経営科学概論 ( 2013 年度~入 学) 経営科学Ⅰ (~ 2012 年度入学) 経営学系 山下英明 3 号館 4 階 413
オペレーションズ・リサーチ( OR )とほぼ同義 現象を抽象化した数理モデルを構築し, モデル分 析に基づいて種々の問題, とりわけ意思決定問題 の解決を支援する方法論や技法の総称. 情報化社会の進展に伴って, 線形計画法に代表さ れる最適化モデルや待ち行列理論に代表される確 率的なモデル等, 多様なモデルに基づく分析が, 経 営計画や生産・販売・財務等の企業意思決定や都 市・公共システム等広く社会一般の問題解決に大 きな役割を果たしている. OR 事典 Wiki ( 日本オペレーションズ・リサーチ学会 HP) 経営科学(マネジメント・サイエ ンス)
システムを効率的に運用するための科学的方法 数理計画 シミュレーション 待ち行列 信頼性・保全性 生産・在庫・ロジスティクス 都市システム・公共システム マーケティング 金融工学 ゲーム理論 経営科学(マネジメント・サイエ ンス)
「駅探」乗り換え案内エンジンの開発 乗車時間,料金,乗り換え回数等基準様々 多様性のある解を提示することが必 要 約 1 万の駅を含むグラフでモデル化 平均所要時間のデータから MPS 法,ダイク ストラ法を用いて 500 ~ 1000 通りの経路を 求める 時刻表を適用して時間の精度向上,料金計 算 ユーザの優先度に合わせて候補を提示 1997 年首都圏版から 2001 年全国版に拡張 OR の適用事例
経営科学のアプローチ システム(問題)のモデルを構築し、数 理的に解析することにより,最適な解決 策を見出す 現実の世界モデルの世界 システム 対象問題 モデル 解析結果 システム に適用 モデル化 結果解釈 設計・管理解析
資源配分問題 人員,資金,施設を要する活動1と活動2を行う機関が ある. それぞれの活動を1単位行うのに必要な資源 活動1 活動 2 利用可能量 人員の必要量(人・時間) 資金の必要量(万円) 施設の必要量(台・時間) 活動1を1単位実行したときの効果は 9 万円 活動 2 を1単位実行したときの効果は 4 万円. このとき,効果を最大にする活動1,活動2の活動量は?
線形計画問題 目的関数 制約式
単体法 傾き - 9/4 (2,5) (5/2,9/2) 多面体の頂点に必ず最適解がある 隣接頂点の中で目的関数値が増加する頂点に移動 実行可 能領域
輸送計画問題 3箇所の倉庫から5つの営業所に製品を輸送する. それぞれの倉庫・営業所間の輸送費用,各倉庫の供 給量,各営業所の需要量は このとき,総輸送費が最小となる輸送計画は? 営業所 1 営業所 2 営業所 3 営業所 4 営業所 5供給量 倉庫1 倉庫2 倉庫3 需要量
プロジェクト選択問題 雇用対策プロジェクトの候補が4つある. それぞれのプロジェクトの雇用創出人数と予算 プロジェクト 雇用創出人数(百人) 資金の必要量(億円) 総予算は 6 億円 どのプロジェクトを選択すれば,総雇用創出人 数を最大にできるか?
0-1整数計画問題 ナップサック問題
分枝図 0 2 1 3 8 × 9 × 7 × 8 × ×× ××
プロジェクト数と選択組み合わせ 総数 組み合わせ総数 =2 の ( プロジェクト数 ) 乗 指数関数的増大 組み合わせ爆発 プロジェク ト数 組み合わせ総数
最短経路問題 始点から各点まで最短の距離でいける経路(パス)は? 点 枝 13 24 5 始点 3 3 2 5 73 2 距離距離
最大流問題 始点から終点まで流すことができるフローの最大値は? 点 枝 13 24 5 始点 4 6 5 7 1010 8 3 容量容量 終点
修得できる知識・能力 数理計画問題とその解法 → 実際に自分で考えて問題を解く 論理的思考力,総合的問題思考力 → 各解法が論理的に正しいか、問 題 の本質がどこにあり、それを如 何に 解決しているかを整理する訓練 コミュニケーション能力 → グループで協調して課題を実行
授業方法 黒板を使用 進行速度を抑制,理論展開を明確化 各自考える時間を設ける 「ある事柄が成立する理由」や「どの 方法 が効率的であるか」など 問いかけの回答を数行でまとめる演習 グループワーク 最適化問題のモデル化, Excel による 求解
授業時間外学習 課題 2 週間に 1 度程度 次回の授業冒頭に提出,回答を説 明 試験前にまとめて返却 演習問題 各自で実行,後に回答を配布 試験問題 昨年の試験問題を配布,回答なし
成績評価方法 期末試験 課題演習問題と類似の問題が大部分 本質的理解を要する問題も加える 成績評価方法 課題合計点 30% グループワーク 20% 期末試験 50% 2014 年度の成績分布