景気指標について 06F0821 黒川洵樹 1
はじめに 今までGDPの意味を知っていたとしても、 それが何を示しているかは知りませんでし た。 これを機に、GDPなど指標の意味を再確認 し、日経新聞の景気指標を基に各指標のつ ながりを調べてみたいと思います。 2
目次 GDP 物価 諸外国の指標 3
GDP(国内総生産) GDPとは、 「ある一定期間、国内で新 たに生産されたモノやサービスの付加 価値の合計」 といわれています。 国内で新たに生産された ・・・輸入品は含まない 付加価値 ・・・仕入れ代金は含まない 4
「名目」と「実質」 名目GDP ・・・実際に計算した金額 実質GDP ・・・名目GDPをある年の貨幣価値でみ た場合の金額 つまり 5 名目 実質 インフレ 名目 実質 デフレ
GDP=民需(消費と投資)+政府支出 +貿易収支 これには、 1. 民需 = 消費支出、法人企業統計、機械受注 2. 政府支出 = 公共事業請負金額 3. 貿易収支 = 貿易・通関 の指標が大きく関わってきます。 そこで、さらにそれらの指標と関連性の強い 指標を紹介しながら説明したいと思います。 6
民需 消費支出 2 人以上の世帯を対象に、 1 世帯当たりの モノやサービスの支出金額平均値 GDPに占める割合が一番多く、日本で はGDPの 55 %が消費支出によって賄われ ている。 7
・現金給与総額 一人当たりの年間総額 給料+残業代+ボーナス ・所定外労働時間 ・常用雇用指数 パートも含む ・有効求人倍率 ・完全失業率 職はないが働く気がある人 8
法人企業統計 資本金 1000 万円以上の企業(金融、保険会 社除く)を対象に設備投資と営業利益の伸 び率が掲載してあります。 ・設備投資 企業が有形固定資産に投資した金額 GDPの 15% を賄い、 5 年の景気サイクルは、 設備投資の 5 年サイクルに同期しているとい われています。 9
機械受注 これは先ほどの設備投資に似た指標ですが、 製造企業が受注をした段階で計算に入るの で、これからの設備投資を予測する先行指 標とされています。 ただし、船舶や電力会社の発注は除かれて います。それは、あまりにも投資金が多く、 1 つの受注があるかないかで指標が大きく変 わってしまうからです。 10
・日銀短観業況判断(DI) 製造業と非製造業に分かれています。 DI = 景気がいいと答えた企業の割合 -景気が悪いと答えた企業の割合 ⇒良し悪しの度合いがわからない ・景気動向(CI) 景気の良し悪しに加え、その度合いや改 善・悪化の量がわかるようになっています。 先行指数 一致指数 遅行指数 11
公共事業請負金額 正確には公共工事前払保証の対象請負額 保証事業会社協会という政府が発注した公 共事業の約 75% を保証している協会が発表 しています。 12
・M 3 増加率 M 3 = 現金+預金 +高額定期預金証書を除く定期預金 +その他個人貯蓄 ・マネタリーベース 現金通貨+日銀当座預金 ハイパワード・マネーともいいます。 国債を買い取り、マネタリーベースを増や す政策を量的緩和政策といいます。 13
貿易・通関 注意すべき点 ・円相場 円高による貿易額の目減り ・貿易収支 2008 年の貿易赤字 ・貿易額 7 兆円台あった輸出額が 3 兆円台に 14
・国際収支 経常収支と資本収支と外貨準備増減に分か れます。 経常収支 ・貿易収支 ・サービス収支 etc 資本収支 ・直接投資 etc 外貨準備増減 15
物価 物価には大きく分けて 1. 消費者物価 2. 企業物価 3. 輸入物価 の 3 つがあります。 16
消費者物価指数 国内のモノとサービスの小売価格の水準 生鮮食品を除いているのは、値動きが激し いためです。 企業物価指数 国内企業が取引するモノの価格の水準 サービスは 企業向けサービス価格指数 輸入物価指数 輸入したモノの価格の水準 17
18 資源インフレによる輸入物価指数の増加 企業物価指数の増加 販管費の削減消費者物価指数の増加 需要ギャップ 広告費 の削減 給料の 削減 設備投資 の抑制 消費の 減少 投資の 減少 民需の減少
諸外国の指標 日経新聞には国内以外の指標もあり、 米国 1 段と米国・ユーロ圏・アジアを 週替わりに 1 段の計 2 段分の諸外国の指 標がある。 今回は米国の注目すべき指標をみてい きます。 19
GDP 米国は最大の経済国であり、GDPは日本 の 3 倍近く、世界の 25% もあります。 個人消費 米国GDPの約 70% を占め、世界のGDP でも、約 18% を占める巨大な消費 この消費を見るにあたって、住宅着工や自 動車販売などの指標を共に確認するとよい でしょう。 20
雇用統計 米国では日本と違い、景気が低迷すると人 減らしをするので、特に非農業部門の失業 率は景気のわかりやすい指標だといわれて います。 貿易収支・通関 2008 年~ 2009 年で貿易額が半減 うち対日でも半減 ⇒日本の貿易赤字 21
終わりに 予想外に多くの指標があり、全てを説 明することはできなかったが、それだ け多く、全世界的に絡み合っていると いうことが分かった。 今回は語句説明がほとんどだったので、 次回は実際の事例と絡めながら学んで いきたいと思いました。 22
参考文献 日経新聞の数字がわかる本 小宮一慶 日経BP社 2009 年 NIKKEI NET その他 23