意の第三者に対抗することができない 。登記の後であっても、第三者が正当な 事由によってその登記があることを知ら なかったときは、同様とする。 ②故意又は過失によって不実の事項を登 記した者は、その事項が不実であること をもって善意の第三者に対抗することが できない。

類似商号の事例 更科 更科信州家 「更科」と「更科信州家」の両商号が類似商号 に該当するか否かが争われた事案

テナント契約の名板貸の事例 スーパーがペット販売店をテナント店として入居させ・ 経営させていたところ、ペットショップからオウム病菌 に感染したインコを購入した消費者がオウム病に羅患し 死亡した事例において、スーパーに対して責任追及でき るかが問題となった

会社法8条 ①何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤 認されるおそれのある名称又は商号を使用してはなら ない。 ②前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって 営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがあ る会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害す るおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を 請求することができる。 テナント契約の名板貸の事例 会社法9条(自己の商号の使用を他人に許諾した会社 の責任) 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人 に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと 誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と 連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責 任を負う。